2008/05/30

(No.471): 孤高のドラム


気が付くとドラム練習をここ2週間ばかり休んでいた。
その間、deweyでのスタジオ練習でスティックは握っていたが
粛々と執り行う孤独なルーディメンツ練習は
やっていなかった。

ドラム演奏をある水位で維持させるためには
練習に次ぐ練習が不可欠と聞く。
プロのドラマーでさえも日々練習を怠らないという。

筆者にとってドラム練習とは
どうにでも形が変えられる若年期ならいざ知らず
齢四十も半ばとなれば、それは45年間の間に
取り憑かれた雑駁との戦いでもある。

久々に、左右のダブルストロークRRLLRRLLと
シングルパラディドルRLRRLRLLをやる。

左右ダブルストロークのBPMを速い速度まであげていく。
今まで出来なかった高速BPM(数値は不明)での
左右交互のダブルストロークが出来るようになっていた。

忽然とコツが明らかになる。
それは、数多掲示板やSNSなどで語り尽くされている
リバウンドの制御という一点について
その言葉としての表現が一気に体感できたという一瞬である。

そういうことだったのか。
理屈ではない。
全ては体が覚えることなのである。
キモは薬指と小指である。

シングルパラディドルという初歩のルーディメンツについては
しかし、まだ安定性がない。
叩く順番やアクセント位置などは流石に体には染み付いたようで
無意識に動くのだが、シングルストロークと
ダブルストロークが混在する流れの中では
今ひとつ滑らかに叩くことが出来ない。
特に左である。

左がスムースでないので
テンポが乱れる。
克服するためには孤独な練習しかない。


人の力によって生み出されるリズムというのは
日々の練習によって培われた技能や
水郡線磐木塙駅前公衆トイレの臭いや
リズム構築の感性や
新大久保駅前コロンビア学院学食のカレーや
音楽に対する愛情や
奥多磨町湖西松の湯の有限会社真瑠土建や
そういうエネルギーで成り立っていることを鑑みると、
生み出されるビートには
些かにも無碍にはできない命が宿っているのだろう。

2008/05/29

(No.470): ブログ整理と禿通


現在、旧ブログにある記事のカテゴリ振り分けを行っている。
全部で729件もある。

過日、パスワード付与のカテゴリを一つ作り、
そこへ全記事を移動させてしまった。
パスワード付与カテゴリは一つだけしか作れないのかと
勘違いしてしまったからだ。

その後、
パスワード付与は何個でも作れることが分かり、
再度、パスワード付与カテゴリを数個作り、
そこへ振り分けを行っているという次第。

全く難儀な話しである。
729件もの膨大なアーカイブを1件づつ、
内容を鑑みてカテゴリを振り直すという作業。

ようやく2007年の7月が終わったところである。
あと、10ヶ月分か。
先が見えてきた。


頃合を見計らってパスワードを外そう。
面倒くさいから。



髪を切りたい。
もう円形脱毛症など忘れて切りたい。
気にしていないつもりでも
こんな筆者でもやはり人の目は気になるようで
円形のハゲが丸見えになるのは少々恥ずかしい。
だから切れないのである。

過日の線の剃り込みなども
かなりイカすデザインだが
サラリーマンではいっそ無理であろう。
だいたい、客先へ行くことができない。

円形ハゲをひっさげて、丸見え状態にして
客先へ行くのは失礼にあたるのだろうか。
試してみたいが勇気がない。

が、よくよく考えてみれば
現状はにこやかに円形ハゲは丸見えの状態なのだ。
エフオピさんのハゲ見た?
みたみた、どうしたんだろうね
ストレスかなぁ、小心者だよねぇ
などと社内で話題沸騰中だと思うと
わくわくしてくる。
最高だ。

2008/05/28

(No.469): 泰安に洋行


細野晴臣氏によって作られた楽曲で
好きなものを一点挙げよ、
と、某SNSのホソノ御大コミュでスレッドが
立って幾年月。

書き込みは百件以上にも及び
ちりぽりと紡がれている様子。
しかし、書き込みを見て思うのは
これほど多彩で多才なミュージシャンも
いないのではないかということである。

例えば
「PomPom蒸気」
「スポーツマン」
「恋は桃色」
「マス」
「はらいそ」
「ボディスナッチャーズ」
「ブラックピーナツ」
「プリオシーヌ海岸」
「東京シャイネスボーイ」
「ピクニック」
「ろっかばいまいべいびー」
「ラフガス」
「チャウチャウドッグ」
「ラップ現象」
「三時の子守唄」
・・・・

これが同一人物の作った音楽とは思えないほどの
まさに多彩な楽曲群である。
まさにホソノ御大の人生の軌跡をなぞるように
その時代時代に呼応した御大の嗜好や感覚が
そのまま音楽という形で具現化されているのではないか
とさえ思えてしまう。

「ラップ現象」と「三時の子守唄」なんて
作者が同じという以外にどこをどう転んでも
共通点を見出せない。
もちろん、双方とも大好きな曲である。

粋な日本語ロック、オリエンタルなチャンキーミュージック、
縦乗りのディスコティックサウンド、
難解な電子音楽、ビートのないたゆたう音響に、
ジャズやカントリーをも飲み込むその多彩で多才な音楽万華鏡。

まるで、おもちゃ箱のようだ。

2008/05/27

(No.468): 大地に叶う



探査機フェニックス撮影の火星の地表。
隣の星の地面。
フェニックスの足元。



何億年かかって初めて人工的なものに
土を蹴られたという地面。

いかばかりか。

ほんの、ほんとうに局所の局所。
地球のどこかの土地にでもありそうな普通の地面。
小石なのか氷の粒なのかわからないが
何の感慨もない平らな地面。



あの普遍な大地を見て真の感動を覚えた者が
果たしているのだろうか。

鳥肌が立つ。

全てが現実であるということの真の意味を
理解したとたん、
突飛な心は地球を離れて遥か何百光年先へと旅を始める。

それは人類という生物に組み込まれた塩基配列の
根底に潜む、この世界創造における一つの問である。
むしろ、旅人は己の愚考と葛藤を怯まずに雄雄しく、
しかし謙虚さを持して大河へと身を任せる。
ともすると、松明を翳す孔雀のように。
ともすると、繁縷を食む鰈のように。



2008/05/26

(No.467): 火星の枯れ尾花


DUCATI M400の復路。
井の頭通り三鷹付近の交差点で信号待ち。
四輪の後ろで二輪に跨ったまま無表情でいる。

ポンポンと筆者の右肩を叩くものがいる。
はうッと右後方を振り向くが誰もいない。
はて、気のせいだろうかと思った刹那、
今度は左膝をトントンと叩かれる。
がばだッと左下を見るがまたしても誰も何もない。

なんだ、新手の心霊現象なのかッ。
ここは暗くはなく、いやむしろ街灯というより
街自体の灯りで非常に明るく、且つ
クルマや歩行者もとても多い場所であり
現に筆者の前後には四輪がいるし、歩道には
歩行者も数多く歩いている。
こんな場所で筆者の身に何故このような怪奇現象が
起こらなければならないのだろう。

そんなことを0.3秒ほど考えていると、
ヘルメットの上をコトンコトンと叩く。

ヤバイッ、マジでポルターガイスト現sy
と、言うか言わないかの間に、
ダバボンダバボンダババババババッバボバッバババbと
親指ほどの巨大な雨つぶが豪勢に落ちてきた。

叩かれたと思っていた正体は
雨粒だったのだ。


それにしても、物凄い雨である。
一瞬にして、洗車機の中の状態と等価となる。

信号は青になりブロロロンとM400は何事もなく
エンジンを動かしているが
乗っている人間は、もう堪らない。
雨宿りをしようか、どうしようかと迷うことなど一切なく
土砂降りの中を一途に駆る。

ヘルメットのシールドが瞬時に曇る。
シールドを開ける。
親指ほどの巨大な雨つぶが、どっざと顔面を襲う。
シールドを閉じる。
シールドが瞬時に曇る。
シールドを開ける。
親指ほどの巨大な雨つぶが、どっざと顔面を襲う。
シールドを閉じる。

を、68回ほどループして帰宅。
着いて3分もしないうちに、雲が切れ星まで見える始末。


これだ。
これが梅雨のオートバイだ。最高。
M400の水をウエスで拭き、夜空を見上げて
火星に着陸した探査機フェニックスに想いを馳せる。

2008/05/25

(No.466): dewey ライブ告知



MODULATION GYM
DATE : 2008.06.15(SUN) open18:30 start19:00
PLACE : 東高円寺 UFOCLUB
FEE : door 2,300yen (with drink)
advance 1,300yen (without drink)

DJ : モリカワヤスシ
LIVE : 19:00 - 19:30 BEND SHAFT
DJ
19:40 - 20:10 Hakaraz mo!
DJ
20:20 - 20:50 ViddeKazz 2
DJ
21:00 - 21:30 dewey
DJ
21:40 - 21:10 アルバートフィッシュと紅茶
DJ
21:20 - 21:40 PUNSUC



6月15日はトラッシュ・シュガーさん主催の
モジュレーション・ジムである。
新しいブログではまだその告知をしていなかったので
滞りなく打つ。

残りトータル5時間のスタジオ練習で
deweyの2回目ライブが幕を開ける。
5時間は聊か微妙だ。

今回、筆者のモニターはヘッドフォンではなく、
インナー型イヤフォンにしたのだが
これが案外と具合が宜しい。
大入力にも歪むことなく対応できるイヤフォンなので
大音響の中でも聴き取ることが出来る。

が、己の創出するリズムパターンばかりに集中していると
イヤフォンでモニターしているトラックの
拍頭を見失うことがある。
加えて、拍頭どころか、テンポキープに関する「音」が
轟音の中で少しでも渾然一体となってしまった時には
完全に曲中で迷子と化す。

こうなると、もう手のつけられようが無い。
こうなると、新たな世界を創出せざるを得ない。

四角四面に、几帳面に、神経質に、
きっちりと滞りなく演奏する必要など全くないのだ、
ということをさんと共に頷き合い、
音楽とはそういうものである
と、
練習後に入った喫茶店で
隣に座ったお爺さんが眼鏡を下に向けながら
新聞に語りかけるようにひとりごちた。

2008/05/24

(No.465): dewey再動の2回目練習




deweyのスタジオ練習にて代々木。
deweyの練習はいつも雨である。
平氏はノー傘であろう。
聞かなかったがそうに違いない。
「ブログが炎上しました」

「見ました」
「ああいうのイヤですね」
「ああいうのいやですね」
「不愉快ですと」
「お前なんかといつ同じになったのだ」
「仰る通りです」
「休憩しましょうか」
「休憩しましょう」
今日のスタジオにあったドラムセットは非常にいい塩梅であった。

セッティングはもとより、特にキックの音が馴染んでおり
トラックとの相性も良かったようだ。
稚拙なドラムもトラックとの溶け具合で違った色に聴こえる。

初めて使用してみた小箱の電子デバイス。
良いのか悪いのか判然としないところが
良いのか悪いのか判然としない。
ひとつ言える事は混沌である。

それもdeweyらしいと練習後に入った喫茶店で
隣に座ったお爺さんが眼鏡を下に向けながら
新聞に語りかけるようにひとりごちた。



右腕がずっと筋肉痛だ。
だいたい左のダブルストロ-クも出来ないもんだから
右ばかり酷使してしまう。
左右均等になればそれも軽減できるのだろうか。
四十肩との意見もあり。

dewey、必見。