2013/06/28

(No.2010): deweyライブ記録の点検で見たもの


貧作貧演である我々dewey (デューイ) においては
数少ないライブを記録することも一つの活動であり
即ち音と絵と空間をもってこれを留める。
記録した内容は適宜切り出し後、youtube経由にて
deweyオフィシャルサイトへこれを公開する。

六月二十四日、大塚deepaでのライブ。
ライブ翌日、メンバーtai-ra氏による記録内容の
検閲が実施された。
そしてすぐさま電文を得る。

「直視に絶えない。絶望」

一体何が起きたというのだ。
完璧とは言えないまでもある程度の
手応えのあったライブであったのだ、
何がまずかったのであろう。
まさか、「琴古主」が出たわけでもあるまい。

話しを聞くと、歌唱ピッチのずれ、それと
そのボーカル処理のバックトラックとの乖離が
絶望域であるとのこと。
なるほど。ぽっと出の輩などではなく
幾度も音響の修羅場をくぐり抜けて来たtai-ra氏が
言立てているわけだから、これは相当衝撃的な塩梅に
なっているのだろうと危惧した。
ライブ中は特に違和感を持たなかったのだが。

その記録媒体が手元に来た。

緊張しつつ謹聴した。結論から言うと、
tai-ra氏歌唱楽曲では著しい問題は発見できなかった。
私の音楽的感覚がおかしいのだろうか。
確かに、ボーカル処理がバックトラックとの融合を
若干妨げていたとも言えなくもないが、
少なくとも歌唱ピッチは安定しているように聴こえる。
取り敢えずはほっと胸を撫で下ろした。

それよりも、くだんの「オルドビスの疎音」(註※)が
予想以上に「不自然」だったことのほうが絶望した。
何か得体の知れないものに突き動かされたことは
記憶しているが、言うなればこれは「事故」だ。


(註※)
「オルドビスの遺産」というdewey楽曲において曲中、
意図せず全音をミュートした事象。その時間は
大凡四分音符プラス数ミリセコンドであったという。
立ち上がり後に拍頭が霧消するという事態に発展した。
この事象の事を「オルドビスの疎音」と呼ぶ。




しかし、おかしい。
このように各自が根拠のない違和感を抱くというのは
何だろうか。何かあるに違いないと、私はつぶさに
記録の全てを点検した。
何度目かの点検中に私はあるシーンで凍りついた。
そして、私はついに発見してしまったのだ。


琴古主」を。









2013/06/27

(No.2009): 晃一郎と吉之助(六月二十四日 提唱会)


ばたばたといつもの裸足の足音が階段を上がってくる。
晃一郎はその音で目を覚ました。
畳の上へごろんとなったままいつの間にか
眠ってしまったようだ。
ぼんやりと天井の染みを見つめながら足音の行方を
追っていた。

梅雨のさなか六月末とはいえ今日は朝から気持ちよく
晴れ渡っている。珍しく湿度もずいぶんと低い。
それだから、二階家のこの部屋の表通りを見下ろす
一尺ほどの小窓も、襖も、大仰に開け放たれ、
階段を経由して、階下へ風がよく抜けている。

「晃さん、晃さん!」

吉之助が階下から駆け上がりながら叫んだ。
晃一郎はその声の煩わしさにいくぶん湿度が上がった
ような気になりながら上半身を起こした。
頭を掻きつつ一つ大きな欠伸をして言った。

「おめぇ、もちっと気ぃ使っちゃぁどうだ」
「晃さん、寝てる場合じゃねぇよ」

と言いながら部屋へ転がるように吉之助が入ってきた。

「なんでぇ、どうしたってぇんだよ」

晃一郎はまた一つ欠伸を掻いてさらに続けた。

「おいら昨日からエイブルトンライブの
バージョンアップやってて存分にゃ寝てねぇんだ」

見ると晃一郎の寝ていた頭の方にMacBookAirと
TASCAMのオーディオインターフェイスが畳の上へ
てんでに置いてある。
MacBookAirはスリープ状態なのか画面は暗い。

「いよいよ九にするんですかい」
「まぁな、提唱会も終わったことだしなここいらで・・」

それを聞いて吉之助がはたはたと手を振りながら、

「て、提唱会、提唱会!提唱会のこと聞かせておくんない」
「六月二十四日、小石川区大塚辻町での提唱会、か・・」
「そいつを聞きたくて飛んで来たんでさ。
あんべぇ(塩梅)はどうだったんでぇ」
「軍装のあの二人、上野区軍律立憲政策関係者だがよ、
提唱会直後、奴らぁ浮かれてたよ」
「浮かれとんちきてぇやつで?うめぇことやりやがった」
「それが、そうじゃぁねぇんだ」
「てと?」
「提唱会の次の日のことよ」

晃一郎はちゃぶ台の湯呑をつかむと、残っていた白湯を
一口に飲みほした。

「おいらもまだ見ちゃいねぇんだが、提唱会を記録した
ディーヴィディーがある」
「そんなのがあるんなら、おいらにも見せてもらいてぇ」
「軍装の髪の長い方が見たらしいんだが、そこによ、
琴古主が映ってるってぇ話しだ」
「ことふるぬし?」
「琴古主(ことふるぬし)ってぇな、ものの化だ」
「もののけっ!」
「それで、奴つらぁそいつを落とすために、またなんか
おっ始めようっていう腹らしいぜ」

晃一郎は空になった湯呑をちゃぶ台に置いて続けた。

「秋までぁ待てねぇらしい」
「その、おっ始めようっていうことがですかい」
「何をしでかそぉってぇのか、おいらにもよっくは
わかんねぇんだが、提唱会の仕切り直しってぇ噂だ」
「仕切り直しってぇと、また提唱会をやるってぇことに
なるんですかい」
「ああ、だけどもよぉ、ただの提唱会じゃぁねぇだろ
とおいらは踏んでるんでぇ」

晃一郎はまくれ上がった着物の裾を一つぱんとからげて
立ち上がると、小窓まで行き外を眺めた。

真上から射す日差しの下、陽炎で歪む上野切通の停留所から
銀座尾張町行きの東京市電が出るところだった。
ガタンゴトンと左右に揺れながら表通りを走って来る。
それを見下ろしながら、もう空はすでに夏のそれだな
と晃一郎は思った。






2013/06/26

(No.2008): 剥がすステッカーチューン


「そういえばあんたのバイク、あれ何てったっけ」
「六級改号之介左衛門です」
「ろっきゅうかいごうのすけざえもん?」
「左様です」
「一体何なんだねその名前は。あんたが付けたのかね」
「左様です」
「そんな名前気持ち悪い。どこのバイクなんだね」
「ドカティであります」
「ドカッティ? イタリアの?」
「左様です」
「ドカッティの何ていうバイクなのさ」
「モンスター696というものです」
「696?それで六級ということかね」
「そんな雰囲気です」
「話にもならんね、あんた」
「そんな雰囲気です」

で御馴染の我が六級改号[DUCATI M696]之介左衛門で
あるが、まもなく総走行距離24,000kmを
立ちどころにして踏むところである。

24,000kmを越えるとコンソールにスパナ型の
メンテナンスマークが点滅する仕組みである。
点検時期を知らせる目的のマークなのだが
実際の時期とはズレている。何れにしても
このメンテマークを消すために一度ドカ屋さんを
訪れなくてはならぬことになろう。
その際には、オイル交換でもぶって
にじり寄せながら、次回以降の愉しみを考案する
時間としたい。


即ち、
タンクの両側面に神々しく貼られている
「D U C A T I」ステッカー、これを剥がし切る。
勇猛果敢にして剥がし切る。
その下の「M O N S T E R」も同様に剥がす。
躊躇なく、剥がし切る。

筆者のM696は艶消し黒だ。ただの真黒なタンクのみ。
なんの文字も一切ない。
艶消し黒のプラモデルのようなタンクのみを纏う。


DUCATIのロゴを消す。
「貼る」のではなく、「剥がす」という
ステッカーチューン。
どこのバイク?モンスターに似てるけど、
などと不思議がられるは必至。
それでしばらく過ごす。
物足りなくなってきたら第二弾を打つ。


即ち、
英文字ステッカーを買ってくる。
作ってもいいのだが、ここはひとつ買ってくる。
白文字。フォントはたぶんゴシック系が好ましい。
フォントサイズはオリジナルDUCATIステッカーと
同じくらいの大きさ。
DUCATIとあった部分に「d e w e y」と貼る。

漢字のステッカーを探す。グレー色っぽい文字。
フォントはたぶん明朝系が好ましい。
フォントサイズは小さめ。

「六級改号之介左衛門」と貼る。

いや、待て。それではただしく痛車だ。

ちょっと待とう。
落ちつけ、それは止めよう。
ダサイ。
いや、わざとダサくするのもいいか。
いや、やはり止めよう。
やめるのだ。


d e w e y だけでいい。
そうさ、それだけでいい。
シンプルじゃないか。
しかも片側だけ貼ろう。
片側は無地。何も貼らない。

どっち側がいいかな。
左側に貼ろうか。
なんとなく。

いいぞ、いい。
いいじゃないか!
地味に盛り上がってきた。



(撮影地:ケプラー22b アクアトゥーマリから109マイル)


(撮影地:ケプラー22b ホゥギィの社前)


後日、いよいよDUCATIステッカーを
剥がそうとして、結局もったいなくてやめる方に
1000点賭けよう。


2013/06/25

(No.2007): 6月版 dewey(デューイ)のライブ日シーケンス


これからは「。」だ、「。」
「dewey。」 的な。
などと夢想していたらライブの日だったので
大塚Deepaにライブしに行く。


12:45
滞りなく15分遅れで大塚Deepa到着。
tai-raさんが一人ぽつねんとソファに座っている。
順リハなので我々の前に一つバンドさんが
いらっしゃるはず。そのバンドさん
まだ来てないからぜんぜん間に合いましたなー
あっはっはっはと談笑。

のんべんだらりとしていたが、一向に最初の
バンドさんが来ない。あまり遅れても
アレでしょうから先にリハやってもいいかと
出演者用タイムテーブルを改めて確認すると
一番最初のリハは「dewey」だった。


13:30
ギャニュビョニュギャビョーとリハは順調に終わる。


14:00
リハ準備をされている「花とワルツ。」さんに
え?これ網戸の網なんすか?とか
この機材は何だッとかこれはボコーダーかッとか
準備でお忙しいというのにつきまとう。


14:30
ロイホで遅めのランチ。


15:15
カラ鉄、入店。


17:00
ひとしきり熱唱したので
ライブハウスに戻る。


17:30
オープン。
フロアにテントを立てそこをDJブースにし、
バンド転換時はDJを挟む式のイベント。
オープン最初からテクノ満載。




18:45
軍服を着てdeweyのライブ本番。
最後から一つ前の「オルドビスの遺産」という曲で。
得体の知れないものに突き動かされ、
筆者が全音をミュートするという暴挙に出る。
時間にして四分音符一つ分マイナス数ミリセコンド。
変態なブレイクと化す。
そのブレイクからの復帰直後、拍頭を見失う。
なおこの事故は後に「オルドビスの疎音」と
呼ばれる。


(撮影:ヨダさん)


19:15
deweyライブ終了。
機材を投棄しながら
暑い暑いといって軍服を脱ぎ捨てる。


19:30
ロビーであき姉さんはじめ方々にお会いし
歓談する。
偶然?dewey観て頂けたという方(撮影して頂いたヨダさん)
から賛辞を頂きドギマギする。
「ツイッターいまフォローしました」
「しました」


20:00
「花とワルツ。」さんライブ。
空気を一瞬で塗り変える強力な時間。
トラックは低音もしっかりとあって
ギターの音圧もすごかった。
やはり映像を併用すると淵源を得る(カッコイイと同義)
ボーカル処理はボコーダーというよりは
ハーモナイザーに近い感じという印象を受けた。


20:35
「BIG FIRE」さんライブ前。
楽屋に荷物を取りに入ったら
本願寺さんが軍服姿でいらっしゃる。
しかも我々と同じ国の軍服。しかし階級は将校クラス。
我々は下士官なので階級は下。

「ぐ、ぐんぷくッですかッ!」
「はい、もろかぶりです」

当然、敬礼してお見送りする。





21:30
大塚Deepa、離脱。
パンダ車を停めた駐車場に戻り、自動精算機に表示された
4800円という金額に爆発する。(自分が)


23:55
そんなこんなで疲れ果てて帰着。
良いライブイベントだった。




2013/06/23

(No.2006): 【dewey Live情報】明日!


【dewey Live情報】
2013.06.24(MON)
大塚Deepa
OPEN 17:30 START 18:00
ADV/DOOR ¥2000/¥2500

[Live]
18:00-18:30 1. Lemonade-Launcher
18:40-19:10 2. dewey
19:20-19:50 3. Δmaretto
20:00-20:30 4. 花とワルツ。
20:40-21:10 5. BIG FIRE
21:30-22:00 6. DOOOMBOYS
22:00-22:30 -FLOOR LIVE- スパナ乙
22:30-23:00 7. BUZZ SQUAD
BAND LIVE END ~ DJ Bar URASHIMA TIME to till morning!!





2013/06/21

(No.2005): 遠巒の廻廊(四)


淹れたばかりの熱いコーヒーを片手に
フェルディナンド・セジュウィッチバーグ博士は
軋むスティール製の椅子を引き寄せて座った。

午後5時を回った大学の研究室には、
セジュウィッチバーグ博士以外には先月入ったばかりの
助手のヤン・ヨークビンセントしかいなかった。
ヨークビンセントは先ほどから、出土品目録の整理で
Macにつきっきりである。
カチャカチャとキーボードを叩く音が聞こえる。

「君も飲むかね、ヨークビンセント君」
「え、あ、」
「コーヒー」
「あ、お願いします」
「お安い御用さ、僕はね、このKencoが好きでね」

そう言うと、セジュウィッチバーグ博士は
Kencoの瓶からスプーンを使わずに大きなマグカップの中へ
器用に叩き入れた。流れるように電気ポットからお湯を
注ぎ入れて、かき回すこともなくそのままヨークビンセントの
机の上に無造作に置いた。

「ミルクと砂糖は入ってないよ」
「恐縮です。先生、この宝玉387番っていうのは
ヒッタイトでよろしいのですか」
「うん、一応そう分けておいてくれないか」
「わかりました」

その時、セジュウィッチバーグ博士のマナーモードの
iPhoneが振動した。着信は友人のワイマールからだった。
彼もまた研究者だが、主に放射性炭素年代測定の仕事をしている。
過日、依頼していたモノの結果が出たのだろうか。

「ハロー」
「やぁ、フェルディ。ワイマールだ」
「結果が出たのかい!」
「ああ、たぶんな、だから電話してる」
「たぶん?」
「些か、いや、自信がないんだよ」
「なんだ、どうして!」

苛立ったように言うと、椅子から立ち上がり
先を急かすように続けた。

「イギリス王室でさえ一目置くほどのキミの
研究所なのに」
「まぁ、聞けよ。例のブツなんだが、フェルディが
言うように植物の紙は使われていない。
紙の代わりに獣と思われる、まぁ動物の皮だな、
それに文字が書かれている」
「ああ、そうだ」
「文字は鉱石を使った顔料のようなので測定はできないが
動物の皮なら放射性炭素測定はできる」
「ああ、そうだ、だからキミに依頼した」
「測定した」
「うむ、それで!」
「驚くべき結果になったよ」
「どういうことだ!」
「4億4320万年」
「え?なんと言った?」
「4億4320万年前という結果が出た」
「まさか!そんな、だって文字が書いてあるんだぞ」
「ああ、わかってるよ、紀元前2世紀頃ではないかと
聞いていたから、不純物による誤差だろうと思い、
116回も測ったんだよ」
「・・・・・」
「何度測定しても結果はほぼ同じだったよ」
「文字は、後から入れられたのかもしれない」
「いや、皮を掘って顔料を流している部分があるよな」
「ああ、知ってる」
「皮を掘ってある断面も測定したよ。4億4300万年前だった」

セジュウィッチバーグ博士はぬるくなったコーヒーを
一口飲んで、椅子に崩れるように座り込んだ。
手に持ったiPhoneは汗でべとべとなった。

「書いてある内容が、そもそも異常だったんだ」
「そうなのか?」
「ああ、キミには言わなかったんだが、オーパーツだと
思っている」
「オーパーツ!」
「トランジスタの特性が説明されていた」
「本当か!」
「ああ、古代ケルト語のさらに複雑な体系なんだが
おそらく内容は間違っていないと思う」
「お、俺は震えてきたぜ・・」
「それだけでも驚くべきもので、紀元前2世紀にはあり得ない
わけだからね。だからキミのところで調べてもらって
近代のものだとわかれば、ほっとするじゃないか」
「ところが。。」
「ああ、ところが、結果はそれ以上だった・・」
「・・・・・・」

お互いの沈黙が、疑問が次から次へと湧き上がっていることを
物語っていた。

「4億4320万年前というと・・」

沈黙を破って、セジュウィッチバーグ博士がつぶやく。

「オルドビス紀。古生代前期だよ」

それに、ワイマールがゆっくりと応えた。

「古生代・・」
「ああ、三葉虫やオウムガイはいただろうが
皮を持ついわゆる獣の類は、存在していない時代だ」
「ましてや、トランジスタの特性など・・」


「先生!先生!」

ヨークビンセントの声の方を振り返る。

「先生、コーヒー、こぼれてますよ」

マグカップを持つ手の傾きが放心した状態を表していた。
床にこぼれたコーヒーの黒さに何か禍々しいものを
感じるセジュウィッチバーグ博士であった。





(続く)


2013/06/20

(No.2004): 繋がりという幸せ/deweyは「デューイ」と読みます。


筆者などは電子雑音響界隈では末席のさらに末席の
そのさらに隅っこの端っこにどうにかこうにか
喰らいついている体であるが、そんな塩梅式で
細く長く続けているためか、昔お知り合いだった方など
に遭遇することが間々ある。
特にtwitter等の普及によって同じ嗜好に向けた
ベクトルから辿って偶然お見かけするという機会が
増えた。


昨晩、代々木 Zher the ZOOにて「花とワルツ。」さんを
拝見する。
「花とワルツ。」さんについては筆者twitter TL上でも
好評判をお見かけし、YouTubeにてPVを拝見拝聴していたので
一度ライブを体験したいものだと思っていた。
何より、6/24(月)の大塚Deepaでは我々deweyと
共演させて頂くので、ご挨拶も兼ねて。

「花とワルツ。」さん、
舞台前面にスクリーンを配し、VJとエレクトロニカ音響と
浮遊感ギターとボコーダーボーカルが渾然一体となった
ライブ。
独自の世界観を創り出しているのは見事だった。
ライブ後、30分ステージでの曲間なしの演出方法をお聞きし
なるほどと膝を打つ。


そして、
Zher the ZOOを訪なったのにはもう一つ理由があった。


過日、筆者TL上に「ハレチカ」というイベントの
話題がリツートされていたのを目にする。
そういえば昔「ハレチカ」って同じ名前のイベント
あったなー、DJイベントだったけど。
などと思って、そのリツイート内にあったイベントへの
リンクを何気にクリックした。

そのリンクはあるブログに貼られていた。
読んでみて驚いた。
ハレチカってあのハレチカじゃん、
そのオーガナイザーであるTさんもお元気で
しかも音楽雑誌編集辞められて今はライブハウスに
いらっしゃるとのこと。

さっそく連絡すると筆者のことを覚えていてくださり
しかも行こうと思っていたZher the ZOOのブッキングを
ご担当とのこと。
そんなわけでTさんとお会いすることができた。

いろいろなところで
繋がっているのだということを実感する。


繋がりということではもう一つ。
それこそ6/24大塚Deepaでのライブ。
過日、告知の為に大塚Deepaの6/24のページをチェック
したら「BIG FIRE」さんの名前があるではないか。
アー写を確認すると、筆者の知り合いの方のバンドに
間違いない。
twitterで連絡するとエフオピさんとの対バンは
かれこれ7年ぶりくらいですか宜しくお願いします
こちらこそお願いします候ということに。


いろいろなところで
繋がっているのだということを実感する。


ところで
Tさんからバンド名なんて読むんですかと聞かれた。
デュ、デューイです。
ジューイですか?獣医?
はい、デューイです。
(はい、じゃねぇだろ)


そうなのだ。
読めないのだ。
普通、読めない。

dewey結成して、もう6~7年経つというのに
今頃になって、そのことに気付く。
バンド名、読めないことに気付く。

ふりがな「デューイ」
って書いておこう。これから。

いまさら、もう遅いわ
この浜名湖産海苔の佃煮はほんとうめぇよ
これだけでご飯三杯はいける。







2013/06/18

(No.2003): 1200光年の二日目。


一日目


ケプラー22bに着陸。

光速艇からは自機を自走させて降りる。
到着したケプラー22bは既に夕刻であったので
恒星ケプラーの夕日を期待していたものの
生憎の雨模様。
着いた場所はィリヨツという名の宇宙港。
相当古い建物ばかりが目につく。
人影もまばら。
宿泊地へは僅かの距離にて街の佇まいを堪能する
つもりが突如豪雨となり、急いで宿泊地へ入る。




二日目。
打って変わっての晴天。恒星ケプラーの日差しは暑い。
宿泊地を発って、晴天の中、自機を駆る。

ケプラー22bにのみに生息する飛竜を観賞する。
特別区とのことで、広い囲いの中で飛竜を飼育し
統制局の管理下においているという。
観光客は遠くからその生態を観察するしかない。
実際、遠過ぎて見えない。

ここの飛竜は音に敏感とのことで注意を促す
説明書きがあちこちにあった。
音に敏感とはまるでイヤンクックのようだ。


その後、ケプラー22bの国津神の支配する、
支配したであろう社を訪なう。
御朱印を頂き、来た甲斐があったと感慨を得る。

昼食を摂るためもう一つの宇宙港
アクアトゥーマリまで足を伸ばす。
なんと寂れた寂しい港なのだろう。
その中でもさらに古めかしい食事処に入る。
天ざるを喰う。
が、これが意外に美味い。


帰りの光速艇の時間があるのでそろそろ
最初の港街ィリヨツへ向かう。
恒星ケプラーがだんだんと傾き影が伸びる。
ワインディングの軽やかな道を颯爽と駆る。
これぞ醍醐味。

ィリヨツへは予定よりもだいぶ早い時刻に着いた。
帰りの光速艇の出発時間まで港内の施設を
見てまわる。
帰りは揺れなければいいのだがと慮る。

(続く)




2013/06/17

(No.2002): 晃一郎と吉之助(あじさいと梅の実)


梅雨はもともと露という語を用いた。
しかし、いつの頃か梅の実が育つ季節に
降る雨という意味で「梅 雨」という
文字が使われるようになったのだという。

「たしかに、裏の垣根の上から顔ぉ出してる梅も
てぇーしてでかくなってきやがったな」
「なんでぇ晃さん藪から棒に。梅が何したって?」
「裏のおっしょさんの梅の木がよ、梅の実がよ
でぇーぶでかくなりやがったって言ったのよ」
「ああ、ありゃ、近頃、路地におっこってきちまって
もったいねぇなって思ってたところでさ」

晃一郎と吉之助はいつもの二階家で胡坐をかいて
てんでに座っている。
表通りを見下ろす一尺ほどの小窓は
開け放たれ、部屋の中は梅雨の晴れ間の
蒸し暑い大気に満たされている。

吉之助の前には畳に地下置きしたMacBookAirが
開いており、その横には碁盤ほどの大きさの
アナログミキサーが置かれている。

「それよか晃さん、はやく見せてくれよ」
「でぇぶ使ってねぇから、ぞんざいかも知んねぇぜ」

晃一郎はそう言うと立ち上がり、隣の襖を開けた。
プリント板の薬品匂が漂い、吉之助は鼻を
ひくひくさせた。晃一郎は横が一尺八寸ほどある
銀色の長細い四角形の箱らしきものを片手に持って
戻ってきた。
それは箱ではなく、前面にはノブとスイッチを配した
所謂音源モジュールであった。

「ほら、これだ、ドイプファーのエムエス四まる四」
「ド、ドイプ?」
「ドイプファーな、独逸国のもんだぜ」
「これかぁ、からっきしアナログなんでやんすね」
「VCOだからよ、しょっぱなにゃチューニング
ってぇのが必要なんだぜ」
「チューニングですかい?ギタアみてぇだなぁ」
「ギタアなんかよりもしこたま艶っぽいぜ」

晃一郎はおもむろに電源ケーブルをコンセント
へ挿し、オーディオケーブルをミキサーへ挿すと
吉之助へMIDIケーブルを渡した。

「こいつを、そっちのミディアウトへ挿せ」
「へい、。。挿しましたぜ」
「これで、エイブルトンライブを細工すりゃ音が
出るって寸法よ」
「うへへー、こいつぁありがてぇ、恩にきやす晃さん」
「おいらに恩きせしたってはじまらねぇぜ」
「でもこのエムエス四まる四は晃さんのじゃねぇか」

吉之助はAbletonLiveが立ち上がっている
MacBookAirの前にうつ伏せに転がり、
MS404を鳴らすMIDIトラックの物色を始めた。


「こいつについちゃ、おいらじゃねぇんだ」
「てぇと?」

吉之助は寝転がったまま、顔だけ晃一郎に向けた。

「おめぇ赤い文字の腕章を着けた軍装のれんじゅうを
覚えてるか」
「ああ、あの変な風体な二人連れですかい」
「そうだ。上野区軍律立憲政策に関係のある、な」
「あのれんじゅうが、このエムエス四まる四と
何の関係があるってんです」
「こいつはよ、実は軍装の一人、短髪の方の男の
持ち物だったんだ」
「だったってぇことは、もらったんで?」
「もらったっていうよりゃ、預かってる」
「借りもんなんで?」

晃一郎はそれには応えずに先を話した。

「ところでおめぇ、六月の二十四日覚えてるか」
「えーと、なんでしたっけ、来週ねぇ」
「提唱会だぜ」
「て、あーあー、提唱会、提唱会」
「おめぇ忘れていやがったな」
「めんぼくねぇ」
「提唱会だがよ、れんじゅうはエイブルトン
ライブを弄ってよ、派手な音ぁさせるってこった」
「そいつぁ粋だぁ」
「そんな粋な話じゃねぇんだ、何が起こっか、
おいらにもわかんねぇんだ」

晃一郎はそこまで言い終えると、
小窓から外を眺めた。
市電停留所の脇に咲く満開のあじさいが
市電の風で左右に動くさまをみて
雨でなくても絵にならぁねとひとりごちた。





2013/06/16

(No.2001): deweyの6/24ライブ用リハの日(その二)


土曜日
deweyのライブリハなので代々木スタジヨを訪なう。
約一ヶ月ぶりのリハなのでおのおの近況を報告しあう。

「次のライブオファーが次から次へと」
「ちょっと厳しいです」
「それじゃ8月はだめですね9月はどうでしょうか」
「エフオピさんあんた悪者呼ばわりされています」
「そいつぁいい塩梅ですね」

快活な近況報告のあとは、いつもの偽ゲネプロ然
としたリハを行う。
前回リハから大きな変更はないが、
それぞれがさらに創り込んで来た音を
ここで初めて合体させてdeweyとして昇華させる
そういう点検を行う行為である。

我々には、目で感じるVJがあるわけでもなく、
はたまた耳で感じるテクニックがあるわけでもない。
ただ只管に己の信ずる音を紡ぐのみの体(てい)であり、
つまり、dewey ver.3として、
それが一体どれほどのリスナーが
同じベクトルを以てして受け入れて頂けるのか
甚だ未知数である。

「なんでdewey、モテないんですかね」
「ピギーーとかギャビョーーとかなんでだめなんすかね」
「ぜんぜんカッコイイじゃんー」
「ぜんぜんカッコイイじゃんー」




2013/06/13

(No.2000): 二千のナイフ


毎日ではないにせよ、馬鹿な、くだらない
中身のない、屑のような、そうさ屑さ
いや屑なんて上等なもんぢゃねぇ、なんだ、
糞だ、汚物だ、ゴミだ、不要物、不燃物、
燃えるごみの日は毎週月曜と木曜です的な
塵コラムをこれまた駄文の体で、
日本語文法放物線投棄的に連綿とお送りして、
連綿と執拗にお送りしておりまして、本日、
果たして2000回を迎える。


1000回の時の拙屑コラム

2010年1月10日
(No.1000): 千回記念とコラムと


にある通り、このNo制にしたのが
2007年1月1日からだそうだ。
その前から実は2002年4月からずっと
屑コラム的なアレは書き続けているのだが
残念ながら
2002年4月~2006年4月までの記事は
サイト閉鎖に伴って消滅している。
従って上記1000回記念コラム内にある
リンクの一部はリンク切れ状態だ。



さて、そんな過去の事よりも、
未来の事を書こうではないか諸君。

すなわち、

【dewey Live情報】
2013.06.24(MON)
大塚Deepa
OPEN 17:30 START 18:00
ADV/DOOR ¥2000/¥2500

[Live]
18:00-18:30 1.Lemonade-Launcher
18:40-19:10 2. dewey
19:20-19:50 3. Δmaretto
20:00-20:30 4. 花とワルツ。
20:40-21:10 5. BIG FIRE
21:30-22:00 6. DOOOMBOYS
22:00-22:30 -FLOOR LIVE- スパナ乙
22:30-23:00 7. BUZZ SQUAD
BAND LIVE END ~ DJ Bar URASHIMA TIME to till morning!!

[RESIDENT DJ]
Macho
Hoshiya
広ヰ茶魔
おにる 


twitterにて @dewey_lumb_fop までリプ頂ければ
チケット取り置きします。






なんだよ、
ただのライブ告知じゃねぇか。
うふ。







2013/06/12

(No.1999): Atom™ - HD 購わなければならない


昨日から一人でぱーぱー騒いでいるが
ほんと、久しぶりにこれは鳥肌立った。
ニヤニヤした。
クゥーーって言った。

Atom™ - HD


全曲、素敵過ぎます。
前から
アトム™さんっていうか
セニョールココナッツさんっていうか
Uwe Schmidtさんっていうか
何曲かは持ってるんだけど
確かに、改めて聴き返したら
片鱗が垣間見える。
細野さんリスペクトだし、
YMOリスペクトだし、トリビュートで
「音楽の計画」カバーしてるし、
「Simoon」カバーしてるし、
そんな塩梅式で
素晴らしいのは知ってたんですけど
再認識しました。
この「HD」は尋常じゃない聴き応えありな
アルバム。

全曲「声」が入ってるかしら。
機械変調声とかボコーダーの存在力がすごい。
それと、「間」が素敵。リズムの間。
音と音の「間」。
無音に近い時間の隙間。
スキマ。
これはかなり重要な要素になってる。
同時発音数が割と少ないように聴こえるが
実際はどうなのだろう。

ひとつづつは知ってる「音」なんだけど
「組み方」とか「配置」とか「色」とか「風」とか
さっきの「間」とか、総合的に建つと
聴いたことのない幸せが訪れる。
嗚呼新鮮。

ひどくお勧め。






あ、この回、1999回目だった。
次回は2000回記念的になるのかならぬのか
なるのかならぬのか。



2013/06/11

(No.1998): ズレているあたしのテクノ・エレエレ


筆者のテクノ・エレクトロ系音楽的なアレが
世間の人たちが好むテクノ・エレクトロ系音楽と
ズレているのではないかという気がしてならぬ。
いや実際、気がしているのではなく
事実としてそうだ。


テクノ系を多くブッキングすることで有名な
あのライブハウスにも出演している実力のある
テクノ系バンド。
とても人気があるゆえワンマンでも
SOLDOUT必至だ。

どれだけかっこいいのだろうかと
たまたまYOUTUBEに最新ライブ動画が
あったので、初めて拝見拝聴した。


イントロ。
これはテクノなのか。なんかフツー。
所謂筆者の指向する方面とは異なるサウンド。
意外と綺麗。
でも、大丈夫、聴ける。
ギターがうまい。
ははーなるほどねー人気があるわけだ
と思いながら、女の子ボーカルが入った刹那
愕然とした。
もうわたしには何が良いのかさっぱり
わかりません。
痛々しささえ感じる。
音程が合ってるのか合ってないのか
まるで筆者が歌うカラオケのようだ。
また振付がどうにも塩梅がわるい。

あまりにも酷いのでわざとやっているのか
と思ったくらいだ。
わざとやっているんだったらすごいぞ。
全編拝聴した上にさらに2回も続けて観た。


勉強になる。
面白し。
こういうものが一般受けするのか。

筆者はどちらかというと
メロディよりも全体のサウンドデザインとか
聴いたことのないような変態音に惹かれるので
綺麗なポップスなどをテクノアレンジで
聴かせるような構成はちょっと敬遠してしまう。

人気の要因は楽曲もさることながら
ショーとしての見せ方の技術があるからだろう
と分析する。
オーディエンスの気持ちを掴むといった
テクニックは重要なのだろう。

もちろんdeweyでは皆無だ。


最後にフォローするなら
当然、まったく否定していませんから。
だっていろんなのがあって楽しいじゃない。
浜名湖産100%海苔の佃煮とか。
千葉県産100%びわゼリーとか。


従って
一ついえることはdeweyの作る音楽は
一般には受け入れられにくい
ということなのだろう。










2013/06/10

(No.1997): 世界に向けて「俺は某兵衛だ」と名乗れるか


「出世する」とはどういうことか。
会社で課長になることか。
部長になることか。
そんな役職の人々は「偉い」という。
「偉い」のか。「偉い」とは何なのか。

マネジメント能力。工程管理、品質管理、
コスト管理、ヒューマンマネジメント、
人を育てる。
そーゆー能力を会社で活かす役職。
それが偉いということなのか?
それが出世したということなのか?
そういうスキルを持っていることが偉いのか?

部下の面倒を見ているということは、
プロジェクトのリーダーということは
そういう責任を負っている。
権限を持ち、その代償として責任を負う。
だから偉いのか?


名刺交換。
名刺にはなになに会社の部長・某兵衛
と書いてある。
大抵相手は先ず「役職」を見て人を判断する。
折衝のネゴシエーションとして
「役職」や「役割」は重要だからだ。
何の役職もないただのぺーぺーの一兵卒に
重要な契約決裁の話をしても意味がない。




しかし、だからといって偉くなどない。
役職など、ただの飾りだ。
実質などない。
そういう役割というだけであって、
部長は部長の一兵卒は一兵卒の
やることがある。
ただそれだけのことだ。
だから、
あなたもキミもみんな等しく同じだ。





若い頃、年上の上司からいろいろ訓示を
受けた。お説教もたくさんされた。
はーそうなんだーそういうもんなんだー
と若かった筆者は思った。
しかし、そんな化けの皮はすぐに
剥がされるのだ。
自分がそういう立場になった時に
全てが判明する。

子供の頃、学校の先生は唯一偉大な存在で
見習うべき大人だったという幻想と同じだ。
同様に、
社会人成り立ての頃の直接の上司は
見習うべき立派な社会人なのだ。

しかし全ては幻想で、勘違いも甚だしかった
ことに気付くのだ。
ただの
胡散臭い輩ということに気付くのだ。


そんな胡散臭い有役職者諸君、
なになに会社の部長・某兵衛 ではなく
ただ単に「某兵衛」と名乗れるかキミは。
肩書も会社も役職も全て捨て去り
ただ単に「某兵衛」と名乗れるかキミは。

世界に向けて「俺は某兵衛だ。文句あっか」
と名乗れるか。



ちなみに筆者は名乗れる。
deweyのエフオピですっていうけどね。


は?deweyってなに?
名乗ってないじゃん。

いや何言ってんだよキミ、
deweyって意味わかんないから大丈夫だよ。


大丈夫って。





2013/06/09

(No.1996): MS404の復活のアレ


過日、得体の知れない衝動に突き動かされながら
DOEPFER MS404を引っ張りだしたのは記憶に新しい。
「面倒臭いことのほうが幸せなんだよ」とは
世田谷ベースの詔であるが、その境地に未だ到達できず
MS404をエフオピシステムに組み込むためには
少々面倒臭いだんどりを打たねばならない。
あーめんどくせー。
その辺りのことは前に記した通りなので省略。
いろいろな面倒臭いことを終えて
ようやく、そして久々に電源を入れてみる。





見たところ異常はなさそうだ。

ライブ楽曲の一部で音を差し替えようと思っていた。
「オルドビスの遺産」という曲の中盤あたりからの
ドカドカリズムに入るベース。
これをMS404に差し替える。

取り敢えず、素のままでベースのMIDIデータを
送って発音させてみるためAbletonLiveを
走らせる。
ビギャビギャビッビーとちゃんと音が出る。
よし。

音を作る前にチューニングを合わせる必要がある。
なんせアナログシンセなのでチューニングは必須だ。
しかもMS404は電源を入れて暖まって来ると
またズレるから、注意が必要だ。
A3の音を仕込み、ソフトシンセで鳴らした音と
MS404の発音とを聞き比べてチューニングを行う。

全然合わない。
TUNEノブをどっち回しても追っ付いていかない。





そうだ、きっと私の耳がおかしいのだ。
とは思ったが、念のためチューナーで
調べてみる。
iPhoneのチューナーアプリをDLする。

調べてみると原音と1度以上も違うじゃないか。
面白し。
確か、MS404はVCOの調整用の可変抵抗が
あったな。ということを思い出す。
これでチューニング範囲を適正に修正すれば
いいのだ。
「面倒臭い」けどラックから取り出して、
上蓋開けて中を見てみるか。

上蓋を開けてみる。





可変抵抗はいくつか取り付けられているが
プリント版に部品説明が記載してあったので
すぐにわかった。どうやら「VCO OFFSET」というものと
「VCO HI END」というものが関係ありそうだ。

蓋を開けたまま、結線し、電源を入れる。
発音させながら、「VCO OFFSET」を調整したら
ビビョーーンと音程が可変したので
TUNEノブがセンターでだいたい合うように調整した。





修正後、
元通り組み上げて、ラック内に再びネジ留めする。
ここからようやく本来のやるべき事をやる。
MS404の音に差し替える。

録音した音が僅かに遅れて録音されている。
これはオーディオインターフェイスの
レイテンシーによるものだ。
しかし、相当酷い遅れなので今後検討。
取り敢えずAbletonLiveのクリップを
波形レベルで若干前に移動させることで対応した。

おもむろにプレイバックで確認。
するとどうだろう
せっかくチューニングしたはずのMS404、
なんか微妙にズレている気がする。

よしOKだ。
全く問題ない。




2013/06/08

(No.1995): 概ね三十年の現役電子雑音響家


筆者が
レコーディング>ライブという時代だった頃。
(1980年代初頭〜90年代中盤頃)
レコーディングは曲作りと等価であり
当時のバンドメンバーが筆者宅に来ては
夜な夜な曲作りアンド多重録音に専念していた。

金のなかった我々は発表の場を
カセットテープに求めた。
簡単なブックレットも付けた。
パソコンは一般家庭にはほとんどない時代で
当然インターネットなど存在していなかった。
作品のカセットテープは
ほとんどは仲間内に配っていたが
いくつかは下北沢の五番街という
インディーズ専門レコード屋さんへ卸した。

90年代後半〜現在に至る過程で
その不等号は真逆に変化した。
レコーディング<ライブという時代が
筆者の中で到来した。
それまで培われた、
完全パッケージを目指した
レコーディングのノウハウは、一転して
ライブのための音源制作という目的で
活躍することになる。

しかし、あくまでもライブのための制作で
あったのでこの時代に作品として
パッケージ化したものは唯一
stereogimmikで発表した「4cd」
というCDRだけである。(2004年)


電子雑音響家活動を始めて約30年、
ようやく両方を両立できる見通しだ。
つまりパッケージ化した作品も作るし、
ライブもやる。
よくCDのリリースパーティなんかで
イベントをやっているが、
そんなの20代でやってる人はいるし、
その程度は普通の光景なのだろう。

30年もやってて筆者はまだそこにすら
到達していないが、そんなの全く苦にならない。
なぜなら、身の丈に合っているし何より
電子雑音響をこねくりまわせればいいからだ。
一方で様々な要因で結局バンドをやめて
普通のお父さんになった人も大勢いるのだから。

俺ぁ昔は、なんちゃらっていうテクノバンド
やっててなー、YMOのコピーなんかもやって、
あんなのやってて俺も若かったなぁ
なんて部下と飲みながら昔話している
40〜50代の君達。
言っておくけど、僕はまだ現役だぜざまぁみろ。
(その代わり実社会では一兵卒で弱小、うふ)


2013/06/06

(No.1994): D活動の本質と運用、その豊かさ


大塚Deepaさんより立て続けにライブオファーを
頂いている。
しかし我々deweyはご周知の通り
四方を現実世界のシガラミでがんじがらめに
押さえつけられて身動きも取れぬ有り様。
活動の道標を律するため、なんとしても得るため
実生活の常套句を一つ取り除いては前へ進み、
再び押さえ込まれては一歩後ずさりしを繰り返す。

何かを捨てないと先へ進まぬ、
などという道理は愚の骨頂である。
座右の銘、一石二鳥、の如く、
タイミングにC調に無責任で努力研鑽し
(無責任とは努力研鑽の結果である)
常套に取り仕切ることが真の本懐である。
しかし
現実社会ではそのように都合良くいかぬ。
だから面白い。

安心するがよい。
アップダウンのサイン波の軌跡をなぞりながら
文字通り難解電子雑音響をこねくり回し
30,000人のオーディエンスをぐるんぐるんと
踊らせることのできるdeweyならそれは可能だ。



*参考文献
エフオピの座右の銘。
「一石二鳥」の他に「他力本願」 など。




2013/06/05

(No.1993): 気付くと真後ろに125cc


赤信号で停車中、気付くと真後ろに125ccの
原付2種スクーターのヘッドライト。
もう本当に真後ろ。
少しは車間を開けろと思った。

ここは片側二車線の道路。
とはいえ朝のこの時間は左側にトラックやら
乗用車が路駐していることが多く、まして、
自転車も左側をびゅんびゅんと走る道。
だからいつにもまして慎重さが必要で
周囲の交通状況を常に把握しながら
全体の流れに乗りつつ、しかし
必要なタイミングではメリハリのある
運転をする。
そういうのが粋なライダーというものだ。

ところが、うしろの原付2種スクーターときたら
青信号になるやいなや筆者を追い抜かそうとして
ギャーギャーあおりだした。
筆者がブレーキかけようもんなら衝突する
のではないかくらいの至近距離であおってくる。
左側は路駐などで抜かせず、
反対車線はクルマびゅんびゅん状態なので
この本線を走る以外に道は残されていないのだ。
しかし、その原付2種スクーターは
それが我慢できないのか、俺様を先に通せこの
クソドカだかなんだか知らねぇイタ飯野郎がッ
というオーラビンビン放ちながら盛んにやってる。

左側車線が空いたので原付2種スクーターが
ウインカーも当然点けないで左車線へ車線変更
するほんの僅か前に筆者が左ウインカー出して
先に車線変更した。
そうしたら、
また俺様の前にクソドカティが入りやがった的に
烈火の如く怒り狂ったようで
てめぇ喧嘩売ってんのかゴラ的な
先ほどよりも数倍暴力的なアオリイカ的な
あおり走行を筆者のためにしてくれたものだから
この人は可哀想な人なんだと思い、
筆者は右車線へのき、左を空けてあげた。
そうしたら、へっへっ俺様の勝ちだぜざまーみろ的な
オーラを振り撒きながらビュギャーと横を走って行った。
ライダーは長袖シャツ(バイク用ではない)を着用した
サラリーマン風な三十代くらいの男性だった。

次の赤信号で原付2種スクーターは
筆者の前になった。
ちょっと意地悪したくなったので
さっきと逆にきゃつの真後ろにスタンバってやった。
別にエンジンを吹かしたわけでもないが
湿式クラッチとはいえデスモドロミックの
独特のエキゾーストノートが彼を緊張させたのだろうか
青信号になるかならぬかというタイミングで
逃げるように走り去っていった。
ものすごい速さだった。
その時の走行ライン、 四輪の間をスラローム、
黄色センターライン無視で右側通行、
右折車線から曲がらずの直進すり抜け。

あっという間に見えなくなった。






2013/06/04

(No.1992): 遠い極北の星を背に(AbletonLive**)


ところで、おまいさんアレぁどうしたね。
アレてぇなぁなんでしたっけねぇ。
なんだい忘れちまったのかい
てぇげぇにしなよ。
ひょっとするってぇと、アレてぇのは
アレのことかい。
そうよアレのことよ。
アレぁまだなんでさ。
おまいさん何を呑気に構えてるんだよ
もう間近ぢゃねぇのかい。
間近にゃちげぇねぇんだが
いろいろ物入りなもんがでてきちまって。
何を抜かしてやがんでこの丸太ん棒が
てぇげぇにしねぇと座りしょんべん
しちまうことになるぞ。
そりゃあんべぇがわりぃな。

塩梅が悪くなる前に6/24のライブの準備。
過日、前回のスタジヨ後にその時の
自分なりの修正箇所を頭に記憶させていたので
それをメモリから読み出し、修正箇所を
ちりぽりと直したのがもう2週間も前の話し。

そんなおり
dewey tai-raさんがもうAbletonLive9に
昇格したというニュースが飛び込む。
私は取り残されてゆくのか
私は置いていかれるとゆうのか
私は一兵卒としての、無役としての
わたしは、わたしは、わたしはッーと、
途方に暮れながら今まさにこうして
AbletonLive8の画面を見つめながら
遠い極北の星を背に従えたとびきりの
ガバナンスを得るために、
僕らはここに立っているのです今。





現代語訳
「ライブが終わるまでLive9は
やめておうこうかなーどうしようー、
あ、そんなことよりもライブの
準備しないと間に合わなくなるじゃんー
あ、その6/24ライブだけど
2番手なんだけどさー18:40とかなのよ
そういうわけだからお願いしますー。」







2013/06/03

(No.1991): そんなカタチのライブ告知(TIME TABLE出た)


メンバー数2名にもかかわらず、
年に数回程度のライブしかやらない
(やれない)
零細電子雑音響団体deweyは
四方を複雑な現実社会に覆われた
シガラミの連鎖とその鬩ぎ合いの中で
貧発に活動している。

その唯一の提唱会のお知らせ。



【dewey Live情報】
2013.06.24(MON)
大塚Deepa
OPEN 17:30 START 18:00
ADV/DOOR ¥2000/¥2500

[Live]
18:00-18:30 1.Lemonade-Launcher
18:40-19:10 2. dewey
19:20-19:50 3. Δmaretto
20:00-20:30 4. 花とワルツ。
20:40-21:10 5. BIG FIRE
21:30-22:00 6. DOOOMBOYS
22:00-22:30 -FLOOR LIVE- スパナ乙
22:30-23:00 7. BUZZ SQUAD
BAND LIVE END ~ DJ Bar URASHIMA TIME to till morning!!

[RESIDENT DJ]
Macho
Hoshiya
広ヰ茶魔
おにる 


twitterにて @dewey_lumb_fop までリプ頂ければ
チケット取り置きします。

2013/06/02

(No.1990): 世田谷ベースってBSの番組だったんだ


テレビ番組の話し等書きたくはないのだが
最近、「世田谷ベース」が気に入っている。

そもそもは、youtubeにアーカイブ的にたくさんアップ
されていたものだから、むさぼり観まくっていたのだが
おかげで一気に好きになってしまった。
実はテレビ番組なのを知らなくてDVDなのかしら
と思っていたらBSフジ日曜22時だったことを
つい最近知った。
しかも既に5年も前から放送されているとのこと。

「世田谷ベース」は今更説明するまでもないだろうが
簡単にいうと所ジョージさんの事務所兼遊び場的な
場所でそこでいろいろな遊びというか拘りというか
マニアックなことをただだらだらとやるというもの。
クルマ、バイクは当然でエアガン、プラモ、楽器、
自家農園、きのこ、塗装、雑貨、服、工具、カメラ
時計、めがね、犬、猫、料理、そして歌作り
などなどその分野は多岐にわたり、しかも
そのどれもが拘りのマニアック的な内容なのだ。

マニアックさを出しながら「だらだらやる」というのが
非常にリアリティがあって面白い。
ただし、例えばクルマならアメ車等の趣味嗜好は
筆者とはぜんぜん合わない。
しかし、なぜか、全体的な空気感に惹き付けられるのだ。

しかし、お金どれだけ注ぎ込んでいるのだろう。
うらやましい限りだ。