2016/06/26

(No.2464): 6月ライブ顛末(告知含みのだらだら編)



という前段があったものの、秋葉原Cypher にて 無事にDDDD Vol.9 出演果たす。
詳細についてはtaira准将の記録に詳しいのでこちらをご参照願いたし。


deweyでのクラブ系イベントはほぼ初めてであったが筆者の前身であるstereogimmik(ステレオギミック)というテクノユニットでは逆にクラブ系イベントが多かった。だいたい、本間本願寺さんと知り合ったのも確か池袋のクラブではなかったと記憶する。2003年とか2004年頃か。

stereogimmikはクラブイベントでは出番が午前3時とか普通にあった。(今はもう年齢的にキツイかも)
今回、本間さんのDJを聴いて感慨深かったのは、そんな当時の深夜のクラブで連綿と流れ続けるミニマル四つ打ちキックのディープなテクノの爆音の中、一種独特の緊張と眠気の狭間な雰囲気を想い出したからだ。
ゆらゆらと揺れて踊る、あの感覚。この感じに近い雰囲気はフジロックの深夜レッドマーキーか。


さて
今回deweyはクラブ対応セットリストというほどのものでもなかったが、生歌を僅かにオブラートしながら電子音厚めの音響で組み立てたものだった。なんとなくの寄せ方はできたのかなと推察する。イベントの方向性でそれなりに舵が切れるよう今後さらに精進邁進していきたい所存。

そんなdeweyの次回以降ライブはこちら。

7/19 火曜 四谷LOTUS / ELECTRIC LOTUS vol1
8/24 火曜 四谷LOTUS / ELECTRIC LOTUS vol2
9/24 土曜 渋谷ラストワルツ /  村上ユカさん主催 電気音楽会 vol4


セットリスト全部変えるよー(たぶん)(少し)

2016/06/19

(No.2463): 6/18ライブ顛末記(うっかり編)


6/18 土曜。
秋葉原Cypherで行われるテクノイベント DDDD vol9に出演するため秋葉原に向かって朝8:20頃クルマで出発した。当日は10:30から秋葉原ノアでスタジオリハが予定されていたので早く出たのだ。


今回、dewey制服は着ないのだが黒シャツに腕章は必要であり、そのあたりを忘れずに持っていかなければならない。黒シャツは着ていってもよかったのだが、土曜は東京34度くらいになる予報もあり、「行くときはTシャツだけ着て本番前に着替えればいいや、黒シャツはシンセカバンに入れていこう、でも今入れるとシワシワになっちゃうから明日の朝出る直前にカバンに突っ込もう」と思っていた。

そして、前の晩にミキサーなどを入れた一番重い機材バッグだけは車に積んでおいた。朝はきっとバタバタだしシンセ入れてるカバンと両方だと重いので。機材バッグにはMacBookProも入れるのだがその日は別で使用することがあり入れなかった。MacBookProも明日の朝出る直前に、クルマに持って行けばいいやと思っていた。

そして朝、MacBookProを小脇に抱え、シンセカバンを持ち出発しようとしたとき肝心の黒シャツを入れていないことに気付いた。一旦シンセカバンとMacBookProを置き、黒シャツをたたみシンセカバンへ慌ただしく詰め込み、そのまま車に乗った。


秋葉原の駐車場はどこも金額が高く、上限のある駐車場は少ない。そんな中、駅からも非常に近く、秋葉原Cypherにも近い好立地で土日料金でさえ24時間1600円という破格の駐車場を事前に調べていたのでそこへ車を突っ込む。
この駐車場は小さいクルマしかだめだという事前情報通り、その要求寸法はかなり厳しい。幸いにも筆者のFIAT Panda100HPは駐車可能だったので無事駐車完了した。


10:05頃に秋葉原ノア 着。tairaさんは既にロビーでくつろいでいた。ぐへへへうへへへと談笑して10:30スタジオに入る。さぁて、懸案だったtairaさんボーカルの単体出力テスト、二者の音バランス、筆者の個人練習の成果、などなどを検証確認する。

はずだった。

スタジオに入り、機材バッグのチャックを開けた瞬間、MacBookProが機材バッグに入っていないことに気付く。刹那、朝の状況がフラッシュバックし、あれMacBookProは小脇に抱えてたよな、その後どうなった?思い出せなくて気が動転する。機材バッグとシンセカバンのどこを探してもMacBookProはない。
マジか、えー、マジかー、震える、落ち着け自分と言い聞かせる。
筆者のMacBookProがないとマスタートラックが出せない、ボコーダーも使えない。。


すくなくとも本番前のスタジオ確認は、もう全滅。リハ出来ないことは確定し、tairaさんに土下座する勢いで謝りながら今から東京都下西部の自宅まで取りに戻らなければならないことを悟る。
唯一の救いはtairaさんの「スタジオ一人でやってますから大丈夫ですよー」という寛大なお心遣いであり、機材カバンなどをtairaさんに託し、クルマで戻るより電車の方が早いだろうと判断し走って秋葉原駅を目指す。
痛いほどの太陽にじりじりと焼かれながら横断歩道の信号待ちをしているときの心情と言ったら僕はおそらく一生この瞬間を忘れないのだろうと思った。


10:45
秋葉原から御茶ノ水まで総武線、御茶ノ水から中央特快に乗れたのでそのまま中央線地元駅まで突っ走る。駅からタクシーに飛び乗り、場所を告げたあと荷物を取ってきたらそのまままた駅まで戻りますので待っててくださいとお願いする。
自宅に戻るとMacBookProはちょこんと作業机の上ですました顔をしている。力が抜けそうになりながらMacBookProを小脇に抱えるとそのまま同じタクシーで駅へ戻る。
またしても中央特快に乗れたのでそのまま御茶ノ水そして秋葉原に戻ってきた。

12:50
tairaさんとは秋葉原Cypher前で落ち合い、そのままお店に入ってサウンドチェックになだれ込んだ。

13:10頃
スタジオリハで確認できなかったボーカルの単体出力テストのみサウンドチェック時に確認できた。なんか、もう朝8:20から休みなくずーっと長いタイムラインにある感覚。自宅からクルマで秋葉原、スタジオから電車タクシーで自宅往復、とか泡吹きそう。


とはいえ
18:10 dewey本番
なんとかギャニュ式ライブをやり遂げる。


(photo by edie.s(stereogimmik))


DDDD オーガナイザー様の緻密で行き届いた仕切りと秋葉原Cypher店長様の素晴らしいサポート、何より皆様のお人柄に筆者の心も癒されたのでした。
ライブ内容については次回。






2016/06/16

(No.2462): 妖怪「帯域つぶし」と「位相隠し」の巻


この拙日記で事あるごとにしたためている通り、deweyのライブでは上手側エフオピ(筆者)と下手側taira准将のそれぞれの音がミックスされてdewey式として完成する。

個人練習する際はそれぞれの制作スペースに於いて己の音のみを使う。とはいえ、私はこんな塩梅で音を仕込んでおりますグヘへヘというラフな音源はお互い事前に交換はしている。
しかしいざ個人レンシウとなれば自前の音のみで100%であると油断してしまう。結果、スタジオでの初合わせの時に惨事となる。
二者の音がMIDI同期して鳴り始めると100%だと思っていたものが200%になるのだ。即ち、自分の演奏が聞こえない。仕込みの音が聞こえない。などという事態は枚挙に暇なく、一体何がどう帯域を喰っているのか、目に見えぬ分それは妖気となって我らに襲いかかる。

過日導入したイヤーモニタの恩恵により、かえってそれが解像度を増して叩きつけられる。ただそれは虚像ではなく真実であることを周知させる出来事であり、つまりPAアウトへ送る全体のバランスという観点から、イヤーモニタによって全体を俯瞰できるようになったとも言える。

たとえ自分の演奏している音がほとんど聞えなかったとしても、それは楽曲全体のミックスバランスを考えればそれで正解だったことに気付く。むしろ、変に浮き上がってしまい意図しないバランスになってしまうことのほうがカッチョ悪い。
しかし楽曲上必要な発音やメロディ或いは生歌など、ある程度目立たないと成立しない音が埋没してしまっている場合、それこそが妖怪「帯域つぶし」による弊害(霊障)なのである。

妖怪「帯域つぶし」は同じような帯域を持つ音源トラックが何重にも重なっている状態で現れる。同じ帯域に同じような音が重なって結果的にお互いを潰し合うという恐ろしい状態だ。
また、このような状態では妖怪「位相隠し」も現れることが多い。正相と逆相が重なるとき音は打ち消しあうのだ。この場合音が埋もれて行方不明となる。妖怪「位相隠し」の仕業だ。

妖怪「帯域つぶし」や「位相隠し」に遭わないためには事前に帯域の組み立てを設計する必要がある。しかしdeweyの二者にとってそれは永遠に達成できない課題でもある。
なぜなら、

「この音入れちゃおうーウハー」
「この音入れちゃおうーアハー」







2016/06/11

(No.2461): ツクグロウ鳥は二本脚


「三千世界の烏を殺し ぬしと朝寝がしてみたい」

熊野三山に伝わる三本脚を持つ八咫烏は熊野権現の使いとされ、導きの神との信仰もある。古くは古事記、日本書紀、あるいはキトラ塚古墳の壁画にも描かれている。

熊野三山には熊野牛王符と呼ばれる護符がある。他の神社の護符とは違い、特殊な烏文字で書かれ、熊野三山である本宮大社、那智大社、速玉大社、それぞれに異なる牛王符が存在する。

その熊野牛王符は古くから起請として使われている。
起請とは誓約のこと。熊野牛王符の裏面に起請文を書けば熊野権現に対して誓ったこととなり、この誓約を破ると熊野権現の使いである八咫烏が死に、(または烏が三羽死に)約束を破った本人も血を吐き憤死し地獄に落ちると信じられた。

だから古代から重要な約束事を定めるとき熊野牛王符の起請文が用いられたという。例えば豊臣秀吉が病の床にあるとき、徳川家康、上杉景勝等五大老・五奉行に秀頼への忠誠を誓わせた起請文を書かせた。

ところがそれが江戸時代になると吉原などの 郭で流行した。
遊女があなたのことが一番好きよとか、年季明けあなたと所帯を持つわ、などという内容の起請文を熊野牛王符に書きお客に渡すのである。受け取ったお客は熊野牛王符の起請文だから間違いはないと喜び、裏を返す(再び訪れる)のから始まり、マブと呼ばれるまでに何度何度も吉原へ足を運ぶ。

しかし実はこれは客を繋ぎ止めるための作戦で、中にはたくさんのお客に何枚も起請文を渡していた遊女もいたという。
落語の「三枚起請」は三人の客へ渡した起請文がバレた騒動のお話。
古今亭志ん朝「三枚起請」



幕末の高杉晋作が作った都々逸だとされる「三千世界の烏を殺し ぬしと朝寝がしてみたい」は、起請文を渡した男との約束を破ってでも朝寝をしていたいという遊女の想いを詠んだとされている。


2016/06/06

(No.2460): 6月からのライブ期間ー


deweyは6月から3ヶ月連続で月一ライブ期間に入ります。ました。
(ひょっとすると9月も入って4ヶ月連続になるかも)

先ずは6月18日(土曜) 秋葉原Cypher にてDDDD という14時から19時にかけてのテクノイベントに出演致します。前回のDDDD vol8はOmodakaさんも出演されていました。
今回も本間本願寺さん、FQTQさんなど豪華な顔ぶれです。本間本願寺さんは筆者がstereogimmik時代から存じ上げている方で今回久々にご一緒になります。総じてテクノ色の強いイベントだと思います。

さて6月のdeweyは各自制作した新曲をそれぞれ1曲づつ入れ、旧楽曲についても新たな仕込みや演奏を加えます。7月以降についてもさらに新曲を加える予定。
deweyの音楽は基本的には生唄+機械歌唱+ギャニュ式電子音楽ですが、ギャニュ部をもう少し丁寧に解説するなら「多層電子音レイヤー轟音に不可思議コード進行によるアンニュイおじさんのボコーダーのノイズ化」といったところでしょうか乞うご期待。