2025/08/14

(No.2681): 床屋を訪なう。(屈強編)

 いつもの床屋さん。
お盆なので休みかと思ったが営業していた。
筆者は今髪を伸ばし中ではあるが
年齢の割に髪量が多いので、すいてもらおうと。

店に入ると初めて見る理容師さんがいた。
そのニュー理容師さんの風貌を詳細に語ることは控えよう。
筆者は先ずその方の見た目に目を見張った。

おおまかに書くとこんな感じの方。
がっちり型体形で金属系のいろいろを身に着けており
風貌はちょっと怖い系のおじさん。
年齢は50歳手前とみた。

その方が担当になった。
ここの店は他の理容師さんも大柄でなんせパワーバーバーなのだ。
だから相当な覚悟を持って臨まなければ
吹っ飛ばされるだろうと踏ん張った。


しかしケープを巻く仕草や対応が
意に反してなんと優しい当たりであるのか
拍子抜けとはまさにこのこと。
優しさに満たされている。

と、それだけならわざわざここに書かない。


散髪本編が始まると、
ん? え? ぐふ(笑)という情動の連続だった。
先ず段取りがおかしい。
通常先ず、熱いタオルを頭に巻くのだが
シュと霧吹きで髪を濡らしたら
いきなりバリカンで切り出した。

まぁいい。
そういう段取りもあるだろう。

筆者が髪伸ばし中ということは承知しており
ツーブロックの上はすく程度でお願いします
と告げている。
ジャキジャキジャキと3回ほどハサミをいれて
突然鏡を持ちながら「はいどうでしょう」と
訪ねてきた。

ってもう終わり!?

いくらなんでも早すぎないか?
ほぼすいてないんじゃ。
と思いつつ

「あ、はいOKですー」と筆者は大きな声で言った。


洗髪前のもみあげ切り。
筆者は1981年からずっとテクノカット
(もみあげは落とす)しているのだが、
もちろんお店にもそういう指定をしている。
しかしニュー理容師さんはもみあげのだいぶ下側に刃を当てて剃り始めた。

まぁいい。
そういうときもあるだろう。

洗髪。
いつもの大柄の理容師さんの場合は
吹っ飛ばされないようにぐっと耐えるのだが
この理容師様はなんというか、
も・の・す・ご・く 優しい。
柔らか。うっとりするようだ。
もう、その風貌と相反する。

しかしその直後、爆笑寸前に陥った。

ザザーってちょっとだけ流したと思ったら
急にタオルで頭を拭き始めた。
え?今シャンプー洗い落とし始めたとこじゃん??
大丈夫か!?シャンプーまだ落ちてないよね?
と思っていたら、「はいーおつかれさまー」と
起こされた。

いやいやいやいや髪まだびちょびちょやん!
ものすごい量の水がびちゃびちゃびちゃーと
筆者のTシャツの上へ降り注いでおる。

間髪入れず、頭のマッサージをはじめた。
おいおいお客さんが水びだしになっとるぞ。
髪まだびちょびちょでしょうがー
もう筆者はこれ以上笑いを耐えるのが限界だ。

これはニューキャラだ。
きっとそうだ。
筆者は心の中で喝采しながらも
口角が上がるのをなんとか食い止めた。


この有り様をこのニューキャラ様は
どんな顔してみてるのかと鏡越しに盗み見たが
気にも留めず無心に筆者のマッサージを施している。

それを見て思わず
ぐひゅ と笑ってしまった。

そしてお構いなしに
「はい、倒しまーす」と言って椅子の背もたれを倒し
髭剃りタイムに突入した。

髭剃りはもっとも緊張する時間だ。
緊張=笑いを耐えること
なんせ自分の顔がアップで大写しになっているからだ。

ここは笑うことは許されんぞ。
濡れたTシャツの冷たさがさらに笑いを誘う。
今までのことが走馬灯のように流れては
ぐっと笑いを堪える時間だった。

髭剃り後、通常は熱いタオルで顔を拭いて
そのあとクリーム塗って乾いたタオルで拭き取りして終了
なのだが、今日は髭剃り直後いきなりクリーム塗ってきた。

「!え?顔拭かんの?」
さすがに笑ってしまった。
笑った顔のまま背もたれを上げられた。
(↑以前もこんなことがあったなぁ)


いやーすごかった。満足。


髪伸ばし中は維持されつつツーブロックの中は
微妙な刈り上げでアンバランスな髪型。
筆者の理想通りだ。

素晴らしいエンターテインメントショーだった。
次回も期待。