2014/02/28

(No.2144): スティックを折った理由


筆者の三十余年に及ぶ音楽活動歴は
概ね電子雑音こねくり回し系に属している。
しかしその時間軸においてエレクトロニック系
以外の音楽、バンド活動というものも同時に
やっていた時期があり、その時期は延べ
十年間ほどだろうか。

1987-1989年くらいに大学時代の友人
だったK君から誘われて「モビーディック」という
ベタベタな名前のハードロック系バンドで
キーボード奏者として。
2003-2006年くらいにかけて会社仲間での
「パニック・コッシー・コースター(PCC)」という
トホホ昭和歌謡含みのロック系バンドで
ドラムを、その後2008年まで同じく
会社関係で「フジオフィーバー」という
ブルースロック系バンドでこちらもドラムを担当。

所謂普通のギターバンド(ギター、ベース、
ドラム、ボーカル)でロックンロールや
ブルースなんかを演奏した経験は現在までの
様々な音楽のシチュエーションにおいて糧に
なっていることは間違いない。
有り難く思っている。
しかし、とはいえ筆者のようにまったく見当違いな
ジャンルの音楽をやっているバンドに入っての活動
というのは正直完全にはノリ切れなかった。

ではなぜ続けられたのかと今、改めて鑑みれば
それはドラム演奏そのものが楽しかったから
という一点のみだった気がする。
演奏している音楽についてはやはり馴染めない
ものが多かった。ただ並行して活動していた
stereogimmikやdeweyが自分にとっては
メインであるという誇りがあったので
続けられたのだろう。

だから第一次dewey〜第二次deweyにかけては
ドラムを担当した。今度は好きなエレクトロニックな
楽曲で思う存分ドラムを演奏したかったからだ。
この頃からドラムの通信教育なども受け、一応は
正式にドラム演奏の基礎を身に着けた時期だ。

そして壁にぶつかり、つまずき、転び、絶叫し、
スティックを折った。
折りまくって捨てた。放物線を描いて捨てた。
元居た場所に帰ろうと思った。
ノブやスライダーや鍵盤を駆使した電子音塊の海へ。
わたくしの居場所はここだった。






2014/02/27

(No.2143): dewey 構成要員一覧(3人)


今朝の全国版雑響音新聞の家庭欄見出しの通り
こんな電子雑音界辺境の最果てで蟠っている
燻っているdewey(デューイ)に新たな演者さまが
お入りになるとのことでその初会合であるところの
新宿三丁目まで訪なう六級号はタンクの淵に貼って
あったMONSTERのステッカーのうち「N」が完全に
剥がれ落ち「S」も上半分が欠落していたので
MObTERとなりし我が六級号にもこの新メンバー
さまがdeweyに入ったおかげさまを持ちまして
今まで我々が人様にdeweyを紹介する時の口上
としてのあーあれですーおっさんふたりで
ギャニュギャニュ電子雑音を捲し立ててるだけの
アレですからなんたってあんたつまらんもんですわ
あっはっはーなどとやっていたものだから
今回新たなるメンバーさまが入ったことでそれを
そのままやっちゃぁ駄目なんぢゃねぇのとか
全然思っていませんこんばんわエフオピです。

とはいえキミ、おっさんふたりというところは
ちょいと違うだろう。キミ、これならどうだい。

おっさんふたりと女史。

dewey 構成要員一覧
mieu   [みえう]   担当:湯煎
taira  [平]     担当:肉焼
efuopi [エフオピ]  担当:燻煙





2014/02/25

(No.2142): 72時間の回路(2)




金属のレールがアスファルトに溶け込んでいるさま。
車輪エッジを噛むための溝。隙間にゴミ。
圧縮空気弁の開閉に伴う合奏の意思。









2014/02/24

(No.2141): 72時間の回路


24:
早朝のスキームは偶発性の海を漂う。
800km/hは250km/hで順応する。
雑駁さが心地よき時間を生む。

36:
咆哮、揺れ、水(大)、重力。
咆哮、重力過多、水(小)。
椅子の生地はビニールと煙草の匂い。

72:
5/33から22/33への秩序と混沌。
四柱社前面路面軌道停車場前定食屋。
250km/hは800km/hで順応する。





2014/02/19

(No.2140): 牧歌的テー論


パフユーなんとかの曲をテクノポップだとか
きやりーなんとかの曲をテクノなんちゃらだとか
という言い回しをよく見かけるのだが、
筆者から見たらぜんぜんテクノではない。
ただの優秀な国民的歌謡曲だ。
(いや褒め言葉です)
確かにトラック作ってる人はそっち方面だし、
そも楽曲自体もサウンドを聴けば
なるほどテクノポップですねと頷くことは
健全な社会人としてなら吝かではない。
しかし彼らはそもそも世に出ているその
文脈自体が筆者に言わせれば
既にテクノではないのだ。

流通のスキームに乗り、消費される音楽は
大衆芸能としての理を持ち、それはそれで
価値のあることだと認識はしている。
しかしそれは筆者の想うところではない。
真のテクノの理を辿るならやはり
名もなきベッドルームミュージシャンが創る
電子音楽を発露としたい。
言うなれば起承転結もない、発情の元に
生み出される素の電子音楽に筆者は
魅力を感じるしそれをテクノと呼びたい。
だからそういう文脈にこそ沈香の芳香が漂う
真の電子音楽テクノムジーク魂は宿ると
信じている。





ふーん、
じゃぁキミ聞くけど、キミの論理でいくと
YMOなんか当時相当売れたけどあれはどうなのよ
テクノじゃないのかい、
一家に一枚ワイエムオーとか言われてさ、
クラフトワークだってそうだ
え、どうなんだよ、そら、言ってみろよ、そら、
どうなんだよ。


まぁまぁまぁまぁ
固いことは抜きってことで
ここはどうぞひとつ。





沿度間喜三郎 著
1951年「牧歌的テー論」第二章より




2014/02/18

(No.2139): 俎上の蛇腹


小学生時分筆者は蛇腹フェチだった。

子供の頃は家に自家用車がなかった所為か
鉄道が好きだった。
(今でも軽便鉄道は好き)
(あと路面電車の線路も好き)
鉄道好きと言っても鉄道模型から興味を
持った口で、その方面では高校時代に
ピークを向かえる。
(鉄道研究部副部長)

さて、鉄道における「蛇腹」とは。
それは客車と客車を連結している部分、
そこに蛇腹の幌がある。
今も基本的にはこの部位は蛇腹式幌であるが
所謂「蛇腹的山谷折り」がなくて
目立たなくなってスっとしている。
昭和30年代40年代ではこの部分は
あまりにも際立っていた。

車両が走行している時連結部に立ち、
塗装を何重にも塗りたくったであろう
手すりに掴まりながら、あの自由にぐにゃぐにゃと
動く蛇腹様式の幌を見上げては
圧倒的に魅力を感じていた。

あの恍惚感、何故かはわからぬ。




(イメージ図)






自宅前の道路の舗装が不完全だった
昭和40年代初頭、バスは黒い排気ガスを
撒き散らしながら左右に大きく揺れて
走っていた。

ボンネットバスではなくようやくリアに
エンジンを持つ四角いバスが登場し始めた頃。
バスに乗車した際は運転手さんの
一挙手一投足をかぶりついて見ていた。
油で黒く汚れた木製の床から
にょきっと突き出たクラッチペダルを
左足で踏み込み、時にはキュッキュッと
連続して二回踏み込み、
これまた床から生えているシフトギアの棒を
がくがくと操作する白い手袋の仕草が
なんとカッコいいのだろうかと心底思った。

そして、その油で黒く汚れた木製の床から
生えているシフトギアの棒は、黒いゴム製と
思われる蛇腹の「袋」から生えているのだった。
それがギアを変える度に形を変える。
そのぐにゃぐにゃと変形するゴム蛇腹を
見つめては圧倒的に魅力を感じていた。

あの恍惚感、何故かはわからぬ。




(イメージ図)









2014/02/14

(No.2138): 遠巒の廻廊(六)


「キミの言わんとしていることはわかった。
つまりキミはこう言いたいんだろう。
セジュウィッチバーグ博士はどこだ とね」
「だからさっきから言ってるじゃないですか
そんな言葉遊びをしている場合ではないのです」
「失敬、でもまぁ落ち着きたまえ、ええと、ヤン君、
だったね」

ワイマールの問いにヤン・ヨークビンセントは
答えずに続きを待った。

ここはワイマールの研究所。既に他の所員は全員退所
しており、残っていたのは所長のワイマールだけだった。
帰り支度をしているところにセジュウィッチバーグ博士の
助手であるヤン・ヨークビンセントが訪ねて来たのである。

「それは僕の方も知りたいのさ。フェルディには連絡が
取れないんだ。あれから」

フェルディとはフェルディナンド・セジュウィッチ
バーグ博士の通称で、親しい友人達からそう呼ばれている。

「僕も心配だ・・」

ワイマールは不安げに首を横に振った。

「キミも知っている通り彼から放射性炭素年代測定を頼まれた」
「はい。結果をあなたから聞かされて先生は驚愕されて
いました」
「ああ、あのあとすぐに彼と会ってね、借りていたブツを
返すためにね」
「そうでしたか、それはいつのことですか」
「うんもう二ヶ月も前になるか、たしか2月の初めだった」

そういうとワイマールはiPhoneのリマインダを確認した。

「うむ、間違いない、2月7日に会っている」
「そのあと、電話でも先生とはお話しになっていないのですか」
「ああ、こちらも忙しくてね、あれからしばらく電話をして
いなかったんだがね、やはりあの結果が気になってね、
確か二週間かそれくらい前に電話をかけたんだ。
あ、奴の携帯にね。電波の届かない場所にいるらしいが」
「そうなんです携帯はつながらないのです。自宅にもおりません」
「奴は、フェルディはいつからいなくなったんだい」
「まさしく二ヶ月ほど前からなんです」

そういうとヤン・ヨークビンセントは自分のアンドロイド
スマートフォンの画面をワイマールに向けた。
そこにはメールの文面が映しだされており
こう書かれてあった。

<ヨークビンセント君 至急調べてくれ 古代ケルト語の
亜種、サフォン語のことを。そのなかの体系にデュイという
文字があれば   >


「このメールを残して連絡が取れなくなりました」
「なんで調査依頼をわざわざキミにメールで送りつけて来た
のだろう直接キミに言えばよいものを」
「そうなんです。こんなこと初めてです」
「しかも、このメール、途中で終わってるな」
「はい。心配です」
「”あれば”、何だというのだろうか。で、キミはこのサフォン語
とやらを調べたのかね」
「はい、少しですが」
「何かわかったのかね」
「残念ながら”デュイ”という文字は見つかりませんでした」
「”デュイ”か・・・ どういう意味なんだろうね、しかしなんで
フェルディはそれをキミに調べさせようとしたのだろう」

ワイマールの腕時計が21時の時を告げた。
ピピ

「ヤン君、今から一緒に来てくれないか」
「どちらにですか」
「ん、例のブツがまだ奴の家にあるのか気になる」
「そうですね、何か手掛かりがあるかもしれません」
「よしフェルディの家へ行こう」

明かりを消すのも忘れて、ワイマールと
ヤン・ヨークビンセントは慌ただしく部屋を後にした。


(続く)






2014/02/13

(No.2137): 寡黙なゲール(第ニ話)


「ゲール、ゲールはいずこぞ」

「はは、ここに控えおりまする」

「おおゲールよ、ときにおまいさんは
”幇間”というのを聞いたことがあるじゃろう」

「なにぶん無知蒙昧でございまして
読み方すら存じ上げません」

「なんじゃ”幇間”を知らぬと申すか」

「面目次第もございません」

「よいか”幇間”は”たいこ”と読むのじゃ」

「”たいこ”と読むのでございますか
一つ勉強になりましてござりますれば」

「”幇”は助ける、”間”は人と人の間、という意味での
繋げるとこれ即ち人間関係を助けるという意味となるのじゃ」

「それはまた、大層ご立派なお言葉でございましょうや
さりとてわたくしにはさつぱりとその要領を得ぬものですから」

「ええいじれってぇ、幇間ってぇな、太鼓持ちの
”たいこ”よ、脇じゃ師匠とか大夫なんてぇ
呼ばれることもあるがよ、こちとら反対(はんてぇ)に
持ち上げるてぇのが商売(しょうべい)だ
いよーッ旦那、こちらさんてぇもんは憎いよホントに、
様子はいいし、もう御婦人の方じゃぁ、あれですよ、
ほっておかないてぇやつだ、ねぇ、
もうお召し物なんてぇのも我々なんかとは違うし、
安くないでしょその上布は、ねぇ、帯だって
いい帯だ、ねぇ、パナマ帽なんぞを被って
お見かけするってぇと兜町の大将ですか、
よぉッ旦那、よぉッ   よぉ   よお  」

「・・・・・」





2014/02/12

(No.2136): 下戸上等


会話中失言してそのことに気付きながら
その場は何事もなかったかのようにさらと流しつつ
後でじくじくとくよくよと後悔の波をかきわけながらも
俺は僕はいったいどこへ行くんだったっけあっそうだ
ヨドバシでUSBメモリ買うんじゃなかったっけー
そうだそうだ忘れるとこだったよーにょー
とさっきの悩みなど便壺へ綺麗な放物線投棄できる方は
是非ともこの電網辺境の地の屑ブログへ
お越しくださいこんばんわエフオピです。

身を挺すると見せかけての保身百パー。
業の深さに微笑む。
斬捨てご免。




さて、
ご存じの諸兄も数多いらっしゃることと思うが、
筆者はお酒が一滴も飲めぬ。
そんなことどーでもいーという向きも
おありであろうことを十分に拝承仕りながらも
筆者はアルコール系が一切合切飲めぬ。

であるからして、この歳になっても居酒屋
というジャンルには滅法弱い。
というかほとんど知らない。
というか行かぬ。

一人で赤ちょうちんの暖簾をくぐり
大将とりあえずビールね!
などというシチュエーションと台詞は
この齢五十年の人生において一度たりともない。



たまにお酒も出しているようなお店に夜行くと
お飲み物は?と必ず聞かれるが
えっと水、あ、お茶でお願い致します、
と応じている。
だから筆者には晩酌などという文化もない。

お酒を嗜む方と食事等をする場合
ハッとすることが多い。
おおそうか、フツーはここでビールなんかを
注文するのかという新鮮な心持になる。

職場での飲み会的なものでは
盤石のアイス烏龍茶でキメる。
最近はノンアルコールビールというのも
出ているようだが、あれはマズイ。
一度だけ興味本位で飲んだことがあるが
そもそもビール本来の味が好きではないので
美味しくはなかった。もういらぬ。

そういえば、過日、
飲み会の席で筆者と同い年の男性社員から
私も最初はあまり飲めなかったんですが
無理矢理飲むようにしたら
飲めるようになりました
エフオピさんも無理矢理飲めば
飲めるようになりますよ
と嗜められたことがある。
しかし別にお酒が飲める人になろう
となど全く思っていないので、まして
無理矢理に飲むなど1兆パーセントないが、
はぁはぁそうですかーと一応気を使いつつ
全否定はせずに流していた。



数年前、仕事で中国の大連に行った際、
夜の歓迎会的な飲み会でも一切飲まなかった。
仕事で訪なっているのだから、そこは、普通、
大人の事情で飲まなければいけないのだろうが、
それでも筆者は断じて飲まなかった。

あすこは白酒(バイチュウ)という
アルコール度数50度もある強烈なお酒を
飲む習慣がある。
キツイお酒なのでおちょこくらいの小さい
器で飲む。しかしそれを何杯も飲む。

誰かが今後ともよろしくー的なことを叫ぶと
丸テーブルの全員が白酒の入ったおちょこを
持ってテーブルにコンコンと二度ほど当てて
皆一気に飲むのだ。
その丸テーブルに、酒も飲めないウダツの
あがらぬ日本人が一人、神妙に座っている絵を
想像して欲しい。






しかも、大連から帰った翌日に
deweyのライブをやった
のだ。







2014/02/10

(No.2135): 寡黙なゲール(第一話)


「ゲール、ゲールはいずこぞ」

「はは、ここに控えおりまする」

「ゲールよ、その”おりまする”の”る”の用法じゃがな」

「はは、なんなりと」

「なんかこう、その”る”の蔓延り方がのうなんちゅうか
もうサイヤサイヤと来るような心にねサイヤサイヤとね」

「サ、サイヤサイヤというのはどのような
状態なのでしょうか」

「そりゃおめぇあれだ、
”三千世界の烏(カラス)を殺し、主(ヌシ)と朝寝がしてみたい”
てぇくらいサイヤサイヤするてぇやつよ」

「わたくしにはさつぱりと、その要領を得ぬものですから」

「なんでぇ、こんな都々逸もしらねぇってのか
今からよっく聞かせてやるから耳の穴かっぽじって
聞いてやがれこの野暮天野郎
江戸天保の世にゃカラスが多かったてぇ話で、
朝になりますてぇと腹ぁ減らしたカラスが群れで
カァカァ鳴くんだそうです
鳴いておかみさん連中を起こしてゆんべの残りもんを
捨てに来るのを狙うてぇんですからねぇ
カカーカカー起きろ、カカー起きろって、
で、その時分のナカ(吉原)にもカラスてぇな
沢山いたそうですな
ナカで働く花魁芸者にとっちゃ、やっぱり嬉しいのは
起請を受けたマブな奴てぇくらいで、年季明けで
夫婦にでもなろうなんてぇ約束交わした野郎との
逢瀬一夜といいます
そんな一夜を明かした朝にカラスがカーカー鳴いて
起こされるのはたまったもんじゃねぇ、てぇんで
この世のカラスを全部殺しちまって、マブな、
主(ヌシ)と朝寝がしてみたいてぇ粋な都々逸で
サイヤサイヤこねぇかい」


「きません」




2014/02/09

(No.2134): 隣席の人(窓の外は一切見ずに)


そのecho7に搭乗すると隣にいたのは
推定体重89Kg頭頂部が既に若干の
羽毛状態と化している、見かけの推定年齢
44歳、実年齢はもっと若いと思しきどこを
どうみても輝かしい鉄ヲタさまでありその
おそらく「乗り」であろう鉄ヲタさまは
勇ましくこの季節チェック柄のシャツの
胸元を開襟し、当然そのシャツの裾は
二段ベルトでインされ締め上げておられ、
そしてその鉄ヲタさまは開口一番わたくしに
こう告げた。
「ねーいいですよねーシートもいいよねーねー」

「はいシートいいですね」とわたくしは
本心で応じた。

echo7がするすると動き出すと鉄ヲタさまは
ご自分のリュックをがさごそとまさぐりだし
B5版ノートPC(Windows7)と何やらコード類を
ばらばらとご自分の前のテーブルに乗せだした。
コード類が散らばって後ろの席の人から
「これ、落ちましたよ」とACアダプタらしき
ものを渡され「あーすいませーん」と受け取った。

走行中、ずっとノートPCで何やらカチャカチャ
やっている。
鉄ヲタさまは窓側の席にもかかわらず
窓の外の景色を一切見ない。
わたくしは見たいのに。
まだカチャカチャやっている。
ははぁご自分のブログか何か、いやひょっとして
高じて鉄道ジャーナル(古)とかの記者になって
乗り心地なんかの記事を打っているのだろうか
と、なにげにチラチラ画面を見るのだが
Yahooのトップメニューから画面が
一向に変わらない。

目的地に到着。
「いやーありがとうございましたー」
と突如何故か感謝される。
「あ、こちらこそありがとうございました」
「700系と比べて乗り心地は良いですよねー」
「はい?」
「E700系よりも乗り心地いいですよねー」
「え? あ、あーそーなんですかー」

取りつく島もない受け答えをしてしまって
後になって後悔する。
そこは合わせて「ですよねー」が正解だったろう。










2014/02/08

(No.2133): 贔屓のラーメンとの


京王井の頭線永福町駅前に存する
大勝軒についてはこの屑ブロギーを
流し読みされている賢い諸兄にとって
一度は耳にしたことのあるラーメン屋
屋号であろう。
とりもなおさず筆者の数十年間における
ラーメン最高位に君臨するのがこの永福町・大勝軒である。
正確には
永福町・大勝軒とその暖簾分け店である。

なに?
つけ麺が美味しいでしょうだとぉ?
そんな腑抜けたメニウなどないわたわけ。
なに?
最近カップラーメンにもなりましたねだとぉ?
そんなメーカーとタイアップしてまで
インスタントで作れるようなスープなんか
ウチには置いてないわたわけ。
それは「池袋」の方です。
ぜんぜん違います。
全く別の店です。
たまたま同じ名前なんです。


筆者高校生の時分。既に34年も前だ。
筆者地元駅に大勝軒の暖簾分け店があった。
筆者はその当時からの贔屓。
なんて旨いラーメンなんだと思った。
煮干ししょうゆ+浮かぶ油の一択スープ、
そのスープは火傷必須の熱さ、
そしてなんといっても
ノーマルで二玉半という麺の量、
冬場ではゆずの皮の小片が浮かぶ。

しかし数多あるラーメン批評関連電網を
拝見すると永福町・大勝軒は酷評も多い。
やれ麺が柔らか過ぎるとか
やれ量が多過ぎるとか
やれ高すぎるとか(1杯1000円也)
二度と喰うかボケこのカス野郎的に
ご好評を頂いているのを見かけるのだ。

他の方がどうお感じになろうと筆者にとっては
王者であるのだから何の悶着もない。
麺は本家の草むら商店さんからの供給で、
あの柔らか麺の理由もわかってはいるが
そんな理屈は無用の助、ただ喰うのみ。

「火傷するよな スープをすすりゃ すべて帳消し 大勝軒」
「旨い後味 煮干しのスープ 小ゆずが効いてる 大勝軒」




こんな雪の日には口中をしこたま火傷しながらの
永福町大勝軒の一杯が、粋である。




2014/02/06

(No.2132): 二月三日提唱会発表楽曲概説


1  オルドビスの遺産
二者のバランス不遇により一方を強調した結果、
不思議な強弱と突出したVCOの刺激に見舞われた逸品。
間合いの旋律と機械音声の無意味な絶叫の妙。


2  Pizza of emergency stairway
不自然なバランスを保ちつつ快活で安穏。
増幅した刻み要素は真の不揃いを整え、
いみじくも不協のそれとして存在の証しを得る。


3  伯父の傷
ハウリングの基礎を学ぶための一節。
果たしてバランスの極意は見破られ試され、
尊大なる音圧の僕に賢く美しく寄り添う。


4  庭師KING (ラ・ガフィナ・モノニウム・トラック)
バックビートを排し前面を遊撃しながら、
後方にはやや裏打ちした定常の軛を置く。
輪郭の薄い機械音声と副菜としての人声との交配。


5  エンネボークステルフィ
七と四の規則を踏み、越境の道標を観察しながら
対岸へと轍を歩む。サフォンの語り部に誘われるまま
虚と砦を配し、二者の紡ぐ旋律は互いの波を震わせる。











2014/02/04

(No.2131): dewey 2月ライブの出来栄え



わたくしはtaira氏と電子雑音グループを組んでいて
本当に良かったと思えた瞬間を昨日感じた。


ライブ当日の昼、リハ・スタジオその後、
遅い昼食で、デニる。


デニ店員「ご注文は」
エフオピ「日替わりランチを」
taira氏「ひとくちロースステーキ大盛りで」
デニ店員「かしこまりました」
taira氏「それと、和風ハンバーグ  ライスなしで」

デニ店員「え」
エフオピ「え」

「ご飯でお腹が一杯になるならその分
私は肉を喰いたいのです」


(photo by efuopi)

taira氏と電子雑音グループを組んでいて本当に良かった
と思えた瞬間だった。






池袋 手刀(チョップ) 19:30

リハではtaira氏マイクがハウリングを起こし
その解決策もないまま本番に臨んだ割には
本番の出音の迫力と音の分離の良さにリハの汚点は
帳消しとなった。

ステージのモニター返しの大きさが今までの経験に
ないくらいの爆音だった。
経験上、ハウリングやらの問題でステージ上の
モニターは外音と比べるとすこぶる小さいことが多い。
しかし手刀さんは考えられないくらいの爆音だった。

特に我々はボーカル用マイクさえ注意すれば
全てライン出力の電子楽器なのでハウる心配もない。
従って、爆音、アリだ。


deweyの制服を着て、今回から装着が義務付けられた
音反応式赤色LED基盤を胸に我々はステージに上がった。
出音の良さは演奏やパフォーマンスにも影響を及ぼす。
結果として、近年にない良い出来であったのでは
ないだろうか。
まだ動画をチェックしていないので、アレだが。
感触として。たぶん。

なぁに、弾き間違ったっていいさ。
歌詞を間違えたっていいさ。








(photo by Edie(stereogimmik))

個人的には板つきのオープニングからの
MICROBRUTEの分厚いアナログVCO爆音サウンドでの
手動シーケンスが最高だった。


そして我らの課題は、MCだ。






お越し頂きました方々、ありがとうございました。
手刀スタッフの皆様、出演者の皆様、ありがとうございました。
dewey次回も勢威ブッキング中です。





2014/02/02

(No.2130): 2月3日19:30 dewey ライブ at 池袋 手刀


全ての機材は大小あるスポンジ製ソフトケースに納め、
ケーブルコード類を八の字巻きにしてフジロック袋に放り込み、
それらをPC運搬可能コロコロ付きトラベルキャリーバッグに積める。
入らない。
準備は万端だ。




電子雑響ユニット dewey[デューイ] のライブ
02.03 (mon)
池袋 手刀

open  19:00 
start 19:30

adv.  ¥2,000(+1d)
door  ¥2,200(+1d)

19:30-20:00 dewey
20:10-20:40 Ryo Fujimura
20:55-21:20 Take E Lee
21:30-22:00 erasers

このリンクのdeweyサイトにあるメアドから
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