2016/12/30

(No.2501): 遠巒の廻廊(十四)


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遠巒の廻廊(十二)
遠巒の廻廊(十三)


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ここに来てもうすぐ二度目の夏が来る。数日前からの雨もあがり、大気はかなり蒸し暑くなってきた。そろそろ梅雨が明けるだろう。
冷暖房もない世だが、ここは真夏でも意外と快適に過ごせることを知った。むしろ冬の寒さの方が堪える。どうせ外から見えない生活なのだから、「時侯機」でストーブくらい持ってきても良さそうなものだ。とはいえ電気がないからさすがに冷房は無理だろう。あ、ストーブにしたって薪ストーブじゃないとだめか。石油なんてないしな。そう思ったらニヤついた。

「なんです旦那」

朝餉を終え茶を啜りながらぼうと庭を眺めていたわたしに藤助が声を掛けた。

「お、お早う藤助、来てたのか早いな」
「あに笑ってんです」
「ここに来てもう二年になるのかと思ったら、ついな」
「もうそんなになりやすかね」

そう言いながら藤助が一抱えもある行李を畳に置いた。

「なんだいそりゃ」
「旦那の着物ですぜ」
「夏用のかい? それなら去年のがあるからいいよ。それともどっか旅でもさせてくれるのかい、せっかく江戸にいるんだから、別な場所も見てみたいしね」
「旦那がここに来た時に着てた着物ですよ」

この服では人目につくと怪しまれるという理由で、ここに来てすぐに藤助が何処かへ隠してしまったわたしの服だ。

「返してくれるのか? なんで今更」
「お上から指図があったんでさ」
「ええ!なんだって。。。」

晴天の霹靂、いや僥倖の訪れにそれ以上言い募れなかった。”お上”とはいわゆる幕府のことではなく、わたしをこの時代に送った連中のことだ。

「あっしにはなんともわかりやせんが、近ぇうちに下知が降りるんじゃねぇかと」
「なおさら旅に行きたいね、せっかくこの時代にいるんだから、戻ったら夢だったって思っちゃう」
「旅ぁできねぇと思いやす、足ぁ伸ばせてせいぜい品川てぇところですかね」
「まぁ話半分だよ。。」
「めでてぇかもしれねぇって話なのに、こんなこたぁ言いたかぁねぇんですがね、旦那の時代に戻れるかはわかりやせんぜ」
「え、なんだい君、そのがっかりさせる物言いは」

言いながらお茶を一気に煽ると横目で藤助を睨んだ。しかし本心は揺れ動いていた。住めば都とはよく言ったものだ。帰らずにこのままこの時代で一生を送るというのも悪くはない気もしていた。
よしんば帰ったとして、この時代に飛ばされた直後に戻される可能性もあるが、そもそも元の時代に戻ってもわたしの居場所があるのだろうか。かといってここの生活とて果たしてわたしはわたしとして存在しているのだろうかとさえ思えてくる。

わたしの表情を気遣いながら藤助が何か言い始めたとき、裏庭の蔵の方からバチンと大きな音がした。
わたしと藤助は同時に飛び上がった。

「来た!」

わたしは叫びながら蔵の扉の前まで走った。ガキンという音とともに蔵の観音扉が静かに開き始めた。



(つづく)

2016/12/26

(No.2500): 二千五百回目のニューロン(12/22顛末記 付き)


12/22 大久保ひかりのうま にてchinaproveさんワンマンのオープニングアクトを努めさせて頂く。
お越し頂きましたお客様、主催chinaproveさんはじめ共演者の皆様、マルタさん、本当にありがとうございました。

chinaproveさんはクラブ系トラックのテクノからまるでBBSのようなテイストを持つ雰囲気の曲まで、音と同期する映像と共に約90分もの長丁場をサポートギターのKGoさん(from Honeydew)と演奏されていた。chinaproveさんのマルチな演奏も相まってとても見応えのある格好良いライブだった。
また、オープニングや転換時のchigiraさんのDJも面白かった。オープン時は環境音楽的なアプローチであり興味深かったがdewey後転換時にはJAPANを掛けるなど驚いたというか懐かしかった。機材片付けしながらニコニコして聴いていた。



deweyは2016年最終のライブだった。今年は今までで一番ライブ回数が多かったのではないか。来年は今年よりもさらにズズッとがんばってゆきたいものである。

などとどの口がゆっているのだろうか。なぜなら最後の最後で大失態をしでかしてしまったのだ。わたくしが。
もはやわたくしのニューロンはもうその機能を放棄したのだろうかともうくらいのアレだ。

アレ其の一
入り口階段中程にあった「ご自由にお持ちください」と書かれたフライヤーなどが入っていた箱の中に、deweyライブで使っているわたくしのMacBookProを入れっ放しのまま帰ろうとした。
機材を撤収していたとき、一時的にその箱の中に入れておいたのをものの見事に忘れたのだ。俄かに信じられぬ。

アレ其の二
あろうことか、いや決してあってはならぬ、我らの物販CDを”またしても”忘れて帰ってしまったという大大失態。
帰宅し、機材の確認などをしていたら、やべ!忘れてきた!と気付いた。しかもちょうどそのタイミングでマルタさんから「忘れ物」というタイトルのメールが入り、わたくしは頭を垂れたまましばらく動けなかった。
”またしても” = 渋谷のお店で一回 + 大久保のお店で一回



そんなニューロン崩壊ユニットdeweyの2017年は。
1月 - 2月はアルバム制作でレコーディングとミックスダウン。今回は10曲入り。ライブでのみ演奏している曲の正式音源化と過去曲の新しいバージョンなど盛り沢山。
発売は3月末頃予定。今回はジャケット制作も一味違っています。乞うご期待。


そして今のところ決まっているライブは以下のとおり。
3/19(日)池袋レッドゾーン(詳細後日)
4/1(土)岩本町Eggman tokyo east (メテオールさん、横川理彦さん)

きてねー



ニューロン崩壊ユニットdewey

2016/12/17

(No.2499): 杯の道 顛末記 其の四


Triumph Street Cup 納車後250kmを走る。
前回書いた通り慣らし運転の説明がなかったのでなんとなく上限を3000rpmにしていたのだが、いくら文明が発達したとはいえ慣らし運転が必要ないなんて機械なんだからあるわけがないと思い、メールで質問をトラ屋へ投げる。
すると、ステッカーに慣らし運転の詳細が貼ってありますと返信がくる。そんなステッカー貼ってないっすマニュアルにもないっすとさらに返すと、大変失礼致しましたStreet Cupにはステッカーは貼っておらずマニュアルにも記載なしでした、慣らしは以下でお願いします、と回答をもらう。
すなわち
480Kmまで4000rpm
960Kmまで5000rpm
1280Kmまで6000rpm
1600Kmまで7000rpm
で慣らし終了。

ほほー先ずは4000rpmまで回してよかったのか、さっそく加速時に4000rpmまで回してみる。
3500からエンジン音に変化が出てきて、体感的にはGが加圧される感じ。通常の街中では4000程度で事足りる。

正直、上限を3000rpmで走っていたら加速はもっさりしており、センの六級改号DUCATI M696と比較するとそうとう加速が遅い印象だった。M696はドンと発進するのに対し、Street Cupはもっさーという感じ。ところが2速で回転数4000まで上げるとM696に劣らない加速になった。おそらく5000ほども回せばそうとうアグレッシブな走りに変貌するだろう。

トラ屋には実はもう一つ質問していた。
Street Cupにはチョークがないのだ。チョークはないのでしょうかと聞いた。M696はもちろんインジェクションだったのだがチョークはあってエンジン始動時は必ず使っていた。
Street Cupはオートチョークとのこと。実際、寒い早朝のエンジン始動も一発点火であり、アイドリングも最初は2000rpmくらいだが徐々に1000rpm程度に安定する。もはやクルマと一緒だ。


乗り始めの所感。
・900cc大型バイクのくせしてけっこうアクセルまわさないと交通の流れに乗れない感じ
・こんなに前傾だから多少なりともバックステップにして欲しかった。Street Twinと同じ位置というのがイマイチ
・とはいえライポジはだいぶ慣れてきて人馬一体感までもう少し
・低速安定性がイマイチ、というかコツがまだ慣れていない
・ハンドルエンドのミラーはとても見やすい
・右膝が熱くなる
・ブレンボと比較するとニッシン製はかなり効きがよくない(新品だから?)
・高燃費(平均すると21.5Km/Lくらい 街乗りで)
・排気音申し分なしの車検対応重低音
・足つきまったく問題なし





2016/12/13

(No.2498): 『アカシックレコードの夜vol6』の噺


筆者のMacは普段使いでもありdeweyライブや音楽制作使いでもありつまるところ全てこれでまかなっているという体でありますが、そんな筆者Macで「あか」と打ったら『アカシックレコードの夜』と候補があがるまでになりましたこんばんわエフオピです。

四谷LOTUSの楽屋で撮ったピノキヲさんとdeweyのスリーショットをインスタにあげたらファボとRTがしばらく続きました。ピノキヲさんすげー。是非ともまたご一緒したいところです。だって数日経ってからあのステージを反芻しているとまた観たくなる不思議な力。楽屋での紳士な雰囲気とは裏腹のあのステージングには魅了されるばかりです。だってセガのゲームは世界一ですし。

中山貴史RemiXさんも実は初見でしたが圧倒的パワーと無音の時間軸がひどくカッコよく脳裏に焼き付いて離れません。筆者とほぼ同年代とお見受けしながらあの激しいステージが心を鷲掴みされます。NordLead3の使い方にひどく感動しました。かっちょええ。ところで謎の銀髪ゴーグル少女の弾けたパフォーマンスが気になって仕方がありません。あの方は誰なのでしょうか。

村上ユカさん、今までにも増して美しいお声が伸びてたなーとそしてやはりあのトラックの完成度と下支えのサウンドエンジニアリング、毎回思いますがすごいなーいい曲だなーかっこいいなーと唸るばかりです。ライブで完パケ的な音像とかマジすごいです。銀河エレベーターとか何度聴いても素敵。

オーガナイザーMさんから村上ユカさんライブ前日がお誕生日なのでサプライズを仕掛けたいとのことで非力ながらdeweyもお手伝いさせて頂いたのです。エンジニア杉本さんのご協力のもと、本番中のあるタイミングでdewey両名がケーキを持ってステージへ特攻するというシナリオ。
が、ケーキをお渡したあとの段取りを一切してなかったことを、ケーキを持ってそのステージに上がってから気付き、そしてロウソクの火が消え、taira氏は泥酔しながらただうろうろし、オーガナイザーMさんはブーケをお渡ししたのでしょうきっともうそのときは何が何だかわからぬまま撤収し、せっかくの村上ユカさんステージを台無しにしてしまった感を胸に、楽屋に逃げるように帰ったdeweyとオーガナイザーMさんは頭を垂れて猛省するのみでした。
「そうか、ロウソクの火は村上さんに吹き消してもらうんだった!」
とオーガナイザーMさんに言われ、そーだった、そーなんだよ、それが王道じゃないか、あははは と再び我々は頭を垂れて猛省を繰り返すのでした。
終演後村上ユカさん杉本さんへはすいませんもうなんというかめちゃくちゃでとお詫びしたのでした。
ケーキ少しもらって食べて美味しかったり。

そしてそしてオーガナイザーMさん、ありがとうございました。お疲れ様でした。


え?deweyライブですか?
ビョエーギャニュギャニュ〜ずべべべという感じでした。全体的に。


そんなお誕生日ケーキも満足にお渡しできない中高年エレクトロニック楽団deweyの次回ライブは
2016.12.22 木曜 祝日前 大久保ひかりのうま
chinaproveさんワンマン のサポートアクトを務めさせて頂きます!



deweyは今年最後のライブになります。
ひかりのうまは演者もお客様も同じフロアなのでわいわいやりましょうー
chinaproveさんのテクノ、かっこいいですぜ!





2016/12/07

(No.2497): 杯の道 顛末記 その参


こんな日に限ってゴロゴロと岩が落ちてきて行く手を塞ぐのは、現代科学で解明できない得体の知れない力によるものだろう。行く手を阻む諸事謀を左から右へ受け流しつつ予定よりも30分遅れて現着。
Triumph Street Cup 納車ノ儀。
トラ屋閉店間際調整の段感謝に堪えませんと挨拶もそこそこに一通りの納車儀式を終える。各箇所説明時のエンジン始動、その排気音の凄まじさに口角は上がるばかり。

では初回点検でまた来ますと、ロボットの如くぎこちなく跨りしも、そ、そういえばStreetCupには試乗できなかったから初乗りじゃんとひとりごちる。
契約前に試乗したのは同じDNAである兄弟分の兄であるところのStreetTwinであったのだ。StreetTwinではスロットルの遊びが大きすぎて、きっとStreetCupも同じに違いないこりゃ慣れるまでたいへんそうだと思っていたが、StreetCupのスロットルは遊びもなく非常にスムーズだった。

そういえば慣らし運転の説明はなかった。最近の新車は慣らしがいらないのかしらん。とはいえ全ギアを使いつつ最大3000rpmくらいでしばらくは様子を見る。

熱い。この寒さなのに右ひざが異常に熱い。何この熱さ。ニーグリップの膝がエンジンヘッドに当たっている。左ひざもエンジンヘッドに当たっているのにこっちはあまり熱さを感じない。なぜだろうなぜかしら。
しかしこの熱さはなんとかしないとまずい。だいたい熱くてニーグリップできない。たぶん英国人なら足が長いと思うので膝がタンクに届くのだろうが、日本人の筆者ではステップに爪先立ちしないとタンクを挟めない。初冬でこの熱さなら真夏は想像を絶する。楽しみだ。

ギア比がDUCATI Monster696とぜんぜん違う。あたりまえだけど。時速60kmくらいで5速に入れてもぜんぜんフツウ。ノッキングしない。ドカならガッタンガッタンいってた。まぁあっちは6速だけどな。ドカは街中で5速に入れるのはあまりなかったように思う。

これもあたりまえの話だが、DUCATIと比べると乗り味が全く別物。ドカのL型空冷2気筒デスモドロミックエンジン、トライアンフの水冷SOHC並列2気筒8バルブ270°クランク。
ドカはバルブが機械式強制開閉で90度でピストンが動くのでけっこうドゴドゴ感がず太い。一方トライアンフのこのエンジンは270度なので付点8分的なタイミングのパルス感でズンドコ的な振動はあまり感じられない。水冷と空冷の違いはよくわからない。水冷だからあまり熱くならないのかと思っていたがそれは全く間違っていた。

そしてドカ時代では最大の鬼門であった、股間問題は圧倒的盛大に解消された。StreetCupはけっこうな前傾姿勢というライディングポジションだが股間はまったく問題ない。どこにも圧迫されることがない。フリーだ。オールフリーだ。
これで乗車前に股間位置を直さなくても大丈夫だ。いよいよ最高だ。


今日はここまで。
そいじゃ。



ガソリンスタンドにて。納車直後、すっからかんなのでガソリン入れる。



2016/12/03

(No.2496): 音楽を買うならCD? それともデータ配信?


音楽を買うならCD? それともデータ配信?
上記アンケートサイトによると2年前、1年前、6ヶ月前、2ヶ月前、1ヶ月前、その全てにおいてCDが約7割を占めている。

筆者の場合、実はCDプレイヤーというものを持っていない。MacにもCDドライブがないのでUSB接続の外付CDドライブを使う。CDを聴くときは、Macへリッピングし、iTunes経由で聴く。
ただしモニター環境はそれなりなのでちゃんとスタジオ用モニタースピーカーで聴ける。しかし日常における音楽は大抵iPhoneで聴くことが多い。

CDプレイヤーを持っていないのだからデータ配信ばかりを買っているのかと思われそうだが、iTunesStoreで買った音楽の方がはるかに少ないのも事実だ。筆者iPhoneには900曲以上入っているが、そのうちiTunesStoreで買った音楽はせいぜい20曲くらいだろう。

やはりCD派約7割の方々がいるように、CDという物理的存在が何より確かなものなのだろう。手に入れるためにはCD屋さんやライブなどに足を運ばなければならないとはいえ。(通販もあるか。こっちの方がCD屋さんに行くより多いかも)
ジャケット、アートワーク、ライナー、歌詞、あるいはクレジットなど物理CDパッケージには様々な要素が盛り込まれている。音楽以外のこのようなアートワークも含めて一つの作品としていることも”CDを買う”という理由の一つなのだろう。

あと筆者の世代の方々はほぼCDのようだ。だいたいデータ配信で音楽を買うこと自体をやったことがないという人も多い。だいたいコンピュータもよくわからん的な人もたくさんいる(今夏の小学校同窓会で痛感)


皆さんは音楽を買う場合、CDでしょうか?それともデータ配信でしょうか?



2016/12/02

(No.2495): 花紅柳緑 + 神韻縹渺 = mouse on mars感


筆者が想うmouse on mars楽曲の嗜好ポイント。
1 花紅柳緑(めくるめく電子音塊)
2 神韻縹渺(全帯域が神バランス)

90年代から一貫している。機材がいくら進歩したとしても出てくる音の方向性はあまり変わらない。Dodo NKishi 氏を加えドラムが入っても、歌が入ってもやはりmouse on marsサウンドなのである。
とはいってももちろん変化はある。あって然るべきである。しかしその変化がまたAndi Toma、Jan St. Werner両氏のフィルターを通っているので、花紅柳緑、神韻縹渺をさらに推し進めてどんどんと新たな境地に向かうのである。

正直に云おう。筆者の中ではKraftWerkを抜いた。いや既に抜いている。正確にはKraftWerkは別格神だからして同じ土俵では語れないのは重々承知したうえでの言及である。



先日帰宅時の電車内でイヤフォンからiPhoneで音楽を聴いていた時、ランダム再生で久々にかかったmouse on marsのライブ版”All The Old Powers”に改めて心を揺さぶられた。
この曲は極端に遅いBPMでねっとりとして掴みどころのない曲。Dodoさんの生歌もドラムも仕込み声との境もわからないほどの渾然一体感グルーヴ。それにもまして、次から次へと繰り出される不可思議な電子音塊の波状攻撃。
ノイズの助太刀がありつつ妙に心に残る旋律。そのリフレイン。深い重低音、弾力のある低域、ハリのある中域、芯のある高域、しかも、ライブ版なのに鳴っている一粒の音でさえその存在を確かにしている。
もう本当に神のバランスだ。
サウンド自体はサウンドエンジニアリングの賜物なのであろうがどっちにしろ嗜好に曇りはない。

いつまでも標榜し続けていくだろう。


<参考文献>
*albumバージョン





2016/12/01

(No.2494): 晃一郎と吉之助(師走初日の提唱会報せ)


「おいおめぇ霜月ぁたったの五つしかこさえなっかのか」
「なに云ってんすか、書かなかったのは晃さんじゃありませんか」
「んなこたぁわかってるよ、こちとら忙しいんでぇ、いちいち書いてられっか」
「あーそんなこと云って、晃さん、書くネタがなくなったてぇんじゃないすか」
「んなこたぁねぇよ、ネタなんぞわんさかあらーね」
「わかった、めんどくせぇんですね」
「おめぇはいちいちうるせぇんだよ」
「晃さんの前ですがね、振ったのは晃さんじゃありませんか」
「わかったよ、書くよ、書きゃいいんだろ」
「そんなこといってネタはあるんですか」
「あるよ」
「なんです、なんなんです、ねぇなんです」
「それがよ、おめぇの前だがよ、あるんだよ、すげーのが」
「ほんとにあるんすね」
「ちょっと待ってろ、えーと、どこいっちまったかな、えーと」
「えーそんなこといって、ほんとはないんじゃねぇですかい」
「うるせぇ馬鹿野郎、ちょっと待ってろ、お、あった、これ、これよ」
「どれです」
「ほれみろ、これよ」
「え、晃さんこれって、ひょっとすっと、あの軍装の奴らが出るてぇアレですかい」
「おーよ、あの軍装の奴らのアレよ、どうでぇ、ざまぁみやがれぇ」



アカシックレコードの夜Vol.6




2016/11/25

(No.2493): エフオピの由来


そういえばエフオピという名前は本間本願寺さんらとバンドやDJをやられていたDJパンダくんが付けてくれたんである。もう13年ほど昔のことだ。
もともとはfopと書いてエフ・オー・ピィと呼んでいたのだが、パンダくんが勝手に縮めてエフオピと呼んでいた。それを筆者がそのまま使わせてもらっているという。逆に。

fopという表記は今でも健在でdeweyオフィシャルサイトにはfopで載っている。ちなみにtairaさんは今でも筆者の事を「ホップさん」と呼ぶ。fopだからホップ(フォップ)なのだ。
ホップさんって云うと、なんか恰幅のいい髭生やしたデニムのオーバーオール着たおじさん的な名前だ。ホップ伯父さんとか。ハイディハイディフリハイディホー HOHOHOHOー
的な。
こんな感じ↓



実はfopというのは正式にはf.o.p.であり筆者の名字の英語表記の頭文字なのだ。f.o.h.と云えばField of heavenであるがそういう方向である。
なお、偶然であるがfopには「気取り屋」とか「にやけ男」或いは「からかう」などの意味もあるそうなのでなかなか的を得ている。あいつちょっとウザぇよな的な意味なのだろう。

筆者の呼称はホップでもエフオピでもにやけ男でも気取ってんじゃねぇぞコラでもOKです。




(おまけ)
fop以前、概ね90年代は本名やstudioDELという名義で活動していた。ほぼソロ。
80年代はRetsuamと名乗っていた。レツアンと呼称する。漢字で書くと劣按だったと思う。劣等感に按ずる的な意味だった。幼なじみの友人(現在某有名大学の非常勤講師)が付けた。

2016/11/20

(No.2492): 杯の道 顛末記 その弐 (黒熊猫百馬力車検の道 編含)


現代科学では解明できない不思議な力に操られTriumph Street Cupを滞りなく契約す。
従って2009年12月から足掛け6年と11ヶ月搭乗していた六級改号別名DUCATI M696之介を降りることに相成り候。とはいえ納車までにはまだひと月近くありそうなのですぐにサヨナラというわけではない。が、彼は下取り車に身を沈めることなるので何か間違いがあってはならぬと早めにトラ屋へ納めに参る所存。近日中にラストライドをやるのだん。
DUCATIとはM400から乗り継いできたのでDUCATI乗りとしては8年半くらいだろうか。空冷2気筒デスモドロミックエンジンは楽しかった。ありがとう。
総括はまた後日。

ちなみに四輪はフィアットなので今まで二輪四輪ともイタリア車であり、おまいさんはそんなにイタリア好きなのかい、へそりゃもうパスタは好物でやすBuono!Buono!
ともう言えなくなる。(TriumphはUK)




そしてその四輪のフィアットでありますが、あたくしそのフィアット車でありますところのPanda100HPの車検の季節がやって参りまして、さすがにこちらは車本体を替えるというわけには一切行かずどうにか車検を通さなければなりません。
前々回のように町の民間車検屋も若干検討はしましたが、実はクラッチに不具合が発生しており、これはフィアット専門 職でなければ立ち行かずもう選択肢はフィアット屋一択になっていました。
10月にS区でフィアット屋がオープンしたという絶妙なタイミングもあり、12月車検見積り 乞うと門を叩いたところその場でかるく(中身は重く)見積もって頂いた。くだんのstreet cupからもはや金額マヒ気味になってあれよあれよと車検予約バーンという流れに、二輪諸事日程及び四輪諸事日程、加えてdeweyライブ制作業務日程且つ音源制作関連業務日程が複雑に絡み合って文字通り縫うようなスケジュールに身を置いております今ココ。



2016/11/15

(No.2491): 12.11. dewey a'r "noson y Cofnodion Akashic"


今を去ること216時間前、現代科学では解明できない不思議な力に操られ、「アカシックレコードの夜」への出演が決まりました。

過日11月10日四谷LOTUSにて執り行ったシークレットライブ(というくらいのシークレットさ加減的なアレ)では実はいろいろ新しい曲をこねくりまわすぶっちゃけ実験的なライブでもありました。
こんなことを言ってはなんですが実はそのぶっちゃけ的なライブは来る12月11日に開催される「アカシックレコードの夜 vol6」へ向けた実験だったのであります。たぶん。
というか、なんたってこの共演者様方の錚錚たる顔ぶれに、私どもは末席にてなんとか場を温める所存にてギャニュ式電子音塊投棄生歌唱ボコーダー+ノンストップモヤモヤ映像で皆様のご機嫌を伺います。
よしなに。


12/11 日曜 四谷LOTUS
アカシックレコードの夜 Vol.6
出演 :
ピノキヲ
村上ユカ
中山貴史RemiX
(敬称略)
dewey


詳細、しばしお待ちを。
よろしくお願い申し上げます。





そしてぇー2016年最後のライブは
12/22 木曜 ひかりのうま
chinaproveさん主催イベント
に出演します。です!



2016/11/07

(No.2490): 杯の道 顛末記 その壱


現代科学では解明できない不思議な力に操られ、土曜から展示開始となっているTriumph Street Cupを拝謁しに某トラ屋を訪なう。

着くや否や、実車の、ホンモノの、Street Cupを著しく視姦する。あやうく注文書にハンコをつきそうになる。それほど現在の筆者嗜好のど真ん中琴線に触れまくった。

残念ながら試乗はまだできなかったがお店のご厚意で跨らせて頂いた。



そうそう、このポジション。セパレートハンドルではないが、この低い垂れ角のあるThruxtonとほぼ同じようなライポジ。六級改号(DUCATI M696)と跨った感じは酷似していた。M696よりもやる気のポジション。実際、走ってみるとまた違うのだろうが、いや今はもう云いますまい。




Street Cupの試乗はまだできないため、ここは同型エンジンを搭載しているStreet Twinの試乗でご機嫌を伺った。
Street Twinは昨年末発表された所謂水冷ボンネビルのさらにスポーティなモデルである。古くからのボンネビル乗りの方からすれば、へ、水冷かよ、と鼻で笑われているかと思うとわくわくする。
先ずはStreet Cupと同じだというこの270度クランク採用900CC水冷SOHC2気筒パラレルツインエンジンの塩梅を知りたかった。



ポジションは至って楽な姿勢。ハンドルも高く幅もある。個人的にはこのライポジは好きではない。
しかし足つきべったり。かかとまでべったりつく。日本人でこんなに低く感じるのにこれでイギリス人は大丈夫なのだろうかと思ってしまう。

アクセルスロットルがライド・バイ・ワイヤという最近流行の電子制御らしく、これはDUCATIでも盛んに採用しているが、好き嫌いが分かれるところだろう。Street Twinのスロットルは遊びが大き過ぎてエンジンの回転数があがるまで僅かに時間を要する。お店の人に聞いたら、だいたい最初はタイミングが合わずエンストする人が多いという。筆者は大丈夫だったが、確かにこれは走り出しが難しい。
1速→2速のギアチェンジ時もスロットル遊びが大き過ぎてすぐに動力が伝達されないので、ガクっとエンブレがかかってしまう。スロットルを早めに回すようにしたり、まぁ慣れればいいのだろうが。


実走。
加速、トルクとも申し分なし。DUCATI M696よりも30PSも少ない馬力だが、走りの感触では遜色ない。そして900CCとは思えないほどの軽快さ。実際軽い。本当に乗っても容姿を見ても大型とは思えない大きさだ。

そしてこのエンジンは3千数百回転で一番トルクを出すよう設計されているらしいので、街乗りでもワインディングでも問題なさそう。ただ高速道路での高速域からの加速は不明だ。ギアが5速なので、もう1速ほしいところだ。
排気サウンドも良い。これでノーマルマフラーなのが素敵。まったくうるさくないが、低域が強調されており非常に良い音。Street Cupはさらに重低音だという。楽しみ。

DUCATIはデスモドロミックというエンジンでバルブが機械式強制開閉なので湿式クラッチでも機械音がかなりうるさいのだがこのエンジンは静か。水冷というのも貢献しているのかしら。
筆者は教習車以外水冷バイクに乗ったことがないので、熱さ暑さは不明だが試乗の短時間でも両膝のあたりが意外と熱かった。

試乗したStreet TwinはStreet Cupとはライポジが全く異なるため判断に難しい面もあるが、すくなくともこのエンジンは筆者嗜好には合格だ。いや、エンジンはともかくStreet Cupは容姿なのだ。わたくしはあのお姿にヤられてしまった。


そしてこのあと筆者は坂道を転がるように。。(その弐へ続く)


2016/11/02

(No.2489): dewey アルバム次回作の噺




deweyは現在までに2枚のCDアルバムをリリースしている。
2013年「オルドビスの遺産」
2015年「Complexitate」

参考文献:dewey オフィシャルサイト

発売直後はディスクユニオンさんはじめ数社の法人/店にてお取り扱いして頂いていたが、現在は東池袋のTOKYO FUTURE MUSICさんのみである。
また、配信については、Apple iTunes Storeで現在も取り扱っているが「Complexitate」のみであり、「オルドビスの遺産」は先月をもって配信終了となった。それ以外はライブ会場にてCD手売りである。

もともと販売することが目的ではなく、多くの方に聴いて頂きたいということから始めた音源制作であったので、価格設定は委託販売契約上設定可能な最低価格であった。しかしCDと配信とで価格設定に関して大人の事情が発生したため、ここにきてCDの価格を改訂させて頂くことにした。



さて、deweyの次回作品について。地味ながらも検討を始めており、未音源だが既にライブで演奏している楽曲、これからライブで演る新曲などを順次コンパイルし同様にアルバムとしてリリースしてゆく予定である。
音源化されていない曲がライブ楽曲の大半になってしまったので作品として正式に残しておきたいという意向もある。普通、アルバム制作のあとにそれら楽曲をライブで演奏するという形態が一般的な音楽活動であるが、我々は逆にライブでさんざん演奏した曲をようやくちゃんと作品として記録するという形態となる。

で、その次回作であるが、実は物理形状をどのようにするかを検討している。
すなわち過去2作品は通常のプレスCDで製作しているが、次回3rd作品については物理メディアは「無し」の方向で調整中だ。
とはいえ「配信のみ」ではない。

では一体どのようなモノになるのか。それは出来てからのお楽しみ。乞うご期待。

2017年3月 リリース予定

2016/10/29

(No.2488): 11.10 deweyライブに向けて上手側電子音塊システム担当から報せ


2016年11月10日 木曜 は 四谷LOTUSにてdeweyのライブである。
今回のライブは、dewey的には実は久々のセットリスト大幅刷新なのである。すなわち全くの新曲が2曲、過去に一度だけ演奏してリアレンジした曲を1曲。それらを組み入れるので30分セットの約半分は新しい曲に変わる計算だ。

それだからライブの準備のため速やかにTriumph street cupサイトの情報や、同一エンジンのstreen twinのインプレ記事、同口コミ情報、そして何より己の嗜好との差異をくまなくつぶさに検証し、最終的に購入までの脳内シミュレーションを完成させた。最終判断は実車に直接触れ、跨り、そして試乗(ない場合は同型エンジンの street twinでも可)の儀式によって下知はくだされるのである。

しかもその下知に至るまでの行程は非常にシビアなタイムテーブルを要求されている。すなわち現車六級改号の車検タイミングのタイムリミットが迫ってきているからだ。にもかかわらず実車が見られるのは、現車六級改号車検入庫(予約済)の1週間前頃だと予想しており、つまり、車検入庫緊急中止判断に必要な時間はほんの僅かしかないのである。
しかし全てを滞りなく行うことで以下の二つの大きなメリットが得られる。

1 四輪とのダブル車検になってしまう今のタイミングをずらすことができる
2 股間問題が解消される

1は大変助かる。二輪四輪車検代を一気に支払う能力はほぼないからだ。いやそれをやるくらいならいっそという論法。2も大変助かる。六級改号DUCATI M696のシート傾斜による男子股間問題は非常に重要な問題だった。それが解消されることはこの上ない朗報。


そんな朗報を期待する上手側電子音塊担当もいるdeweyの11月ライブのお知らせ

11.10 木 四谷LOTUS Electric Lotus Vol4.
18:30 / 19:00
ADV./DOOR 2400円/2900円(ドリンク代600円)

COLD WATER
yanagi yutaka
3 Pillars Trip
dewey

2016/10/28

(No.2487): ゴム製のお面


小学校5、6年の頃、興味があったのはゴム製のマスクである。
どういうものかといえば、今風に言えば「東急ハンズのパーティーグッズ売り場で売っているゴム製のお化けのお面」といえばいいだろうか。

その昔(40年以上前の昔)週刊少年漫画雑誌などの後ろのページなどに、そういういかがわしきモノを販売している怪しげなお店の広告が多かった。ゴム製の「う○こ」や「鳥の死骸」だとかに混じって、ドクロのゴムのマスク、なんたら妖怪とかのゴムのマスク、などを売っていたのだ。「ウン○」など、本物そっくりだった。筆者はそういうものが武者震いするほど好きだった。

なぜそんなものに興味があったのか。今思うと不思議でならないがおそらくもともと”怪獣”が好きだったからではないかと考察する。
小学3年かそこらのとき、父親に連れられ読売ランドかどこかで開催された円谷怪獣のイベントに行ったことがあり、そのとき初めて目の前で生の怪獣を見たのだ。当然、怪獣といっても怪獣の着ぐるみを役者が着ているものだが、実はその「怪獣の着ぐるみ」自体にものすごく惹かれたのだ。

そのイベントは遊園地の中を怪獣が歩き回っており(怪獣に付き添っているスタッフはいるが)怪獣に触り放題的なものだったので、触った感触や匂いなども強烈な印象だったのだろう。
ウレタンとかゴムとかラテックスとかそんなもので製作されたあの怪獣の着ぐるみは、実際間近で見ると独特のゴム臭がして、なんというか映画の裏側を見ているような非常にワクワクしたのを覚えている。
撮影後の着ぐるみだったりするので、腕の付け根の部分が破けたりしているものだから中の人の下着の一部が見えたりして、しかしそういうもの全てひっくるめて陶酔したのだ。


そんな体験が元になったのか、怪獣の着ぐるみ然としたゴム製のマスク(ぜんぜん然としてないが)で少しでも怪獣の着ぐるみに近づけるのではないか、今思えばおそらくそんなことを子供心に漠然と思っていたのだろうか。
小学校5、6年の筆者は欲しくて欲しくて、結局一番安いドクロ顔のマスクを買ったのだ。この手の通販店は現金のほかに切手で支払いも可能だったので当時集めていた切手を何の躊躇もなく、ゴム製ドクロマスクのために使った。
商品は郵便の小包で届き、しかし母親にいろいろと知られてこっぴどく叱られた。
こんなもの買って!お金はどうしたの!切手?おじいちゃんからもらった切手を売っちゃったの?あんたなにやってんの!!(怒


さて、ゴム製ドクロマスク。高いマスクは頭全体がすっぽりとかぶれるものだったが安いものは顔の前面だけのものだった。当然筆者の買ったドクロマスクは安物なので顔の前面だけ。しかし被ってみると子供の頭には多少大きかった覚えがある。口に当たるゴムの味まで思い出してきた。
そのマスクを被って脳内映画を自分で創り上げ「ウギュギャー、ドビュアー、ヒャヒェアー」などと一人芝居をやるのだ。小学校5,6年にもなって、だ。



すると、こういう残念な大人になれる。
ぜひお試しを。



2016/10/24

(No.2486): 琴線を弾かれし神無月


復路、六級改号別名ducatiM696之介で走っていたら前を走るシルバーの日産マーチの運転席から火のついたタバコを投げられ、火の粉がバラバラと降りかかってきた。未だにクルマからタバコの投げ捨てとかやってる奴いるんだ。後ろを走っていたのが筆者だから良かったものの、他の人だったらただじゃすまなかっただろう。
シルバーの日産マーチのあんた、もうタバコの投げ捨てなんてやめなさい。
と後ろから念を送っておいた。


それにしても、だ。
この感じは久々のアレだ。久々の。

先週、edieからこんなの出るらしいよと送られてきたURLのページを見て瞬殺された。
Triumph street cup

street cupはstreet twinをベース車としているという。street twinはボンネビルの現代版風で実車も見たことがあり、まぁ好きな外見だが琴線を弾かれるということはなかった。やはり今の筆者の愛機 DUCATI M696(六級改)のギュッと詰まった黒い前傾タイプの戦闘機然とした容姿に勝るものはないと思っていた。

とはいえTriumph Thruxtonに代表されるようないわゆるカフェレーサースタイルは昔から好きだ。M696の低ショートハンドル化はカフェレーサー風にしたかったからという理由でもある。

その本物カフェレーサーThruxtonは数年前からグレードが上がってしまい手の出し抜くい高価なオートバイになってしまった。street twinをThruxtonのようにカフェレーサーにしたモデルがstreet cupという感じ。廉価版Thruxtonではあるが、しかし筆者の最も重要な要素である容姿についてほぼ満点に近い。

そしてなによりこのタイミング(六級改号車検)がやばい。
実車すらまだ日本一般公開されてないというのに。


続く





2016/10/20

(No.2485): siriの尻(誰でも一度は考えたけど実際口にしない駄洒落でsui shop付き)


iPhoneのsiriを使っている人はどれくらいいるのかわからないが筆者の場合、二輪ヘルメット内インカムを通してsiriとお話しすることがある。
二輪運転時インカムを通して音楽を聴く。以前も記したことがあるが念のため書いておくと、バイク用インカムは走行時でも周りの音はちゃんと聞こえるようになっている。もちろん合法。

siriに「音楽再生」と言うとiPhoneのミュージックが起動して曲をかけてくれる。また曲名やアーティスト名、タイトルなどでも反応する。ただし、アルファベット表記で登録している曲は通じない。日本語しか通じない。(siriの言語を日本語にしている場合)
例えば、「マウスオンマーズかけて」とか「スイショップ(*註1)かけて」などと話しかけてもsiriは「まうすおんまーずは見当たりません」と切ない返事をする。

siriに曲名やアーティスト名を指定して音楽をかけてもらったあと、その次の曲はランダム再生ONになっていたとしても、そのアルバム内やアーティスト内になってしまう。そのときは「全ての音楽を再生」と言うと、全曲をランダム再生してくれる。

ちなみに、「〜をかけて」と言うとsiriはたまに電話をかけてしまうことがあるので注意が必要だ。
以前、小学時代の同級生から筆者のiPhoneに唐突に電話がかかってきて、「何?電話くれたでしょ」と、え?電話なんかしてないよと言って切ったのだが後で発信履歴みたら確かにこちらから電話かけてるじゃないか。発信時間をみたら、siriにさかんに「〜かけて」と連呼していた時の時間帯だった。


ところでiOS10になってからsiriで一部のアプリが使えるようになったと聞いたのでさっそく試してみた。
「イングレスを起動」というとingressが起動した。「何某(ポータル名)をハックして」と言ってみたが「何某というAPPは見当たりません」と言ってきた。そりゃそうだろう。

「ハングアウトを起動」とsiriに頼んだ。すると「ハングアウトというAPPは見当たりません」と返ってきた。いやいやいや、あるよ。ありますよ。何度か試してみたがハングアウトはまったくダメだった。

なぜだろう。iPhoneの画面をよくよく確認する。ほら、イングレスはAPP名「ingress」と英語表記なのにちゃんと起動してくれたじゃないか。なんでハングアウトはだめなんだ。
おやAPP名は「Hangouts」ってなってるぞ。え?マジで?

「ハングアウツを起動」と言ってみたら、すすーとハングアウトが起動した。
へーsiriよ





スイショップ(*註1)
sui shop / mouse on mars



2016/10/13

(No.2484): 嘗ての掻器ミニマル(制作ドキュメント編)


直前まで各社の天気予報を巡りながら、よもや大雨を背に走る年齢でもなかろうと四輪に切り替えたはいいが、前回のオイル交換から相当の走行距離であるは周知のこととして、加えて今回も大凡千年の遠方であるが故、しかしタイムテーブルを組み立てるもその暇はなく、果たして往路途中のS県北部にあるオートバックス店へ滞りなく予約した旨告げれば、滞りなくオイルは潤沢に交換され、遥か数千年の陸路をN県やN県なぞを巡り巡りうやうとして颯爽と凱旋を果たせば、ふつふつと心の澱から降りて来た無類の旋律を、まったくこの世のものとは思えぬ辻褄の合わぬ音塊を配す結果となり、今わたくしはひどく満足しています。

お元気ですかわたくしは元気です。

この、何というか、つまり、スッといかぬ、途中のズダズダとしたビートの奥に不思議な高揚感を促す。何か。嘗てミニマルといふ背景を携えていた記憶が蘇り。何か。延々と聴き続けることの出来る。何か。



という曲を今作っています。
ぷはー

2016/10/02

(No.2483): 異音前から知ってたけど(DUCATI Monster696から”コー”という異音)


週末に長距離航行を予定しているため六級改号DUCATIMONSTER696のエンジンオイルとかフィルターとか諸事メンテナンスにてドカ屋さんのピットを訪なう。

初見の新人君が対応してくれてテキパキと作業を始める。作業待ちの間、お客さんはショールームの方へ行くのだが、筆者はドカ匂の充満するこのサービス工場がすこぶる好きで工場内の小さなソファーに座って作業を眺めつつ待っていることが多い。

オイルも入れ終わったので新人君が筆者の六級改号のエンジンをかけたその刹那、隣で作業していたベテランメカYさんが
「え?なんの音?」と駆け寄ってきた。

新人君「?」
Yさん「なんだこの音?」
新人君「?」
Yさん「なんか”シャー”?”コー”っていってる」

筆者はiPhoneをいじって、嗚呼ドカ匂最高などとインスタツイートを投げていたのだが、横目でそのやりとりを見て、果たしてわたくしの六級改号に何かあったんか、と気を揉んでいるとYさんが来て
「エフオピさん、エンジンから異音してました?」と聞かれた。


正直、異音のことは知っていた。
しかし前に別のメカさんになんか”シャー”とか”コー”とか音がするんですけどと相談したら4万キロも走ってるからデスモノイズ云々と言われた覚えがあり、それだからあまり気にしていませんでしたと言った。


「異音は腰上から聞こえるのでエンジン自体ではないと思いますがでもこれね、やばいかもしれませんよ、調べないとわかりませんがベルトのプーリーのベアリングの可能性あります。ベアリングなら即交換しないと危険です」

「うへ、今週末ツーリングなんですけど。。。」

「うーん、このままなら行かない方がいいですね、ただ今からベルトのプーリー確認しますので交換すれば問題ないです」

「うわーん、みてくださいー」


カバーを外して、タイミングベルトのプーリーを確認。


「エフオピさん、プーリーのベアリング、問題ないみたいです。本来ならベルト外して確認するんですけど、一応ベルト掛かってる状態でも指でプーリー回るんで、ベアリングは問題ないですね、ってことで原因は他にあるので音がどこから出てるのか、ちょっと調べます」

2人のベテランメカさんたちが集まってきてエンジン掛けながら音の出場所を懸命に探しておられる。
ドライバを耳にあててあちこちを見聞する。

すると、そのうち異音が消えてしまった。
メカさんたち「???」となってる。何度もエンジン掛けたりしながら確認するが異音が消えてしまった。


「エフオピさん、異音がしなくなりました。。不思議です。乗ってて異音はどういう状況でしたか?」

「えー、確かに異音がするときとしないときがありました」

「それは冷えてるときしなくて、エンジンが熱くなったときとかに出てました?」

「いえ、始動開始から”コー”って音してるときもありますし、だいぶ走ったあとに信号待ちで止まってるときに、あれ?また異音してるとか気付くときがありました」

「ということは、温度に関係なくでたりでなかったりするということですね」

「そーゆーことになりますね、あとたぶん、異音は前回の車検の後から出てきたと思うんですが、前回車検でタイミングベルト交換してますよね」

「してますね。交換時のベルトのテンションでも異音出ることがあるんですけど、エンジンが熱くなると膨張してベルトのテンションがすごい力で張られるので、そのあたりの調整がよろしくないと異音が出ることがあるんですが、今回のは温度には関係なさそうですから当てはまらないですね」


その後、何度もエンジンを掛けて異音を確かめたが、もうしなくなった。


「もう異音がしなくなったので正確な場所はわかりませんが、あと考えられるのはセルモーターくらいです。が、始動時は全く問題なく動作してますね、エンジン始動後もセルが回っちゃう現象はあるのですがそれとも違う気もしますね」

「今週末ツーリングなんですが。。」

「ベアリングではないと思うので大丈夫と思いますが、仮にセルモーターならエンジンがかからなくなるという事態になるかもしれませんウヒャヒャ」

「ゲヒヒヒヒh」


結局、12月の車検入庫時にテッテ的に調べてもらうことになり行きがかり上車検予約も済ませた。
(資金繰り算段を整えてから満を持して車検だーと思っていたが)


今週末長距離航行敢行。



2016/09/26

(No.2482): 9月のライブ砲酷(電気音楽会 Vol.4)(偽物編)


dewey下手システムで和風ハンバーク(単品)+大盛りカットステーキ(単品)を担当しているtaira氏(階級は准将)が9月ライブ電気音楽会vol4の見事なリポートを展開しているので是非こちらのリンクをお読みください↓
9月のライブ報告(電気音楽会 Vol.4)





一方
dewey 上手システムで和風ハンバーク+ライス(普通盛り)+シーザーサラダを担当しているエフオピ(階級は二等兵)がテキトーに殴り書きした変な世界観のレポートはこちらに成増↓     東上線?


ライブ当日の最終スタジオリハ。
ゲネプロで50分!え?50分? 
うそでしょ、えっと開始時間忘れちゃったから50分はかかってない?
だいたい45分?いやどのみち、オーバーしますねー
詰め込みすぎセットリストだからねー、
1曲か2曲削らにゃならん
ファイル切り替えがあるしねー

スタジオ後、デニーズ。
”Javelin”か”エンネボークステルフィ”どちらか1曲を削ることに決定。
食事後、盛大にじゃんけん大会。
負けた方が自分の曲を削りましょう。
(Javelin:taira/エンネボークステルフィ:エフオピ)
最初はグーじゃんけんぽん、あいこでしょ、あいこでしょ
余裕っすエフオピの負け。
エンネボークを削りましょう。ばさりと。


ところが、本番直前楽屋にて再考。
やはりもう少し時間を詰めないとオーバーするかもと、結局6分あるJavelinを削ることになったのでした。
taira准将の英断。
ちなみにどちらも最後の曲の設定。




ラストワルツのPAスタッフの方と
deweyミキサーのアウト(XLR)出力とPA側のケーブルをつなぐときの会話。
「若番が青です」
「わ、わかばん? ってなんですか?」
「若い番号、1番のことです」
「へー、そういうんですね。で、い、1番だから、ひだりLですよね。。」
「はいLです」
勉強になったー




オーガナイザであり共演して頂いた、村上ユカさん、同じく共演者 ARMADAの浜崎さん森さん、PAやFloralrainミックスやって頂いた杉本さん、ラストワルツスタッフの皆様
ありがとうございました。

そして何より雨の中お越し頂きましたたくさんのお客様、本当にありがとうございました!!



(photo by edie.stereogimmik -> thx)

2016/09/22

(No.2481): 思い出せない”食音”イベント


iPhoneに着信。
知らない女性の声で今日のdeweyライブに行きますと云う。
ありがとうございますえ? きょ今日ですか? 、と訝しんでいると
「あのーそれで、ミネストローネをお願いしたいんですけど、一人前」
「はい。 え? 、えーっと、それって何でしたっけ?  ミネストローネ?」
とここまで聞いて、朧げに思い出した。

いや正確に言うなら記憶にはほとんどないのだが、以前ライブと食べ物を融合したイベントの話があったようななかったような。
ここで頭はフル回転。

たしかあの話は、出演バンドが食べ物ブース出展してライブもやるとかなんとかそんな企画だったような気がする。えーと、それでこの話はどうなったんだっけ?日にちだけ提示されてそのままだったっけ?ふえー、思い出せない。。あやふやのまま来ちゃったんだっけ?え?ライブ?今日? ミネストローネ?
taira准将は覚えているだろうか、今日ライブだったことを、taira准将に早く知らせなくては!

「はーわかりまひたありがとやんした」とほうほうのていで電話を切り踵を返しtaira准将に電話をしようとして止まった。
と、あれ?なんちゅう名前のハコだったっけ。。たしかサイトがあったはずだ。

嗚呼、何も思い出せない。



黄色味がかった白乳色で統一されたサイト。割付も綺麗。掲載写真は静謐な部屋に古い感じのテーブルに質素なクロス。透きとおる涼やかな薄蒼色グラスにはソーダ水。氷とストロー。水滴。

スケジュールページを探す。ない。ないぞ。
ところで今日は何月何日だっけ?



6:20 AM 猛烈な尿意で起床。



2016/09/12

(No.2479): ロシアアヴァンギャルド風味テクノ歌謡ちっくな


筆者の音楽嗜好の”方向”は1981年のYMO/BGM、KraftWerk/ComputerWorldに端を発することは幾度となくここで記した。あれから35年、基本的な嗜好は変わらずだが、2000年頃にmouse on marsと出会ってからは今でも彼らのサウンドに惹かれ続けている。
楽曲制作においてそれまではキッチリと交通整理されたサウンドでなければ通用しないと思っていたが、mouse on marsを聴くようになってからそのような考えは一切消えた。

そんな折、変えたばかりのSIMフリーiPhone SEで音楽ランダム再生していたらmouse on mars の曲の次に”近代案出”の曲がかかって「ハッ」とした。
33年前の曲とは思えぬ斬新さとロシアアヴァンギャルド的音響に感動を新たにした。当時の制作環境的制約の齎す不完全さが逆に良い味付けになっている。

近代案出”とは何?という方は以下のリンクをご参照願いたし。
(No.2375): 32年前の邂逅

近代案出”は筆者の33年前の友人であるTくんのユニットである。実は”近代案出”のある曲をdewey用にリメイクしたいと思っている。というかやり始めている。
当時の不完全さを再現することは無意味であり、あくまでも2016年dewey翻訳で臨む所存。ロシアアヴァンギャルド風味テクノ歌謡ちっくな曲。

年末にはお披露目できるかしらん。

2016/09/08

(No.2478): 愉しいバイク・カーライフの噺(カツカツ王の手記より)


キミは二輪も四輪も所有してそれはすなわちそれなりの収入があってだから維持もしていけてるのだろうと、そう思われがちな年齢であるのだが、それは一般的に言えることであって筆者には一切当てはまらず。

実際もうカツカツです。
カツカツであっても手放すことあり得ず。ありえーず。

しかしこの2−3年くらいから徐々にカツカツ加減が逼迫する事態になってきた。すなわち、二輪も四輪も新車購入から数えて四輪は8年、今の二輪は7年という時間の経過において、ここ最近のメンテナンス費、消耗品費が右肩上がりなのだ。
これは機械であるがゆえどうしようもないことである。クルマやバイクは基本的には壊れたら直せばいいし、数多消耗部品は交換が必要なだけなのだが、しかし当然それにはコストが発生する。

キミねそういう維持費も考えて乗ることがクルマを持つということでしょう、などと知った風なドヤ顔の輩はわかっていない。
頭の中がお目当のアイツだけになって後先のことを考えずにやみくもに衝動的発作的にクルマやバイクを購ってしまうという事象こそが、本来の姿なのである。ぼくらの誇りはそういう輝かしい黒い歴史に上に成り立っている。
黒歴史の一例:(二輪はまだ11年くらいだが、四輪は免許とった18歳から35年間14台に乗り、切らしたことがない


だから、数年後数十年後にやってくる目ん玉が飛び出るほどの車検代に僕らはときめくのだ。


(日本語訳)
今年の12月のダブル車検までに資金繰り必須。マジで。



2016/09/01

(No.2477): 40年後もタメ口


8月末の土曜日、小学校6年の1組と2組合同の同窓会を訪なう。筆者は6年1組だった。
筆者は同窓会的なもの自体に今まで出席したことがなかった。大学や高校ならまだしも(あっても出ないけど)小学6年の時となると実に41年も前のことだ。

とはいえ今でも付き合いのある小学時代からの友人は数人いる。今回はその旧友の一人から是非来いというオファーを受けたのだが、本当はいやだなーと思いながらも出席したという体。
他の級友など小学校卒業以来会ってもいない。中学が同じ地域だから中学もほぼ同じ顔ぶれで一緒だったのでそういう意味では中学以来であるが、それにしたって38年は経っている。

そんな”40年後”の同窓会で思った第一印象。
そこそこなおっさんおばさん達とタメ口というのが不思議だった。

社会に出てもう30年だが、社会に出ると自分と同じ歳の人というのはさほど多くない。大企業で新卒一括採用で同期何百人という場合は違うだろうが、近い年齢はいるにせよ同い歳同じ学年の人は自分の周りにあまりいないのではないか。
筆者の場合、同じ学年の人はいるにはいるが上役だし同じような年齢の人に対しては”歳下であっても”基本的には敬語だ。

ところが、同窓会というのは社会的立場や地位や権力の有無に関係なく”同級生”というコモンエクスペリエンスによって総じて「タメ口」になるのだということを知った。

40年ぶりにあったキミのことはあんまり覚えてないなーでも顔の面影はある、あーあーそうだっけ忘れちったよー、という程度の記憶だから仕事関係で一二回あった人くらいの感覚の人と、バリバリにタメ口で会話するというのが実は非常に新鮮だった。

でもよくよく聞いたら「俺2組だったからエフオピとはあんまし喋ったことなかったねー」なんていう。ってことは実質これがほぼほぼ初めての会話?的な流れを考えると、50何歳とかのおっさん同士がお互いほぼ初見のくせしてタメ口で話しているというシチュエーションなのだ。

そもそもここにいる数十人全員が同じ歳というのも非日常感あり。


自己紹介で

筆者「もうね35年くらいテクノ音楽やってるよー」
一同「・・・・・・は?」





(おまけ)
二次会のカラオケで平沢進「Forces」を歌ったが、これ誰?、これ何?的な扱いでね。
いや、あんたたち1980年前後のP-MODELとかリアル世代でしょヒラサワ知らないの?
まぁこの曲は90年代後半だけど。
ゼンゼン知らねー長渕剛なら知ってるけど

あ、つまり世代じゃなくて音楽の問題ね。

みたいな


2016/08/25

(No.2476): 8.23ライブ後記と9.24ライブのお知らせ


2016.08.23 四谷LOTUS ELECTRIC LOTUS Vol2.
deweyライブでした。
エフオピ、tairaともども予告通り電子音塊を投げ切った感。皆様のお声をお聞きする限りではおそらくは良い出来だったのかと、そんな塩梅で胸をなで下ろしているところです。
このロータスのイベントは共演者の皆様が素晴らしくhello1103さん、miku+ifさん、YutakaYanagiさん、など筆者の琴線を弾く音楽ばかりですこぶる楽しいですしいろいろ勉強にもなります。

さて今回のdeweyライブではハードウエア楽器としてtaira准将はKORG minilogue、筆者はYAMAHA refaceを新規投入したのですが、特にminilogueはシーケンスであったり手弾きであったり要所要所で活躍しておりました。
そして手前味噌で恐縮ではありますが、taira准将のライブシステムは制御信号系がUSBとMIDIで混在していたりマスタークロック発生が複数あったりとかなり複雑なシステム環境なのですが、一切のトラブルがなく遂行できたのはtaira准将の事前のテスト計画による綿密な動作確認作業の賜物かと。
音楽以外のことが多いと思われそうですが、テクノ音楽制作やライブというのはそういう技術的スキルや環境構築も含めて全てが「テクノ音楽」なのです。ということが最近になってわかってまいりました。


(photo by モモさん)


(photo by hello1103さん)


唐突にここで曲解説を。deweyライブ、最後の2曲について。
最終曲の一つ前の曲、「nos gwyn」 と書いて「ノス グゥイン」 といいます。作詞作曲は筆者エフオピです。miku+ifのmikuさんからあの曲はドイツ語ですかと聞かれました。発音がドイツ語っぽいのですが、詞はウエールズ語なのです。色について歌っています。
しかしこの曲調はなんなんでしょう。なんのジャンルだかよくわからないあまり聞いたことがない変な曲です。ボコーダー歌唱の節が一層そう思わせます。そういう狙いの曲です。はち切れそうではち切れないちょっとモヤモヤする曲です。

最終曲「Javelin」、作詞作曲はtaira氏です。6分近くある大作です。途中で曲調がガラっとかわるところがあり、そこから6/8拍子になります。しばらくすると4/4拍子に戻りますがまた6/8拍子になります。且つ、BPMがだんだん速くなっていきます。最初はBPM130ですが最後はBPM140になります。そして何と言ってもこの曲は同一帯域が何層にも重なっているので轟音です。「音響の弾幕」を地で行く曲です。そこへtairaさんの歌が乗り弾幕加減がさらに強調されます。


ライブ終了直後、taira准将の「あー終わった終わった」というひとりごとがしっかりPAされていたことはいい思い出です。



さて、そんな1歳垂れ耳うさぎと15歳黒柴C1号を配すdeweyの次回ライブは、村上ユカさん主催「電気音楽会 vol4」に出演致します。
共演者の村上ユカさん(http://yucafex.wix.com/yucafe)はもちろん、ARMADAさん(https://soundcloud.com/tamaki-armada-hirotoki)も素敵な電子音楽を奏でます。是非ともお聴き逃しなく。
deweyは末席にて場を温める所存にて、引き続きましてお引き回しの上おん願いあげ奉りまする。


http://lastwaltz.info/2016/09/post-19626/#more-19626

2016.09.24 (土曜)
dewey/村上ユカ/ARMADA

開場18:30 開演19:00
全席自由 ご予約 ¥3,000 当日¥3,500 (税込み ドリンク別)

メールでの予約はこちらまで、lastwaltz@shiosai.com
1.ご希望公演日時 2.お名前&フリガナ 3.人数 4.お電話番号
を送信下さい。

2016/08/19

(No.2475): 障害対応7割


8月ライブのリハで代々木スタジオ。
もともとはライブ当日までスタジオ予定のないスケジュールだったが、9月ライブとの兼ね合いでライブ仕込みで両者確認する事項が出てきたため急遽2時間だけスタジオでの音出しを決めた。

deweyライブのシステムは組み上げ結線するだけで優に30分は掛かる。ようやくセッティングが終わり、さぁ同期させてみましょうとマスターのAbletonLiveをスタートさせるが同期しない。
これでは。
動きません。
どうでしょうか。
だめです。
どうでしょうか。
だめです。
ふざけんなよキーー
taira准将は安定の半ギレモード突入。

切り分けてどこが障害箇所か探りましょうなどと筆者がISO27001で培われたスキルを発動しはじめたとき、同期ができるようになった。taira准将がなにやらいろいろ弄っていたら復活したのだった。
しかし結局1時間は音楽以外のことに使われた。

そしてその後、別な障害に見舞われた。
嗚呼もうこのままスタジオ終わってしまうのかと思われたが、しかしなんとかかんとか曲合わせや同期確認はひと回しのみできた。


這々の体で帰路。
スタジオ後、taira准将から障害の原因が全て判明しました。再発防止策を講じますと報告を受ける。まずは原因が判明してよかった。対策を打てるからだ。
テクノミュージシャンは常に機材リスクとともにある。




2016/08/18

(No.2474): シン・ゴジラで所感


シン・ゴジラ観賞す。ネタばれなんとなく少しアリで所感。

連日筆者TLでは話題持ち切りでどれどれどんな塩梅だろうかとしかし期待を込めて観た。
期待を越え想像以上の作品だった。ゴジラではあるが円谷系のそれとはまったく異質である。が、1954年の1作目「ゴジラ」とニュアンスは近似。

以下、所感箇条書き
・設定に虚がないと思えるほどのリアリティ
・自衛隊の作戦中、武器の使用までの命令伝達の経路など
・誇らしい日本の国防力
・おそらく日本国の対応はこうなんだろうというくらい現実的
・国家の意思決定のテンポ感
・初回上陸後の翌日に被災地以外は普通に通勤電車も動き日常になっている
・今の日本社会の思考を改めてみせられた
・1954年1作目のオマージュがあちこちに
・伊福部氏のオリジナル楽曲トラックに感慨深い

・そしてこの続きはないよね・・

この映画は怪獣映画ではない。
お子様向け映画でもない。
これは立派な成人向け映画だ。


2016/08/12

(No.2473): ヤマハのシンセの噺2(さぁいっちょうぶぁーっといくかー編)


ツクグロウ鳥の精霊に憑依されたことも知らずわたくしはその2次元状ボタンを押下しました。あれほど実機を触ってからにしなさいと口を酸っぱくして云っていたというのに。
それはサウンドハウスよりもさらに安い値を付けていた某ネットショップを見つけてしまったからだ。気付いたときは既に注文確定しましたメールを受け取っていた。

まぁいい。そういうことも長い人生にはままある。翌々日に玄関に打ち捨てられて着荷。どっしり感がある、実際この大きさにしたら重い。評判通りのしっとり感のある鍵盤。ミニ鍵盤といってもmicrobruteよりは大きく、いわゆるミニスリム型。
何より出音の振り幅の広さに驚く。シンプルな原波形音はもとよりどうやって作ったのか簡単にはわからないくらいの複雑な音も作り出せる。エフェクトも充実しており、派手さはmicrobruteの比ではない。
特に、オシレータの多彩さ。ここは根幹なだけに相当な設計上のこだわりが感じられる。オシレータの元ソースは5種類だが、ソースごとに当てがわれたパラメータを調整する二つのスライダーやLFOの掛け方によって相当複雑な音へ作り込める。

そして、さらに秀逸なのはフィルターのレゾナンス。発振がハンパない。また地味に内蔵エフェクトもかなりエグい。特にディレイのディプスをあげていくと自己発振するかのような強烈なピークが訪れる。

さらに話題のLooperという120BPMなら10分間MIDI記録できる仕組み。シーケンサーというよりはMIDIレコーダーという感じ。
当初外部同期できないかもと案じていたが、AbletonLiveからMIDIクロックを受けて同期走行を確認した。ただし、記録した内容は電源を切れば消えてしまう。だから、ライブ時は本番中にリアルレコーディングしながら被せるという暴挙を夢想している。





このシンセは音色メモリもない。しかし作った音色セッティングはiPhoneのアプリでセーブ、ロードが可能。アプリは無料。
こいつぁいいやと、さっそくアプリを落とすがiPhoneとシンセ本体を接続できるケーブルがない。シンセ本体はUSB Bタイプ、iPhoneはLightningケーブル。マニュアルにはApple純正のLightning-USBカメラアダプタを経由してUSBケーブルで接続とある。

結局、USB-BタイプとLightningケーブルが変換できればいいんだろうと思い、両ケーブルのUSB Aタイプのオス同士が接続できればいいじゃんとUSB Aタイプのメスメスの変換アダプタを購入した。さっそく試すが、iPhoneがシンセ本体をまったく認識しない。

改めて確認すると、どの関連サイトでも「Apple純正のLightning-USBカメラアダプタを経由して接続」とある。何?これはただ単にコネクタの物理的問題の所為ではなく、「Apple純正のLightning-USBカメラアダプタ」を使わないとそもそも認識しないってことか? 単純にUSBメスメスで繋げてもお話にならないってことか?

明日買ってこよう。しかしApple純正高ぇ。

そんなYAMAHA reface csの近況でした。
ここまではdeweyステージ上手側エフオピがお送りしました。そりではまた。







2016/08/06

(No.2472): CRへの旅(カフェレーサーっていう意味ね編)


あたくしのオートバイであるところのドカティモンスタァM696に乗り始めて今年でまる7年になりますれば、いわゆるの車検と云ふやつも今年の12月が来りゃぁ3回目であります。
総走行距離はさきほど44,000kmを超えたところで、オートバイにしては些か距離を稼いでおります。


次回車検ではまず間違いのうブレーキディスクの交換、リアではのう、フロントのディスク交換と相成ること違わず、それはもう膨大なる資金繰りに方々を駆け巡ることは必定。
今から何がしかの手を打っておかなければと思い馳せている一方、今更のライディングポジションについて年齢も相まってかそろそろ「楽」な方向で考えみてはくれまいかと云ふ噺もあるやなしや。

「楽」なライポジといふのは、今のやうな前傾姿勢からゆるゆるとした背筋伸び的着座姿勢へ変えること、ではない。「楽」なライポジを願っているのは股座の皆さんなのだ。
はっきり言おう、ドカティモンスタァM696に乗っている男性諸君、君たちの金◯袋の調子は如何かね。特に夏場、革パンツやオーバーパンツのないズボンのみの軽装(とはいってもジーンズ的なやつは履いてるよね)では、急斜面シートと急勾配タンクの谷間に己のそれがほぼ素の状態で激しく著しく押しつぶされ、打ちつけられるのだ。

つまり以前より拙ブログ((No.996): 超低速と珠と)でも記録した通り、己のそれの「位置」が少しでも正しい位置にいないと地獄を見る。さらに夏場では空冷デスモドロミックL型ツインエンジンから発せられる灼熱熱波が追い打ちをかけ、袋状のそれはもはや 体を成さずただ溶解するのみ。

であるからしてぇぇぇ(二丁目のタケルおじさんのモノマネで)ゆっくりとしかし急にある想いが首をもたげた。
バイク乗り換える?


現在のドカティモンスタァM696の容姿は筆者の評価は100点満点なのだ。超低い短いハンドルに粋なイモラミラーの組み合わせ、ずんぐりとしたタンク周辺と空冷デスモに伴った機械的なサーフェイス、そして全身がマットブラックなのでまるで無国籍の戦闘機のような風貌感で、筆者はそれが堪らなく好きなのだ。

筆者のオートバイに対する嗜好ファクタはまず「見た目」だ。「容姿」だ。ライディング系や性能などのプライオリティは極めて低い。従って今まで、前述の股間問題はインシデントではあったが正式に問題管理していなかった。「見た目」最高だから乗り心地とかは二の次。
だったのだが。。。

しかし、君、今わたくしのお眼鏡に叶う「現実的な」オートバイはあるのかね。と問えば、ありません、という回答となる。ドカティにこだわっているわけではないのだが、やはり見た目が好きなバイクは現状モデルでDUCATI Monsterになってしまう。しかし最近のMonsterは全て水冷になってしまった。いや、何より高価だ。中古バイクでもよいのだが、あまり積極的でない。

繰り返すがドカティにこだわっているわけではないのだが、やはり長年 デスモドロミックL型ツインエンジンに乗ってきたので愛着がある。(実はこだわっている)
先ずはドカティのラインアップを見てしまう。

昨年出たScramblerが人気らしい。人気はあるがトラッカーみたいだし、筆者はそういうのあまり好きでないし、現状ドカティで唯一の空冷だがいかんせん「見た目」にピンと来ない。

と、思っていたところ、セパハンを始めカスタム次第ではもろ嗜好ど真ん中になることを発見。

勢威調査中。



2016/08/01

(No.2471): ヤマハのシンセの噺(たぶん)


こんにちはお元気ですか。ぼくは元気ですが、最近とても気になる楽器があるんです。それは、ヤマハの「reface CS」というシンセサイザーです。

今年のフジロックの電気グルーヴのライブで石野卓球氏が弾いていたのですが、その出音が太く濃密で、でもコンパクトでかっこいいなーありゃどこのシンセなんだろうかきっとスイスあたりのマニアックな機材なのかしら、などと鼻息荒く調べてみたら、国産のYAMAHAだったのでした。
もう10年近くサンレコを始めキーマガもほとんど読んでおらず、機材情報に大変疎くなっており、このシンセが昨年発売されていたことも知らずにいました。

「reface CS」の気に入ったところはまず、電池駆動でも動く事です。なぜならdeweyライブ時に電源アダプタを挿さずに使えるからです。大変ありがたいです。
それとやはりコンパクトなこと。鍵盤はいわゆるスリム鍵盤ですが、現在使用中のmicrobruteよりは大きいので演奏しやすそうだなと。
自宅使用を考えても、スピーカー内蔵というところもポイント高し。いちいち結線しなくても音がすぐに出るところがいいです。
そして何より、アナログシンセの各種パラメータが物理的フェーダ等でほとんど揃っていること。つまみがフェーダ式なのも昔のヤマハ流で懐かしいところです。
iPhoneのアプリを使えば、作った音のセッティングをセーブしたりロードしたりできるそうなのでそれも大変ありがたいです。なんたってmicrobruteはメモリがないので作った音は一期一会なのです。男気。

しかし、ヤマハのCSといえば、今を去ること34年前、大学2年のぼくが最初に買ったシンセがヤマハの「CS01」でした。しかも新品じゃなくて友達から買ったんです。お金がなくて。ちなみにその後バイトして新品でRoland SH101を買ったので、CS01は別の友達に売っちゃったんでした。なお、SH101は今でも持ってます。

そんなこんなで、CS01懐かしいなーなどと思ってググったら、なんと今でもヤマハのサイトに載ってるんですね。驚きました。
これ↓
YAMAHA CS01


しかしまーぼくの場合、ヤマハといったらSRがパッと思い浮かぶんだけどねー。え?SRなんていうシンセはないって?シンセじゃないよ、SR400だよ。オートバイだよ。
これ↓
YAMAHA SR400


よく考えたらヤマハってすごいなー、楽器はアコースティックも電子楽器もあるし、しかも歴史に残る楽器も多いしDX7とかオートバイも歴史に残る名車多いし、すごい企業だなー


えーっと何の話だっけ。

2016/07/26

(No.2470): 17年目のフジロック


筆者は今年で連続17回目のフジロック。17年も皆勤でしかもほぼ全日程。

よくフジロックは金がかかり過ぎると言われるがチケット自体は言うほど高くはないと思う。なぜなら外国アーティスト単独公演でも8千円くらいするのは普通だし、フジロックは3日間200組以上のアーティストで、通し券、早割なら3万前半だし早割外れても早い段階なら3万円台で買える。この価格はまぁ許せる範囲。
とはいってもその200アーティストのうち99%は知らないアーティストばっかりなんだけどねー愉快。

むしろ金がかかる元凶は宿代だ。キャンプなら宿代はほぼかからないから若さと体力に自信のある方にはオススメ。これで君もフジロッカーの仲間入りだ。
筆者はもう年齢的にキャンプでは体力と精神力が持たない。寝るときはハードウエアの構造物の中でぬくぬくとしていたい。だから勝敗は如何に安い宿を確保するかに尽きる。


そんな20周年フジロック2016、今年の筆者ベストアクトはこれだ。






James Blake


JamesさんはProphet '08を弾きながら歌う。芯のある、コシの強い歌声。正確なピッチ。そしてドラムの人がコンピュータのような正確なビートでエレドラムを叩く。その音的にはまるでTR808のようで。ギターの人もいわゆるギターを全面に出すのではなく、シーケンスフレーズを弾くごとくのアルペジオ感。
とはいえたぶんCDだけ聴いたらピンと来ないと思う。ライブならではのテクノ感だった。人力テクノ。



SQUAREPUSHER




自作のソフトウエアとのことだがMax/MSPチックな音象。そのソフトウエアで作られたバギャバギャ系電子音塊によるビート。空気振動の感じられる低周波による爆音重低音から、グニャグニャ系変態音響まで速めのBPMで攻める式。
曲間はファイル読込時間あり。その間は曲間用サウンドと映像が流れる。その映像が自作ソフトウエアのインターフェイスをキャプチャしたものなのか、しかし見ためMax/MSPだった。最終曲前後の超絶ベース演奏も圧巻。
終演後の機材テーブル近影。↑



電気グルーヴ




スペシャルゲスト枠とのことだったのでお祭り感満載。VJ映像もフジロック用に制作したようでフジロック20周年記念スペシャル版だった。
実は筆者はあまり詳しくないが90年代の古い曲を数曲やっていたようでクロージングアクトとも重なって終始大盛り上がり。VJ映像で卓球氏の手元の様子がたまに映るのだが、MIDIコントローラやドラムマシン?グルーブボックス?も見えてシーケンスのLEDが走っているのが見えた。
弾力ある卓球リズムは流石の貫録。
途中卓球氏がショルダーキーボードみたいに弾いてたYAMAHAのシンセ、気になって調べたらreface CSだった。久々に気になる機械。ショルキーということではなくシンセ自体の音と仕様に琴線弾かれた。



寺田創一



日曜レッドマーキー25時に、あの寺田さんが観られるなんて。実はOmodakaしか拝見していなかったが寺田ハウスを初めて体験。お洒落な上モノとブーミーなキックで最前列の外人さんもノリノリで踊る。
手元にカメラを設置してキーボードを弾く様子を映像で流したり、曲名を書いた細長い紙を映したり、その映像を手動オペレーションで画像エフェクトしたりしていた。とにかく印象的だったのは終始満面の笑顔でプレイしてたこと。皆も笑顔になって踊る。
ところで何かの機械を弄って、上モノをコントロールしていたがあの機械はMIDIコントローラだろうか。



トミー富岡



土曜18:45 苗場食堂
ついにトミー富岡さんが正式にフジロックにブッキングされた記念すべきステージ一発目。筆者のトミー富岡さんの初体験は2014年のフジウジからだった。
正式ブッキングにもかかわらず、そのフジウジやバスキャストップと同じくらい、いやそれ以上にエロネタ満載できれっきれなステージだった(笑いが)。ギター演奏も上手いし、歌なんかモノマネ本人よりも上手いのではと思うくらいのスキルの持ち主。佇まいも絵になるよこの人。
漫談家?芸人?とか思っちゃうけど、ミュージシャン。


2016/07/20

(No.2469): 7.19 ライブ後記(驚愕。初スワップ体験)


ライブ当日のスタジオリハ&ゲネプロは特に何の問題もなく進捗し、出音良く且つすこぶる調子の良いモニターの塩梅に相好を崩した。
やれ同期しないだとかズレてるだとか拍が取れないだとか音が聞こえないだとか、やれUSBが、やれAbletonLiveが、MBP家に忘れてきた、などといった定常的な出来事がなく、僕らは粛々と本当のリハーサルができる幸せを噛み締める。

とはいえ、一点、こんな事象はあった。
マスター側のAbletonLiveで1024小節を超える地点にロケータを移動させるとスレーブ側は1小節に戻ってしまう、という現象に遭遇する。当初バグだと思っていたが調べたところ「仕様」のようだった。マスター側を1小節目から再生させた場合は1025小節を過ぎてもスレーブ側は追従するので、今のところは問題にならない。
deweyのライブは基本的には一度コンピュータをスタートさせたら終演まで止めないのだ。止められないのだ。

そんなアレで、勢い勇んで本番に臨む。

一曲目の「porali」は今回初お披露目の8ビートクラシック系テクノポップ。
ボコーダーヴォイスが乗っかるとなかなか粋な感じの曲なのに、開始早々筆者のMicroBruteのシーケンサーが同期していないことに気付く。
どわ、MIDIケーブル繋ぎ忘れてた! 
慌ててMIDIケーブルを繋ぎにかかる。曲はどんどん進行してボコーダーパートに入ってしまった。前半、歌えなくて結局すっ飛ばす。後半はボコーダー入れられたがせっかくの初お披露目だったのになんか生殺し的な出来だった。筆者的には。
taira准将は気付かない感じだったので筆者のしどろもどろ加減はわからなかったかもしれない。

それでもその後は楽しく良く出来たと思う。

そしてnos gywnというウエールズ語のポップでない変なテクノ曲でボコーダーをやってる途中にマスター側(筆者側)のバックトラック音が一瞬消えた(飛んだ?)。
びっくりした。
幸いに飛んだ後もtaira准将の同期は確立されたままだったので取り敢えず大惨事にはならなかった。


ライブ翌日、メールにてdeweyテクニカルサポート会議を実施。
taira准将の調べではどうやらMBP処理過多によるスワップしまくりでSSDがプチフリーズしたのではないか、ということが原因との結論を得る。確かに1000小節を超えるほどの大きなAbletonLiveプロジェクトファイルで、且つ映像再生し且つその映像を別のディスプレイ(プロジェクター)へ送っている、その状態で1小節目から再生していくとだんだんとメモリを食い阻み枯渇し、スワップしまくる、そしてプチフリーズ。なるほど。

次回はこれを教訓にファイルを分けてアレしてコレする予定。


それにしても四谷ロータスのElectric Lotus Vol1での共演者皆様の多種多様なエレクトロニック音楽はとても楽しめた。
Yutaka Yanagiさんの電子音塊のセンス。オープニングでオウテカを思い出した。
miku+ifさんのキャラクタとして確固たるものを感じるパフォーマンス、ちゃんと世界観があり、歌唱の上手さもさることながらトラックのかっこうよさ、キック音が好きな系統だった。
Hello1103さんのこれまた独特な音世界を作ってるし、elektronドラムマシンの使い方と存在感も非常に合ってて、硬派なビートに柔らかい女性ボーカルの色彩が素敵。
ほんとう、みなさん格好良い音楽をやっている。勉強になるなー



で、今年もまた、こっちの勉強もしてこよう、苗場で。
いってきます。


2016/07/18

(No.2468): 7月ライブ前の投げ込み(タイテ付き)


前回のライブではあろうことか商売道具であるMacBookProを忘れるという前代未聞の不祥事を起こした
失意の中、秋葉原から中央線沿線東京都下の自宅まで取りに戻った。結局ライブには間に合ったのだが、ゲネプロを吹っ飛ばし相方taira准将には大変ご迷惑をお掛けした。
当然、明日のライブにはもう何が何でもMBPを忘れることのないように今からしっかりと機材カバンへ詰め込むだ。この執筆を終えたら。間違いなく。前回もそうだったのだ。ブログ書いてからカバンに入れようと思って、朝でいいやって思って、朝ばたばたしてて忘れちゃったんだ。もう忘れんぞ。
とか言って他のもの忘れたりするんだよこういうときって。シンセとか。オーディオIOなんか忘れたらけっこうアウトだよなー。くわばらくわばら。


しかし最近は加齢の所為か、物忘れが多い。
例えば朝ばたばたしててバイクの支度をして出るのだが、いざバイクを動かそうとしたらバイクの鍵を忘れてたりとか、なまじっか普段裸眼生活なのでクルマ運転やバイクのときにメガネ忘れるとか、イングレスのLv8ポータルのグリフハックの五番目のマークをたった今まで覚えてたのにその時になるとぜんぜん思い出せなくなるとか、
枚挙に暇がない。

さーーてそんな物忘れ初老を含む平均年齢46.5歳のなんとか式電子音塊拡散窯deweyのライブは7月ライブは

2016.07.19 火曜 四谷LOTUS
ELECTRIC LOTUS Vol.1


18:00 / 18:30
ADV./DOORADV ¥1500/DOOR ¥2000

18:30 - LVA HELA
19:05 - Yutaka Yanagi
19:40 - 大宮レコーズ
20:15 - dewey
20:50 - miku+if
21:25 - Hello1103


です。。
来週もまた見てくださいねー
うんがぐぐ。(昔のサザエさんのエンディングで)



2016/07/13

(No.2467): ギャニュ式近況(dewey系と付録で構成)



おそらく今月は史上嘗てない貧作、拙屑ボログ。
2467回も書き殴っている拙屑ボログは2012年くらいまでほぼほぼ毎日投稿していたのだがドヤ顔で、ここ数年の体たらくといったら所ジョージさんの「まったくやる気がございません」をソラで輪唱できるほどの体たらくでございます。
既にご存知かも知れませんが、この拙屑ボログに殴り書かれているどーでもいいー駄文の集まりは、true,falseの混ぜこぜの、真と思いきや偽りであり、偽りと思いきや真なりといふ、どうにも掴みどころのないモノなのれす。です。

そんな平均年齢46.5歳のギャニュ式電子音塊ユニットdeweyに在籍する筆者の近況は以下の通りです。

7月、8月、9月のライブの仕込み実施中。
7月19日、8月23日は四谷LOTUSにてエレクトリックロータスに出演、9月24日は渋谷ラストワルツにて村上ユカさん主催の電気音楽会に出演します。
ギャニュっぽいテクノ新曲あり、旧エレクトロニック楽曲のリアレンジあり。そしていつものボコーダーと生歌で装います。ギャニュ式で。


以下、付録1
真夏のバイクの猛暑のすごさを言って聞かせる季節になってまいりまして、気温34度湿度80%炎天下渋滞中において上から(太陽)下から(エンジン熱)のしっかりとした両面焼きの風情に意識が朦朧としてくるなどは一度や二度ではありません的切迫した状況において、些かのハイドレーションパックとやらの給水恩恵に接し、その口腔内に流るる冷水と思しき液体を嚥下してみれば、正しくここに女神は降臨せりと得心す。


付録2
フィアットパンダ100HPのクラッチペダルを踏み込めば、イオン的異音を発しながら踏み込みの最下段にて些かの抵抗と思しきひっかかり具合に、これはもしや嘗ての轍を踏むのではあるまいか、と旧Dラーのサービス工場へ飛び込みの、したたかに様子見というステータスに区分が変更されるのを認識したのち、わたくしは右ハンドル故のリンケージシャフト系潤滑油枯渇であるとの仮説を打ち立てて、FRFまでにグリス塗布の儀を執り行う段取りを模索す。



ちょっとやそっとのそっと担当です。

2016/07/04

(No.2466): 新曲「deweyはデューイって読むのね」


タイトルにある通り今回も詰まらぬ話題で恐縮である。

deweyと表記し一発ですっと読んでくれた方はあまりいらっしゃらない。しかしおそらく皆様には、デューイーだと思うんだけど間違えたら悪いしー、みたいなことで逆に気を使わしてしまっているのではないだろうか、だとすれば心底大変申し訳なく思う。

そんな、何て読むの?的な名前なので拡散プロモーション的には些か微妙な塩梅ではあるけれども、しかし今更に我らのユニット名を変えるのも憚られ、だいたいこの名前で10年やってまいりました故。

ところで、「ミサイルの由来は父母の夢」と云われるようにそもそもこの名前「dewey」の由来についても既に幾度となくこの拙屑ブログでは取り上げているので今更声高に謳うつもりはない。それは例えば、「(No.2320): dewey[デューイ]の命名由来から」なぞに詳しいゆえそちらをご参照願ひたし。

そんなあるとき気付いた。そうか、この由来を曲にしてみようかと。いやね、白状に及ぶとね、BPM125くらいのクラシックな8ビートテクノをさね、作りたくなったのね、急に、
なんでかといえば、実はね、その思い立ったときは別の曲を制作中だったのね、その曲(nos gwynっていうギャニュ式エレクトロニック系曲)を作りながら、あーこういう難解風な感じの曲じゃなくてもっとなんちゅうのかなわかりやすい”ダダダダ”したテクノポップを作りたくなったんだよね、しかもちょいとクラフトワークっぽい雰囲気のある曲ね、
で、その曲にはdeweyの由来でもあるポラリ語の歌詞をハメるの、ポラリ語で数字を歌うの、ボコーダーで歌うの、機械音声で、ポラリ語で数字の2はdeweyなの、これが由来なの、それをね、入れるの、うん、いいぞ、いい。

次回ライブで初披露。しかもそれは巻頭を飾るだろう、あ、曲名は「polari」ね。このブログの題名じゃないよ、


2016.07.19 火曜 四谷LOTUS
ELECTRIC LOTUS Vol.1


18:00 / 18:30
ADV./DOORADV ¥1500/DOOR ¥2000

Hello1103
LVA HELA
miku+if
Yutaka Yanagi
大宮レコーズ
dewey



2016/07/02

(No.2465): 文月の慣例(富士岩盤ね)


文月に入りまして二千と十六年も半分が過ぎたてぇやつで、それにしても親方の前(めぇ)だけど文月といやぁあれでしょフジロックってぇことになりますでしょ、
あたしについちゃぁこれがね、親方の前(めぇ)だけど連続で16年てぇやつで、え?もうね、なんだかね、毎年てぇやつなんで、
まぁ最初のうちはね、それこそ誰それが出るって云やぁ浮かれてたんですが、それがね親方の前(めぇ)だけど今じゃもうそういうのがとんとわかんなくなりやしてねフジロックに行くこと自体が生業みてぇなことになちまってね、
だいたいね、今年ぁ誰が出るんだかあんまし知らねぇんです、寺田創一さんとトミー富岡さんくらいなもんで、
え?レッチリ?なんすかそれ食べ物?ちり鍋?

いやでもねちょっと前から夏フェスなんてぇのが流行りだしちまって、猫も杓子も行くもんだから行く奴をからかう連中まで出てきちまったってぇから馬鹿馬鹿しい話しになったもんで、
でもね親方の前(めぇ)だけどもね、フジロックってぇのはね、実際に現場に行ってみねぇとあの変てこな味わいはわかんねぇんですよね、おかしなもんで、
そりゃね、1日くらいでも変てこ楽しいのは間違いねぇんですがね、3日間居てみねぇな、本当の変てこな味わいがわかるてぇやつで、
前夜祭から最終日の翌日まで四泊五日フルコースで16年通ってるあたしが云うんだから間違いねぇってやつで、ちょいとうまく話せないのがもどかしいんですがね、

親方の前(めぇ)だけどもねフジロックのどこが変てこ楽しいのかって云やぁ、とにかく会場が広大な山の中ってところで、そのどこに行っても音楽が聴こえるっていうところ、なんてぇ話しはぁググりゃたいてい載ってるんですがね、こいつばかりゃ現場で体験してみねぇことにゃ伝わんねぇかなぁと、
あとはぁ、夜はぁ寒いしざんざん雨降ってるのに平気で飯喰ったり踊ってたりしてね、
人多過ぎなのにゴミ分別とかみんなちゃんとやったり、16年間にいろいろ変なことも変な人も見たりしたけども、それでもやっぱり毎年行きたくなるんだよね、こんな変てこな場所ねぇよ、

でもね親方の前(めぇ)だけどもね、良くねぇところもあってね、例えばチケットはまだしも宿周りの銭的な塩梅をもう少しアレしてもらいてぇてとか、
あと親方の前(めぇ)だけどもね、最近フジロックの件で話題があったけどね、16年通ってる身からしていえば何を今更って感じだし、そもそもそういうことにぜんぜん興味もねぇから、見たい奴は見りゃいいし、見たくない奴は見なければいいだけの話しで、そんなことより今夜の晩飯フィールドオブヘブンでピザにするかワールドレストランでフィッシュアンドチップスにするかの方が興味があるってぇやつで。



2016/06/26

(No.2464): 6月ライブ顛末(告知含みのだらだら編)



という前段があったものの、秋葉原Cypher にて 無事にDDDD Vol.9 出演果たす。
詳細についてはtaira准将の記録に詳しいのでこちらをご参照願いたし。


deweyでのクラブ系イベントはほぼ初めてであったが筆者の前身であるstereogimmik(ステレオギミック)というテクノユニットでは逆にクラブ系イベントが多かった。だいたい、本間本願寺さんと知り合ったのも確か池袋のクラブではなかったと記憶する。2003年とか2004年頃か。

stereogimmikはクラブイベントでは出番が午前3時とか普通にあった。(今はもう年齢的にキツイかも)
今回、本間さんのDJを聴いて感慨深かったのは、そんな当時の深夜のクラブで連綿と流れ続けるミニマル四つ打ちキックのディープなテクノの爆音の中、一種独特の緊張と眠気の狭間な雰囲気を想い出したからだ。
ゆらゆらと揺れて踊る、あの感覚。この感じに近い雰囲気はフジロックの深夜レッドマーキーか。


さて
今回deweyはクラブ対応セットリストというほどのものでもなかったが、生歌を僅かにオブラートしながら電子音厚めの音響で組み立てたものだった。なんとなくの寄せ方はできたのかなと推察する。イベントの方向性でそれなりに舵が切れるよう今後さらに精進邁進していきたい所存。

そんなdeweyの次回以降ライブはこちら。

7/19 火曜 四谷LOTUS / ELECTRIC LOTUS vol1
8/24 火曜 四谷LOTUS / ELECTRIC LOTUS vol2
9/24 土曜 渋谷ラストワルツ /  村上ユカさん主催 電気音楽会 vol4


セットリスト全部変えるよー(たぶん)(少し)

2016/06/19

(No.2463): 6/18ライブ顛末記(うっかり編)


6/18 土曜。
秋葉原Cypherで行われるテクノイベント DDDD vol9に出演するため秋葉原に向かって朝8:20頃クルマで出発した。当日は10:30から秋葉原ノアでスタジオリハが予定されていたので早く出たのだ。


今回、dewey制服は着ないのだが黒シャツに腕章は必要であり、そのあたりを忘れずに持っていかなければならない。黒シャツは着ていってもよかったのだが、土曜は東京34度くらいになる予報もあり、「行くときはTシャツだけ着て本番前に着替えればいいや、黒シャツはシンセカバンに入れていこう、でも今入れるとシワシワになっちゃうから明日の朝出る直前にカバンに突っ込もう」と思っていた。

そして、前の晩にミキサーなどを入れた一番重い機材バッグだけは車に積んでおいた。朝はきっとバタバタだしシンセ入れてるカバンと両方だと重いので。機材バッグにはMacBookProも入れるのだがその日は別で使用することがあり入れなかった。MacBookProも明日の朝出る直前に、クルマに持って行けばいいやと思っていた。

そして朝、MacBookProを小脇に抱え、シンセカバンを持ち出発しようとしたとき肝心の黒シャツを入れていないことに気付いた。一旦シンセカバンとMacBookProを置き、黒シャツをたたみシンセカバンへ慌ただしく詰め込み、そのまま車に乗った。


秋葉原の駐車場はどこも金額が高く、上限のある駐車場は少ない。そんな中、駅からも非常に近く、秋葉原Cypherにも近い好立地で土日料金でさえ24時間1600円という破格の駐車場を事前に調べていたのでそこへ車を突っ込む。
この駐車場は小さいクルマしかだめだという事前情報通り、その要求寸法はかなり厳しい。幸いにも筆者のFIAT Panda100HPは駐車可能だったので無事駐車完了した。


10:05頃に秋葉原ノア 着。tairaさんは既にロビーでくつろいでいた。ぐへへへうへへへと談笑して10:30スタジオに入る。さぁて、懸案だったtairaさんボーカルの単体出力テスト、二者の音バランス、筆者の個人練習の成果、などなどを検証確認する。

はずだった。

スタジオに入り、機材バッグのチャックを開けた瞬間、MacBookProが機材バッグに入っていないことに気付く。刹那、朝の状況がフラッシュバックし、あれMacBookProは小脇に抱えてたよな、その後どうなった?思い出せなくて気が動転する。機材バッグとシンセカバンのどこを探してもMacBookProはない。
マジか、えー、マジかー、震える、落ち着け自分と言い聞かせる。
筆者のMacBookProがないとマスタートラックが出せない、ボコーダーも使えない。。


すくなくとも本番前のスタジオ確認は、もう全滅。リハ出来ないことは確定し、tairaさんに土下座する勢いで謝りながら今から東京都下西部の自宅まで取りに戻らなければならないことを悟る。
唯一の救いはtairaさんの「スタジオ一人でやってますから大丈夫ですよー」という寛大なお心遣いであり、機材カバンなどをtairaさんに託し、クルマで戻るより電車の方が早いだろうと判断し走って秋葉原駅を目指す。
痛いほどの太陽にじりじりと焼かれながら横断歩道の信号待ちをしているときの心情と言ったら僕はおそらく一生この瞬間を忘れないのだろうと思った。


10:45
秋葉原から御茶ノ水まで総武線、御茶ノ水から中央特快に乗れたのでそのまま中央線地元駅まで突っ走る。駅からタクシーに飛び乗り、場所を告げたあと荷物を取ってきたらそのまままた駅まで戻りますので待っててくださいとお願いする。
自宅に戻るとMacBookProはちょこんと作業机の上ですました顔をしている。力が抜けそうになりながらMacBookProを小脇に抱えるとそのまま同じタクシーで駅へ戻る。
またしても中央特快に乗れたのでそのまま御茶ノ水そして秋葉原に戻ってきた。

12:50
tairaさんとは秋葉原Cypher前で落ち合い、そのままお店に入ってサウンドチェックになだれ込んだ。

13:10頃
スタジオリハで確認できなかったボーカルの単体出力テストのみサウンドチェック時に確認できた。なんか、もう朝8:20から休みなくずーっと長いタイムラインにある感覚。自宅からクルマで秋葉原、スタジオから電車タクシーで自宅往復、とか泡吹きそう。


とはいえ
18:10 dewey本番
なんとかギャニュ式ライブをやり遂げる。


(photo by edie.s(stereogimmik))


DDDD オーガナイザー様の緻密で行き届いた仕切りと秋葉原Cypher店長様の素晴らしいサポート、何より皆様のお人柄に筆者の心も癒されたのでした。
ライブ内容については次回。






2016/06/16

(No.2462): 妖怪「帯域つぶし」と「位相隠し」の巻


この拙日記で事あるごとにしたためている通り、deweyのライブでは上手側エフオピ(筆者)と下手側taira准将のそれぞれの音がミックスされてdewey式として完成する。

個人練習する際はそれぞれの制作スペースに於いて己の音のみを使う。とはいえ、私はこんな塩梅で音を仕込んでおりますグヘへヘというラフな音源はお互い事前に交換はしている。
しかしいざ個人レンシウとなれば自前の音のみで100%であると油断してしまう。結果、スタジオでの初合わせの時に惨事となる。
二者の音がMIDI同期して鳴り始めると100%だと思っていたものが200%になるのだ。即ち、自分の演奏が聞こえない。仕込みの音が聞こえない。などという事態は枚挙に暇なく、一体何がどう帯域を喰っているのか、目に見えぬ分それは妖気となって我らに襲いかかる。

過日導入したイヤーモニタの恩恵により、かえってそれが解像度を増して叩きつけられる。ただそれは虚像ではなく真実であることを周知させる出来事であり、つまりPAアウトへ送る全体のバランスという観点から、イヤーモニタによって全体を俯瞰できるようになったとも言える。

たとえ自分の演奏している音がほとんど聞えなかったとしても、それは楽曲全体のミックスバランスを考えればそれで正解だったことに気付く。むしろ、変に浮き上がってしまい意図しないバランスになってしまうことのほうがカッチョ悪い。
しかし楽曲上必要な発音やメロディ或いは生歌など、ある程度目立たないと成立しない音が埋没してしまっている場合、それこそが妖怪「帯域つぶし」による弊害(霊障)なのである。

妖怪「帯域つぶし」は同じような帯域を持つ音源トラックが何重にも重なっている状態で現れる。同じ帯域に同じような音が重なって結果的にお互いを潰し合うという恐ろしい状態だ。
また、このような状態では妖怪「位相隠し」も現れることが多い。正相と逆相が重なるとき音は打ち消しあうのだ。この場合音が埋もれて行方不明となる。妖怪「位相隠し」の仕業だ。

妖怪「帯域つぶし」や「位相隠し」に遭わないためには事前に帯域の組み立てを設計する必要がある。しかしdeweyの二者にとってそれは永遠に達成できない課題でもある。
なぜなら、

「この音入れちゃおうーウハー」
「この音入れちゃおうーアハー」







2016/06/11

(No.2461): ツクグロウ鳥は二本脚


「三千世界の烏を殺し ぬしと朝寝がしてみたい」

熊野三山に伝わる三本脚を持つ八咫烏は熊野権現の使いとされ、導きの神との信仰もある。古くは古事記、日本書紀、あるいはキトラ塚古墳の壁画にも描かれている。

熊野三山には熊野牛王符と呼ばれる護符がある。他の神社の護符とは違い、特殊な烏文字で書かれ、熊野三山である本宮大社、那智大社、速玉大社、それぞれに異なる牛王符が存在する。

その熊野牛王符は古くから起請として使われている。
起請とは誓約のこと。熊野牛王符の裏面に起請文を書けば熊野権現に対して誓ったこととなり、この誓約を破ると熊野権現の使いである八咫烏が死に、(または烏が三羽死に)約束を破った本人も血を吐き憤死し地獄に落ちると信じられた。

だから古代から重要な約束事を定めるとき熊野牛王符の起請文が用いられたという。例えば豊臣秀吉が病の床にあるとき、徳川家康、上杉景勝等五大老・五奉行に秀頼への忠誠を誓わせた起請文を書かせた。

ところがそれが江戸時代になると吉原などの 郭で流行した。
遊女があなたのことが一番好きよとか、年季明けあなたと所帯を持つわ、などという内容の起請文を熊野牛王符に書きお客に渡すのである。受け取ったお客は熊野牛王符の起請文だから間違いはないと喜び、裏を返す(再び訪れる)のから始まり、マブと呼ばれるまでに何度何度も吉原へ足を運ぶ。

しかし実はこれは客を繋ぎ止めるための作戦で、中にはたくさんのお客に何枚も起請文を渡していた遊女もいたという。
落語の「三枚起請」は三人の客へ渡した起請文がバレた騒動のお話。
古今亭志ん朝「三枚起請」



幕末の高杉晋作が作った都々逸だとされる「三千世界の烏を殺し ぬしと朝寝がしてみたい」は、起請文を渡した男との約束を破ってでも朝寝をしていたいという遊女の想いを詠んだとされている。


2016/06/06

(No.2460): 6月からのライブ期間ー


deweyは6月から3ヶ月連続で月一ライブ期間に入ります。ました。
(ひょっとすると9月も入って4ヶ月連続になるかも)

先ずは6月18日(土曜) 秋葉原Cypher にてDDDD という14時から19時にかけてのテクノイベントに出演致します。前回のDDDD vol8はOmodakaさんも出演されていました。
今回も本間本願寺さん、FQTQさんなど豪華な顔ぶれです。本間本願寺さんは筆者がstereogimmik時代から存じ上げている方で今回久々にご一緒になります。総じてテクノ色の強いイベントだと思います。

さて6月のdeweyは各自制作した新曲をそれぞれ1曲づつ入れ、旧楽曲についても新たな仕込みや演奏を加えます。7月以降についてもさらに新曲を加える予定。
deweyの音楽は基本的には生唄+機械歌唱+ギャニュ式電子音楽ですが、ギャニュ部をもう少し丁寧に解説するなら「多層電子音レイヤー轟音に不可思議コード進行によるアンニュイおじさんのボコーダーのノイズ化」といったところでしょうか乞うご期待。






2016/05/31

(No.2458): 恒例パンダリーノ巡


2008年の初回から毎年参加しております。あ、いや2012年は不参加でしたのでその年以外は毎年参加のパンダリーノ。今年で8回目。パンダリーノは来年で10周年ですね。

君は毎年参加しているからさぞ顔見知りやパンダ仲間も増えたことだろう、と推測の読者の皆様、一人も知り合いはおりません。8回も参加してるのに。パンダリーノはそういうのも全然アリなイベントなのです。

今年は全部で285台。広大な芝生の敷地にパンダ1、2、3に区画分けされて奇麗に整列して駐車します。毎年見ていますがあり得ないほどのパンダの群れにその視界は壮観です。

パンダリーノの時間割は開会式と午後の玉入れ大会(※)〜閉会式くらいであとは全て自由時間なのです。(玉入れも強制ではありませんが)
自分のパンダの後ろのスペースはタープやテントを張れるくらいあり、そこでテーブルだして酒盛りする人や簡単なバーベキュー的なものをやる方までいます。(直火は使用禁止)皆さん思い思いの過ごし方をします。
仲間でわいわいやる方々もいる一方、たくさんの新旧パンダの群れの中を目を細めながらつぶさに観察して、ひっそりと楽しむわたくしのような人もそれなりにいるのです。









来年はジウジアーロ氏ご本人を召喚するという主催者様の冗談も実現するような気になってしまうパンダリーノ、また来年。




(※)玉入れ大会
パンダ1のキャンバストップの天井からパンダ車内へ一斉にボールを投げ入れるゆるい競技。エントリー者の地域を都道府県をベースに5チーム(5色)に分け、地域に属する色のボールを投げ入れるパンダリーノ恒例の名物コーナー。
優勝したチーム全員には賞品がもらえる。


この写真は2015年パンダリーノから
Copyright PANDARINO EXECUTIVE COMMITTEE. All Rights Reserved.





2016/05/25

(No.2457): 6月ライブの支度(其の弐)


拙新曲のライブ用映像を制作するために、拙iPhoneにて撮り溜めた動画クリップをかき集めMacBookへ展開する。
この新曲はコンセプトがある。それは「色」だ。しかも色を持たない事象や情動に感覚としての「色」を持たせるという。そんな能書きである。

であるからして色に関するそれを念頭に置き、事あるごとに動画を撮影していたのだが、今こうして俯瞰してみれば、まったくコンセプトなど度外視の所謂無節操なるクリップのみが散在している様子をわたくしは目を細めて心穏やかに見ておりますお元気ですかエフオピです。わたしは元気です。


ところでこの曲はウェールズ語で作詞しボコーダーにてウェールズ語の発音で歌う(しゃべる)のです。ライブ映像ではやはり唄うタイミングにて文字を表示したい。そこへ持ってきてこのウェールズ語というのが一筋ではいかないアレで、解りにくい発声タイミングを調整しながらえいやっとやるのですが、しかし結局はテキトーに配置する所業に邁進しております。
お、うまくいったーやたーという偶然は必然となります。


時を同じくして相方taira准将より「ごめんライブ曲のデータ消えた」との報が届き、なるほどですねー え?え?と二度見する事態に窮していると「もう一回打ち直している」とtaira准将が高いモチベーションを発揮していたので、どれわたくしも曲間に何某かのノイズでも埋めておこうかと手慰みを始めようとしていたら7月のライブがスケジュール上から霧消したのでリスケ的な塩梅式を八方へ投げかけている僕らdeweyの近況です。


今んとこ決まっているdeweyの生唄&機械唄電子音楽テクノギャニュギャニュライブは以下の通り。

- 2016.06.18(土) 秋葉原Cypher
- 2016.08.23(火)四谷LOTUS


詳細はもちとしたらー



2016/05/20

(No.2456): 行きつ戻りつ「ひかりのうま」陸路編


気付けばもう19時を廻ってしまったので大久保「ひかりのうま」へ行くためテキトーに仕事を切り上げる。今夜はお世話になっているオーガナイザM嬢主催の「アカシックレコードの夜 Vol5」なのだ。COHERENCEさんや村上ユカさんが出るのだ。

大久保「ひかりのうま」は仕事場から歩いても行けなくもないのでどうしようかなーと逡巡する。なぜならば本日は拙バイク(名称:六級改号(DUCATI M696))出動であるのだ。
「ひかりのうま」とは反対側になるが大久保駅北口から徒歩数分の場所に良きバイク駐車場(エコステーション21 大久保駅前駐輪場)が存しているので、ここはひとつアレだバイクでブロロンと繰り出してそこの駐車場へダバーっと入れりゃ丁度いい塩梅式じゃぁないかねえ君。

あ、でもあすこの駐車場のバイク駐車台数は5台だからもし満車だったらどうするか、いやそんなことは考えますまい、もう19時も廻っておるし1台くらいは空いているだろう、うんきっと空いているさ、カンラカラカラ、などとプラス思考全開で想いを巡らせていたらあっという間にくだんのバイク駐車場に到着。

満車
しばらく立ち尽くす。(実際はバイクに跨ったままで)
案の定。

まさかこの辺りに乗り捨ててゆくわけにもいかないので、どこかに停める場所を探さなくては。
バイクなんだから歩道とか道の左側とか適当な場所に停めればいいじゃんなどと思っている諸兄は勘違いをしておられる。今はバイクもちゃんと駐車場に停めなければ駐車違反になります。何より歩行者や車の邪魔になります。

この辺りで他にバイク駐車場で知っている場所といえば、そうだ、知る人ぞ知る歌舞伎町のど真ん中新宿ロフトの隣の東宝シネマズビルの地下だ。(タイムズ新宿東宝ビル地下駐車場)

踵を返し、歌舞伎町の東宝シネマズビルを目指す。たしかあすこも5台かそこらだったと思うが一か八か、どわりゃーと勢いで駐車場へなだれ込むと係のおじさんがにこやかに歩み出ておっしゃる。

「あー、すいませーん、バイク満車でーす」

「ですよねーはいはいー」と応答。
案の定。

まさかこの辺りに乗り捨ててゆくわけにもいかないのでどこかに停める場所を探さなくては。さうだ、さつきの大久保駐車場がひょっとしたら空いたかも知れぬ。戻ってみやう。
踵を返し、再びエコステーション21 大久保駅前駐輪場へブロロンと向かう。


ふつーに満車
ん?しかも駐車No4のバイクがさっき停まってたバイクと違うんじゃないか? 私が歌舞伎町へ行っている間に空いたってこと? そこへ他のバイクがスッと入っちゃったってこと? ねぇスッと入っちゃったってことねぇスッと入っちゃったってこととゆっている。


どうする。大久保にいるというのにこのままおとなしく仕事場まで戻って出直すか。電車に乗っても二駅だし、いやまてよ少しでも大久保に近いバイク駐車場なら、うーんと、この場所からなら、新宿マルイアネックス、WALD9ビルの前のバイク駐車場だ。全然近くない新宿三丁目だけど。(エコステーション21 新宿三丁目自動二輪車駐車場)
この際あすこでいいか。あすこは10台以上停められるしいつも空いてるし。踵を返し、こんどは大久保から新宿三丁目へブロロン移動する。


空いてた。
バイクを駐車し、新宿三丁目から大久保「ひかりのうま」までてくてく歩く。

というわけで結局、20:20くらいに「ひかりのうま」到着。
既にCOHERENCEさんのかっこいい演奏が始まってた。


こんなことならハナっから歩いて来りゃよかった。
うきー


2016/05/15

(No.2455): 観念の仕業と八畳のエレベーター


天井の高いエントランス。どこかのリゾートホテルか。行き交う人々はみな半袖で軽やか。大きなエレベーター。八畳くらいはあるだろうか。そこに数人乗っている。私も乗る。
登って行く。外が見える。乗った時は箱形状だったのに、ガラスのようなもので外が見えるようになっていたのかと気付く。このリゾートホテルは入江の脇に建っているのか海の波が意外と近くに見える。でも上に登っているのにこんな感じで見えるのかと思う。
いつの間にか白いテーブルの椅子にわたしは座っている。隣にtaira氏がいてお酒を呑んでいる。前に見たことのあるバーボンっぽいやつを飲んでいる。そしてわたしに申し訳なさそうにこう言った。
「7月の◯◯日まで仕事が立て込んでおりライブに出られなくなりました」
ぎょえーと絶句するも逆算してみると確かに難しそうだなと思う。(何を逆算したのかはもう思い出せない)
「わかりました、それではなんとか頑張ってみます」
と言ったものの、一体どうやって間を持たせようかと考える。
そうだedieにお願いしてMC307をやってもらおうと思うのだが、横断歩道の信号は一向に青にならない。


猛烈な尿意で起床。





2016/05/12

(No.2454): 幽寂四輪歴


もう幾度も綴ってはいるが筆者の四輪歴の今再びの晒し。
今回は乗っていた長さもなんとなく表わしてみる。且つ(  )には変速機種類、加えて2サイクルの場合と空冷の場合はそれを記した。

年  車種
1981 スズキ フロンテクーペGXCF (4速MT/2サイクル)
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1983 トヨタ マークII 4ドアセダン (4速MT)
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1983 ミツビシ ランサーセレステ (5速MT)
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1984 スバル R2 (4速MT/空冷/2サイクル)
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1986 ホンダZ (4速MT)
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1986 ホンダ N360 (4速MT/空冷)
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1987 Volkswagen Type3 (4速MT/空冷)
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1988 Renault 5GL (4速MT)
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1989 Austin Rover Mini Mayfair (4速MT)
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1992 Rover Mini Mayfair 1.3i (4速MT)
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1996 Rover 200 (4速AT)
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1998 Volkswagen Polo (5速MT)
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2005 FIAT Punto HLX (6速AT)
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2008 FIAT Panda100HP (6速MT)
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(2016 継続中)




こうしてみると一番長く乗ったのは、現在も乗っているフィアット パンダ100HPで現在9年目である。次いでフォルクスワーゲンポロ、とミニがそれぞれで8年づつ乗った。
ミニは1989年からだが1992年にはインジェクションのミニに乗り換えている。ちなみにミニからは新車だ。それ以前のクルマは全て古いクルマばかりだった。

最初のクルマのスズキフロンテクーペは排気量360cc水冷3気筒3連キャブ2サイクルエンジンをリアに積むというマニアックなクルマ。大学1年の時に24万円を24回払いで買った。1972年型だったと思う。3年ほど乗って友人に売る。
トヨタマークIIは知り合いのおじさんから譲り受けたが、すぐにクラッチが故障、ドアのヒンジが破損して廃車。
ミツビシ ランサーセレステは母親の友人から譲り受けた。冷却水が室内に大量に漏れて暖房が効かなくなり、冬を前に廃車。
スバル R2は排気量360cc空冷の2気筒2サイクルエンジン。別の知り合いのおじさんから譲ってもらったクルマだが当時で既に15万キロくらい走った個体だった。
そのスバルR2はホンダZを買う時に下取りにした。たしか清瀬の360cc専門店。ホンダZはリアガラスから雨漏りが酷く、最後は発電機が故障し取り替えても調子が直らず、同じく清瀬のクルマ屋へ下取りで出す。
そしてホンダ N360を購入。空冷、2気筒で4サイクル。昭和43年型くらいだったと思う。プラグのネジ山がバカになりかけて焦る。360ccだとそろそろ限界を感じる。
ホンダ N360を清瀬のクルマ屋へ売却し、フォルクスワーゲンタイプ3を旧保谷市の中古欧州車屋にて購入。このフォルクスワーゲンタイプ3が筆者のクルマ史上最悪なコンディションだった。
納車日に燃料パイプが割れて燃料漏れから始まり、原宿の交差点の真ん中で1回、渋滞中の中野付近の青梅街道で1回、それぞれエンジン不動。最後はギアが1速しか入らなくなり廃車寸前。
その中古欧州車屋がフォルクスワーゲンタイプ3を高価で引き取ってくれたので同じ店でルノー5を購入。初めての左ハンドル車。これは特に故障らしい故障はなかった。コンデンサが壊れてプラグ発火がおかしくなったのとギアの台座が抜けてスカスカになったことぐらいだ。(汗

もう古いコンディションのよくないクルマはだめだ。金かかるし遠出できないと思い、むしろ新車を探す。ミニに琴線を弾かれる。
先頭に戻る。





2016/05/09

(No.2453): 6月ライブの支度(其の壱)


taira准将作と筆者作のdewey新曲のあれこれを、それぞれが音を足したりしながら、且つライブでの演奏を考慮してバックトラックを組み上げていくフェーズ。

taira准将作の楽曲にブーミーな低域と高域エッジの効いたキックを打ち、へっへっこいつぁいつになくグルービーなリズム隊になりやした、と鼻の穴をふくらましながらエフオピリズム入り仮ミックスwavをtaira准将へ投げたその翌日、たわけ拍が取れぬわMIDIのままよこせとゆっている直すから、と華麗にダメ出しをされたので御意と頭を垂れながらプロジェクトファイルを暴投、taira准将直し後返ってきたファイルを鳴らすと低域はきっちり残ったままでリズムパターンは修正されていた。なるほどこういう解釈だったのかと合点がいった。

dewey楽曲は各自のソロ作品をただ集めているわけではないが、曲単位の主導なプロデュースについては概ねその曲の作曲者が担当している。だから音が足された自曲に対してはそれがdewey範囲内であるかというジャッジが実践され、そうして最終的にdewey化が完了するのである。


taira准将の創る曲はどちらかというと上もの重視であり、メロディ、コード、あるいはシーケンス、ノイズなどが幾層にも重なった重厚さを持つ。加えてリズムスタイルは特徴があり複雑なポリリズム形態をとりながら甘いクオンタイズ感が独特のグルーブを得るが、ミックスバランスは割と奥に置かれる。

翻って筆者曲はそれとは逆にリズム重視でありミックスバランスもドラム系を基音として行う傾向がある。特にキックを聴かせる(効かせる)ために周囲の音を抑えることが多い。そして持続音で空間を埋めることはあまりしない。基本音は薄い。スッカスカ。
だからそこにtaira准将の旋律やコード感が加わると一気に画素数が増える快感がある。実はこの凹凸具合がdewey楽曲の妙なのだろうと分析する。


そしてライブではそれに両者の生演奏やリアルミックス、或いは歌唱の一期一会的な音が加わることでdeweyライブが完成する。オーディエンスの皆様は完成されたdewey楽曲を聴くことになるのでこうなるまでの過程を知る由もなく、それがまた愉しい。


(其の弐へ続く)



2016/05/05

(No.2452): 1,200km


三千の総本と名高いコアは三つの山で著されるがその三山に於いてもさらにルーツにあたる岩へと続く道。






人をしてラルゲリュウスとの呼称も或いはそう遠からずなどと密かに想う八咫烏。






注文後になぜうどんにしなかったのかとふつふつと後悔するも”めはりすし”の美味さに帳消しと相成る。






はや寿司と相性の合う中華そば。ゆで卵とはや寿司は自由に食べられるが勘定の時に自己申告する。






道標。この道標にたどり着くだけでも一苦労は覚悟。






朝の喫茶店、アイスコーヒーの注文にトーストゆで卵ヨーグルトが付く。






門番さん。(右下に)






著者近影:





2016/04/24

(No.2450): 式フェーズ遷陣(ライブ日程のお知らせ含)


前回拙ブログに於ひて記載の「土曜のdewey秋葉原見参的装い」は即ち次回ライブへの下見的ご挨拶であり、そのライブ詳細は諸事揃い次第お伝えする事憚らず、先んじて日程と地域のみ早めにお伝えするならば即ち6月18日土曜日於秋葉原と相成りて候。
そしてそしてぇ、次峰として7月15日金曜日と決まりて候。此方は取り急ぎ日程のみにて失礼の段容赦願ひたし。



ここ3週間ほどは楽曲制作週間とし、筆者スタジオ(studioF.O.P.)のNordLead2はキーボードスタンドに乗せたままの状態でケーブル結線もミキサーに繋いだまま過ごす。オーディオインターフェイスもMacBookProに刺さったまま。
普段筆者のスタジオでは機材、楽器類はもとよりケーブル類に至るまですべてケース等に収納しており、唯一むき出しのミキサーには埃除けテーブルクロスを掛けている。(そういう意味で唯一むき出しなのはモニタースピーカーだった。これらは結線して出しっ放しだ)
そうまでして仕舞う小心者としての理由は機材群に埃が積もるのが嫌いだからだ。
マメにクイックルワイパーなどで掃除すればよかろうと思う諸兄も多いだろう。確かに間違ってはいないのだが、それでもほこりは溜まるのだ(経験済み)

しかしこの環境は、ちょっと思いついてすぐにキーボードを弾いて作業をしたいという場合大変に困る。だから、楽曲制作期間を設けてその期間だけはすぐに作業ができるようにすべての楽器や機材はスタンばっておくようにしている。

そして本日その制作期間はほぼ終わったのでNordLead2をケースに収納し、結線していたケーブル類も撤収した。今後はライブへ向けての準備作業となるが、その仕込みの際に音入れする場合はソフトウエア中心となる予定なのでハード楽器も結線も不要。なお仕込み後はライブ練習になるので、今度はライブ使用機材を物理的にセッティングしておく練習期間というフェーズも用意してある。


2016/04/20

(No.2449): 秋葉原 コンソメ 20人格


先週土曜日、deweyの仕事でJR秋葉原駅に降りる。
秋葉原の街自体も1年ぶりくらいだろうか。普段はクルマ移動なのでJR総武線にて秋葉原駅で降りたのは40年ぶりくらいかもしれない。山手線と総武線の十字構造が懐かしかった。

38年ほど前筆者は高校生だった。高校時代の筆者は電子工作・鉄道模型オタクであり且つアマチュア無線にハマっていた時期だったので毎週のように秋葉原にやって来ていた。
当時はアマチュア無線の店がたくさんあったし、「ラジオの製作」誌などから製作記事のパーツ一覧を握りしめてはラジオデパートやラジオ会館の小間口店の間を練り歩きながら、ダイオードやら抵抗やらコンデンサやら2SC945やらを求める修行に余念がなかった。将来はあの小さな店の中にちょこんと座って抵抗やコンデンサなど電子パーツに囲まれて商うのだと半ば真剣に夢想していた。


筆者が秋葉原に毎週足しげく通った時分は1978年から80年くらいであり、同じく電子工作&アマチュア無線仲間で高校同級生のI君とよくつるんで徘徊した。
薄汚れた駅ビルの2階に軽食喫茶があってそこで僕等はよくランチを食べた。その店は必ずコンソメのスープがついてきた。何を食べたかの記憶は全くないが、コンソメスープだけは覚えている。
今でも秋葉原を思い浮かべると当時のコンソメスープの匂いをはっきりと思い出す。その店はラジオデパートと同じ建物の北側だったと思う。先週もtaira准将と供にその跡地に近づいて歩いているとき密かにコンソメを想い出していた。


筆者の住まいは東京都下中央線沿線であるがI君の家は新宿だったので秋葉原現地集合が多かった。秋葉原で買い物をしたあと筆者は早く家に帰って電子工作したい衝動に駆られるのだ。だからI君が帰りにウチにおいでよなどと誘ってくれるのだが、早く作りたいから帰ると断るのだ。しかしI君がウチで作っていきなよとさらに誘うものだから結局I君の家で晩御飯もご馳走になるという展開も幾度。

そんなある時I君の家で、これ面白いよと聞かされたLPアルバムがあった。それは「坂田明/20人格」だった。
このアルバムの中で特に好きだったのは「屋台のラーメン屋」「トラック運転手」「ピアノ練習曲」だった。「元総理と鍵盤の対話」もいい。
今もここで試聴できる。

そんなわけで、「秋葉原=コンソメ=20人格」が筆者の秋葉原メモワールである。
ちなみに筆者はこの翌年大学生になったばかりの頃にいよいよテクノ人になるのだが、この辺りの流れはその前夜的出来事なのであった。


2016/04/15

(No.2448): 潤沢な枯渇(NordLead2のFrequencyをいじりながら)


平沢さんの「呼んでるベル」はビル・メンテナンス会社(清掃会社)の歌なんじゃないかと思ってますこんばんわエフオピです。

締め切りは4/24。
零細tsuqugrowレーベルのdewey二者は締め切りに追われ課せられた新曲を毎夜造り上げているところなのです。

その曲は聴く人をして如何に裏切るかが目下の課題です。すなわち開始しばらくしての”混沌”でストップボタンに指が伸びるように設計されております。「もう聴かなくていいや」と思う、そう仕向けられているのです。ところが、時間を置けば置くほど、さっきのは何だったんだ、といった引っかかりに気付くことでしょう。
ちょっとだけ聞き返してみようと思い立ちます。

しかし、いざ聴いてみると、「なーんだ」といったそっけない感想に支配されるのです。加えて「もういいや、もう飽きた」と。そしてそのまま忘れ去られます。
ところが忘れていたというのに、また暫く時間を置くとあなたはまた聴きたくなるのです。「ちょ、あれは何だったんだ」 



そんな不思議なものを勢威制作中の図













発表は次回ライブで。
いつ?6月?





2016/04/13

(No.2447): ぼくとワイルド7


「ワイルド7」で特に好きなお話は「千金のロード」「緑の墓」「コンクリートゲリラ」である。自分の中では「ワイルド7」を以下のようなフェーズとして捉えている。
フェーズ1:「コンクリートゲリラ」、「千金のロード」〜「緑の墓」
フェーズ2:「野生の七人」〜「誘拐のおきて」
フェーズ3:「首にロープ」〜「地獄の神話」
次の「運命の七星」は読んだのだが、以降最終話に至るまでは実は未読であるのでフェーズなし。


筆者の中でのこのフェーズ別けは「ワイルド7」を読み始めに起因している。「ワイルド7」は筆者が小学生時代、昭和四十年代に「単行本」にて読んだのが最初だった。筆者は週刊漫画雑誌をほとんど読まなかった小学生だったので漫画情報は概ね単行本からだった。
実は最初に読んだワイルド7作品は9巻10巻の「千金のロード」なのだった。小学校5年生くらいかと思う。そのあと一つ前のお話しの「コンクリートゲリラ」を読んだ。だから、”世界”や”チャーシュー”の殉職は後で知った。そしてその後、1巻「野生の七人」から順に読み始めた。


当時父親がカセットレコーダー付きラジオ(いわゆるラジカセ)を買ってたので、それを使って友達数人とラジオドラマ風に「ワイルド7」をテープに吹き込んだりした。
(編集註)吹き込む=録音すること

4人くらいでやるから一人何役もやる。筆者は”オヤブン”、”テル”役だった。(千金のロード)あとたまに”草波さん”も。
「千金のロード」はベトナム戦争の戦場から始まる。冒頭は”オヤブン”の独り舞台だ。今でも覚えているセリフ。
「ハーレェェ」
(爆風に吹き飛ばされる)
「サワダキョウイチがおっ死んじゃうのも無理ねぇな」
「こわいねーいきなりバカバカきちゃってさ」
「どこまでが米軍でどこまでがパテトラオか境界線のわかんないところだねぇ」

断片的だけど、こんな感じだったか。40年以上も前のセリフよく覚えてるな。

そして中学生になると友達の間でモデルガンが流行った。これも「ワイルド7」が切っ掛けだった。当時のモデルガンは銃口が詰まった金属製で金色だった。実銃は黒なので中学生男子はやはり黒い金属に憧れる。そこで金属を黒く染める薬品(合法)を塗ってはみたがお世辞にも黒ではなく、しかもひどくムラのある薄墨の水墨画風の仕上がりになった。それでも中学生男子は悦に入る。
金属製モデルガンは火薬を詰めた弾を装填して実際のトリガーの衝撃で発火させて音と煙を楽しむ式。手入れしないと火薬の残りカスで酸化したりする。


えーと何の話でしたっけ?
そうそうワイルド7、ワイルド7


やはり筆者は銃身の上部に冷却用の四角い穴が空いている”オヤブン”の357マグナム・コルト・パイソンが欲しかったが最初に買ったのはデリンジャーだった。それからすぐにアメ横でモーゼルC96を買って(もらって)”世界”と同じやつだカッケーとか思っていたが、その後映画「ダーティハリー」の影響で44マグナム・S&W M29(銃身の長い方)を正月のお年玉で買ってしまい、そんなもの買って何になるのアンタ!と母親にひどく叱られた。
友達はワルサーP38とかルガーP08など持っていて羨望の眼差しだった。ちなみにオートマチック銃は大人になってサバゲーをやってた頃にベレッタ、デザートイーグルを求めた。


えーと何の話でしたっけ?
そうそうワイルド7、ワイルド7


え?バイク嗜好も「ワイルド7」が切っ掛けかって?いや実はバイクには10年ほど前までほとんど興味はなかったのです。
でも「ワイルド7」に出てくるバイクは地味に、いや中には派手に改造してるのがあるからカッコイイとは思ってました。wikiで見て始めて知ったのですが”両国”のバイクがノートンだったという渋さ。しかもサイドカーでロケット砲ですからねー
って見てたら”八百”もノートンかよ!あれフルカウルじゃなかったっけ。
は?”テル”がトライアンフ!トライデントT160のチョッパー風改造だって、ほほー”ユキ”嬢はドカティにも乗ってたのね。そして”草波さん”はアルファロメオだったのか!


えーと何の話でしたっけ?
そうそうワイルド7、ワイルド7


そういうわけで、あれです、読みたくなってきたなー
久し振りに読むか、
大人買いするか、大人買い。



望月三起也さん 追悼
素晴らしい作品を有難うございました。
「最前線」も大好きです。


2016/04/04

(No.2446): 楽曲制作の添景


The Walking Dead シーズン4の途中まで視聴しているが、この作品は死亡フラグの読めない脚本がハマる理由の一つであろう。
ええマジか!と思うこと枚挙に暇がない。
昨日もええマジか!と滞りなく叫んだのでAbletonLiveに向かい新たな曲に取り組むものの、当初の構想通りにいくはずもなく途中で引き返せなくなった末、結局ゴミ箱に投棄したAbletonLiveプロジェクトファイルは都合二つ、今まさに三つ目のファイルをゴミ箱へドロップするところですこんばんはエフオピの中の人です。


作曲の手法、音楽制作のプロダクションに関してはクリエイター諸士千差万別であろう。この曲一体どうやって創ったのだろうと思う事も多い。だから他者の楽曲制作手法には興味がある。
よく考えたら相方taira准将の曲制作手法も実はあまり知らない。deweyではデータを送り合って進めるので各個人の制作プロセスまでは意外とブラックボックスなのだ。
しかし以前スタジオでボーカル録音した際、taira准将が歌メロディをその場で作曲しながら録音していたことがあり、なるほどこんな具合でメロディを作っておられるのかとその時は興味深く見ていた。

スタジオや自宅などで複数人で曲を創る(というかレコーディングする)というのは1980年代にはよくやった。みんなでわいわいと録音するので、その場でいろいろなアイデアが出て面白い作業だった。現代のようにDAWが普及し、個人作業の割合が増えてくると大勢での同時作業というのもなかなか難しくなる。



ところで目下筆者の標榜して止まないすこぶるお気に入りであるところのドイツの mouse on mars の楽曲制作には非常に興味がある。あの音像は一体どんな技(わざ)で創られているのだろうか。

幸せなことに企画ものとはいえYOUTUBEにmouse on marsの楽曲制作風景の動画が複数存在している。どれも自前スタジオにてJan St. Wernerと Andi Tomaが曲を制作している風景だ。何度も繰り返し見ているが興味が尽きない。


Mouse on Mars - Against The Clock

FACTマガジン 10分間で曲作るシリーズ


Mouse on Mars make a 21-track album live in 21 minutes

21分で21曲


Mouse on Mars - Live Studio Sampling Session

スタジオライブ


本来のアルバム制作とは違うかもしれないが、基本的なアプローチは遠からずという気もする。DAWを中心としながらも様々な音源を様々なプロセスに通して偶然に現れる音を拾い上げる式。



2016/03/28

(No.2445): 3/27 ひかりのうま「東京電極」後記


3/27 ひかりのうま「東京電極」 deweyのギャニュ式電子音塊投棄ライブ無事遂行致しました。お越し頂きましたお客様、共演者の皆様、ひかりのうま店長マルタさん、ありがとうございました。

それにしてもわたくしはご共演者皆様のライブに終始圧倒されておりました。さすが「東京電極」です。
ひかりのうま店長マルタさんの圧倒的な声のロングディレイと道具音のみで重ねる音響、岩下さんの抽象リアルエフェクト映像の絶妙感にわくわくし、
りすどらむさんの超絶演奏テクニックによる人力テクノがアンダーワールドを想起させるほどのハイクオリティぶりに著しく感嘆し、
chinaproveさんのインプロ性の高い畳み掛ける電子音塊の波にもまれながら加えてボイスのロングディレイによる多層的音響に高揚し、
そして中井さんの円熟のシーケンスに包まれた音響とボイスサンプリングでのインプロバイズ、それに呼応する岩下さんの音を具現化したような映像群、最終曲での中井さん歌唱との一体感は唸るばかりでした。

触発され、以前使ってすぐにやめてしまった2980円のディレイを次回ライブで復活させようと思ったのでした。



ところで今回deweyのライブシステムに二つの新たな手法を加えました。
一つは全てのソースをミックスしてPAへ渡す方式に変えたことです。今までtaira准将のマイクのみ直接PA渡しでしたが、今回から筆者と同じshureのヘッドセットに変えたことにより、歌をDAWへ入れ込みエフェクトを加味させてトラックと供に送出する方式としました。
実は同じ方式は数年前にも試したのですが、歌がほとんど聞こえずに失敗に終わったのでした。今回は事前の設定調整がうまくいきトラックとの混ぜ具合も良い塩梅であったかと思います。
しかしこれにはモニターが重要な要素でもありました。

二つ目の新たな手法としてはそのモニター環境の改善策としてイヤフォンモニタを構築したことです。どんな現場でも最良のパフォーマンスをお届けする目的でモニターは自分達で用意することにしたのです。
ひかりのうまはPAスピーカーが演者の後方にあるため、外音を聞きながら演奏できるという良い環境でありますが、先ずはイヤモニの塩梅を確かめることもあり実地検証を致しました。

結果は良好でした。
このモニター環境はどのような現場でも自分たちの音を正確に把握するのに役立つことと思います。

というわけで、「東京電極」とても良いイベントとなりました。次回deweyは新曲をいくつか加えましてお送りする所存です。でもライブ未定なり。
たれぞー



(撮影:葉介さん)
いつもありがとうございます




2016/03/24

(No.2444): 紙の地図に戻るはずが


最近の自動車には軽四輪にさえ(実家はスズキの軽四輪)立派なカーナビゲーションがビルトインされている。当然のことながらカーナビ機能以外にオーディオはもちろんテレビも見られる式のやつ。

翻って筆者四輪であるところのイタリア車 FIAT Panda100HPにおいてはいわゆるカーナビと云ふものはデフォルトではビルトインされていない。
カーナビなど邪道である、紙の地図で十分である、道はここで覚えろ(頭をバンバンと叩きながら)などと自動車運転歴28年(2009年当時)の筆者は思っていたので、特に”あの一件”までは別段不自由はなかった。

ところが2009年、その考えが吹っ飛んだ。
その前年の2008年11月頃、フィアット車の写真コンテストなるものがあった。フィアット車との関わりみたいな感じでそれらしい背景とともに写真を撮って応募し、その中から良い写真には賞が与えられるというイベントだった。最優秀賞はSONYのnav-uというポータブルカーナビだったのだ。
筆者は自分のパンダ車(FIAT Panda100HP)を阿佐ヶ谷のぱんだ珈琲店様の前で撮影しそれを応募したのだ。

結果発表は2009年1月だった。わたくしの撮影したその写真は見事に最優秀賞を獲得したのです。
そのときのうほほーいぶりの記録

(No.677): 祝当選PetaMapの
(No.703): FIAT SPAZIO nav-u 来る


それからというものですよあなた。このSONY nav-uをパンダ車(FIAT Panda100HP)のダッシュボードに貼り付けて、いやもうなんちゅうんですかねひじょーにべんりでねー、地方へ出掛けることもよくあるのですごくたすかるー、始めてのライブハスウ周辺とか重宝するー、っていうかナビ面白いー。

人間とは愚かなもので、こーゆー楽なものを手に入れるとですねもう戻れなくなるんですね、紙の地図に。
しかし諸君、問題はありません。紙の地図(マップルとかのロードマップ)は今でも立派に機能しているのです我が家の便所で。
大便しながら読むロードマップは格別です。

さて、そんなSONY nav-uだが、2016年にもなると流石に地図データが古くなりすぎてしまった。なにせ2008年の地図情報なので既に8年前。例えば高速道路でいえば新東名はないし、圏央道もない。(ほんの一部しか)
それに加えて経年劣化も現れてきて、起動時のGPS捕捉も相当な時間を待たされるようになった。(実家の軽四輪のナビは一瞬で捕捉する)

取り敢えず地図データを更新できるのだろうかと調べてみたら、2011年版地図が最終更新でしかも税込で2万円も実費がかかるというのだ。当然却下であり、とするならばもうこれは自動的にnav-uに引導を渡すことになる。

もう別に紙の地図でもいいんだけどねー、などと嘯きながらところで実際今ポータブルのカーナビと云ふものはいくらくらいの実勢なのでしょうと価格.comへお伺いを立てますと、くだんの地図更新代2万円以下でnav-u(当時のスペックの)よりも断然優れているカーナビ本体がいくらもあるではないかなんだそうなのかそういうことだったのかとポチる。

イマココ


2016/03/19

(No.2443): 「伝拡鬼嚇電子音塊実態」裏神晃一郎 著


「あ々ちょいと君、失礼をするんだけれどもね、今君の読んでおられるその本は何と云ふ本なのかネ」
「此れですか」
「うむ、君が此のカフヱの一番の奥席にもう彼是長い時間をさうして休みなく読み耽っておるところを具に拝見しておったのだがネ、嗚呼失敬じつと見ていたわけではないから勘違ひしてもらつては困るヨ、此方も小新聞なぞをかうして読んではゐたのだが君の其の没頭振りを目の当たりにしてはネ、だうにもかうにも伺いたくなったてぇやつなんだヨ」
「此は”伝拡鬼嚇電子音塊実態”と云ふ本です」
「其れは又大層な題なのだネ、一体どのやうな事柄が書かれてある本なのかネ」
「実在した楽団の話です」
「楽団かネ、ははァ音楽楽団の微妙くも愉し美しひ物語と云ふわけかい」
「物語と云ふよりは寧ろ記録の類いです。提唱会と呼称された彼等の数多音楽外伝活動の履歴ですが何処迄が真なのか偽なのかわたくしにはとんとわかりません」
「要するに楽団に纏わる真偽の掴めぬ実話と伽話の交配と云ふわけだネ、それでゐてその本は誰の筆なのかい」
「裏神晃一郎と云ふ半世紀以上も前の工学者です、もう亡くなって久しいのですけれど」
「工学者が音楽楽団の記録をねェ、うらかみ、聞いたこたぁないがネ」
「彼は工学者でもあるのですが、旧フュティベ時代に軍の諜報機関の人だったやうです」
「そんな人物が楽団の記録なんぞをねェ、益々興味を沸く本だネ、其れで其の楽団は何と云う楽団なのかネ」
「デユーイと云ひます」
「デユーイ、知らん名だねェ、君、すまないが其の本を少し見せてはくれないだらうか、いや君の読書の邪魔をするつもりは毛頭ないのだがネ、ほんの数頁を眺めてみたい心持ちになったのだよ」
「ああイイですよ、さあどうぞ」


わたしは本を受け取ると無作為に頁をめくった。
その開かれた頁にはこう書かれてあった。



二〇一六年三月二十七日 日曜
大久保 ひかりのうま

「東京電極」
open 18:00 start 18:30
2000円+D

- ACT -
chinaprove
りすどらむ
ナカイワシタ(中井敏文+岩下達朗)
谷口マルタ正明+岩下達朗
dewey


2016/03/14

(No.2442): 閉鎖的論理空間の技法


Nortonの新車。
350万円とか。
限定車529まんえんとか。
先日、公道でNortonを見かけた。一瞬だったので、タンクにある「Norton」のロゴだけが目に入っただけだった。本当にNortonだったのだろうか。メッキ剥がしタンクにNortonステッカー貼付式セパハンYAMAHA SR400の線も捨てきれない。




今まで何故思いつかなかったのだろうか。モニター環境の自己構築を。

我々のようなマイクで集音するものが歌以外なく、全てをラインで賄う電子音楽において自らのモニター環境でモニターすることがどれほど理に叶っているか、推して知るべしである。

いわゆる普通のギターバンド、5人編成程度での10年ほどのドラム経験から思い返すとバンドでのモニター、特にギターアンプなどから音が出る式の場合、ドラムの返し(コロガシ)からボーカルやベースを返してもらえば大抵の全体音はわかったものだ。

しかし数多電子音をソフトウエア上でこねくり回したものを2台、それに加えてハードシンセやガジェットからの音をミキサーでまとめそれをPAへ送るという閉鎖的論理空間において、その詰め込み過ぎた全帯域ギッチギチな音響をステージ上のコロガシのみで確認しながら演奏することは非常に困難を伴っていた。

モニターの良し悪しなど関係ない、どんな状況であっても常にベストなライブをお届けする、という零細レーベル所属deweyは常々標榜していたのである。しかし、70年代のスポ根もののように根性だけではそれは叶わないことを学んだ。

実は短所だと思っていたその閉鎖的論理空間こそが自己モニタ環境の構築には必要不可欠であった。次回スタジオにてその検証に臨む。吉と出るか凶を呼ぶか。
仕上げを五郎二郎。



(2016.03.04 Live at ヒソミネ)
photo by edie.S(stereogimmik)


2016/03/10

(No.2441): ヘルメットの中のsiriさん



2年ほど前からバイクのヘルメットにこのインターカムを装着している。
同系列の機械との通話はもちろんのこと、FMラジオも聞けるうえにBluetooth接続によりiPhoneなどが使用できる。

ちなみにマイクとスピーカはヘルメット内に貼り付けるのだが、スピーカーは概ね耳の下あたりという具合なので音楽を聴く場合、低音はほとんど聞こえない。しかしツーリングなどのライダー同士の会話は全く問題ない。
なお、音楽など聴いていたら外音が聞こえなくて危ないのではと思うかもしれないが、そんなことは全くなく、自分のバイクの音も周囲の音もちゃんと聞こえるようになっている。よくできている。


さて、上述の通りBluetooth接続(フォーンモードと呼ぶ)によりiPhoneが利用できるので音楽を聴くときはフォーンモードにする。インターカムの各種ボタンで音楽再生、停止、次の曲などの操作をするのだがこのとき、iPhoneの場合、インターカムのあるボタンを押すとsiriの起動音がするのだ。
そこで「音楽再生!」とインターカムへ喋ると、ちゃんと音楽を再生してくれる。しかし、「誰それの曲をかけて」と話してもsiriが「音声ダイヤルは使用できません」などと変な回答するのみで曲をかけてくれない。

そんなことが続いていたのだが、今日改めてiPhoneの設定を見てみたらなんとsiriはOFFになっていた。その所為だったのかと得心し、siriをONにしたiPhoneを持ってバイクで駆る。

すると、インターカムを通してsiriと話せるようになったのだ。試しに、「平沢進をかけて」とお願いしたら、iPhoneに入っている平沢さんの曲をランダムに再生した。
おおーすげーと思いながら、曲名ではどうかしらと「電光浴をかけて」と言ったら、「デン・コーヨクは見当たりません」と返してきた。
笑った。イントネーションが中国人の名前みたいに、「デン」「コーヨク」って発音するんだもん。

もう一度はっきりと「でんこうよく をかけて」と言ったら今度は「デン・コーつばさは見当たりません」と来た。
いや、「浴」を「つばさ」って。

諦めて、mouse on mars はどうかしらと「マウスオンマーズをかけて」と言ったら「マウズオムごにょごにょ(聞き取れず)は見当たりません」と返ってきた。
何回か試したが日本語じゃないと無理っぽい。試しに「火星のねずみをかけて」と言ってみたら「ヒセイノネズミは見当たりません」と、(火)カをヒで返してきやがった。

でも「平沢進、ハルディンホテルをかけて」とか「YMO、BGMをかけて」というのはちゃんとかけてくれた。アルバム名も曲名もアーティスト名も認識する。
ちなみに「デューイをかけて」と言ったら「デユーイなど見当たりませんアホ」と返された。


そのほかに「現在位置は?」と尋ねたらちゃんとその走行中のその場所の住所を答えてくれた。両手が離せない二輪運転中に話せば答えてくれるのはそれはそれでとても便利。「今何時?」というのも使える。
試してみたいのが例えばツーリングなどでの「近くのガソリンスタンドの場所までナビして」で先導してくれたりしないかしら。


「落語を聞かせて」とお願いしたら「昔々あるところにおじいさんとおばあさんが。。あ、いやこれは違う話でした」と弱い一人ボケつっこみをかましていた。






2016/03/06

(No.2440): 新たな課題(エレエレでギャニュギャニュのための)


我々deweyは新たな課題に取り組み始めた。しかしその課題は永遠の命題とも云える。

我々は、如何なる現場であろうとも最善を尽くし、少しでもエレエレな演奏をギャニュギャニュなステージをお見せお聴かせし、deweyといううだつのあがらぬ中年初老のテクノユニットを見知って頂く機会になればと、お客様の心の片隅にほんの僅かにでも琴線を弾かせて頂ければと、日々切磋琢磨精進を常としているものである。
であるからして、確かなギャニュギャニュステージを作り上げるためには少なくとも最低限な環境は確保したい。つまり、己の出音確認はもとよりバックトラック音は我々ライブ進行における最大のキモであるため、その音をステージ上でしっかりと確認する必要がある。そうでなければ我々は手も足も出ない。
それは言ってみれば落語家が高座にあがっても一言も話さずただ座布団の上に座ってるだけに等しい。


我々deweyは新たな課題に取り組み始めた。即ち、どのような現場でも統一されたモニタリグ環境を構築するという課題だ。
現在勢威検証中。幸いに素敵な環境を構築できそうな段階にある。


どのような現場でもお客様へ最良のパフォーマンスをお届けしたい。本来のdeweyをお届けしたい。ただそれだけなのです。