2022/12/21

(No.2629): ツイキャスで自曲DJ的式

10年前の12月20日のブログに、一人Ustream配信のことをツクグロウ語で書いているけれど、
この文章しっかしむちゃくちゃ加減が今もぜんぜん変わらんなーなんちゅう世界観なんだ。
「ツクグロウ」なのに冒頭「クツグロウ」としてあるところは誤字かと思いきや
わざと入れ替えているのだが、そんなことはどうでもいい。

っていうか、「ツクグロウ」って何?
答え→ dewey、dewey deltaのレーベル名です。


というそんなブログを偶然見かけたのだが、
実はちょうどお試し一人DJ配信をしてみようと思っていたところだったのだ。

DJといっても好きな市販CDをかけるのではなく、80年代~2000年代頃までの
自曲や自分と関係のあった周辺曲をかける配信。
ほんの僅かながらdewey deltaのプロモになればと、いやならんな。まったく。
無名の筆者の数十年前の曲など誰も興味はないだろう。


以前、「ウクバールの五重奏」というdewey主催イベントの特典CDとして、
出演者の若かりし頃の恥ずかしい音源を集めて配布したことがある。
恥ずかしい音源のはずなのに、皆様の持ち寄った曲と言ったら
すごい”ちゃんとしてる”のである。
ご自身が若いころの恥ずかしい音源であると申告されているので
確かにご自身の思いはそうなのだろうが。
筆者の持ってきた音源はここに収録された他のアーティスト様と
確実に一線を画す醜態な「塊」だったのだ。
恥ずかしいという枠を越え、音楽という概念をも捨て去った「塊」だ。
いくら恥ずかしいものを持ち寄ろうっていっても、あんた、
限度っちゅうもんがあるでしょ限度っちゅうもんが、どうかしてるよ。
と思われただろう最高だ。

そんな「塊」の80年代から2000年代初頭くらいまでの
エフオピ曲とその周辺曲をなんとなく流す式のやつ。

年末くらいに。
URLは追ってお知らせ。


2022/12/19

(No.2628): パンダ車パンク

こんにちは。
好きな匂いは海の民宿の匂いです。
子供の頃に海の民宿で食べたサザエのつぼ焼きの味が忘れられません。
でもあの黒いところは食べられません。
そのとき大人が、ガキにはここの美味さはわかんないよと言っていました。
大人になっても食べようと思ったことはございません。


わたくし朝目を覚ましますと、枕元に古着が山と積まれておりました。
おやおやもうそんな季節なのかと思い、その古着を抱えて勢いよくおふとんから飛び出しました。
(鳥肌実さんのモノマネで)

その大量の古着を車に詰め込み、古着買取センターへ向かいました。
古着買取センターの駐車場へ入ろうと、左折したところ
前方左のタイヤが歩道の縁石に乗り上げました。
そのときブバンと音がしてタイヤがパンクしました。

あらあら困ったことになったなあと、スペアタイヤを探しますがありません。
このクルマはスペアタイヤの代わりに緊急処置キットとして
パンクしたタイヤの穴をふさぐ充填剤入りの圧縮空気注入マシンが搭載されておりました。

ところが説明書を読むと、損傷がタイヤのサイド側の場合使用できないとあります。
パンクしたタイヤを検分しますと、どうやらサイド側にざっくりと十分な裂け目が
できておました。
緊急処置キットはタイヤ表面の釘刺さり等には有効でありますが、
今回は対応できないことがわかりました。

保険会社に連絡するとスペアタイヤがないのであればご指定の修理工場へ
レッカー移動のみですと言われました。
どこに入庫すればよいかと思案を巡らせました。
某タイヤ専門店が近場にありましたので、そちらへ入れさせてもらおうとしましたが
日曜で予約車両満杯とのことで却下を頂きました。

少しでも自走できれば、一旦家に帰ってから日を改めてタイヤ専門店で
対応してもらうこともできるのですが、
今はここ古着買取センター駐車場から一歩も動けない状態なのです。

思案の挙句整備してくれているいつものディーラーなら
入庫できるかもしれないと思いました。
ディーラーなのでタイヤ4本交換となるとある程度な金額を覚悟しないといけません。
しかし他に入庫できる当てがありません。
仕方なくディーラーへ連絡すると、なんとか受け入れOKを頂きました。

無事にディーラーへクルマを届けてもらった翌日、ディーラーから見積もりの入電がありました。
タイヤ4本交換でデカ一本以上との見積もりに絶句しました。
人は思いがけないことをスパっと言われると声がでなくなるらしいです。

年末ジャンボ宝くじを買いました。


2022/12/13

(No.2627): dewey deltaライブ 楽屋話(機材の量 編)

12月9日新宿WildSideTokyoにて行われた主催イベント「Broken Transmission」
にて筆者の製作したdewey deltaパッシブ・スプリッターと板は
dewey deltaライブにおいて滞りなく機能し、優勝した。




パッシブ・スプリッターも板も、
自分にまったく自信のない筆者が企画製作したものだけに、
本番で動かない(貴様!エフオピ!クリック聞こえねぇよ!捨てろ!)
演奏中に板が崩壊(おめぇ!エフオピ!何やってんだ!消えろ!)
といったエキサイティングな場面に遭遇せずに済んだ。
よかった。


ところで、dewey deltaは機材が多いことで知られている。
ハッチャキさんやtairaさんもSNS等で発言しているように
我々は2時間のスタジオの場合リハ時間は1時間、
残りの1時間は機材の組み上げと撤収に割かれるほどの機材量だ。
従って通常のスタジオリハでは最低4時間くらいは必要である。

我々のライブ機材はというと、
ハッチャキさんはキック、フロアタム以外のドラムセットをまるまる持ち込み、
tairaさんはMac、複数の鍵盤楽器やシーケンサー、ガジェット、デジタルミキサー、
筆者はMacとシンセ1台だがバンド内モニター環境機材をまるっと持ち込む。

そもそも自作板は作業時間短縮の目的で作ったものだ。
ライブ進行で関係者にご迷惑をお掛けしないように、
自前の板であれば機材をあらかじめ組み上げておけるのだ。


最近の電子音楽界隈ライブを拝見すると、コンピュータとシンセ1台のように
シンプルな構成が多いように思う。
もちろん表現する音楽によって機材量は変わるだろうが、
移動運搬の現実を考慮すると、そのような軽量になるのだろう。
以前SNSで見かけたが、我らのライブセットをして
「時代に逆行した機材量」と表現されている方もいらっしゃったほどだ。

なんせdewey deltaは機材車が2台もあるので、機材を積み放題だ。
次回から筆者分のキーボードスタンドも積む予定すらある。


自前のモニター環境を持ち歩いているバンドなんかいるのかしら。
エレクトロニック、打ち込み系ではクリックを聞くドラマーのいるバンドは
あると思うが、その場合はドラマーだけクリック聞くパターンだと思う。
我々はクリックを全員で聞く。
クリックどころではなく、バックトラック且つ演者の演奏音を3人がモニターする。
しかも3人がそれらソースを好きなバランスでモニターできるのだ。(下図参照)



自分たちでそんなしち面倒くさいことやってるバンドなんてないよ。
サンレコの取材お待ちしております。



2022/12/10

(No.2626): dewey deltaライブ 楽屋話(2022/12/9 Broken Transmission編)











ハッチャキさんのC5、変速機が調子悪いのかなー
ぼくのパンダ車は快調だなー


よく勘違いされるのだが、フィアット パンダ3の変速機「デュアロジック」は
オートマチックミッションではなく、マニュアルミッション機構なのである。
しかし、オートマ車にあるようなツーペダルだ。
広い意味でクラッチなしのマニュアルと言える。
従ってミッションの基本的な機構構造はマニュアルのそれを積んでいる。

パンダの「デュアロジック」にはオートマチックモードとマニュアルモードがある。
オートマチックモードではいわゆるオートマになるので、自動的にギアチェンジする。
マニュアルモードでは、ギアチェンジはマニュアルで行うが、
ギアダウンだけは自動的に行なってくれる(もちろん手動でも可能)。

パンダの「デュアロジック」で一番の特徴は「クリープ」がないことだ。
先にも述べたようにミッションはマニュアル機構であるため、
オートマチックミッションのようなクリープ現象は発生しない。
クリープ現象とはオートマ車のギアがDレンジのとき、アクセルペダルを
踏んでいない状態でも微動力がタイヤを駆動してしまう現象。

筆者はこのクリープが嫌いで、その理由からオートマ車を選択することが
少なかった。
だからパンダ3の変速機がツーペダルでもクリープがないので
性分に合致しているのだ。
クリープがないから坂道発進はうしろへ下がったりするよ!楽しい!

クリープがあると渋滞の時にアクセル踏まなくてもいいから楽だ、
とか言う人いるけど、本当そう思う。
そういう時、ああークリープあれば楽なのになーっていつも思う。
最高だ。
(「デュアロジック」にはDレンジがない。マニュアルと同じ N、1速〜5速、R)


ところが
そんなフィアットの「デュアロジック」機構は、
実はパンダやチンクエチェントの鬼門なのだ。
なぜなら「デュアロジック」が一番故障が多い箇所と言われているからだ!
そもそもマニュアルミッション機構に、自動ギアチェンジと
自動クラッチ制御の仕組みを無理やり?取り付けているのだから、
そりゃ壊れそうな予感ばりばり。

そのうち変速機が壊れるよ。壊れる変速機。。壊れた変速機。。
壊れた変速機?どっかで聞いたフレーズだな?



筆者のフィアット パンダ3近影
non broken transmission ぜんぜん壊れてないよ!







2022/12/9 broken transmission 全ての皆様に感謝感謝感謝ありがとうございました!
もう壊れません!



2022/11/21

(No.2625): dewey deltaライブ 楽屋話(板 編)

広義の電子音楽・エレクトロニック音楽のライブでは
通常、キーボードスタンドに置いたテーブル状の板の上に
各種電子楽器・機材群を並べておくケースが多い。

従って、「板」がなければ機材を置くことができず、
ライブが成立しないのである。概ね。
(注 ステージ床に直接機材を並べてライブするアーティスト様を見たことはある)


一般的にライブハウスの場合、出演者は概ね以下の工程で進行する。
1 入店
2 サウンドチェックまでに機材を組み上げる。
3 サウンドチェック
4 サウンドチェック後ステージ上撤収(機材セットをバラす)
5 本番前 機材を組み上げる
6 本番
7 本番後ステージ上撤収(機材セットをバラす)

ワンマンライブでない限り、サウンドチェック後のバラし、
本番前ではセットを組み上げなければならない。
ケーブル2,3本を挿すくらいの機材規模ならそれでも問題はないが
dewey deltaのライブセットは大型コンテナ3個分である。(雰囲気が)
(なお、ハッチャキさんのフルドラムセットの巻は別の回)

都度組み上げるにはあまりにも時間が足らない。
毎回組んでいたら関係各位にご迷惑をお掛けしてしまう。


であるからして、ライブハウス様や共演者様と調整しつつ、
上表4のタイミングでサウンドチェック時の”組んだままの状態”で
本番まで楽屋やステージ脇にはけておきたいのである。
最短時間で本番セットが組みあがるように。
あと、霊障防止。
慌てて組んだ失敗。枚挙に暇なし。

”組んだままの状態”というのは「板」ごとである。
「板」の上に機材群が展開しているからだ。

ライブハウス様からお借りする「板」の場合
共演者様も使用する場合がある。
従って、”組んだままの状態”が難しいことがある。
こちらの都合で「板」を占有してしまうわけにはいかない。


以上の理由から、当然我々dewey deltaは「板」を所有している。
しかし、上手側「板」は辛うじて使用できているものの、
運搬を考慮した場合の大きさや、一方で
機材変更に伴う「板」の面積不足により、ライブハウス様から
お借りするケースが多い。

そこで、予てから妄想していた現状の不満点などを盛り込んだ
ライブ用「板」を作ることにした。
仕様は以下の通り。
・ 幅1200mm×奥行き450mm → 広いスペース確保
・ 折り畳み式 (折り畳むと 600mm×450) → 運搬考慮



600mm×450mmのボードを2枚、蝶番でつなげる。
蝶番つければ「折り畳める」ってぇ寸法だ。

「板」の厚さが16mmなので、蝶番に付属のネジ(20mm)では突き抜けてしまい
ネジを全て15mmネジに交換48本!!ということもありつつ。

妄想では蝶番だけで大丈夫かと思っていたが、地球の物理現象がそうはさせなかった。
「板」をXタイプのキーボードスタンドに乗せると、蝶番を中心にΛ に折れてしまい
平面にならない。
「板」を開いたときに、その状態を固定させなければならないことに気付く。

どのように2枚の「板」を平面状に固定させればよいのか。
ホームセンターに6時間で5回も通い様々な器具を物色し試みた。
結果的には表側面に写真の「パッチン錠」が一番要件を満たした。
面積を多少犠牲にしてしまうが仕方ない。2枚の「板」は「1枚板」と化した。




結果、妄想通りの「板」となった。



一応、上手側、下手側の2組を製作した。
題して「dewey delta LiveBaseBoard」

重さ10Kgのシンセを乗せても問題はなかった。
ただ、演奏時の加重に対する許容範囲が不明なため、
万が一を考慮し蝶番とパッチン錠の板取り付け箇所に接着剤を塗布しておく予定。





所有の「板」に
Moog Subsequent37 乗せたら入りきらなかったので「板」を自作した。
出来上がった板がけっこう重かった。

2行で済む話だ




2022/11/16

(No.2624): dewey deltaライブ 楽屋話(テクニカル編 第2回)

 dewey deltaライブでのテクニカル楽屋話 第2回 モニターの噺の続き

第1回はこちら

1.3つ股Y字ケーブルの是非

dewey deltaステージモニター環境・バージョン2(第1回参照)は
メンバーの評判も上々である。
しかし、筆者はひとつ気掛かりなことがあった。
すべてのソース音源(上手側の音、下手側の音、クリック)の
3分配という一番重要な機能を安価な3つ股Y字ケーブルで済ませていたことだ。

とはいえ現状、まったく問題はでていない。
しかもtairaさんが予備まで準備しているので万が一断線等になっても、
取り替えればすむことだ。

そうさ、何も問題はないんだ。ぼくはだいじょうぶだ。
スーパーの帰りであろうマイバッグを肩掛けし、
小雨の中を傘をさして家路へと急ぐ母子の後ろ姿を
喫茶店の曇りガラス越しに、ぼくは虚ろに眺めながらひとりごちた。



2.スプリッターを探して

古今東西の音響現場における音源の分配方式について書物を紐解く(ググる)。
どこをどう探しても3つ股Y字ケーブル推し記事にはお目にかからない。
百歩譲って2つまでの分岐だ。
一般的にはスプリッターという機材で音を分配する。

そこで市販されているスプリッター機器を調べた。
調べるにあたっては以下の要件とした。
・ 1入力3出力(多くても少なくてもだめ)
・ ステレオ回線で入出力できる
・ パッシブ動作であること(電源不要)
・ なるべく余計な機能はない単純なスプリッター機能のみ
・ 小型
・ 安価

スプリッターはあまり一般的ではなくどちらかといえば
プロの音響現場で使用されることが多いため、
価格もそれなりであるうえに高機能な製品が多い。
まずもってパッシブとステレオで1入力3出力という要件が厳しい。
もっとコンシューマーチックな製品はないものか、、

と調べていたら、ほぼ上記要件を概ね満たす製品を見つけた。
ミキサー機能も付いているが4出力以外はこちらの要件に適っている。
実売価格は6千円代。見た目も格好良いしまずまずといったところ。
我々のモニター構成としてはこの機材が3台必要になるのだが
もうこれで決めてしまおうとメンバーへのネゴシエーションを始めた。


3.スプリッターを作る?!

今使っている3つ股Y字ケーブルは、電子回路なんかなくて
単純にコードを3つに繋げているだけだよな。
という疑問を持ったので、そもそもスプリッターの回路は
どうなっているのかと興味が湧いてきて書物を紐解いた(ググった)。

一般的なスプリッター機器には概ねアンプ回路が内蔵されている。
これはFETやオペアンプICなど半導体で信号増幅させるので電源が必要だ。
また、インピーダンス変換(インピーダンスが大きく異なる機材同士
を繋げる、例えばギターをエフェクターに繋げる等)機能が
ある場合はトランスが組み込まれていたりする。

筆者の要件はパッシブ回路なので電源がない。
従ってアンプ等は組み込めない。
そもそも目的は信号増幅ではなく、あくまでも単純に音を
3分岐させたいだけなのでパッシブで十分。
というか、何故パッシブ要件かというと、ライブ機材にこれ以上
電源類を増やしたくないからだ。
また接続するソースも全てラインレベルで概ね同じインピーダンスだから
トランスも不要。

そんななか、ダイレクトアウト出力を持つスプリッターの回路図を見たら
案の定、入力信号を単純に分岐させてそのまま出力となっているものを見つけた。
だよなー、3分岐程度ならそのまま分けるだけでいいんじゃん。

その回路図を見た瞬間、スプリッター作るかッというモードに突入したのだった。


4.dewey delta パッシブ・スプリッター製作

回路は単純明快だ。
入力1系統を出力3系統へ分岐させるだけ。
名付けて「dewey delta パッシブ・スプリッター」
dewey deltaライブではこのスプリッターを3台使用するので3台作る。
2台は上手システム音と下手システム音用としてTRSフォンのステレオ仕様、
1台はクリック用としてTSフォンのモノラル仕様とした。

回路図は以下の通り。
※TRSフォン仕様のステレオ仕様の回路図


部品発注は全て「秋月電子」さんにて通販した。便利だ。
ノイズ対策+ライブ使用なのでケースは金属製とした。
数十年ぶりに金属ケースの穴開け作業。
結線用ケーブルは音響用の2芯シールドケーブルを、
はんだはオーディオ用の銀含有はんだにしてみた。






上記製作過程は既にTwitterで公開しているので詳細は省略する。
ひと言。穴あけムズイ。

単体テストでは音質も問題なく良好だった。
ちなみに製作コストは、部品代だけでART SPLIT Mix 4 1台の価格よりも
安価であった。

っていうか、電子工作楽しい。


5.バージョン3モニター環境(テスト未)

いよいよバージョン3モニター環境(下図参照)の稼働である。
3つ股Y字ケーブルの代わりに、
dewey deltaパッシブ・スプリッターを導入した布陣。
まずはスタジオ練習にて動作確認テストを実施予定。





そこで問題なければ
12/9 「Broken Transmission」@新宿WildSide Tokyo
にて現場実践だの。

チケットご予約中! ↑クリック ぜひー


番宣かよ









2022/11/15

(No.2623): dewey deltaライブ 楽屋話(テクニカル編 第1回)

dewey deltaライブでのテクニカル楽屋話
第1回は モニターの噺。


1.モニターとは

モニターとはステージで演者が自分たちの演奏音を聴く仕組みの事。


通常ライブハウスなどのステージには、演者が演奏音を聴くための
コロガシと呼ばれるステージ床に配置するスピーカーや、
上・下手隅にスタンドで立てるスピーカーなどがある。

dewey deltaライブでのステージ上モニターは
dewey時代から自前のモニター環境を使用している。
自前とは、上述のライブハウス側のモニター環境は概ね使用せず、
自分たちの機材でモニター環境を構築していること。
何故自前なのかについては長くなるので別の話し。


2.モニターで何を聴いているの?

さて、モニターというのは演者が演奏音を聴く仕組みであるが
いったい何をモニターしているのか。
dewey deltaライブは以下の音をモニターしている。
・ 上手側システム(エフオピ)からの音
・ 下手側システム(taira)からの音
・ クリック

これらをミックスした音をメンバー3人がモニターしている。
お客様がお聴きになっているライブハウスPAからの音に
クリックが足されている状態と思われるかもしれないが
実際は音のバランスはPA出力とは微妙に異なる。

なお、現在(2022年10月)のモニター環境はバージョン2である。
バージョン1の欠点を補う形で再構築した。


3.クリック

dewey deltaになってからモニターには特にクリックが必須となった。
dewey時代からもクリックは使用していたが、
deltaではハッチャキさんのドラム演奏のガイドとして必須の存在となった。

以前はクリック用トラックを曲ごとに作成していたが、
現在はAbletonLiveに備わっているメトロノーム機能をそのまま使用している。
クリック音をPAへ出さないために、オーディオインターフェイス
(Universal Audio Apollo系)の機能でメインアウト以外の出力から
クリック音のみを出力している。

4.バージョン1モニター環境とは

dewey delta始動時からしばらく続けていたバージョン1モニター環境。
仕組みは以下の通りである。

筆者の手元にモニター用のミキサーを置き、
上手(筆者)の音と下手(tairaさん)の音そしてクリックを入力し、
そのミックスした音をヘッドフォンディストリビュータへ渡し、
そこからメンバー3人へモニター音を分配していた。

つまり、筆者の手元ミキサーでのミックス具合を演者が
モニターしているという状態であった。(図1参照)

図1


この場合、ハッチャキさんから「クリックを大きく」とのリクエストで
クリックの音量を上げると、バックトラックや自分の演奏がクリックで
スポイルされてしまったり、あるいは
バックトラックや自分の演奏音をちゃんと確認したいと思って
筆者の音を上げ過ぎると今度はtairaさん音やクリックが埋没してしまう
といった各演者の良バランスのモニターが難しくなる欠点があった。

このデメリットをなんとか解消したいと思い、
新しいモニター環境を考案したのがバージョン2だ。


5.バージョン2モニター環境とは

キューボックスというのがある。
簡単に言うと主にレコーディングで使用される演者用のモニター用のミキサーだ。
演奏者が演奏しやすいようにオケや自分の音のモニターバランスを
自分で調整できる環境だ。

バージョン1のデメリットを解消するためには、これしかない。
メンバーそれぞれに自分にあったモニターバランスを提供するしかない。
つまりキューボックスをメンバー全員が持つのだ。

そこで考案したのが図2の仕組みだ。

図2

メンバー全員に小型のミキサーを配置。
それぞれのミキサーに上手音、下手音、クリックを入力し、
自分の演奏しやすいバランスを自分でミックスする。
ミキサーのヘッドフォン出力からイヤモニやヘッドフォンでモニターする
といった構成である。

この仕組みの肝は全てのソース音源を3つに分配するところである。
その場合通常はスプリッター(ミキサーとは逆の機能)で一つの
音源を分けるのだが、コスト面で折り合いがつかず、
超安価な中華製3つ股ステレオフォンケーブルなるもので対応した。

意外にもこの製品は優秀でモニターにおける音質劣化もなく
思惑通りに機能してくれた。

実際この構成で数回ライブをおこなった。
手元でモニターバランスを調整できるのはとても演奏しやすい。
ライブへの没入感にも通じ、総じてライブの質も高めている。(と思う)
メンバーの評価も高い。

これでモニター環境はひとまず完了となった。


6.バージョン3モニター環境へと続く

実は筆者は気になっていた。
システムの肝である3つ股ケーブルの耐久性はどうなのだろうかと。
tairaさんは「そのときのために予備を買いました」と。
思わず泣けた。

3分配するところが重要ならやはりそこは正式なスプリッターを導入
すべきではないのか。
スプリッターだ。それしかない。


テクニカル編 第2回へ続く


2022/11/09

(No.2622): ここから先に行きたければ次の問いに答えなさい。(2015年夏期試験 回答)


2015年夏期試験の問題は こちら


問1の回答
求められない。
ツクグロウ鳥が「予兆検知、予兆検知」と啼くときの周波数のことであり、
「忘れ形見の彼処」とは啼かないので814Hzは上限とならないが、
そもそもツクグロウ鳥などという鳥は実在しない。
従って声の周波数も存在しない。




問2の回答
自分はまだ学生(大学8年生で卒業できず退学目前就職も決まっていない)の
身分であるにもかかわらず、息子は小学1年生であるという事実に
社会的居たたまれなさに苛まれる風を装いながら、
実は明日は明日の風が吹く的な「そのうちなんとかなるだろうー」
という気軽な心持の言葉である。

参考文献
「悲しきわがこころ」原曲こちら↓



問3の回答
正解は(2) dewey (デューイ)であるが、初見で正しく読める人が少ないため
(3) deway (デーウェ イ)や(1) bewey (ベウィー)でも正解とする。




問4の回答
(3) おごるぞ

きっと、「おごるぞ」と言いかけて台詞が間違っていることに気付き
慌てて「お、払うぞ」となったとみている。
なお、そのあとの台詞
「そうですかーいやそいつぁわるいなー」
「先輩どうもごっつあんです、いいんですかぁ」
の安田伸さんと犬塚弘さんの言い回しが素敵だ。

参考文献
「こりゃシャクだった」原曲こちら↓

なお、回答選択肢の元ネタは以下の通り。

(1) やんなっちゃった俺ー
「どうしてこんなにもてるんだろう」

(2) まことに遺憾に存じます
「遺憾に存じます」
https://youtu.be/PYt07sju-7g


(4) あんた誰?
あんた誰


2022/11/08

(No.2621): フジロック2022


そういえばフジロックのこと今年はこのブログに書いてなかった
ということに先ほど気付いた。
既に11月になっちゃったけど毎年書いてるので自分のために書いておこう。
記録用に。なんかもう忘れちゃってるけど。

筆者、連続22回目のフジロック。22回ほぼ全通(前夜祭含め)
おいおいドヤ顔をしているよ。



グリーンステージ。この写真は1日目金曜なので人があまり多くなくて快適。
Tシャツ刮目。(筆者近影)



去年に続き今年もシトロエンのブースが。オレンジコートにて。
テントではテクノがかかって小さなクラブになっている。フランスのテクノかな。



今回フェスごはんの写真がぜんぜんなくて、唯一この天国ラーメンだけ撮ってた。
ところ天国にある天国ラーメン。煮干しだしで永福町大勝軒っぽくて美味かった。



グリーン~ホワイトステージ間の道。
ボードウォークとともに夜はライトアップされている。装飾は毎年違う。
20年前とかはこの辺りの森の中でイカガワシイものを売る輩がいたりしたが近年は健全。



ホワイトステージ。ホワイトの低域チューニングは筆者好み。
この写真はたぶんBONOBOを見てた時の。



F.O.H (フィールドオブヘブン)
コロナ前はオーガニック系のお店がまわりにたくさん展開してたけど、
去年からお店の数がだいぶ減った。でもロータスカフェは健在だった。



ところ天国の寄席。今年も鈴々舎馬るこ師匠の高座。笑点の若手大喜利でもご活躍。
フジロックでの落語演目はわかりやすい「時そば」が多い。



最終日の苗場食堂ステージで大トリなのに、昼のところ天国寄席の爆笑ステージにも立つトミー富岡さん。
子供連れのお客さんがたくさんいるところでもいつも通りのヤバ過ぎるエロネタをぶちかます。
下品なエロネタ満載。それを見て笑う僕らも下品。それがいいんじゃない。
子供の手を引いて逃げるようにこの場を立ち去る若いお母さんを多く見た。



最終日の21時レッドマーキー前。MOGWAIのステージ。
このあと、F.O.Hもホワイトもグリーンも終わると、名残惜しむようにレッドマーキーに人が集まる。




最終日、ピラミッドガーデン。知る人ぞ知る逆最深部のステージ。
SILENT POETSのレゲエ・エレクトロニカが流れていた。




SEE YOU IN 2023
SEE YOU SOON




おまけ
最終日に歩いた距離10.04Km





2022/10/01

(No.2620): dewey delta(-f) になった噺 (痔瘻根治手術顛末記 第3話)

 【手術後 手術当日】

手術から30分後と2時間後にそれぞれ体温と血圧の測定がありました。
術後2時間までは飲食禁止です。
看護師さんが麻酔の状態を調べるのですが、2時間後くらいまで足はほとんど動かせません。

2時間くらいしたら看護師さんにパンツを履かせてもらいます。
自分の力だけでは履くことができません。
もちろん寝ている状態で。下半身に力が入らないので身体も起こせないのです。

ちなみにパンツはお尻のガーゼを押さえる必要があるため
ボクサーブリーフ的な密着する下着でないといけません。


腰椎麻酔の感覚を表現するのが難しいのですが。
足の指先あたりは正座してて足が痺れる感覚に近いのですが
なんというか、骨を中心として周りの肉は別の物体な感じなのです。
(たぶん意味わかんないと思うけど)
そして、筆者が一番驚愕したのは手術箇所のお尻は当然として
またぐらを含むその前方部位までもがまったくもって、まったくもって、
まったくもって感覚が無いことでした。
無です。む。ム。
下っ腹までは触ると感覚はあるのですが、
それよりも下が忽然と「無くなっている」のです。
「無」になっているのです。
つまり部位が自分とは別の物体になっているということ。
これは衝撃でした。
何も感じないから、こいつを今ばっさり切られてもわからんぞこれは。とか。
変な向きになったままでいたら後でマズいことになりそうだ。とか。


しかも腰椎麻酔の術後の最大の試練は、
その麻痺状態で5時間以内に排尿しなければならないことなのです。
腰椎麻酔は排尿機能にも影響を及ぼすそうで、
その機能が回復できているかを確認するためだそうです。
さらに翌朝までベッド監禁なので自走してトイレへ行けないため、
翌朝まではベッドの上で尿瓶で用を足さなければなりません。


術後2時間経ったら飲食が可能になります。
ちょうどお昼なのでパンの軽食を寝ながら食べます。
そして、くだんの排尿案件を成し遂げるために
手術前に用意した水のペットボトル(500ml)数本を狂ったように飲みまくります。
曲がるストローで。

看護師さんが尿出ましたかーと見回りに来ます。
「午後2時までには出してくださいねー」とおっしゃるが
「ちょ、この、あの、ここ感覚ないんですけど、これで?出せるんですか?」
「皆さんそうおっしゃいます」笑顔。
「いや、無理でっす」
「5時間以内に出せないと、処置が必要になりますので頑張ってください!」
処置というのは、つまり尿道に管をつっこまれるやつです。くわばらくわばら。
「尿瓶で、ですよね?」
「はい。尿瓶でどうしても無理なら車椅子でトイレですが、先ずは尿瓶で頑張って!」
無慈悲。

水1.5Lを飲み干し、膀胱をぱんぱんにして尿瓶で挑戦するも出ず。
小心者なんですから寝ながら小便とかぜんぜん無理です。

江戸の川柳に
「猪牙(ちょき)で小便千両も捨てたやつ」
というのがあるのですが、猪牙というのは船のことで、
揺れる船の上でもベッドで寝てる体勢でも慣れないと小便なんかできっこありません。

もっとも尿瓶のせいでもありますが確かに排尿感覚機能がまだ麻痺しているようです。
結局、如何ともしがたく午後3時にナースコールON、
車椅子でトイレに行かせてもらい盛大に排尿完了。
看護師さんに「自力で出せてよかったですねー」と肩をぽんぽん叩かれました。

その後もう一度ナースコールして車椅子でトイレに行きましたが、
夜勤交代した看護師さんが他の仕事で大変そうでしたので
夜中は頑張って尿瓶で排尿に挑戦、なんとかできました。
でもそのころにはほとんど麻酔が切れており、
ベッド脇に立って排尿したのでした。

それにしても自分の部位がちゃんと存在している感覚に戻ったときは心底ホッとしました。


執刀医の先生は19時頃に病室へ現れて、手術内容の紙ぺらを渡されて
簡単な手術内容をご説明されて慌ただしく去ってゆきました。
痔瘻根治術の開放術というもので、痔瘻の肛門内原発口と炎症管を
切開開放する手術です。開放箇所は縫わずにそのままです。
場所が場所なので痛く無いわけがありません。

痛さのピークは夜でした。
痛さと、排尿制御とでこの日の夜は1時間ごとに目が覚めました。
疼痛に常時襲われますが、身体を動かすときに、
実は肛門にも力を入れているのだということを激痛を持って改めて実感できました。



 【手術後 手術翌日〜退院日】

翌朝、朝6時の検温後、自走トイレ行きがめでたく開放されます。
夜中に尿瓶でやったとはいえ、検温後速攻でトイレで排尿。


そしてここから術後創傷の疼痛しつつ排便後のさらなる激痛に襲われながら
お尻洗浄+ガーゼ交換などのイベントで丸二日間を過ごします。
とは言うものの各種投薬もあり、痛みをコントロールしつつでしたので、
入院後半はけっこう暇な時間は多かったのです。
ドラクエウォークやったりKindleで本読んだり、院内同フロアを歩き回ったり、
不本意ながらTeamsで仕事関連の打ち合わせしたり。

そして、退院後の生活指導やら注意事項の説明を受けて、
5日目の午前に退院しました。創傷の完治は1ヶ月前後かかるとのこと。


痔瘻根治手術の痛みは実は退院して手術後1週間くらいから痛みが増すとの
情報もあったのですが、情報通り確かに痛みが増しております。
開放術により新しい組織が出来上がってくる過程と認識しておりますが、
「座る」と「座った姿勢から立つ」には時間を要します。
その動作がすんごい痛いのです。でもライブはやるよ。

関係各位ありがとうございました。


2022/09/30

(No.2619): dewey delta(-f) になった噺 (痔瘻根治手術顛末記 第2話)

【手術当日】

6時起床、看護師さんが体温と血圧を測りに来ます。
・朝ごはんなし
・飲み物は7時まで
・6:30に再び座薬投入しての排便指示(しかし緊張のあまり座薬なしで排便完了)

手術後は翌朝までベッド上安静のため、足の血栓予防の圧着タイツを履きます。
また水分を多く摂る必要があり水ペットボトル数本や寝ながら飲むので
ストローなどを用意しておきます。
手術用のガウンタイプの寝巻に着替えます。手術時間が朝9時前後なので、
それまでベッドで過ごします。
緊張のあまり九字を切ります。


9時5分、看護師さんが呼びに来て、一緒に歩いて手術室へ向かいます。
ああついにこの時が来ました。どこにも逃げられません。
手術室は3階にあります。フロア全部が手術施設になっています。

手術施設メインエントランス横に着替えるスペースがありそこでパンツを脱ぎます。
そこへ手術専用看護師さんが現れて病棟看護師さんから引き継ぎが行われます。
頭にキャップを被り、手術用スリッパへと履き替えます。

病棟看護師さんが「それではまたあとで、がんばってくださいー」
的なニュアンスだったと思いますが緊張のあまり「ふぁふぁい」と返事をします。

自動ドアを入ると廊下の両サイドに手術室が並んでいて、
筆者の入る手術室のドアが開いています。
こちらへどうぞと促され部屋に入るとクラシック音楽が小さく流れていました。
天井には大きな手術用ライトが設置されています。
心電図やら何やらいろいろな器具機器があり、ドラマに出てくるような
本格的な手術室で緊張はMAXです。
そして言われるがまま、中央の手術台へあがって、先ずは仰向けになります。

執刀医の先生はまだいらっしゃらないようでしたが、5〜6人の看護師さんや
お医者さんがいました。
生理食塩水の点滴を左腕に刺したら、横向きになって下半身から背中まで裸状態になります。


麻酔は腰椎麻酔という下半身をまるっと麻痺させる強烈な麻酔です。
麻酔を打つために、横向きのまま頭と足を抱えて背骨を出すように丸くなります。
腰のあたりの背骨に強烈な痛みが走りピギャっと鳴いてビクッとしたら「動かないで!」と
一喝されました。

麻酔が入っていくと、すぐにうつぶせにさせられて足を少し広げます。
「足が温かくなってきましたか?」と聞かれる前に、
既に両足がぽかぽかと温かくなってきました。

左腕には点滴と指先にパルスオキシメーターを装着。
右腕には血圧計、背中には心電図用のコード。
自分の心臓の鼓動に合わせてピ・ピ・ピと信号音が響き始めます。
下半身に意識を移すと、まだなんとなく感覚はありますがジンジン痺れている感じ。

ベッドが少し高く動きお尻を突き出す感じの姿勢に。
いつのまにか執刀医の先生が来ていたのかお尻のあたりを診察してるような感触が
あり、そしてチクッと痛みが走りましたが、すぐにその感覚もなくなりました。
下半身は麻痺してますが、上半身と意識ははっきりしている状態です。

担当の手術専用看護師さんがいろいろ話しかけてくれます。
「もう手術始まってますよ、ご気分は?痛くないですか?」と聞いてきた。
あ、もう始まってたんか、「まったく痛くないです。何も感じません。す」


担当の手術専用看護師さんはうちわを持っています。
何に使うのだろうと思ってたら、尻側からジュジュジュとかボボボとか音がして
焦げ臭い匂いと煙があがってきました。それを看護師さんがうちわでぱたぱた扇いで
煙を分散させていました。
鰻屋か!
あとで知りましたが、神経を焼いて処置しているのだそうです。焼くってすごい。
ハイテク満載の手術室でもうちわで扇ぐんだ。オモロ。


手術は2名のお医者さんで行われていたようで、お二人で何やら会話しながら
執刀されていました。
正味の手術時間は20分くらいだったでしょうか。

「はい終わりました」と言われて、
ぐふぁー終わった。。痛くはなかったけど辛み万感でしたぁとごちながら
「え?お尻にガーゼとかある状態ですか?」と聞いたら、「はい。処置済みです」と。
下半身が何も感じないです。そして自分ではまったく動かすことができません。


看護師さんたちが筆者を仰向けにしてストレッチャーに移して、
ストレッチャーに寝たまま手術室から自分の病室へ運ばれます。
点滴は付けたままです。

嗚呼よくドラマとかでみるアレか、天井しか見えないけど、
ガラガラ運ばれていくのこんな感じなのか!と思いました。
病室の手前ではストレッチャーから自分のベッドへ移されて
ようやく病室へ戻ってきました。

手術直後この時点で、痛みはまったくないけど下半身はまったく動きません。
感覚がないので力が入らず動かせません。


そしてこのあと、翌朝まで新たな苦行のはじまりなのでした。
続きは第3話で。


2022/09/29

(No.2618): dewey delta(-f) になった噺 (痔瘻根治手術顛末記 第1話 )

9月18日の超電子COMPLEXではdewey delta(-f)として
筆者抜きのtairaさんとハッチャキさんで出演して頂きました。
なぜ筆者がライブに出られなかったのか。

実はライブの翌日19日は筆者が手術のために入院する日だったのです。
さすがに入院前日にライブはできないうえに、病院からの通告でコロナの関係上
入院前にライブハウスのような場所への出入りは禁止されていたからです。


さて、そも何の手術で入院することになったのかといえば、
それは痔瘻(じろう)であります。
痔瘻という病名を初めて聞く読者もいるかと思います。
「痔」という単語の通り痔の一種ですが、「いぼ痔」や「切れ痔」といった
いわゆる純然たる「痔」ではなく、どちらかというと感染症っぽい類の疾病です。

ググればどのような疾病かはすぐに出てきますが、簡単に言うと
肛門の内側にある肛門腺に細菌が感染して炎症が慢性化、
炎症が管となって皮膚を突き破って穴をあける症状です。
「皮膚を突き破る!」とか聞いただけで痛そうでしょ。
でも痔瘻が”完成”するとそれほど痛くなく、
むしろ痔瘻の前段階症状である肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)の方が
千倍痛いのです。
筆者も肛門周囲膿瘍→痔瘻というプロセスを辿り痔瘻が”完成”しました。
そんな痔瘻の根治治療は21世紀とはいえ外科手術しか方法がないのです。


筆者は日帰り手術は何度も経験をしているのですが入院は初めてです。
存分にビビりながら臨んだおよそ5日間の入院生活でありました。
手術前日、手術当日、手術後にわけてその状況と心情を3話に分けて記録します。

痔の手術なんて簡単だよ大丈夫ーなどと傍から励まされましたが、
あんた現実は聞くとやるとじゃ大違い、やっぱりそれなりの苦行でありました。
しかも、「痔」ではなくて「痔瘻」です。


以降は、痔瘻根治手術の生々しい表現が出てくるのでご注意ください。


【入院・手術前日】
入院したのは総合病院ではありますが肛門外科で有名な都内の大きな病院です。
筆者の病室は8階、6人部屋。当初は筆者入れて3人でしたが、
入退院で入れ替わり立ち代わり最後は満床になりました。
筆者の部屋はほとんど肛門外科の患者さんばかりでした。
22時消灯、6時起床。

事前に痔瘻手術入院のオリエンテーションを受けていましたが、入院日に看護師さんから、
麻酔のこと、手術内容や術後の過ごし方など改めて一通り説明を受けます。
腰椎麻酔という下半身麻酔で、手術当日は術後翌朝までベッドで安静が必要、
下半身が痺れて感覚がなくなりますがだんだん戻るので安心してください
と言われましたが一体どんな麻酔なのか恐怖に慄きます。

入院日は手術前日になります。前日と手術当日はいろいろやることが多いです。
・除毛(女性の看護師さんに電気シェーバでお尻の毛を剃ってもらう)
・排便(19時になったら長さ2cmほどの座薬を2個挿入)

座薬入れたら5分ほど我慢してから排便してと言われましたが、
2個なんて入んないよ、っていうか入れたけどぴょっと出てきちゃうし
そもそも5分も我慢できずにほぼ速攻で排便。
あの座薬、入れた刹那、肛門内でしゅわーっと発泡する感じですぐに液状になるのです。

夜ごはんは普通食でした。
術後の傷の治りを助ける飲料を渡されるので翌朝7時までに飲みます。
・21時以降禁食


緊張してほとんど眠れずそしていよいよ手術当日の朝を迎えます。
続きは第2話で。

2022/06/06

(No.2617): 床屋を訪なう。シリーズ (なんだそうだったのか編)

 ■

床屋を訪なうシリーズはあとがきまで書いていたので
もう今後ないのだなと筆者も思っていたのだが、
ここに来て新たな章に入った感を得た。

すでに何べんも触れているが、筆者は美容院は嫌いだ。
且つ床屋でも「要予約」といった”合理的なちゃんとしている”お店もダメだ。
髪を切りたいその衝動だけでサクっとやってくれる粋な床屋が好きだ。
しかも加えて、
店が汚い、日用品が散乱している、シャンプーカバーが臭い、
シャンプーが花王メリット、独特な雑な作法であるといった
一癖も二癖もあるような「一般的には嫌がられる様子」の床屋が大好きなのだ。

昔から筆者はそのような癖が強い床屋を贔屓にしていたのだが、
経営する老夫婦が引退したり、そのようなお店だから客が来ず潰れてしまったりして
筆者近所になくなってしまった。
そこで、予約不要の床屋といえばいわゆる1000円カットのみチェーン店といった、
味もそっけもないお店になるのだが、意外にそれはそれとして
性に合っていたのでしばらく通っていた。


そんなある日のこと、仕事終わりで床屋に行った。
しかし19時を回ってしまったためいつもの1000円チェーン店が閉まっていた。
他に飛び込みで入れる床屋はないかと思いを巡らせたら、
そういえば駅前にあったなと思い出した。
しかしその店はビルの2Fなのでどうせ予約制だろうと今まで敬遠していたのだ。

行ってみるとその店は予約制ではなかった。
しかもいわゆる昭和の床屋全としていたのだ。
即ち待合には漫画の単行本がずらりとあり、スポーツ新聞や週刊誌が雑然と散乱している。
そして、ぷーんと漂う昭和の床屋のあの髭剃り後に塗る派手な匂いのクリームの香り。

「デキル!」筆者はそう思った。

理容師のおじさんが2名。ガタイの大きなおじさんにやってもらった。
冒頭、髪の毛にシュッシュッと水を吹きかけた後、いきなり無造作に
デカい手で張り倒されるほどの勢いで、ガシガシと頭髪をむしりあげた。

「お!この雑な感じ!間違いない」と期待に胸が膨らむ。

バリカンのあとの整地ではデカい手を器用に動かして綺麗な刈り上げを造形するが
動作が異様に速い。
真骨頂は洗髪だった。デカい手で張り倒されるほどの勢いで、ワシワシと洗髪する。
ものすごい力だ。首をグッと堪えていないと吹っ飛ばされそうだ。

「いいぞ!こうでなくっちゃ!」
洗髪で顔は流しの中なので筆者の口角は無遠慮にニヤッとした。

洗髪後の拭き上げもいい加減で、髪や顔から水が垂れてシャツの襟を濡らしている。
嬉しくなった。

そして洗髪から髭剃りへの移行が素早い。髭剃りがすごいスピードだ。
シェーバー用電気カミソリらしく危険はなさそうだったが、
顔の皮をこれでもかと引っ張られギャワンギャワンと電気カミソリが顔の上を走る。
何度も痛ぇと思った。ウキウキしてきた。

この粗暴な荒々しさ、この適当な感じ、嗚呼待ちに待った床屋じゃねえか、
と思わず笑みがこぼれそうになるのをグッと耐えた。


ブオーとドライヤーから噴き出す激熱の熱風で頭を張り倒されていると、客が入ってきた。

「あー、●●ちゃん!座って待っててー、すぐ終わるから」

と、ガタイのでかい理容師おじさんは言った。
常連客か、と思ったらそうではなく、このあと飲みに行く友達のようだった。
なるほど、早く仕事を終わらせて飲みに行きたいからこんな雑な扱いだったのか。

まったくいい店を見つけた。
この店、贔屓にしよう。そう思った。



2022/05/16

(No.2616): 第2回 エフオピ年表(2000年~2013年まで)

(No.2615): 第1回 エフオピ年表(1981年~1999年まで)  からの続き


【2000年~2013年まで

凡例
●:所有四輪車/年式
△:所有二輪車/年式
♪:音楽歴バンドユニット名(読み)など


2000年
♪:Fields Of Paulownia (FOP)名義でソロ活動 ポップでないテクノ、機械歌唱
♪:以降、fop (エフオーピー) と名乗る



Fields Of Paulownia 「Can You Think The STUDIO FOP?」 ジャケット

2001年
♪:Oasisコピーバンド(名前失念) キーボードで参加
♪:ラジカルサイエンス →4名 サイケデリック系既存洋楽曲カバーバンド
♪:Panic Cotsy Coaster (パニック・コッシー・コースター) →5名 60~70年代ブルースファンクカバーバンド、エフオピはドラムを担当
♪:stereogimmik (ステレオギミック) →4名 テクノ・NEW WAVE、エフオピは立ちエレドラ、ライブ主体で活動


2002年
♪:stereogimmik →3名→2名 ギャニュギャニュ音響エレクトロテクノ、エフオピはClavia Nord Lead2とボコーダーElectrix Warp Factory
♪:ドイツのテクノエレクトロニックデュオ「mouse on mars」に傾倒 
♪:大塚CAVEでチリコパスタのtairaさんと出会う


2004年 
●:FIAT Punto HLX/2003
♪:stereogimmik →2名 ギャニュギャニュ音響エレクトロテクノ ライブハウス、クラブでライブ頻繁
♪:DJパンダくんがfop(エフオーピー)をエフオピと呼ぶようになり自分もそれを用いる、tairaさんはホップさんと呼ぶ



stereogimmik アー写

2005年 
△:HONDA Ape(原付)/2005
△:Kawasaki エストレヤRS(250cc)/2005
♪:stereogimmik クラブや小箱で活動


2006年 
♪:dewey (デューイ) →2名 tairaさんトラック+エフオピがドラムで始動
♪:stereogimmik 


2007年 
△:DUCATI Monster400(400cc)/2007
♪:dewey 初ライブ お茶の水ジャニス
♪:stereogimmik 
♪:フジオ・フィーバー →4名 60年代ブルース系ファンク系カバーバンド エフオピはドラム



2007/2/12 dewey初ライブ (お茶の水 ジャニス)


2008年
●:FIAT Panda100HP/2008
♪:stereogimmik 
♪:dewey →3名 dewey 第2期 ベースにkeiさんが加入
♪:フジオ・フィーバー  最初で最後のライブ、熟年ロッキンブルーズマン達の中でドラム叩く



stereogimmik 2008/1/14 高円寺マーブルトロン


dewey 2008年アー写風 (撮影場所は改修前のスタジオノア代々木店ロビー)




フジオ・フィーバー 2008/5/5 新中野LIVE CAFE弁天
エフオピはドラム




2009年
△:DUCATI Monster696(696cc)/2009
♪:stereogimmik 7/9 渋谷SOFTでのライブから一旦活動休止
♪:dewey スタジオのみライブなし 


2010年 
♪:dewey ベースkeiさん加入後ライブ数回



7、8、9月とライブ(写真は新宿HEADPOWER)


2011年 
♪:CYRKON (シルコン) →2名 同い年エビタさんと結成、半年間だけ活動、クラブ系テクノ、エフオピはドラムやマシン系、群馬県で開催された野外ライブ(River Side Party)にも出演
♪:DAWをSteinberg CubaseからAbleton Liveに変更
♪:dewey →2名 dewey 第2.5期  Ustreamにて配信ライブ、エフオピはドラムからマシンライブ方式に変更


2011/7/16 野外ライブRiver Side Party vol.10 Summer 2011  CYRKON

2012年 
♪:dewey Ableton Live 2台同期セッションビューによるスタジオ配信ライブ


スタジオからUstream配信ライブ


2013年 
♪:dewey dewey 第3期 ステージ上手下手構成でライブを開始
♪:エフオピ ソロで単発ライブ
♪:dewey ファーストミニアルバム「オルドビスの遺産」発売


2013/3/3 大塚DEEPA

2013/3/19 エフオピ ソロで出演
オールナイトイベントMODULATION GYM 東高円寺U.F.O. CLUB

deweyファースト「オルドビスの遺産」 
ディスク・ユニオンにて取扱していた
(写真は新宿方面店にて面出し陳列の様子)




(第3回へ続く)



2022/05/13

(No.2615): 第1回 エフオピ年表(1981年~1999年まで)

 yasushi.kさんのシンセカイリモオトにdewey deltaで出演させて頂いた。

シンセカイリモオトで筆者の音楽歴をへどろもどろとちょっとだけ話した。
1981年から音楽やってますなどと言ったが、筆者のクルマ歴も1981年からなので並行に見るとさぞ自分だけが面白いだろうと思い年表的なものを作ってみた。

1981年からだとけっこうな量になるので2回に分けて掲載する。
第1回は1981年から1999年まで。80年代はかなりアグレッシブに音楽活動しているが90年代後半はひっそりとなる。
こんなもの載せても誰も興味ないよなぁと思うとウキウキしてくる。そりでわ。


【1981年~1999年まで

凡例
●:所有四輪車/年式、 
♪:音楽歴バンドユニット名(読み)など


1981年
●:スズキ フロンテクーペGXCF/1972 (2サイクル3気筒360cc)
♪:YMO/BGM、YMO/テクノデリック、Kraftwerk/ComputerWorldでテクノに目覚める
♪:カセットデッキ2台でピンポン録音を始める(楽器はカシオトーンのみ)


1982年
♪:HORMONE (ホルモン) →2名 アヴァンギャルド・はちゃめちゃテクノユニット
♪:友人の山梨の別荘でPA持参初ライブ
♪:この頃はRetsuam(レツアン)と呼ばれていた


HORMONE 「The Flagements」カセットブックパンフより
(左が20歳のエフオピ 何これダッサ!)

1983年
●:トヨタ マークII4ドアセダン/1975
●:ミツビシ ランサーセレステ/1976
♪:HORMONE (ホルモン) →3名 アヴァンギャルド・ゴミ箱テクノユニット


1984年
●:スバル R2/1970 (空冷2気筒リアエンジン360cc)
♪:4TRカセットMTRでレコーディング開始
♪:PersonalClinic (パーソナルクリニック) →3名 HORMONEを改名、でたらめ歌入りテクノ
♪:古湯坊 (こゆぼう) →4名 トホホ歌入りテクノ、NEW WAVE
♪:嵯峨塩倶楽部 (さがしおくらぶ) →2名 作詞専門担当との古式日本語詞テクノユニット
♪:RETSUAM & TOGE UNIT (レツアントーゲユニット) →2名 温泉鉱泉と電子音楽の効能探求ユニット


古湯坊 「MODE」カセットブックパンフより
メンバー紹介ページ エフオピは一番下



古湯坊 「MODE」カセットブックパンフより
アー写風 エフオピは左

1985年
♪:TLAHOWM (トラホーム) →3名 エレクトリック・アヴァンギャルド ミュウジック
♪:パーティ等会場でライブ数回


TLAHOWM 「TLAHOWM」カセットブック宣伝ポスター

1986年
●:ホンダZ/1973 (360cc)
●:ホンダ N360(I型)/1968
♪:TLAHOWM名義でほぼソロ活動


1987年
●:Volkswagen Type3/1973
♪:TASCAM38(ハーフインチ8TR MTR)、Fostex450-16(4Bus16ch卓)導入
♪:キャプテンレコード所属「JINGLE JAM」のアルバム2曲ミックスダウンで参加
♪:ICONOMIX (イコノミクス) →3名 YMO/BGMテクノデリックカバーと硬派っぽいテクノ
♪:ライブハウスでライブ開始
♪: 12月31日23時 代々木公園で路上テクノゲリラライブ


1988年
●:Renault 5GL/1979
♪:ICONOMIX →2名 
♪:OBSCURE MONDAY (オブスキュアマンデイ) →エフオピソロ、ロシア・アヴァンギャルドに傾倒



ICONOMIX 「象徴の人」カセットブックパンフより
TASCAM38と450-16で作業中のエフオピ

1989年
●:Austin Rover Mini Mayfair/1989
♪:OBSCURE MONDAY →エフオピソロ活動
♪:モビーディック →5名 友人のハードロックバンドでキーボード参加


1991年
♪:東京エンジン →3名 平沢進カバーバンド
♪:Macintosh Classic 、 Cubase2.0 導入 コンピュータによるMIDIプログラミング開始
♪:MACKIE CR1604 (4Bus16ch卓) 導入


1992年
●:Rover Mini Mayfair 1.3i/1992
♪:東京エンジン →2名 バンド名は同じで以前のメンバーと温泉鉱泉と電子音楽の効能探求ユニット再び
♪:DEL (ディーイーエル)  →エフオピソロ、ポップではないテクノ



東京エンジン 「6.349.20」カセットブックパンフより
右がエフオピ




DEL 「DEL」カセットブックパンフより
エフオピ


1995年
♪:DEL  →DEL名義でエフオピソロ活動 ひっそりと


1996年
●:Rover 200/1996
♪:Roland VS-880 導入 ハードディスクレコーディング開始
♪:DEL  →DEL名義でエフオピソロ活動
♪:J-WAVE 「Pazz&Jops 坂本龍一gut on-line」のオーディションで優秀作品受賞
(本名で応募したのでここでは載せず)


1997年
♪:CubaseVST導入 コンピュータによるオーディオレコーディング開始
♪:DEL  →DEL名義でエフオピソロ活動 淡々と


1998年
●:Volkswagen Polo/1998
♪:DEL  →DEL名義でエフオピソロ活動 粛々と


(第2回へ続く)