2024/09/27

(No.2667): この差を考察(レッドマーキーで聴いたのとちょっと違うんですが)

フジロック2024 レッドマーキーにおける
Floating Pointsライブの衝撃と感動は間違いなかった。
にもかかわらず、後日Spotifyで聴いたら
ふーん・・となった。
もちろん悪いことはないのだけれど
レッドマーキーで体験したインパクトはなかった。

今でも思い返せばあの時のFloating Pointsライブの
凄まじいのに痛くない音圧と曲の格好良さが忘れられない。
何故にそれほどまでに異なって聴こえてしまうのか。
別な音楽と言ってしまいたいほどの違いを感じてしまう。

その理由を考察してみた。

1 テクノは身体で聴くもの
これがすべてのような気がする。
ちまちまイヤフォンなんかで聴くような音楽ではない。
スーパーLowの低周波エネルギーや音波の空気振動
または圧力による身体への加算は新しい音楽的アレンジだと思う。
とはいえどんな再生環境でも等しく感動を与えられれば満点なのだろうが。
少なくとも現場では満点だった。いや満点以上だ。

2 音響特性を熟知
Floating Pointsチームはレッドマーキーの音響特性に適した
サウンドメイキングをしたという記事を見かけた。
それはPAだけでなく仕込みトラックにも適用されていたことは
想像に難くない。
レッドマーキーがダンスフロアの「理想郷」になっていた
とSMASHのサイトにも書かれてあった。
この記事はレーザーによる演出に対しての記述ともとれるのだが
筆者は音響的にも楽曲的にも正しくテクノライブの完全体であった
と思っている。

3 生演奏
楽曲に目を転じれば、そこかしこで生演奏と思しき
シーケンスやブレイクを創っていた。
凄まじい音圧の中で極まった即興プレイの一期一会が
その場限りの素晴らしいビートを生み出していた。

4 現場力
とここまで考察を進めたが、
実は「現場力」の成せる技によるところが大きいのでは。
筆者を含めた5000人のオーディエンスの興奮。
それはある意味「陶酔」または「錯覚」と言ってもいい。
しかしそうだとしてもそれらを齎した、
音響特性に沿った音作り、神がかった即興プレイなど
確かな「力」が存在したことは間違いない。

現場力(あるいは非日常力)は体験者をトリップさせる
欠かせないファクターであると思う。