夕方、雨も上がったので電子工作用の小物を買いに
ウォーキングを兼ねて数キロ先のホームセンターまで歩いた。
その帰り道の出来事。
普段からウォーキングはディープな住宅街
あるいは雑木林や畑などが広がるような
なるべく静かな道を歩くようにしている。
ホームセンターで買い物をし、
今日も幹線道路を避け古道に沿って人通りのない
畑の広がる道を歩いていた。
時刻は18時頃だろうか。
夏至の只中なのでまだまだ外は明るい。
道の右側は近隣農家のやっている畑が広がっており、
畑と道との境には目の高さほどもある垣根がずっと続いている。
左側は人家が軒を連ねているが人が住んでいないのか
どれも雨戸が閉まっている。
その畑の道に入ってすぐ突然、右後方辺りから
女性の声で「うふふふふー」という笑い声が聞こえた。
かなり大きな声だった。
ほぼ耳元すぐ右後ろから聞こえたので反射的に振り返った。
誰もいない。
ええ?!
と一瞬ギョッとしたが、
垣根があって畑が見えないのでこの垣根の向こう側で
農作業をやられている方だなと理解した。
しかしその笑い声以外に何も聞こえない。
女性の声は40代か50代くらいだと思う。
「うふふふふー」の語調は、誰かと会話をしていて
愛想笑いで相槌を打つようなニュアンスだった。
だから、必ず話し相手がいるはずである。
しかし、一切何も聞こえない。
この先で右に曲がる道がありそこを曲がれば垣根が無い。
だから畑の中を見渡せるはずだ。
そうすれば、先ほどの声の主や話し相手の人も
しゃがんで農作業をやられている姿を見られるに違いない。
一刻も早く確認したい心持で
早歩きですぐに右に曲がって畑を見た。
誰もいない。
雨上がりの畑がただ広がっているだけだ。
え?マジで。。
ちょっと待て、合理的に考えよう。
こういう仮説はどうだ。
畑の道の手前にも交差点があるしその道で
自転車に乗った女性たちが筆者の後方を
右から左へ走りながら会話していた、
その通り過ぎる一瞬の笑い声だけ筆者が聞き
振り返った時にはもう走り去ったのだ、
という仮説は成り立たないだろうか。
そうに違いない。
いやでもなー、
自転車の音なんかしなかったし
あの笑い声ほぼ耳元で聞こえたよな。
もう真後ろって感じだったよな。
いやいやいやそういうことは考えますまい。
左側の人家から聞こえた声?
という仮説も考えたが、
そもそも人が住んでなさそうだし、
雨戸が閉まっている家の中からの声とは考えにくい。
本当に大きな声だったのだ。
しかも、はっきりと。くっきりと。
「うふふふふー」
って。
いやいやいやそういうことは考えますまい。
おそらくは、
前述の自転車仮説が有力なんじゃないかと
そうだったに違いないと
なかば強制的に言い聞かせながら帰り道を歩いたのでした。
おしまい
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