(前回「混沌編」の続き)
購入して40年、物置に約30年間放置されたままだったOberheim Matrix6。6音中1音出ない。
調べたら6個実装されているICチップ CEM3396という主要部品の一つが壊れていることを発見。しかし内部を確認中にあろうことか誤ってもう一つのCEM3396も壊してしまった!前回はここまで。
CEM3396を交換するしか直す道はない。
しかしCEM3396は1980年代のICだし現在では製造されていないのではないか。互換部品がないだろうかと調べてみた。
最近ベリンガーがビンテージシンセのリメイク的な製品をたくさん発表しているが、あれは当時の部品を現代版にしたりその互換部品を開発したりして楽器を作っているという情報を知る。
なるほど、その筋でいけるかもしれないと調べたら案の定CEM3396の互換品とよべるものは確かに存在した。ところが、完全に同じ仕様ではなく、現在版に焼き直しされており新しい機能も盛り込まれているという。つまり、そのままでは使えないことが判明。
CEM3396は現在製造中止であるものの、デッドストックまたは中古部品としてそもそも販売自体されているのかを調べた。
海外にはヴィンテージシンセ専門でビス1本から抵抗器に至るまで概ね部品が揃うという部品屋さんがいくつかある。
米国の某サイトにCEM3396は存在した。しかも「新品」だという。しかし価格がべらぼうに高い。円安ということもあるがIC2個と送料で日本円で5万円近くかかる。さすがに高い。
他にもう少し安いものはないかとさらに調べを進めたら同じ米国だが別の某部品屋サイトにあった。価格は送料込み2万5千円くらいだった。
既に製造中止の80年代のチップだ。これくらいの価格は妥当だろうと何の躊躇もなく購入ポチ。
翌日、出荷準備のメールが来たので安心していたら、そのすぐ後にこの注文はキャンセルしましたので返金しますというメールが来た。
は?返金?なんぜ?と問い合わせしたら「すまん、この部品は在庫なしやった。SOLDOUTにするの忘れ取ったんや。そやから返金しますわ。かんにんな」という連絡をもらった。改めてそのサイトのページをみたらSOLDOUTに更新されていた。
四面楚歌、八方塞がり。どこぞに<安価な>CEM3396は売ってないものかと諦めつつフリマサイトも含めてネット回遊していたら、某ショッピングサイトで販売しているのを発見。
間違いなくCEM3396、しかも新品!、そして何より今までのサイトよりもだいぶ安い。CEM3396を2個と送料込みでなんと9千円。この店、よく見ると中国らしい。大丈夫かしらと不安を抱きながらもPayPal決済で購入。
不安をよそに決済後すぐに出荷準備のメールが来て数日後には発送しましたメールが来た。すごいぞ。
10日以上かかっただろうか、無事に到着!ちゃんとしたパッケージじゃん。ごめん疑って。
さっそく修理開始だ。
Oberheim Matrix6の壊れたCEM3396を二つ外したところ。U201とU301のソケット。
新しいCEM3396 2個をU201とU301へ装着。今度は慎重に。ICの向き、指さし確認。
ここで一度、電源を入れて音の確認したところ、問題なく6音全て発音できた。やったー。
せっかくなのでついでに、今後電池交換できるように電池ホルダーに改造することにした。ボタン電池も新品に交換。
改造前:右上の丸い黄色の枠のパーツがオリジナルの電池ホルダーと電池。これを取り外す。写真だけでみるとボタン電池は交換できそうにみえるが、実はバッチリはんだ付けされているのだ。
改造後:黒い電池ホルダーの赤黒コードをはんだ付け。余ったコードは付近のケーブルと一緒に結束バンドでとめておく。
なお、バッテリー交換時にメモリーダンプ(メモリー内容を外部へ保存)を一応実施しておいたが、メモリーは消えることはなかった。
Oberheim Matrix6のメモリーダンプはカセットテープを使うことになっているが、もう手元にはカセットレコーダーはないのでDAWを使ってSAVEデータを「録音」した。これで同じことができる。
DAWに記録されたSAVE DATAをチェックしたがデータ内容には問題なかった。ただし本体からメモリー内容は消えなかったため、このデータを使ってリストアはしていない。
DAWでメモリーダンプ実施。データが「音」として記録される。
ベリファイ中の表示。DAWに記録されたメモリーダンプ内容をOberheim Matrix6のFROM CASSETTE 端子へ入力しデータ内容にエラーがないか確認しているところ。
なお、Oberheim Matrix6のマニュアルも当時のまま保管している。
40年前のOberheim Matrix6がこれで当時のままの内容で蘇った。今後、制作やライブで使用する日も来るだろう。
その日をお楽しみに。それではごきげんよう。









