2016/06/16

(No.2462): 妖怪「帯域つぶし」と「位相隠し」の巻


この拙日記で事あるごとにしたためている通り、deweyのライブでは上手側エフオピ(筆者)と下手側taira准将のそれぞれの音がミックスされてdewey式として完成する。

個人練習する際はそれぞれの制作スペースに於いて己の音のみを使う。とはいえ、私はこんな塩梅で音を仕込んでおりますグヘへヘというラフな音源はお互い事前に交換はしている。
しかしいざ個人レンシウとなれば自前の音のみで100%であると油断してしまう。結果、スタジオでの初合わせの時に惨事となる。
二者の音がMIDI同期して鳴り始めると100%だと思っていたものが200%になるのだ。即ち、自分の演奏が聞こえない。仕込みの音が聞こえない。などという事態は枚挙に暇なく、一体何がどう帯域を喰っているのか、目に見えぬ分それは妖気となって我らに襲いかかる。

過日導入したイヤーモニタの恩恵により、かえってそれが解像度を増して叩きつけられる。ただそれは虚像ではなく真実であることを周知させる出来事であり、つまりPAアウトへ送る全体のバランスという観点から、イヤーモニタによって全体を俯瞰できるようになったとも言える。

たとえ自分の演奏している音がほとんど聞えなかったとしても、それは楽曲全体のミックスバランスを考えればそれで正解だったことに気付く。むしろ、変に浮き上がってしまい意図しないバランスになってしまうことのほうがカッチョ悪い。
しかし楽曲上必要な発音やメロディ或いは生歌など、ある程度目立たないと成立しない音が埋没してしまっている場合、それこそが妖怪「帯域つぶし」による弊害(霊障)なのである。

妖怪「帯域つぶし」は同じような帯域を持つ音源トラックが何重にも重なっている状態で現れる。同じ帯域に同じような音が重なって結果的にお互いを潰し合うという恐ろしい状態だ。
また、このような状態では妖怪「位相隠し」も現れることが多い。正相と逆相が重なるとき音は打ち消しあうのだ。この場合音が埋もれて行方不明となる。妖怪「位相隠し」の仕業だ。

妖怪「帯域つぶし」や「位相隠し」に遭わないためには事前に帯域の組み立てを設計する必要がある。しかしdeweyの二者にとってそれは永遠に達成できない課題でもある。
なぜなら、

「この音入れちゃおうーウハー」
「この音入れちゃおうーアハー」







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