2016/11/07

(No.2490): 杯の道 顛末記 その壱


現代科学では解明できない不思議な力に操られ、土曜から展示開始となっているTriumph Street Cupを拝謁しに某トラ屋を訪なう。

着くや否や、実車の、ホンモノの、Street Cupを著しく視姦する。あやうく注文書にハンコをつきそうになる。それほど現在の筆者嗜好のど真ん中琴線に触れまくった。

残念ながら試乗はまだできなかったがお店のご厚意で跨らせて頂いた。



そうそう、このポジション。セパレートハンドルではないが、この低い垂れ角のあるThruxtonとほぼ同じようなライポジ。六級改号(DUCATI M696)と跨った感じは酷似していた。M696よりもやる気のポジション。実際、走ってみるとまた違うのだろうが、いや今はもう云いますまい。




Street Cupの試乗はまだできないため、ここは同型エンジンを搭載しているStreet Twinの試乗でご機嫌を伺った。
Street Twinは昨年末発表された所謂水冷ボンネビルのさらにスポーティなモデルである。古くからのボンネビル乗りの方からすれば、へ、水冷かよ、と鼻で笑われているかと思うとわくわくする。
先ずはStreet Cupと同じだというこの270度クランク採用900CC水冷SOHC2気筒パラレルツインエンジンの塩梅を知りたかった。



ポジションは至って楽な姿勢。ハンドルも高く幅もある。個人的にはこのライポジは好きではない。
しかし足つきべったり。かかとまでべったりつく。日本人でこんなに低く感じるのにこれでイギリス人は大丈夫なのだろうかと思ってしまう。

アクセルスロットルがライド・バイ・ワイヤという最近流行の電子制御らしく、これはDUCATIでも盛んに採用しているが、好き嫌いが分かれるところだろう。Street Twinのスロットルは遊びが大き過ぎてエンジンの回転数があがるまで僅かに時間を要する。お店の人に聞いたら、だいたい最初はタイミングが合わずエンストする人が多いという。筆者は大丈夫だったが、確かにこれは走り出しが難しい。
1速→2速のギアチェンジ時もスロットル遊びが大き過ぎてすぐに動力が伝達されないので、ガクっとエンブレがかかってしまう。スロットルを早めに回すようにしたり、まぁ慣れればいいのだろうが。


実走。
加速、トルクとも申し分なし。DUCATI M696よりも30PSも少ない馬力だが、走りの感触では遜色ない。そして900CCとは思えないほどの軽快さ。実際軽い。本当に乗っても容姿を見ても大型とは思えない大きさだ。

そしてこのエンジンは3千数百回転で一番トルクを出すよう設計されているらしいので、街乗りでもワインディングでも問題なさそう。ただ高速道路での高速域からの加速は不明だ。ギアが5速なので、もう1速ほしいところだ。
排気サウンドも良い。これでノーマルマフラーなのが素敵。まったくうるさくないが、低域が強調されており非常に良い音。Street Cupはさらに重低音だという。楽しみ。

DUCATIはデスモドロミックというエンジンでバルブが機械式強制開閉なので湿式クラッチでも機械音がかなりうるさいのだがこのエンジンは静か。水冷というのも貢献しているのかしら。
筆者は教習車以外水冷バイクに乗ったことがないので、熱さ暑さは不明だが試乗の短時間でも両膝のあたりが意外と熱かった。

試乗したStreet TwinはStreet Cupとはライポジが全く異なるため判断に難しい面もあるが、すくなくともこのエンジンは筆者嗜好には合格だ。いや、エンジンはともかくStreet Cupは容姿なのだ。わたくしはあのお姿にヤられてしまった。


そしてこのあと筆者は坂道を転がるように。。(その弐へ続く)


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