2026/08/19

(No.2701): dewey delta 「撚 -Nenn-」 エフオピ担当分の噺

 dewey deltaの4thアルバム「撚 -Nenn-」が発売されました。
tairaさんが[definition of dewey]で制作経緯や担当分の楽曲解説をされているので、是非ご一読ください。

こちらは主にエフオピ担当楽曲分について記述します。


私はここ数年仏教を勉強しています。信仰や宗教という側面ではなく、この世界の仕組み(真理)や心の動きを論理的に分析する思想体系だと感じたからです。
そして、2500年前に釈迦が読み解いた世界の真理が量子力学と驚くほどの親和性をみせるという事実に驚愕したからです。

そんなおり、般若心経の「空」の概念を独自の解釈による楽曲で顕したいという情動で創ったのが、2022年に発表したアルバム 「Jasminized Sequence」に収録した「nullexism」です。
しかしこの1曲で仏教に対する想いを足らしめることはできませんでした。

その後さらに原始仏教、上座部仏教、大乗仏教、そして密教といった膨大な視野や言葉の集合にちょっとだけ接しました。学び進めるとあちこちで起きる最先端の量子物理学との共振がさらに重なっていきました。
様々な角度や視点から楽曲として表現したいという想いが高まり、創り上げたのが今作アルバムでの以下4曲です。


dhamma anatta 
ダーマ アナッタと読みます。「諸法無我」のパーリ語です。
「諸法無我」とは釈迦四法印の一つで、本当は自分などいない的な意味ですが、解釈としては万物はすべて関係性(縁起・因果)によって成り立っていると理解しています。
自分というものは相手がいて、相手との関係性の上に自分が存在しているという意味です。

サビの詞に出てくるシッダールタとはゴータマ・シッダールタのことで釈迦の名前です。
この曲のコードは実はoasisのある曲からヒントを得ています。詞に似合わず元気な曲になりました。そしてハッチャキさんのドラミングが見事です。


三十三恩界
この中では一番古い曲です。ライブでもだいぶやっています。中村椋さんにカバーも作って頂きました。
日本百観音霊場(西国三十三観音、坂東三十三観音、秩父三十四観音)にインスパイアされた曲です。実際、わたしは百観音を達成しており、長野の善光寺にて証書を頂きました。現在坂東の2巡目を巡礼中。

四国八十八か所と同じく歴史が古く(西国三十三観音が最古)1300年前に発足した納経お寺巡りにて御朱印を頂く修行のことです。わたしは写経ではなく実際に般若心経を唱えます。
歴史が古いので巡る寺院をはじめお寺のある場所は昔のままのところが多く、そういった場所に生じる佇まいであるとか息遣いであるとか微妙な自然の空気感がエモいのです。
そういうところが曲を創る気にさせます。

バッキングは打ち込みのピアノでしたが、アルバムではライブ時のようにtairaさんの手弾きのピアノに差し替えました。エモいです。
歌詞の「おんあろりきゃそわか」は聖観音の真言です。


阿伽羅の矢
「あからのや」と読みます。阿伽羅とは仏教の経典「華厳経」に登場する数詞の一つです。10の224乗というどんでもない大きな数のことです。
仏教と量子力学の親和性を謳いたいという志で創った曲です。三十三恩界と対になるような発想でしたが、結果的にコード進行が似ているだけで意味的には対になっていないように思います。ちなみにAメロもサビも同じコード進行です。コードは同じでも上に乗るメロディを変えています。

制作途中からサビの歌詞と譜割がアクセント的になるなと判断し、エンタメ方面に舵を切りました。
なので、CD盤ではボーカルなしエディションを用意し、カラオケ的に歌えるものをと。歌いやすい曲だと思います。


wavesparticles
あるシンセサイザーをお借りした際、あまりの奥行きのある綺麗な音像だったのでアンビエント的なパーツを録音しておきました。それをベーシックとして使っています。

wavesparticlesはwaves、particlesという二語を連結させた造語です。
万物の最も小さいものは電子などの量子です。人も星もねずみも石もコップもすべて量子でできています。量子の振る舞いは「波」の性質も「粒」の性質も両方持っています。観測しないと「波」、観測したとたんに「粒」になります。それがこの自然界の摂理なのです。

同時にこの世界は常に固定されているものはなく、常に変化し続けています。電子は確率的に揺らいでいます。極めて刹那的と言っていいでしょう。すなわち諸行無常なのです。
我々でさえ37兆個の細胞は絶えず死んでは生まれてを繰り返しています。今のあなたは10分前のあなたではありません。
常に変化し続けています。すなわち諸行無常なのです。
を想って創った曲です。

この曲のアウトロで人声のような音がモゴモゴ聞こえますが、あれはスタジオでドラムレコーディング中のハッチャキさんとtairaさんの会話をエフェクト処理したものです。
そのあとで「波のように・粒のように」としゃべっているのはわたし。


最後にtairaさんとの共作

FTWG
あるゲーム会社からのオファーで作った曲をモチーフにしています。曲自体はOKでしたが契約上の関係でそのお話は中止になりました。
せっかく作ったのだから何かで日の目を見せようと思い今回のアルバムに入れました。
なによりtairaさんとの共作は久しぶりです。
メインの
中近東系ピアノリフ、力強いストリングス系メロを中心にその他ノイズっぽい音などをtairaさんが、それ以外はわたしがつくりました。
ハッチャキさんのドラムも入っています。




tairaさん曲である「Visage
わたしはこのアルバムで一番好きな曲です。イントロのピアノ進行のあと、鮮烈な低域と繰り出すグルーヴに一瞬にして耳を奪われます。全編で繰り広げられる切なさに似た希望のリフやメロディ。ミックスのエンジニアリングも見事。


そんなdewey deltaの4thアルバム

撚 -Nenn-

さぁどうぞお聴きください! こちらからどうぞ。


dewey delta オフィシャルサイト

各種配信サイト











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