2008/05/26

(No.467): 火星の枯れ尾花


DUCATI M400の復路。
井の頭通り三鷹付近の交差点で信号待ち。
四輪の後ろで二輪に跨ったまま無表情でいる。

ポンポンと筆者の右肩を叩くものがいる。
はうッと右後方を振り向くが誰もいない。
はて、気のせいだろうかと思った刹那、
今度は左膝をトントンと叩かれる。
がばだッと左下を見るがまたしても誰も何もない。

なんだ、新手の心霊現象なのかッ。
ここは暗くはなく、いやむしろ街灯というより
街自体の灯りで非常に明るく、且つ
クルマや歩行者もとても多い場所であり
現に筆者の前後には四輪がいるし、歩道には
歩行者も数多く歩いている。
こんな場所で筆者の身に何故このような怪奇現象が
起こらなければならないのだろう。

そんなことを0.3秒ほど考えていると、
ヘルメットの上をコトンコトンと叩く。

ヤバイッ、マジでポルターガイスト現sy
と、言うか言わないかの間に、
ダバボンダバボンダババババババッバボバッバババbと
親指ほどの巨大な雨つぶが豪勢に落ちてきた。

叩かれたと思っていた正体は
雨粒だったのだ。


それにしても、物凄い雨である。
一瞬にして、洗車機の中の状態と等価となる。

信号は青になりブロロロンとM400は何事もなく
エンジンを動かしているが
乗っている人間は、もう堪らない。
雨宿りをしようか、どうしようかと迷うことなど一切なく
土砂降りの中を一途に駆る。

ヘルメットのシールドが瞬時に曇る。
シールドを開ける。
親指ほどの巨大な雨つぶが、どっざと顔面を襲う。
シールドを閉じる。
シールドが瞬時に曇る。
シールドを開ける。
親指ほどの巨大な雨つぶが、どっざと顔面を襲う。
シールドを閉じる。

を、68回ほどループして帰宅。
着いて3分もしないうちに、雲が切れ星まで見える始末。


これだ。
これが梅雨のオートバイだ。最高。
M400の水をウエスで拭き、夜空を見上げて
火星に着陸した探査機フェニックスに想いを馳せる。

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