2016/10/28

(No.2487): ゴム製のお面


小学校5、6年の頃、興味があったのはゴム製のマスクである。
どういうものかといえば、今風に言えば「東急ハンズのパーティーグッズ売り場で売っているゴム製のお化けのお面」といえばいいだろうか。

その昔(40年以上前の昔)週刊少年漫画雑誌などの後ろのページなどに、そういういかがわしきモノを販売している怪しげなお店の広告が多かった。ゴム製の「う○こ」や「鳥の死骸」だとかに混じって、ドクロのゴムのマスク、なんたら妖怪とかのゴムのマスク、などを売っていたのだ。「ウン○」など、本物そっくりだった。筆者はそういうものが武者震いするほど好きだった。

なぜそんなものに興味があったのか。今思うと不思議でならないがおそらくもともと”怪獣”が好きだったからではないかと考察する。
小学3年かそこらのとき、父親に連れられ読売ランドかどこかで開催された円谷怪獣のイベントに行ったことがあり、そのとき初めて目の前で生の怪獣を見たのだ。当然、怪獣といっても怪獣の着ぐるみを役者が着ているものだが、実はその「怪獣の着ぐるみ」自体にものすごく惹かれたのだ。

そのイベントは遊園地の中を怪獣が歩き回っており(怪獣に付き添っているスタッフはいるが)怪獣に触り放題的なものだったので、触った感触や匂いなども強烈な印象だったのだろう。
ウレタンとかゴムとかラテックスとかそんなもので製作されたあの怪獣の着ぐるみは、実際間近で見ると独特のゴム臭がして、なんというか映画の裏側を見ているような非常にワクワクしたのを覚えている。
撮影後の着ぐるみだったりするので、腕の付け根の部分が破けたりしているものだから中の人の下着の一部が見えたりして、しかしそういうもの全てひっくるめて陶酔したのだ。


そんな体験が元になったのか、怪獣の着ぐるみ然としたゴム製のマスク(ぜんぜん然としてないが)で少しでも怪獣の着ぐるみに近づけるのではないか、今思えばおそらくそんなことを子供心に漠然と思っていたのだろうか。
小学校5、6年の筆者は欲しくて欲しくて、結局一番安いドクロ顔のマスクを買ったのだ。この手の通販店は現金のほかに切手で支払いも可能だったので当時集めていた切手を何の躊躇もなく、ゴム製ドクロマスクのために使った。
商品は郵便の小包で届き、しかし母親にいろいろと知られてこっぴどく叱られた。
こんなもの買って!お金はどうしたの!切手?おじいちゃんからもらった切手を売っちゃったの?あんたなにやってんの!!(怒


さて、ゴム製ドクロマスク。高いマスクは頭全体がすっぽりとかぶれるものだったが安いものは顔の前面だけのものだった。当然筆者の買ったドクロマスクは安物なので顔の前面だけ。しかし被ってみると子供の頭には多少大きかった覚えがある。口に当たるゴムの味まで思い出してきた。
そのマスクを被って脳内映画を自分で創り上げ「ウギュギャー、ドビュアー、ヒャヒェアー」などと一人芝居をやるのだ。小学校5,6年にもなって、だ。



すると、こういう残念な大人になれる。
ぜひお試しを。



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