2015/08/19

(No.2374): 万国誤字評議会(第二十七回)


筆者が嘗て遭遇した最高の誤字のひとつ。障害対応報告会議の席上で客先へ配布した資料。
「〜以上のことからこの障害の原因は●●●となります。」
と書くべきところ、
「〜以上のことからこの障害の原因は●●●と成増。」
となっていた。

正式報告書の文面で「なります」という文言の良し悪しは置いておくとして、突然の東武東上線の出現にその会議に出席していたこちら側関係者は皆凍りつき、しかしそれよりも笑いを堪えるのが必死で噛み殺し半笑い状態という正しく拷問であった。
「なります」を「成増」と打ち間違えた日本語変換ミスにまつわる誤字自体はもとより、客先へ謝罪を伴う会議という至極真摯にご報告申し上げる場面で、こともあろうに「成増」という誤字を印刷してお客様へ配布しているというこの状況が作り出す緊張と緩和の絶妙なるバランス感に、我々評議会は高い評価を与えた。

最近では「うるう秒」に関連した仕事メールで、タイトルは「うるう秒の対応」であるのにメール本文では全て「うるう病」になっていた。
メール本文:「2015年7月1日(水)は「うるう病」が発生する日として云々〜」
その日に発症するいもち病みたいな植物の病気か、と。気色悪い絵面を想像してしまう。残念ながらこちらは内部向けメールということもあり誤字に関しての指摘はあまりなかった。
しかし「うるう病」という字面を見てるだけで物語を想像できてしまうあたり、評議会としては高評価としたい。


ちなみに、この二つの誤字は同一人物によるものであり、筆者よりも一つ年下の同僚(当時)なのである。最初の「成増事件」は今から20年ほど前のことで、その人は当時は筆者と同じ伍長クラスの階級だった。
そして「うるう病」は今年の7月のことなのだが、しかし今やその人の階級は少将クラスである。誤字すらできない無能な筆者は伍長から二等兵へ降格させられたというのに、派手で豪快な誤字をするその人は20年後少将にまで昇格した。
現実はこれほどに愉快である。

(階級にどれくらいの隔たりがあるのか確認するためには以下の表を参照願う)
<特別付録 階級ツリー>
エ↑元帥
ラ|大将
イ|中将
 |少将 ←誤字の人(一つ年下)
 |大佐
 |中佐
 |少佐
 |大尉
 |中尉
 |少尉
 |曹長
 |軍曹
 |伍長
 |兵長
 |上等兵
ザ|一等兵
コ↓二等兵←筆者イマココ




なお、別の人物(故人)であるが、その人は万国誤字評議会において現時点で最高位に掲げられる伝説的で忘れられない誤字を排出した。
それがこれだ。

スットプ → (正:ストップ)
インフュメーシュン → (正:インフォメーション)

カタカナでこれを越える誤字を筆者は未だ見たことがない。



0 件のコメント:

コメントを投稿