2021/03/21

(No.2594): 一番嫌なのは自己紹介で名前を言う場面

先日のNHKドラマを観て、まったく同じ!そうそう!あるある!と思った。 

子供の頃から一番嫌だったのは自己紹介で名前を言う場面だった。
なぜなら筆者も吃音者だからだ。

特に苗字を言う時は”難発”になる。難発とは最初の一音が詰まって「きっ 。。きっ、きっ、きっ、、、」となる吃音である。ひどいときには息もできない。
吃音では特定の行(あ行か行などの行のこと)で出やすいという傾向があるが筆者も同様で出やすい行とほとんど出ない行がある。
一般の人がよく言うことに、どもってしまうのは緊張しているからだ、あがっているからだと指摘する人もいるが、それは大きな誤解である。吃音は緊張とは直接関係はない。
よく漫画などで緊張してるシーンで「な、な、なんということ!」みたいな台詞があったりするが、これは吃音ではない。あと、「噛む」という表現も吃音ではない。


子供の頃は喋るとほとんどどもっていたが、大人になるに従ってどもりにくくなったが自分の苗字や特定の行は今でもどもる。
ややこしいのが、大人になるとどもる言葉を別の言葉に言い換えて会話するので側から見るとそんなふうには見えない。
それと大人になると素の自分を隠して演技するようになる。演技中はあまりどもらないのだ。
あるいはリズムに乗ってしゃべったり、ある特定の言葉のあとに言うとどもりにくくなる、など喋る時に様々な工夫をすることで、吃音を遠ざけるようにしていた。

特に電話が苦手だ。
仕事の電話を掛ける場合、会社名や名前を言わなければならない。別な言葉では言い換えできない。
なるべくその場面を回避していたが仕事ではそうもいかず難発をかまし、発声までに長い「間」があったり、電話口で何か破裂音が断続的にしてるから 相手からはイタ電??「??もしもし?どちらさまですか?」とか何遍も言われるし、その電話を聞いている周りの連中の息を呑むさまがわかる。マジで血の気が引くという経験を何度もした。
あるとき、ある言葉を言った後に続けたらどもらなかった。この体験が脳に記録されたのか以降はその言葉を言った後だと概ねどもらなくなった。
ただし言葉のリズムのタイミングを外すとやばいけどね。へへーん

高校1年のとき、体育柔道の最初の時間、先生から、「おまえ、これ苗字なんて読むの?」と聞かれ、これはもう言うしかないので盛大にどもりながら言った。そのとき先生は無反応だったが、周りの生徒がざわついていた。
YMO増殖に収録されているスネークマンショーの「KDD」のギャグでは友達からエフオピみたいだなーとからかわれた。

しかしなぜか吃音であまり悲観したことはなく、中学の時はFMミニラジオごっこでどもりながら喋ってたし、高校生のときは喋ることがメインのアマチュア無線の資格も取ったし、「そのうちなんとかなるだろう」(植木等さんの曲)などとあまり真剣に悩んだことはなかった。
それは今も続いていて、筆者は今は勝手にこれも個性なんだと思っている。



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