2021/03/26

(No.2596): 寿司屋(回らない)

 筆者は中学生の頃、深夜放送にハマっていた。ニッポン放送のオールナイトニッポン。
中2の頃が一番聴いていた。

当時パーソナリティはこんな塩梅だった。特定の曜日ではなくおおむね全部聴いていた。
(1部のみ)
月・くり万太郎
火・所ジョージ
水・タモリ
木・自切俳人
金・つボイノリオ
土・笑福亭鶴光

平日は主にカセットにタイマー録音していた。ほぼ毎日聴いていた。そのカセットテープはまだ少し残っている。44年前のカセットテープ!

自切俳人が北山修さんと知ったのはだいぶ後になってからだった。
当時タモリさんはエロ変態な話が多くて変態お兄さんという印象で筆者は好感をもっていた。所ジョージさんは当時ほぼ無名で変わった歌を作ってアコギ弾きながら歌ってるお兄さんだった。

オールナイトニッポンを聴いていくうちに所ジョージさんの曲が気に入って、結局ファーストアルバムを皮切りにその後通算LPアルバム4、5枚は買ったと思う。
大人になってから(テクノ音楽ばりばりやってるのに)CDで買ったり、iTunesで買い直したほどに今も好きだ。

そんな所ジョージさんの「寿司屋」という曲がある。
「~ 寿司屋でコーヒーが飲めるわけもなく ~」というくだりがあるが、今なら、くら寿司とかで飲めるよなーとか思ったり。

と、ここまでが枕。


筆者はこの年齢(アラカン)になっても回らない寿司屋(カウンターのみの店)が怖い。というか、ほぼ入ったことが、ぬ。
思い返せば、20歳代のときに住んでいたアパートの大家さんに誘われて(おごりで)近所の寿司屋に入ったのが最後かもしれない。いちおうカウンターのみのお店で、口頭注文の回らない寿司屋だった。
でも、このお店はご主人がだらしなくて、なんとタバコを吸いながら寿司を握るという暴挙の店なのだ。納豆巻きを注文(回らない店で納豆巻き!)したら、コンビニまで納豆買ってきます店番頼みます。って店だったから食べる方もびろびろーーんとしてればよかった。料金も回転寿司並みだった。

こういう店は好きだ。


上述のお店は特殊案件として、一般的なカウンターだけの寿司屋でも「にぎり上」とか「にぎり松」とかのセットになってるものをぱぱっと注文すれば、対応できるんじゃないの?

否、回らない寿司屋の何が怖いって、カウンターで職人とのサシの掛け合いが怖い。

今日も冷えますねー とか
今日のおすすめのネタは何 とか
とりあえずビール とか

筆者はいわゆる「大人の」、「ちゃんとした常識ある大人の」 「食」のそれ というこのシチュエーションにおける職人さんとのコミュニケーションが、もうどうにもこうにも居たたまれず怖い。
結局寿司屋に限らないのだが、「ちゃんとした」美味しそうなお店(お高そうな)は敷居が高くて怖いのだ。

若いころならいざ知らず、もう人生も半分以上経験した人物が、何を怖がっているのだと思われるかもしれないが、歳を重ねてもどうにもならないことは多いのだ。楽しい。

ちなみに、寿司屋の詞の最後にある
「救いのミコは御母の胸に倒れ切っていた」が
「救いのミコは三鷹の駅で倒れ切っていた」というバージョンもあることを付け加えて終りにしよう。ではまた。




0 件のコメント:

コメントを投稿