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作家の決断力は至極日常的なものです。
私の琴線に触れるか触れないか
ただそれだけだからです。
好きか、嫌いか。
つまり 0 と 1 です。
好きか、嫌いか、という潔い判別も
良いのですが、そこはやはり
朝ご飯の目玉焼き納豆のように
極色彩を纏った穏やかな起伏も
欲しいところです。
そこで、2ビット琴線の場合を
考えてみましょう。
2ビット琴線は4つの状態を持ちます。
即ち、00、01、10、11 の4つです。
それぞれの値には小さい大きいといった
物量の意味を持ちません。
しかし値には意味付けをします。
例えば
00=まったく興味なしまたは嫌い
01=ほんの少しまたはある局面のみ好き
10=まぁまぁ好き
11=琴線ダントツに弾かれました
という具合です。
ご覧のように2ビットなので4段階しか
ありませんが、4ビット琴線の場合は
16段階の状態を持ちます。
即ち、
0000
0001
0010
0011
0100
0101
0110
0111
1000
1001
1010
1011
1100
1101
1110
1111
の16段階です。
つまり琴線の弾かれ方を16段階に
細分化して決める事ができるのです。
同じ手順でさらに進化させてみましょう。
8ビット琴線の場合。
256段階の状態を持つことができます。
00000000
00000001
〜
11111111
全部書くのが面倒臭いので省略しますが、
ご覧の通りさらに細かい状態、状況を
表現することができます。
なんと256段階もの細かさで琴線の
弾かれ方を決める事ができるのです。
これはもう別次元です。
147段階目と148段階目の違いは
もはや我々の感覚では認知できない
かもしれません。
ところで
16ビット44.1KHzのオーディオは
現存するCDのクオリティですが、
この16ビットというのは同じ手法で表すと
65,536段階の状態をもつ事が分かります。
0000000000000000
0000000000000001
〜
1111111111111111
44.1KHzはサンプリングレートですから
1秒間に44,100回のサンプリングを行う
ということを意味します。
その1回のサンプリングで使われる情報量が
16bitのつまり65,536段階の細かさで
記録できるということです。
「あ、それからねオバァちゃん、
オバァちゃんまさか林さんの奥さんから
婦人会の会費受け取ってないでしょうね」
「受け取ってりゃお前に渡すよ」
「そうよねぇ」
「そうだよ」
「それが林さんの奥さん確かにオバァちゃんに
渡したって言うのよ、先月の末」
「受け取りませんよ、、、、あ・・・?」
「なぁに?」
「ちょいと待っとくれよ
・
・
・
これかい?」
「っ、そうよ、これよ、どうしてオバァちゃん
早くあたしにくれなかったのよ」
「だってお前」
「だって何さ、お陰であたし方々で
恥かいちゃったんだよ、
よっぽど気を付けてくれなきゃ
あたしゃこの組の組長なんだからね
悪い事ぁみんなあたしの所為に
なっちゃうんだからね
やんなっちゃうよ耄碌しちゃって
オバァちゃん、
あんたもうほんとに楢山だよ
とっとと逝っとくれ
まったくやんなっちゃうよ、
ろくなことありゃしない
かかなくていい赤恥かいちゃって
耄碌しちゃって、やんなっちゃうよ、
んん、ほんとうに仕様がないねぇ」
・
・
・
「んふ、なぁに言ってやんだか
一人で大きくなったような口ききやがって
さんざっぱら世話焼かせやがって
ろくでもねぇ亭主とくっつきやがって、
ふん偉そうに、
あんなガキひりだしやがって、
何言ってんだか、あーあ」
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