2015/02/06

(No.2302): 徒然ドラムからの履歴(2)


前回までのあらすじは ココ


deweyを結成した2006年当時、一番やりたかった
ことはtaira師のエレクトロな楽曲に筆者の
へぼへぼ生ドラムを重ねて演奏するライブだった。

KRAFTWERKに代表されるようにドラム自体も
全て電子音で構成する業態も当然好物である。
しかしブルースバンドで培った似非ドラムを
シーケンサーと同期して演奏することは
この業界に入ってからの標榜の一つであったし
そもそも電子音と生ドラムのミックスは
音響的にはもちろんライブという場において
つまり見世物としても大変魅力を感じていた。

ご存知の諸兄も多い事と思うが、所謂
打ち込み音楽で生ドラムを並走する場合
ドラマーは打ち込み曲のBPMや拍がわかる
ガイド信号を聞きながら演奏するのである。
古くはYMOがプロフェット5でわざわざ作った
”キ・コ・コ・コ  カ・コ・コ・コ” の
「クリック」が有名である。

筆者はdewey結成以前でもstereogimmikという
テクノバンドでクリックを聞きながら
電子ドラムを立って演奏したことはあった。
だからシーケンサーと人力同期すること自体は
既に経験していた。
イメージはわかっていたつもりだった。

しかし、聞くとやるとじゃ大違いを実感する。

筆者はクリックは嫌だった。
それでなくてもヘッドフォンをしてドラムを
叩くと自分の太鼓の音が聴こえ難くなって
演奏してても面白くないのである。
だから、どうせ聴こえないならせめて
バックトラックを聴きながら叩きたい
そう思った。
とはいえ実際は物理的技術的問題で
クリック音のみ別出力ができなかったことも
理由の一つである。


とにかく、うまく合わない。
バックトラックと生ドラムの同期。
バックトラックにはガイドとなる目印の音を
入れたりして工夫もしたのだが
実際ライブ演奏中にそのガイド音が聞こえなく
なったりして拍を見失うこと枚挙に暇がない。
いやそもそも筆者のテクニック不足で安定した
BPMで叩けない問題の方が大きかった。

ひょろひょろとした不安定なリズムが
正確な電子音シーケンスとからまる気持ち悪さと
いったら筆者の右に出る者はいないだろう。

2011年8月のライブを最後に筆者はスティックを
置いた。(そして折った)
戻ろうと思った。
鍵盤とスイッチとノブとフェーダーの人に。


以来、ドラムは叩いていない。
でもパラディドルは続けている(たまに)






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