2016/03/01

(No.2438): 妖怪「不完全小節」現るの巻



二月最終金曜日夜、deweyのリハにてスタジオ入り。
deweyのリハは各自室で創り上げて来た自称珠玉の音塊をぶつけ合う儀式であり、過日のtaira士の記録にある通り両者の帯域が重なる時の現象を初めて観測する場でもある。





ここでdeweyライブシステムについておさらいをしておこう。
deweyライブシステムは筆者のMacBookProのAbletonLiveをテンポマスターにしtaira士のMacBookPro AbletonLiveを駆動する式であり且つAbletonLiveはライブ全体を一つのプロジェクトで管理している。
即ち、一旦スタートしたら止めることは許されない。即ち、両者の音楽的或いは非音楽的要素のアレやコレは、どの位置においても完全に同期していなければならない。
当然曲ごとにBPMは異なるうえに、変拍子の曲もある。863小節から4/7拍子、871小節から4/4拍子といった具合である。



スタジオでのリハ、最初の一廻し目、最終曲の途中でtaira士のダメだしが出る。同期がズレているという。各自の小節数を読み上げ、拍子変更マーカーの位置を確認する。


taira士「あ、4拍子に戻すマーカーがありませんでした」
筆者 「あっはっはっそれですね」


マーカーを挿入し音を出して確かめる。まだズレている。taira士側の音が1拍喰って入ってしまう。
taira士AbletonLiveスタンドアロンではtaira士制作用バックトラックとは一致しているため、筆者のライブ本番用バックトラックの開始位置がズレているのではないかということで、AbletonLiveのスケールを最大拡大して確認する。案の定、数ミリセコンドのズレを発見する。


筆者 「あ、曲の頭が小節頭に合ってませんでした微妙にズレてます屠ってください」
taira士「あっはっはっそれですね」


小節頭にキッチリと合わせ音を出して確かめる。しかし何としたことかまだズレている。taira士側の音が一拍喰って入ってしまう。
各自の小節数を読み上げ、拍子変更マーカーの位置を再度確認するも問題なし。同じBPM、同じ小節番号、同じ拍子であるにもかかわらず1拍分筆者が多い勘定。どこをどうやっても、合わない。時間ばかりが過ぎてゆく。

もはやこれは、

筆者 「こりは、れ、霊障ですろ」
taira士「れ、霊障ですろ」


トラブル対応で時間の半分を使い切り解決をみないままスタジオ終了。


忸怩たる想いで帰宅。
筆者とtaira士のプロジェクトファイルの一体どこがどう違うのか検証するために本番用バックトラックのみを残したものをtaira士へ送付。taira士側のプロジェクトに貼り付けてもらって検証した。

一目瞭然だった。筆者のプロジェクトが何故か1拍分多かった。
その1拍分について、その後ようやく原因がわかった。

「不完全小節」なる存在が原因だった。
「不完全小節」とは拍子変更マーカーの挿入によって音楽的矛盾が発生する場合があり、その矛盾をフォローするために「不完全小節」なるものをAbletonLiveが自動生成するらしいのだ。その「不完全小節」は画面上ではグレー色(というか斜線)で表示される。このグレーの中途半端な小節なんだろうとは思っていたが、それが「不完全小節」なるものとは今回のことで初めて知った。

本件の1拍分の違いとは、この「不完全小節」の長さが筆者とtaira士とのプロジェクトで異なっていたのだった。筆者の「不完全小節」は3拍で1小節だったのに対し、taira士の「不完全小節」は2拍で1小節だった。この1拍の違いが原因だったのだ。

双方のプロジェクトから「不完全小節」は削除した。
さぁこれで完璧に同期できる。
はずだ。(実は最終確認は、ライブ当日のスタジオゲネプロにて確認なのです)




日々是、修行。



0 件のコメント:

コメントを投稿