2013/08/15

(No.2040): 晃一郎と吉之助(八月二十六日 提唱会前夜)


「しっかしなんてぇ暑さなんでぇ」

二階家のこの部屋の表通りを見下ろす
一尺ほどの小窓も、襖も、大仰に開け放たれ、
少しでも風を通そうとしているものの
熱気だけがむんと部屋の中に蟠っている。

晃一郎は浴衣の前ははだけさせて
ふんどしすら外そうと股ぐらをいじりだした。

「おめぇ、ちっとひとっ走り行っちくれねぇかい」

股ぐらをご執心しながら声を吉之助に差し向けた。
吉之助はといえば着物を上半身からめくりあげ、
畳の上の冷たい場所を探して蠢いていた。

「へ?こんなくそ暑いってのにどこへ行けってんで
おいら、嫌ですよ、こんな日におもてぇ出るなんて、
だいてぇ、しゃべるのも億劫ってやつで」
「そんなこと言って、おめぇはよくしゃべってるぜ」
「嫌なもんは嫌ですよ、晃さんこそ自分で
おもてぇ出てみりゃいい」
「なんでぇ今日はずいぶんとつっかかるじゃねぇか」
「だって、六月のデーブイデーまだ観てねぇんですぜ」
「六月?」
「提唱会ですよ、軍装のあの二人の」
「そいつぁ丁度おあつらいだぜ」
「へ?」

晃一郎はスリープ中のMacBookAirを叩き起こしながら
画面に黒く抜かれた鳥の印の画像を映した。

「おめぇ、ひとっ走りここへ行っちくれや」

吉之助は憂鬱そうに身を起してMacBookAirの画面を
覗き込みながら

「なんです、この黒い鳥は、ここへ行けって?」
「こいつは屋号なんだがよ、ここに八月の提唱会の
切符があるからよ、もらってきてくれよ」
「提唱会の!八月?!」
「そうかおめぇに言ってなかったか、例の六月の
提唱会に琴古主が出た話はしただろう、
そのための厄払い的な提唱会さ」
「琴古主の!」
「もっともそれは外面だけの話で、実際は
上野区独立のための街宣活動なんだろうよ」
「八月のいつなんで」
「そりゃおめぇ、八月の二十六日でぇ」
「晃さん、おいら聞いてねぇよ」
「ああだから、おめぇわりぃがよ、ひとっ走り
お願げぇしたいのよ」
「おいらも観てぇよ、生でよぉ」
「あたりめぇよ、おめぇのために言ってんだぜ」

吉之助はそれを聞いて張り切って階段を掛け降りた。
掛け降りようとしてはたと止まった。

「晃さん、ところで屋号はなんてんで?」
「屋号かい、
ツクグロウっていうんで」







2013.08.26(MON)大塚Deepa
■title:〖masterpeace〗meets〖Bar URASHIMA〗
■OPEN/START 18:00/18:30
■ADV/DOOR ¥2000/¥2500(1DRINK CHARGE 別途¥600)
[Live]
18:30 - 19:00  Kasai (a.k.a drowsiness)
19:20 - 19:50  dewey
20:15 - 20:45  VUMF
21:10 - 21:50  nego

BAND LIVE END ~ 
 DJ Bar URASHIMA TIME to till morning!!

[RESIDENT DJ] 
Macho
Hoshiya
広ヰ茶魔
おにる


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