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昭和40年代前半、小学2年ぐらいのボク。
親に連れられて新宿のアンダーグラウンドなバーに入る。
丸いテーブル。厚手の臙脂色のテーブルクロス。
中央にアルコールランプ。
薄明かり。
大人はワイングラスで赤いワインを飲んでいる。
ボクはオレンジジュース。
甘いだけで美味くない。
つまらない。
早く帰って怪獣ごっこしたい。
銀座の道。
親と歩道に立っている。
アスファルトというかコンクリートというか
その中間のような歩道。
細かい石のつぶつぶが断面になって
滑らかに奇麗に浮いて見える。
誰かが捨てたガムが粘着力もなくなってビターッと丸く
歩道にこびりついている。
たばこの吸い殻が多い。
こちらも歩道に踏むにじられて平たくビターッと
貼り付いている。
ほどなく歩くと瀟洒な小さいレストラン。
ナポリタンのようなカレーのような
ケチャップやカレーが焼けたような
香ばしい匂い。
お腹が空く匂い。
中央線。72系のチョコレート色。
101系オレンジ色も走ってるけど、
やっぱりリベットむき出しのチョコレート色が好き。
連結のじゃばら。
危ないからだめと親に言われるけど
連結部分の上に乗ってじゃばらを触るのが
とっても好き。
帰りは武蔵小金井の西友のおもちゃ売り場で
怪獣の人形を買ってもらう。
350円。
今日みたら大魔神があって欲しくて欲しくて。
土曜の昼は母の手製アメリカンドッグ。
見よう見まねなのか、あまり美味くはない。
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