2024/02/07

(No.2654): クルマ奇譚(フォルクスワーゲン・タイプ3 編 エピソード2)

 前回のあらすじ



そんな納車日のハプニングがあったものの
筆者のフォルクスワーゲン・タイプ3
そのあと1ヶ月半くらい(短か!)はとても快調に走った。
たまたま空いた平日の初秋、
山梨県O市までぶらっとドライブしたり。
クワイエットマフラーの重低排気音が心地よい。

とはいえ、
納車日のガソリン漏れ事件があったので
自分でできる範囲でエンジンルームの整備はしていた。
いや、整備などではなく素人が部品の劣化などを
目視するくらいだが。


1987年10月下旬のある日。

数日前からエンジンの掛かりが悪かった。
でも何回かセルをまわせば点火していたので
それほど気にしていなかった。

人を乗せて都内を走行中のこと。
場所は、
原宿駅の先、明治神宮前の代々木公園通りと
渋谷のファイアー通りとの交差点。
そこを原宿駅方面から代々木公園通りへと
右折するため交差点の真ん中まで進んだら
突然エンジンが止まった。

焦ってセルを回すがまったくエンジンは掛からない。
セルは元気に回る。
燃料ポンプの機械音もしているので燃料は流れている。

クレイジーキャッツ植木等さんの「ハイそれまでヨ
の2番歌詞とまったく同じ状況。
ガタンと止まって、ハイ、それまーでーヨ〜

万事休す。このまま交差点の真ん中で
止まっているわけにもいかない。
同乗者にも車から降りてもらい、
二人で押してなんとか代々木公園通りの路肩まで寄せた。

あの場所をご存知の方なら想像して欲しい。
あの場所で交通を妨げながら車を押してる図。
見物人まで出る始末。
1987年とはいえ現在と変わらぬ交通量
むしろ当時の方が多かったくらいだ。
人もたくさん歩いてた。


路肩に止めて少しほっとしたが
エンジンは一向に掛からない。
近くにあった公衆電話ボックスから
欧州中古車販売店Wへ救助要請を掛ける。

社長が電話に出たので状況を説明したら
エンジンのここを見てください、
などのいくつかの確認ポイントを教わった。
今のようにスマホなんてない時代なので
電話を切ってから車に戻り、
今聞いて覚えた内容でなんとか作業してみた。

もうハッキリとは覚えていないが、
コンデンサの取り付けがガタガタで
接触不良が原因ぽかった。
しかし結局コンデンサ自体も
不良だったことがあとからわかる。

果たしてエンジンは掛かった。
掛かりましたー!(泣)
と折り返し電話したのは覚えている。
また止まったらいつでも連絡ください
と社長は言って電話を切った。


その日は自走できたので帰れた。
ところが、それから2週間くらいしたある日。

その日は夜からの仕事だったので、
午後に仕事場へ向かって青梅街道を走行していた。

東京N区あたりの青梅街道。
16時頃だったと思うが新宿方面が大渋滞で
まったく動かない。
フォルクスワーゲン・タイプ3のアイドリング
重低排気音とカーステレオでYMOのテクノデリックを
聴きながら、仕事間に合うかなー、
などとぼんやりと想っていたら突然
エンジンがガタンと止まった。
またか!


フォルクスワーゲン・タイプ3編 エピソード3 へ続く



車歴参考年表



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