2024/02/10

(No.2656): クルマ奇譚(フォルクスワーゲン・タイプ3 編 エピソード4)

前回のあらすじ


筆者はこの頃ICONOMIXというテクノユニットを
友人Y氏とやっていた。
1987年12月31日
大晦日に路上ゲリラライブをやろうということで
フォルクスワーゲン・タイプ3
シンセ2台、DAT、アンプとスピーカー
そして発電機を積み込んで渋谷の代々木公園通り
代々木公園近辺まで行った。

夜、NHK紅白の終わる頃を見計らって
代々木公園の道路側で音を出した。
YMO/BGMの楽曲を中心にやる予定だった。
1曲目の「バレエ」を演奏始めたら見物人が集まって来た。
ところが年末警戒にあたっている警察官数人も
すぐにやって来て中止させられた。

組んだと思ったら、すぐバラシ。
37年後もまだやってるとは。


1988年1月1日
年が明けた深夜のその帰り道、
欧州中古車販売店Wに寄った。
当然お店は閉まっているが、外に展示している販売車両に
気になっている車があったので見に行きたかったからだ。
それはルノー5だった。(ルノーサンクと発音する)

年末にお店に入って来たのは知っていた。
ワンオーナーで程度がいいという話だったし
フォルムも格好良い。
あの車はきっと故障はしないんだろうな
という予感がビビビときていた。

Y氏が、もう買っちゃえば!とけしかけていたが
いやー買えないよーとその場は答えておいた。
しかし本心はかなり揺らいでおり、
もう故障しない車に乗りたーいと心底思っていた。


そしてそれが決定的となる。
梅の花が咲き始めた2月頭。
仕事の帰り、フォルクスワーゲン・タイプ3で
井の頭通りを走行中、突然ギアが1速にしか入らなくなった。

デジャヴ?!昔マークIIのときにも同じように
1速にしか入らなくなったことがあった。
あのときは固着している感じだったが
今回は1速以外スカスカ。

運の良いことに(運とは?)
欧州中古車販売店Wに近い場所だった。
エンジンは回っている。
走れるんだから上等じゃぁないか、なぁ君。
もはや半笑いで1速だけで走る。

お店に着くなり筆者は社長にこう言った。
ぼくにはもうこの車に乗る資格はありません
ルノー5と交換してください。

さすがに交換というわけにはいかなかったが
かなり融通をして頂き
フォルクスワーゲン・タイプ3を下取り
ルノー5を契約した。


後日談
その1ヶ月後くらいに某中古車情報誌を読んでいたら
筆者のフォルクスワーゲン・タイプ3が
相模原の中古車屋さんで60万で売りに出ているのを見た。
諸行無常。



ルノー5TL編  へ続く


車歴参考年表


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