2024/02/08

(No.2655): クルマ奇譚(フォルクスワーゲン・タイプ3 編 エピソード3)

 前回のあらすじ


またか!と焦りながらセルを回すが
当然のようにエンジンは掛からない。
渋滞が動き出しても
筆者のフォルクスワーゲン・タイプ3は不動のまま。
後ろの車がプップーとクラクションを鳴らす。
わかってますわかってますいまやってます!


万事休す。(二回目)
何度もセルを回して神に祈った。

運の良いことに(運とは?)
ちょうど目の前がN区警察署だったので
どうされましたー
と警察官の方が出てきてくれた。

エンジン止まっちゃってかからないんですうー
と半泣きで告げると、
ここではまずいから、路肩へ寄せましょう

そう言って警察官の方数人と筆者で
道を挟んだ警察署の向かいにあった工務店の
空き地へ車を押してくれた。

警察なので交通整理もしていただきつつ、
工務店の方へも
少しの間車を置かせてくださいと交渉して頂いた。

警察の方に事情を話し
これから一晩仕事に行かねばならぬので
明日の午前中までここに車を置かせてください
とお願いし、この日は地下鉄で仕事場へ行った。


くだんの欧州車中古車販売店Wへ連絡。
それは大変でしたねーちゃんと修理しましょうか
ということになり、(いまごろ?)
夜のうちに社長さんとメカニックさんが
メルセデスベンツ!でフォルクスワーゲン・タイプ3を
引き取りに向かった。
ベンツにけん引されてお店まで運んだとのこと。

結局
電装系の部品を新品に交換することになり
2~3週間入庫ということになった。



代車あるからこれに乗ってていいですよ。
と社長が言ったその代車はなんと
トライアンフ TR7だった。

現在筆者が乗ってるオートバイと
同じメーカートライアンフ。
トライアンフは昔は四輪も作ってた。

この車、とてつもなく車高が低く、
極端な言い方をすれば寝そべって運転する感じ。
今はなきイギリスの誇る2シータースポーツカーだ。
代車の色はあずき色だった。
低音のエキゾーストノイズがまたそそられる。
代車なのであまり遠出はしなかったが
それでも借りている最中はけっこう乗った。


しかしこのトライアンフ TR7もまた一癖あった。
水温計がすぐに高い値を示すので
クーラントを補給するが、すぐにまた上がる。
確認したら案の定ラジエーターから冷却水が
漏れている。

おいおいまたクーラント浴びたりしないよな
と思いつつ、まぁ代車だからいいかと。
乗るたびにクーラントを補給していた。

ある日クーラント補給をせずに近所を走っていたら、
水温計がMAXオーバーヒートしエンジン付近から?
白い煙が立ちのぼった。

少し先にクリーニング屋さんがあったので
事情を話して水道水を分けていただいた。
やかんに入れた水をラジエーターに直補給。


欧州車中古車販売店Wから修理完了と連絡。
短い間だったがトライアンフ TR7に乗れて楽しかった。
ラジエーターから水漏れてましたよと伝えておいた。

さぁ、
生まれ変わったフォルクスワーゲン・タイプ3
これでエンジンも止まることはあるまい。
確かにその後は順調快調だった。
しばらくの間は。
そして1987年12月年末。



フォルクスワーゲン・タイプ3編 エピソード4 へ続く


車歴参考年表




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