2014/08/16

(No.2231): 箱の中の人


ディズニーランドに存する
ビッグサンダーマウンテンに搭乗する時に
歩くアトラクショ内の建造物や
建物内のようなところ。
そもそも遥か昔からここにあった建物なのか
それともテーマパークにあるように人工的に
作られたものなのか判然としない。

わたしはそこを歩いている。

わたしは確認をしなければならない。
何をどのように確認するのか思いだせない。
しかし確認が必要なのだ。
確認が必要なのだ。
しかも困ったことに小便がしたくなってきた。
まだ耐えられるだろうが
今のうちにしておかないと厄介だ。


天井はよく見ると洞窟の天井のような感じ。
床も土のようだ。といっても固く
踏みしめられた土間の地面のようだ。

木の箱。
長方形で長い。
それがこの土間のような場所に置かれている。
高さは40cmくらい
幅も40cmくらいで長さが2mくらいある。
木目もわかる木の箱。

その木の箱の上の面に、5cm×20cm
くらいの大きさの四角い穴が開いている。
いや正確には穴ではなく、四角く切り抜いた
あとに、その抜いた四角い部材を一回り削って
少し小さくなった四角い板をはめ込んである。
そして四角の四つの角は丸く加工してある。
その四角の嵌め板が箱の上面に等間隔に
いくつも並んでいる。



一番左の四角の嵌め板のところが若干濡れている。
見知らぬ男がやってきてわたしの右側に立った。
その男はカーキ色の厚手の布のようなものを
纏っている。
その所為か全身のフォルムが判然としない。
その男が、濡れている一番左の四角の
嵌め板のところを手でなでている。

わたしは思った。
「汚いなぁ、これは便器なのに」

何故そう思ったのかわからない。
しかし気付くと何人もの男がそこへ
小便をしている。
ほらやっぱり男性用小便器じゃないか。

わたしもさっきから小便がしたいのだ。
これはおあつらい向きだ。
ここで小便を思いっきりしようじゃないか。


一番左に立ってさぁ小便をしようと
四角の嵌め板のところを見ていると
その四角い板が上下に動いているではないか。
よく見ると、その四角い板の下に人が居て
その人が微妙に動いているのだ。
その板は「中の人」の頭頂部に
取り付けられている。



そうか、40cmの高さだが
箱の下に人が立てるくらい土の下を掘って
あるのか、と合点がいった。
しかし小便をすれば「中の人」に必ず
かかってしまうのではないか。

いくら仕事とはいえそれは可哀そうだろう。
ここで小便はしないことにしよう。




猛烈な尿意で目が覚めた。
「中の人」がいなかったら
あぶなく寝小便をするところだった。



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