2016/02/09

(No.2430): テクノカット歴35年


筆者が若い頃、おっさんやおばさんが自分の若い頃の話を嬉々としてするのを見るにつけ、ウゼーそんなのぜんっぜん興味ねぇやと思っていたので速やかに今から筆者の若い頃の話をする。

先日の「九枚の話」の解説からも分かる通り筆者が音楽を始めたのは大学からなのだ。
「そういうこと」に開眼するにはだいぶ遅い方だろう。大抵、子供心のカッコつけマン的発想で中学くらいに虚勢をはる的な塩梅でギターをやりはじめたりする人が多いと思う。
現在40代後半でテクノ系で頑張っている方々のエピソードだと小学とか中学時代にYMO聴いてハマりましたとかよく聞く話だ。

翻って筆者の場合、中学、高校時代では一切音楽に興味はなかった。例外として所ジョージ氏、自切俳人氏、つボイノリオ氏は聴いていた。音楽というよりは変な歌歌ってる人というカテゴリだ。

小学時代は怪獣と妖怪と電車だったし、中学では鉄道模型と無線とプラモデルとモデルガン、高校時代はアマチュア無線の資格を取った電子工作に没頭している鉄道研究部の副部長であった。そんな筆者は毎週末秋葉原界隈を練り歩いたいわゆる第0期生である。ちなみに1970年代後半の秋葉原は電子部品街と無線関係で埋め尽くされていた。
アニメどころかコンピュータのコの字も存在しなかった。

そんな筆者が1981年大学1年に成り立ての6月頃、その年の2月に発売されていたYMOの「BGM」というレコードアルバムを”偶然”聴いて、筆者の心は砕け散ったのであった。
当時YMOといえばワールドツアーも行い、セカンドアルバム「ソリッドステートサバイバー」のミリオンセラーで大成功を収めたバンドだった。「ライディーン」などは有名な曲だったのでラジオで聴いてはいたが、正直全く興味は沸かなかった。

ところがこの「BGM」の曲といったら同じバンドなのかと思うほど暗転しているのである。当時の世相や流行りの音の方向性から考えてもこのアルバムの曲は異質過ぎた。2016年の今聴くと違和感はなくなっているが。迸る感性の渦が半端ない。

「BGM」の中では不人気曲の「ラップ現象」がいい。幽玄なシーケンスもさることながらハーモナイズされた 細野御大の歌(ラップ調)の空気が好きだ。
「カモフラージュ」の完成度を超える曲を私は知らない。
「マス」でテクノを学んだ。


なおその後随分経ってから改めてYMOのファーストとセカンド(ソリッドステートサバイバー)を聴いてみたら「simoon」や「INSOMNIA」など裏の名曲数々の凄さを目の当たりにし頭を垂れる。
筆者は1981年7月1日に髪型をテクノカット(もみあげを水平にカット)し、現在までそれは続いている。








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