2013/07/11

(No.2020): アナログ・シンセは諸行無常


ちょっと目を離している隙になんなんだこの一転回帰現象は。怪奇現象ではない。いや、実質は外れてはいまい。
すなわち、いま巷で盛り上がっておるアナログシンセ祭り(流行り)。

しかし、筆者は知っている。
似非アナログシンセ祭りだということを。誤解を招くので訂正しよう。正確には、筆者指定のホンモノもあるが筆者認定のニセモノもある、のだ。

言い募れば筆者の独断と偏見により定義されたアナログ・シンセサイザーという楽器には音色メモリーなどない。ましてや、液晶画面なぞを付けて情報量を多くしたりするそういう合理性など、一切合財いらぬ。
でもアルペジェーターはあってもよい。

つまり、LFO、VCO、VCF、VCA、ENVというシンセサイザーのフォーマットは全てアナログ部品で実装されているにもかかわらず音色メモリーだの、各ノブの値を液晶デジタル表示するような、そういった機能を持つシンセは、筆者のアナログシンセのカテゴリにはない、ということだ。
でもアルペジェーターはあってもよい。


それと、これは当たり前過ぎて書くのも憚られるがノブやスイッチがズラーっと並んでいるからといって、アナログ・シンセサイザーとは限らない。
つまりオシレータがDCOであとはVCFとかのやつ。これは所謂アナログモデリングでありデジタル楽器である。
例えば、NordLeadとか。ちなみにNordLead2持ってるけど、素晴らしい楽器だ。


VCO(ボルテージコントロールドオシレータ)はだいししょいしチューニングという儀式が必要だ。DCOではそのイラつく時間を持たない。
ったく、なんだよチューニング合ってねぇじゃん
とか、
さっき合わせたのに暖まってきたから
フラットしてきたよ
とか、
そういう非合理性は、DCOにはない。いつでもどこでもビシっとAの音は出る。

だから、真の漢のアナログシンセというものはこうでなくてはいけない。即ち、LFO、VCO、VCF、VCA、ENVなどを駆使して丹精込めて作り上げた音のパラメタ群、長時間かけて作ったであろうその各種設定値、それはその時だけのものであってそれを記憶させておこうなどと思ってはいけない。
一期一会だ。

次の音を作る時には、今のその設定はイニシャライズしなければならない。この世から消えてなくなる。

つまり、アナログシンセは諸行無常であるべきだ!

「ドドーーーーン」
「ピーガーーーーー」

(波の打ちつける陸橋を列車が走ってくる図)
(ドドーンは波の音、ピーは汽笛、ガーは列車の音)
(泉昌之風に)



それじゃライブで使うのは不便だと?何を言っておるのだ。音を作る工程すらライブじゃないかねキミ。


なお、最後に言っておくがアナログ・シンセ信仰ではない。アナログ・シンセ、当然好きではあるがライブのこと考えると萎える。だってー持ち運ぶのも重いしー、だいたいセッティングでの配線地獄は身をもって体験している。
音の存在感は抜群だけど、いちいちチューニングなんぞしてられっか、それだったらむしろ狂ったキーのまま演奏する的な筆者指定の諸行無常はこんな感じ。

DOEPFER MS-404
DOEPFER Dark Energy
Arturia MiniBrute
MFB NANOZWERG


あとこれはアナログシンセではないがめちゃくちゃマニアックで素敵な機械。現在は生産中止なのが寂しい。こういうのもう少し安価で出ないかしら。

FLAME Midi Talking Synth











0 件のコメント:

コメントを投稿