2014/02/28

(No.2144): スティックを折った理由


筆者の三十余年に及ぶ音楽活動歴は
概ね電子雑音こねくり回し系に属している。
しかしその時間軸においてエレクトロニック系
以外の音楽、バンド活動というものも同時に
やっていた時期があり、その時期は延べ
十年間ほどだろうか。

1987-1989年くらいに大学時代の友人
だったK君から誘われて「モビーディック」という
ベタベタな名前のハードロック系バンドで
キーボード奏者として。
2003-2006年くらいにかけて会社仲間での
「パニック・コッシー・コースター(PCC)」という
トホホ昭和歌謡含みのロック系バンドで
ドラムを、その後2008年まで同じく
会社関係で「フジオフィーバー」という
ブルースロック系バンドでこちらもドラムを担当。

所謂普通のギターバンド(ギター、ベース、
ドラム、ボーカル)でロックンロールや
ブルースなんかを演奏した経験は現在までの
様々な音楽のシチュエーションにおいて糧に
なっていることは間違いない。
有り難く思っている。
しかし、とはいえ筆者のようにまったく見当違いな
ジャンルの音楽をやっているバンドに入っての活動
というのは正直完全にはノリ切れなかった。

ではなぜ続けられたのかと今、改めて鑑みれば
それはドラム演奏そのものが楽しかったから
という一点のみだった気がする。
演奏している音楽についてはやはり馴染めない
ものが多かった。ただ並行して活動していた
stereogimmikやdeweyが自分にとっては
メインであるという誇りがあったので
続けられたのだろう。

だから第一次dewey〜第二次deweyにかけては
ドラムを担当した。今度は好きなエレクトロニックな
楽曲で思う存分ドラムを演奏したかったからだ。
この頃からドラムの通信教育なども受け、一応は
正式にドラム演奏の基礎を身に着けた時期だ。

そして壁にぶつかり、つまずき、転び、絶叫し、
スティックを折った。
折りまくって捨てた。放物線を描いて捨てた。
元居た場所に帰ろうと思った。
ノブやスライダーや鍵盤を駆使した電子音塊の海へ。
わたくしの居場所はここだった。






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