2013/05/15

(No.1980): 唐突に思い出したサンレコのこととか


筆者はサウンド&レコーディングマガジンを
創刊号より購読していた。
「いた」という過去形で物語る場合の作法として
それは「今」ではないことを意味する。
なぜならここ5年くらいは、ほんのたまーに
買う程度になってしまったからだ。

なぜなら、それはもう、もどかしくて
整然と読んでいられないからだ。
新しい機材やソフトウエアなどには当然興味はある
のだが、DAW音楽制作のハウツー的な記事を
見るにつけ、もう、もどかしくて読んでいられなく
なるのだ。

DAW初心者とか、そういう言い方も好きではないが
そういう方々向けの記事なのであろうが、さらに、
たくさんの人々にDAWの楽しさを知ってもらおうとか
さぁキミも誰それみたいなイカしたリズムループを作ろうとか
そういうのは、裾野が広がって業界の活性化にもなるし
いいんじゃないでしょうか、
いや本当に、全然いいんだけども、
筆者個人の想いとしては
そんな方向がどうにも読む気をなくしてしまうのだ。


サンレコは創刊号から1980年代を通してずっと
筆者のレコーディング技術のバイブルであったし、
この雑誌がなければ筆者の今日はないと言っても
けっして過言ではない。
ミュージシャンというよりエンジニアでいたい。
電子雑音響を奏でる似非エンジニア的な。
おまえさん、コンプレッサーの使い方をサンレコから
教わったことは忘れてはいまい。

それと
1993年か4年くらいには祐天寺浩美さんの
「お部屋一刀両断」コーナーにも出させて頂いた。
そんな筆者の音楽人生においてある種特別な位置に
存在するサンレコ誌であるが、まるで恩を仇で返すが如く、
この敬遠ぶりは見事なくらいである。

本屋さんにて。
サンレコとドラムマガジンが目の前の棚にあって、
ドラムマガジンの方を取って立ち読みしてしまうほどだ。
以前では考えられぬ。
電気グルーヴが表紙の号も結局買わなかった。
今後ひょっとするとクラフトワークの表紙でインタビューも
掲載的な号が出るかもしれないがそれはそれで
これは買うかもしれないという優柔不断な態度で
臨もうと画策しているものの総じて鑑みれば
やはり敬遠してしまう系統になってしまった。

誌面は昔も今も基本路線は変わっていないはずだから
おそらく筆者の想いが現代とズレてきたのだろうか。




0 件のコメント:

コメントを投稿