2013/12/09

(No.2099): エフオピのテクノ前々夜


1977年12月 筆者、中学校3年生の冬。
受験勉強をラジオの深夜放送
オールナイトニッポンを聴きながら
励んでいた時分。
いや実際は励んでいなかった。
ラジオを聴くことが本職となって
勉強はほとんど手つかず。
確か初めて徹夜したのもこの頃だ。
受験勉強で徹夜したのではなくラジオを
聴いていたら夜が明けちゃったのだ。
朝焼けをみるため屋根に上り寒みー
と思った記憶。

オールナイトニッポンは
火曜の所ジョージ、水曜のタモリ、
木曜の自切俳人は欠かさなかった。
あそうだ、あと土曜の鶴光も。

自切俳人以外はなんかアンダーグラウンドな
タレントというかそういうイメージだった。
どちらもまだあまり有名ではなかったと記憶する。
特にタモリの赤塚不二夫とのエピソード話しが
変態過ぎて大爆笑しまくっていた。
全裸で横断歩道歩いてタクシー逃げたとか
バーのカウンターにウンコがどうしたとか。

一方、所ジョージのほうはラジオの中で
フォークギターを抱えてよく歌っていた。
ちょうどデビューアルバム
「現金(げんなま)に手を出せ」をリリースした
直後で、筆者は当然買ったのだけれど
その前に出ていたシングル
「ムーンナイトセレナーデ」も買っていて
当時実は筆者は既にシンガーソングライターとして
所ジョージのファンになっていた。

所ジョージがシンガーソングライターだ
ということは現在も世田谷ベースなどで
垣間見ることができる。しかし一般の人の
ほとんどはただのテレビ出てるタレントというか
芸人というかそういうイメージかもしれない。
筆者の場合の原体験からの印象といえば
やはり1970年代後半の深夜放送で
変な歌をかっこよく唄っていたお兄さん
というイメージなのだ。

所ジョージは曲も作るし歌も歌うということは
知っている人もいると思うが
ふざけた歌が多いので軽視されがちだ。
しかし実際、名曲は多いのだ。
特にファーストから4枚か5枚くらい1981年くらい
までのアルバムの中には秀逸曲がいくつもある。

「組曲・冬の情景」という有名曲もあるが
どれか一曲選べと問えば
筆者は敢えて「禁男の惑星」を選ぶ。
当時では珍しいシンセサイザーを使っている
曲だが、そこではなく、あの独特のメロディと
シュールな詞を推す。
今聴いても鮮烈だ。

ちなみに、フォークギターを買って
コードを覚えたのも所ジョージさんが
切掛けだった。
セカンドアルバムの「セロリパセリ」には歌詞カードに
コード譜がついていたし。
「正式の証明」、「花火」、「一流社員はエライ」は
今でも弾ける。(たぶん)


自切俳人は北山修先生だ。
1978年3月で自切俳人のオールナイトニッポンは
最終回を迎えるのだが、その時に流れた
自切俳人とヒューマンズー「世界は君のもの」は
あとの筆者の音楽嗜好に影響を与えた一曲だ。
(※)

正式レコード化される前の音源を放送していた
のだが、当然筆者は録音しており、
レコードが発売されるのを心待ちしながら
繰り返し聴いたものだった。
イントロはエーストーンと思われるリズムマシン
のパターンで始まり、ポエトリリーディングと
思わせておいて、絶叫リフレイン、
歪みギターと生ドラムの重厚さを挿入しつつ
バックは連綿とドラムマシンが刻むという
当時としてはかなり斬新な曲であり
YMO前夜の時代背景として、今思うと
なかなかのテクノ匂漂う名曲であった。


そしてこの3年後、筆者の音楽の方向は
著しく変化するのだった。




(※)
自切俳人とヒューマンズー「世界は君のもの」後日談

結局レコード発売の情報すら知らず何十年も経った。
ところがつい2年ほど前、iTunesStoreにて
「世界は君のもの」を発見し、感涙しながら購入。
33年ぶりくらいで初めてフルバージョンを聴いた。
そしてエンディングの珍妙なる構成を知り、
本当に当時にしては実験的な音楽だったのだなと
改めて感動した。



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