2014/03/25

(No.2158): エキスポ70の少年の記憶


1970年、昭和四十五年、
小学校ニ年生のエフオピ少年は
母親に連れられて
大阪万国博覧会を訪なった。

エフオピ家は母親が江戸染井王子、
父親が東蝦夷胆振国の出身なので
関西方面に親戚などいないと
思っていたのだが、何やら
琵琶湖近辺に遠い親戚がおる
というのでそれを頼っての
大阪万博見物だったと
記憶している。

小学校ニ年生なのだからさぞや
万博の想い出が数多く残されて
いるだろうと思われるかも
知れないが、悲しいかな
正直ほとんど記憶にない。

とはいえ
断片的ではあるがいくつかの
記憶はある。
「太陽の塔」の中を歩いたこと。
中は螺旋階段になっていて
階段を昇るに従って
太古の地球から現在に向かって
オブジェが展示されていた。
「太陽の塔」は目玉の
パビリオンだったので
うれしかった。






しかし
「アメリカ館」の月の石など
混み過ぎてまったく見られ
なかったこと、
「ペプシ館」の建物造形が
恰好よくてそのおもちゃを
買ってもらったこと。
本編としてはその程度の
記憶しかないのだ。


しかし実はそんなことよりも
もっと強烈で鮮烈に残って
いる記憶がある。

それは動く歩道に乗るために
並んでいた時だったか
既に動く歩道に乗っていた時
だったか定かではないが、
エフオピ少年の前に
立っていた(歩いていた)
若い女の人のミニスカートを
エフオピ少年がめくりあげて、
パンツ、ストッキング越しで
尻をぴたぴたと触っている
記憶なのだ。

当然、まったく知らない
女の人の尻だ。
それをスカートをめくって
触っているのだ。
白いスカートだったのも
覚えている。
パンツの色も白だった。

その若い女の人は気付いて
慌てて振り向きざまスカートを
直しエフオピ少年の手を弾いた。

そこまでの記憶だ。


一緒に歩いていたであろう
母親や親戚から叱られた記憶
はない。

小学二年生のエフオピ少年は
なんで知らない女の人の
スカートをめくりあげて
しかもパンツの上からとはいえ
尻を触っていたのか。
どういう経緯でそうなったのか
しかも周りには万博のお客で
大人はたくさんいたはずだ。

前後の記憶は一切ない。

従って筆者のエキスポ70
大阪万博の記憶とは
若い女の尻を触った記憶に
集約されるのである。



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