2009/04/27

(No.764): 仄かな憧れ


酒は昔から全く飲めない。
もう四十年以上も酒を飲む習慣がないものだから
一般の人たちと食事をする場合
彼らが普通に「じゃ、ビールで」という注文をする度に
嗚呼そうかフツーの人はここでビールなんだ
と思うことが侭ある。

生活の中に、全く酒を飲むという習慣が存在しない。
だから、生活の中に酒を飲むという習慣のある人と
食事をすると、そうかそうかと気付かされる。


BS-TBSの番組に「吉田類の酒場放浪記」という番組がある。
これが、意外と面白い。
筆者は上述の通り、酒が全く飲めないものだから
所謂「酒場」という場所に行くことが滅多にない。

会社の飲み会などで年に1回か2回、
会社バンドの飲みがあるくらいなもんで
へたすれば1年以上行かない事もある。

この番組の面白さは、場末の吹き溜まり的な
庶民の店における、人と食べ物と酒と会話などが
ぐるぐると渾然一体となった酒場という空間に、
酒場オタクともいえる氏の佇まいが
これまた絶妙にマッチしているという
変なマニアックさが面白いのだ。

こんな店に一人で入って、渋く日本酒なんかを飲んでみたい。
などと、まるで年端もいかないコドモのような感想を持つ。
酒が飲めないものだから、こういった酒場たる店に
一人で入ったことがない。
あと数年もすれば五十路になろうという男がである。

一種の憧れであろう。

しかし、お酒は好きではない。
気持ちが悪くなる。
体質があわないのだろう。
大衆酒場でのバカ騒ぎも嫌いだ。
一方で、それこそ久住さんの野武士のように
ずんずんと店に入って「おやぢ、酒だ」と
言ってみたいとも思う。


なんたって、ラーメンと餃子とビールっていう組み合わせに
仄かな憧れを抱くのだ。










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