2012/12/14

(No.1868): 永久欠番の理


六代目三遊亭圓生。
六代目圓生が亡くなってから33年、未だに
圓生を継ぐ者はいない。
継げないのだろうと思う。余りにも重責で。
何故なら六代目圓生の話芸を観ればわかる。
そんじょそこらにはないものだ。

落語はもとより、演劇、或いは映画
或いは音楽ライブでもいい、
観覧する集中力が不意に途切れる時がある。
没頭していたものが急に現実に引き戻される
そんな時に生じる冷やかなそして白ける心持ち。
一歩俯瞰してしまう心持ち。
客観視してしまう心持ち。
そのようなことは誰にでも経験はあるだろう。

六代目圓生の落語ではまずそれが起きない。
話に引きずり込まれる。
ぐいぐいと。
感情移入してしまうほどの引き込まれ方だ。
まったくたまげた技術だ。
そんなわけだから七代目以降は
永久欠番なんだろう。

それではお聴きください。
六代目三遊亭圓生で「八五郎出世」







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