2009/08/30

(No.868): 1982年3月23日


1982年3月23日 2:08AM
暖房がなければ寒さが身にしみる夜、
男二人を乗せた多摩ナンバーの
スズキフロンテクーペGXCFは
茨城県龍ヶ崎市を越え、国道51号線をひた走っていた。

霞ヶ浦と北浦の間。
51号を左折し、くねくねと曲がる細い生活道路を
走り抜ける。
正面に神社の鳥居の一部と社の屋根が
薄暗いヘッドライトに浮かび上がった刹那、
その道がほぼ直角に折れ曲がっていることに気付く。

急ブレーキとともに車体はぐるんと回転し
砂埃を舞い上げながらなんとか止まる。

男二人は呼吸ができないほどに大笑いを繰り返す。
あまりの笑いの凄まじさに小便をちびる。
ヨダレを垂らす。
涙でよく見えない。
危ないことに、大便すら顔をのぞかせる始末。






1982年3月23日 6:12AM
道に迷ったスズキフロンテクーペGXCFの
男二人は、民家の点在する
山と山がせり出した間の砂利道を進む。

手元の詳細住宅地図帳を見ると、この先は人家もなく
行き止まりのようである。
しかし、目的の場所はこの山を越えた先のようだ。
車を止め、車中で詳細住宅地図帳をさらに検分する二人。


しばらくすると、
後方から新聞配達の原付カブが来るのが見えた。

「この先には、人家はないようだが、まだあったのか」
「あのバイクに着いて行ってみよう」

新聞配達バイクについてゆくと
確かに、人家が一軒あった。
そこに新聞を投函するのが見える。

新聞配達員がバイクに乗る。

「もう人家はないから、戻ってくるよね」
「うんうん」

ところが、バイクはまだ先へ進んで走り出した。

「どほうー」
「うぷむー」


さらに新聞配達バイクについてゆくと
さらに先に、人家が一軒あった。
そこに新聞を投函する。

新聞配達員がバイクに乗る。


「こっちに戻ってくるんでしょ。当然。」

と、言った刹那
バイクは勢いよく先へ走り出してしまった。


男二人は呼吸ができないほどに大笑いを繰り返す。
あまりの笑いの凄まじさに小便をちびる。
ヨダレを垂らす。
涙で前がよく見えない。
大便を少し出す。








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