2013/03/25

(No.1945): ネッセチさんの銓択とバッテリーの三方


何の不具合もなくただしく絶好調である
と町内回覧板に殴り書きし、
回覧板であーると絶叫しながら
隣家の勝手口を乱暴に開け、
部屋の奥でステテコ姿で寝ころんで
鼻をほじっていたネッセチさん(59)の
禿げあがった頭頂部を目指し、
サイドスローで投げつけた回覧板はくるくると
手裏剣の如く回転しながらただしく回覧版としての
機能を今まさに執行するであろうという刹那
回覧板の尖った角っこが
ステテコ姿で寝ころんで鼻をほじっていた
ネッセチさん(59)の禿げあがった頭頂部の中心に
グジッと突き刺さり、十分にその機能を
発揮したことを確認したわたくしは
静かに隣家の勝手口を閉めたのでした。



ネッセチさん(59)によれば

そりゃ君、こういうことだよ
つまり、いいかい、君、
君の言うそのバッテリーのなんだい
その、突然に停止するという
その、そういう振る舞いというものがだね、
つまり、あー、
今、そう今
とても元気だとしてもだね、
ほんの一瞬にして停止してしまうという
そういう日常に非日常が訪れるという
つまり、そういうことなんだよ。

だからさね、
齢3年を経たというのならね
むろん、新しいものに交換すべきなんだよ
今元気だからといって
明日も元気だということはないのだからね。

いや、そういうものさね、
そうなんだよ
そういうものなんだよ。

だから君、非日常の訪れをそれを
遠のかせることが肝要なのさね。
君のその揚々とした決断を
惜しむことはないというだけのことさね。
君たる君を鼓舞するための
橋を踏む過大な三方と椎輪をね。








0 件のコメント:

コメントを投稿