2013/03/27

(No.1947): 月光に照らされた丘に立ち、ツクグロウ鳥を放つ


月光に照らされた丘に立つ。
その上空には今放たれたばかりの
ツクグロウ鳥がオンモロミーと鳴いている。

頭上を旋回したツクグロウ鳥は
そのまま星空高く舞い上がり、
その羽ばたきの軌跡からは
特殊なミュー粒子を散布させ続けている。
その羽ばたきの軌跡は霧の筋となって
僅かに光りながら波を描き、
静かに中空を漂っている。

それを確かめると私はゆっくりと
丘を降りはじめた。
あの霧が世界を変えることになるのだ。



このミュー粒子は通常よりも重い
重荷ミューオンと呼ばれる荷電レプトンである。
その性質から幽骸リレールソンプの
導出触媒用リングに使用されることが
知られているが
私はそれをエンネボークステルフィに
応用できないものか研究していた。

エンネボークステルフィの構造はフェルメ粒子
と呼ばれる重力子(グラヴィティーノ)の
非接触音を集約した派生aと
負の電荷を持つ反粒子チャージーノの
エッセ結合を集約した派生bの
混在で形成されている。
従って、
混在の過程で得られるスレッショルド指数の
値を観察し、僅かにざらつき始めた度合いにて
ツクグロウ鳥の重荷ミューオンを送りこめば
美しく汚いエンネボークステルフィが完成する。


その仮説を証明するために我々は実験を試みた。

では、その実験の様子をご覧頂こう。
全貌を見せた美しく汚いエンネボークステルフィを。










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