2011/06/24

(No.1425): 惑星停泊


artium-zoac451がヘリオス-c(地球)を旅立って
凡そ2年、途中5回の光速航行を経てまもなく
グリーゼ581系のあるエリアへ到達する。

この間、いくつかの衛星停泊地を訪れたが
どれも数日かせいぜい1週間程度の期間であり、
乗客の船外への移動はある程度制限されていた。

今回の停泊地は、
グリーゼ581の惑星「g」である。
この惑星はヘリオス-cに酷似しており、
大気も海も存在している。
グリーゼ581gでは長期間の停泊となるため
船外下船の制限はほとんどない。
つまり、惑星での滞在も可能である。

グリーゼ581gはヘリオス-cの衛星と同じく、
自転周期は公転周期と同期しているため、
恒星に対し常に同じ面を向けている。
そのため常に恒星を向いている面と
逆の面では温度差が激しい。
しかし、明るい面と暗い面の境目付近は常に
25度~30度の温度を保っている。
快適に居住できる地域が偏っているが
辺境の地(マイナス30度以下)でも
人は住んでいる。

この温暖な境界の大陸部分をヨーハと呼び、
マレッヌという中立国が管理統治している。
唯一このヨーハに大型船を繋ぎ止める
捕船レーザーシステムがあり、
宇宙港「エルルフルス」として栄えている。


一般的に、大型船は惑星の軌道上に
繋ぎ止められる形で停泊する。
光速航行はできても大気圏を航行する
機能はないためだ。
もっともその巨体すぎる体躯が障害となる。

上述の捕船レーザーシステムはこのために
必要である。
乗客の下船は、別途クルーザーのような
50~100人乗り程度の小型船で惑星へ着陸する。
このクルーザーは大気圏内外を頻繁に
往復する専用船で、光速航行はできないが、
厚い大気中の航行、降下時の耐熱、
重力から離脱するための強力な推進力が
必要である。
しかし、反重力エンジンによってこれらの
課題が随分と軽減されている。
クルーザーはその他でも日常使用が多いため
需要が高まっている船である。

また、最近ではクルーザーと共に
軌道エレベーターによる昇降もできる港も
増えつつある。
なお、エルルフルスには軌道エレベーターはない。


ヨーハ地帯は治安は問題はない。
しかし、暗い地域(オッホ・デ・マタと呼ぶ)
では危険な場所も多く、知的種以外にも非管理の
惑星固有生物も多数生息しているため
オッホ・デ・マタ地区では特区編制員の資格
がなければ活動が禁止されている。


停泊期間は72日と18時間。
(ヘリオス-c時間に換算して)

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