2011/06/16

(No.1418): 新思想譚


「ひろぱて誰かとひっと踊りん」
という誰も知らない有名なネームがある。

山上たつひこ著「喜劇新思想大系
の一コマだ。


確かこのネームは、総理大臣が演説する
カンペを作成していた役人がうきうき気分の
時に口走るセリフだった。
(総理大臣はなぜか悶々時次郎が扮しており、
その役人にはなぜか師匠が扮していた)


その巻の簡単なストーリーはこうだ。

総理大臣演説用の日本のこれから的な
真面目な内容を書いたカンペの紙が、
女性の行水を覗いた出歯亀を事情聴取した調書と
入れ替わってしまい、
国民に向けた生放送テレビ演説で総理大臣が
その調書を最後まで読んでしまうというお話し。
調書にはエロな表現が満載で、
一国の総理大臣が生放送でエロ放送禁止用語
を連発するというあり得ない状況。
最後は総理大臣と役人とか周りの取り巻き達と
殴り合いの喧嘩になり、ひっちゃかめっちゃか
滅茶苦茶になって終わる。
まさにエログロナンセンスの極意。

今の政府を見ているとこの状況と
あまり変わらない気もするが、まぁそれは
置いておくとして。


山上たつひこ著「喜劇新思想大系」は
当時中学生だった我々仲間内における
正しい思春期の過ごし方兼性教育本であり、
真の大人の世界に触れることができた貴重な
本だった。
まさに中学生にとっては新思想の体系だったのだ。

今読み返してみると、改めて思う。
この平成の御代ではこれほど素晴らしい漫画は
ないのではないだろうかと。
規制や検閲や道徳や侮辱やそういうシガラミを
一切捨て去った作品を。

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