2011/06/09

(No.1412): 五風十雨


一昨日、朝起きると小雨。
しかしそのうちに雨は上がる。
従って当然、六級改号でブロロン出動。

その日は雨のち晴れという予報だった
ものだから、もう降らないだろうと勝手に
思い込み、特に気にもせず
雨具も身に付けず普通の綿系のライジャケで
駆った。

数キロ走行したところでポツポツきた。
まぁこれくらいなら問題なし。
さらにしばらく進むがだんだんと雨脚が
強まってくる。
いいや、天気予報もあのように言うて
おったし、先ずは心配はなかろうて。
と言い聞かせてさらに進む。

速度を上げて走ると雨がバシバシと体や
ヘルメットを打つ。
信号停車時に周りを見渡すと
所謂普通の雨の日の風景になっている。
歩行者も自転車も傘をさしている。
他のライダー様達はレインスーツを
着用されて乗っている。
路面には水たまりまでできている。

いいや、天気予報もあのように言うて
おったし、先ずは心配はなかろうて。


革のグローブも雨を吸い始めて
ごわごわとした感触になってきた。
ライジャケに染み込んだ雨は両腕両肩を
ぐっしょりと濡らし、ズボンもだんだんと
ヤバい状態になってきた。このまま行けば
パンツに及ぶのもそう遠い未来ではあるまい。

吉祥寺駅のガードをくぐっている時には
街は完全に降雨モードに遷移しており
嬉しいことに指ワイパーを駆使しなければ
前も満足に見えない状況になった。
実際、「ザー」という擬音が似合う降り方。

いやいや、天気予報もあのように言うて
おったし、先ずは心配はなかろうて。

あっはっは気のせいなのさ
と思った刹那今まで何かに憑依でも
されてたのだろうかと思うくらい我に返り、
メタルブルーの空に向かって慟哭する。

何でレインスーツ着てこねぇんだおめぇッ
お侍がぁ、お侍がぁ・・
なにを言ってやんでえ、べらぼうめ、
二本差しがどうしたってぇんだ、こちとら
江戸っ子よぉ二本差しが怖くって、
田楽が食えるかってえんだッ
気の利いた鰻をみろ四本も五本もさしてらあ
そんな鰻をてめえは喰ったこたぁあるめえッ
おれも久しく喰ってねぇが斬るってんなら
どっからでも威勢よくやってくりぃッ
斬って赤くなけりゃあ銭ぁいらねえッ
西瓜野郎てんだ
さあ斬りゃあがれこの丸太ん棒ッ

と、威勢よく啖呵を切っていると
環八を過ぎたあたりから小雨になった。
が、
結局現地に到着するまで止むことはなかった。

降車すると、全身びしょびしょ。
まるでロボットの動きのように
ライジャケを脱ぐと、ライジャケから滲みでた
染料が今朝卸したばかりのユニクロの1980円の
白いシャツを醜く青黒く染めている。

よし、いい色だ。





オートバイで走ってたら
途中で雨に降られてびしょ濡れになって
服が汚れた。

一行で済む話だ。

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