2008/07/04

(No.505): 合成音声を感ずること


話としては些か古いのだろうか。
合成音声による歌唱。
MEIKO何某VOCALOID何某だとか初音ミク何某だとか
やけにリアリティのある合成音声歌唱が
話題になり注目されていたようである。

筆者の見解を端的に記すならば
ニコニコ動画などを発端としたこのようなカルチャーにおいて、
残念ながら筆者はあまり魅力を感じない。

即ち、クラフトワークにおける1970年代アンダーグラウンド
離散的ボコーデッドサウンドを前提とし、
後年のアルバム「MIX」における、ある意味、
完璧とも言えるロボットボイス歌唱を被検した我々にとっては
初音ミク何某などのリアリティのある合成音声歌唱では
どうもいまひとつ心が突き動かされない。

簡便に言うなら
合成音声歌唱にリアリティの一切は必要ない
というワードに帰結する。


人間の発声を機械が模倣している故の「醜さ」
というものをスポイルしてしまった代償は、
実は大きいのではないだろうか。

取りも直さずそれは不完全であるが故の魅力である。
単純なフォルマントを従え、ホワイトノイズと
ピンクノイズによって生み出される摩擦音。
フォルマントを歪なまでにシンセサイズした不完全な音声。
やはり、合成音声といえばこうでなくちゃ。


なお、誤解のないように付け加えるとするなら
初音ミク何某のような合成音声技術に関しては、
ありったけの敬意を払わせて頂く。
創造アヴァンギャルド愕然ノイズ電子音楽以外での利用は
社会的にも大変に有益であろうことは想像に難くないからだ。







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