■
話としては些か古いのだろうか。
合成音声による歌唱。
MEIKO何某VOCALOID何某だとか初音ミク何某だとか
やけにリアリティのある合成音声歌唱が
話題になり注目されていたようである。
筆者の見解を端的に記すならば
ニコニコ動画などを発端としたこのようなカルチャーにおいて、
残念ながら筆者はあまり魅力を感じない。
即ち、クラフトワークにおける1970年代アンダーグラウンド
離散的ボコーデッドサウンドを前提とし、
後年のアルバム「MIX」における、ある意味、
完璧とも言えるロボットボイス歌唱を被検した我々にとっては
初音ミク何某などのリアリティのある合成音声歌唱では
どうもいまひとつ心が突き動かされない。
簡便に言うなら
合成音声歌唱にリアリティの一切は必要ない
というワードに帰結する。
人間の発声を機械が模倣している故の「醜さ」
というものをスポイルしてしまった代償は、
実は大きいのではないだろうか。
取りも直さずそれは不完全であるが故の魅力である。
単純なフォルマントを従え、ホワイトノイズと
ピンクノイズによって生み出される摩擦音。
フォルマントを歪なまでにシンセサイズした不完全な音声。
やはり、合成音声といえばこうでなくちゃ。
なお、誤解のないように付け加えるとするなら
初音ミク何某のような合成音声技術に関しては、
ありったけの敬意を払わせて頂く。
創造アヴァンギャルド愕然ノイズ電子音楽以外での利用は
社会的にも大変に有益であろうことは想像に難くないからだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿