2008/07/10

(No.511): シュルとカドルのこと


シュルレアリストになりうん。

とは、
「だって黒いん(だ)しょ」や「そんでもって弁」などの
作品を残した19世紀初頭の書家、
ワイアール・ヒヨウンゼン氏の俳言である。

氏の国籍、性別、年齢、出生、環境、視界など一切が不明である。
一ついえることは、こういうことである。
蛍光塗料を体の右半分に塗布し、
塗られていない左半分は全裸。いや半裸。
七割において口角泡を持ち、しかし饒舌にして談論風発。

何処へとも誘う。
本来の。


もはやYR.氷魚雲蝉とも書く。




1985年以来なので実に23年ぶりである。
P-MODELのアルバムをCD再発で買う。
一枚は「カルカドル」、もう一枚は「スキューバ」。
スキューバの方は在庫がなかったため現在待ちの状態。

で、「カルカドル」。
このアルバムに収録されている「サイボーグ」という曲。
絶品である。



初期の平沢進氏が以降の中期とも呼べる大陸的音楽へと
遷移する過程を如実に顕した傑作であろう。
1985年前後は、後に続く平沢ソロ作品集(1989年~)の
発芽の時代と言っても過言ではなかろう。

平沢氏はテクノの創世記からの人なので
ジャパニーズテクノの祖の一人という捉え方をしている解説が多い。
もちろん異論はない。
しかし、筆者は昔から氏の創る音楽はどれもテクノ的ではない
と感じていた。
つまりテクノ音楽にありがちなサウンド自体で表現している
といことは希薄で、どちらかと言えば、
あの非常に独特なメロディ(平沢節)とそして、
何より魅力的なのは氏の歌声であろう。
特に平沢ソロになってからは、深く重ねられた響きなど
よりメロディが重視されているようだ。

平沢氏はライブでもレコーディングと同じ正確さで演奏し、
そして歌い上げる。
正しく職人であると思う。

20年以上前の軌跡を辿る。







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