2008/07/18

(No.517): 四の五の言わずにとっとと行きゃあがれすること


現在、浅田次郎著「天切り松 闇がたり」シリーズを読んでいる。
ストーリーなどはご存知の方も多いと思うが、
天切り松の粋な江戸弁口調に、なんとも吸い込まれる面白さがある。
ご存じない方は「天切り松 闇がたり」でググればよい。

なるほど、大正時代の老人は皆、幕末を生きてきた人達ばかりなのだ。
その時代では、そのような方々からリアルな御一新の話しを
聞くことができたのだなと思うと少し不思議な心持だ。
明治維新のことを御一新と呼ぶ。

そして大正の御世でさえ、未だに御一新前の風体をしている人を
旧弊と言うのだそうだ。
当時はそういう言い方が洒落で流行っていたという。
実際、よく見かけたのだろうか。

しかし、なにせ通して圧巻なのは
主人公天切り松の闇がたりで綴られる江戸弁のべらんめぇ調
の語りであり、真の江戸弁というものが
そのスタイルだけではなく、人としての心意気を表している
ということを強く感じる。
言い方は乱暴に聞こえるが、本質はその真逆である。

この時代の男は漢である。
即ち
自分を立てずに相手を立てる。
他人に優しく自分に厳しい。
義理に厚く仁義を通す。







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