2008/08/29

(No.551): 久々のTKワールドに浸ること


一向に円形ハゲに髪が生えそろう気配がないので
久々に高橋克彦氏の本を読む。

なんだって読んでない本がまだあったじゃん
買います買います買いますともさ、と
用事で会社帰りに道草した紀伊国屋書店にて
未読高橋克彦氏文庫本との邂逅を果たす。

というか、実は同じタイミングにて
浅田次郎氏のくだん「天切り松」シリーズも
買っていたのだが、「天切り松」も全巻読破したため
いよいよ満を持して読むことになったという塩梅。

筆者は高橋克彦氏の本はおそらく
「火怨」「天を衝く」「炎立つ」 以外はほとんど
読んでしまった。と思う。
上記3作品は、所謂筆者の好きな高橋SF伝奇ワールドではなく、
歴史小説という風体であるためちょっと敬遠している。
ご存知のように「炎立つ」はNHK大河ドラマにもなった作品である。

さて、その見つけた文庫本は
「白妖鬼」というタイトルであり、
もうハナっから全力で高橋SF伝奇ワールド系であることがわかる。
内容は平安時代の陰陽師と魔物との戦いの話である。

陰陽師といえば、夢枕獏氏の「陰陽師」シリーズが有名である。
映画やテレビでも作品化されている。
夢枕獏氏の陰陽師は安部晴明を主人公にしているが、
高橋克彦氏の描く陰陽師は弓削是雄を主人公にしている。
ちなみに、歴史的時間軸で考えれば、弓削是雄は847年-没年不詳
対して安部晴明は921年-1005年であり、同時代の人物とは
ぎりぎり異なりそうである。
安部晴明が生まれた年に弓削是雄は既に74歳である。

高橋克彦氏の弓削是雄シリーズは講談社刊短編集「鬼」をはじめ
角川文庫「長人鬼」などがある。
「白妖鬼」はどうやら、「鬼」の次に出された本のようである。
なお、「鬼」の中の一編には70歳になった安部晴明が主人公になっている
お話も収録されている。

高橋克彦氏が数多いる陰陽師の中でも弓削是雄を選んだのには
理由があるのではないかと思う。
もともと弓削氏は物部一族の子孫の一系統である。
ご存知の通り物部氏は天皇家よりも前に日本を統治したとされる
ニギハヤヒノミコトを祖先とした一族である。
要するに国津神である。
で、後に天皇家と対立し今の東北地方へ落ち延びてゆく。


なるほど、ここまでくればいつもの高橋ワールド炸裂である。
御意。







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