2008/09/03

(No.555): 駐屯地内・喫茶○○○で働いたこと


某陸上自衛隊駐屯地内・喫茶○○○。
筆者が後にも先にも唯一飲食系のアルバイトで
給仕として携わったお店である。
大学1年の時だから、1981年の夏である。


某陸上自衛隊の駐屯地敷地内に存する。
喫茶店なのだが、飲み物以外に昼、夜問わず定食も出す。
アルコールはなかったと思う。

当然、お客さんは全て自衛官である。
その自衛官、昼と夜で客層が全く異なるのが面白い。
即ち、昼は金糸も映える階級章を軍服の胸や肩に
沢山貼り付けたお偉いさんの方々。年齢はおっさんばかり。
それと、女性自衛官。

一転して夜は、太もものような上腕二頭筋を持つ
若い男性自衛官ばかり。
しかも、夜は勤務時間外らしく、ランニングやTシャツだけなので
その体躯がより一層際立って見える。

ちょうど、テレビゲーム(インベーダー)が流行っている頃で
ゲーム画面が備わっている喫茶店用アーケードゲームテーブルも
数台配備されていた。
若い自衛官は、百円玉を積み上げてもくもくとやっていた。


喫茶○○○は料理などを調理するおやじさんと
その奥さんで切り盛りしていた。
筆者は昼時の3時間程度と夜の3時間ほどの出勤だった。

ここのおやじさんは、元渡世人だったという。
渡世人といえば響きはいいが、所謂やくざである。
今は堅気になっているが、肩口まで黒々とした刺青を
しょっているのを一回だけ見かけたことがあった。

おやじさんは50歳を少し越えたあたりだろうか、
筆者よりも背が低く小太りであったが、
怒ると恐そうなイカツイ顔であった。
が、一度も叱られたこともなく、いつも穏やかで
背中にモンモンをしょっているなどとは到底思えない人だった。
奥さんからウチの人は酷かったんだよと昔話を聞かされた。
懲役に落ちたことも一度や二度ではないらしい。
どのような経緯で、陸上自衛隊駐屯地内にお店を構えたのか。
それは知らない。


そのおやじさんの作る、夏ナスのひき肉はさみ揚げ。
未だに覚えている。
醤油をかけて、白米とともにあつあつを食べる。
美味過ぎる。
まかない食は、お客さんに出す普通の定食だった。
好きなものを注文できた。

夏ナスのひき肉はさみ揚げ。お願いします。


この年の8月初旬、友人3人と与論島へ行った。
貝でできたつる下げ式のインテリア飾りを買って
喫茶○○○へのお土産とした。

そのお土産を渡したら、おやじさんがものすごく顔をほころばせて
ありがとう、ありがとう、と喜んでいたのを覚えている。







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