2008/10/08

(No.588): 目吉センセーファンの噺


高橋克彦氏の新刊が出たというので
本屋に寄ってみる。
「ドールズ」の最新シリーズだという。

この「ドールズ」であるが、これもまた
最高傑作の部類に入るであろう小説である。

「ドールズ」
「ドールズ 闇から覗く顔」
「ドールズ 闇から招く声」
の3巻が発刊されているが、今月になって
「ドールズ 月下天使」という新作がお目見えした。

解説を読むと、これまた大層面白そうであるが
ハードカバーの2000円本なので、
しばらく待って文庫化してから買おうと思う。
ファンなら新刊を買えって話もあるが
ハードカバーだと通勤に持って歩くのも大変だし
電車でも読み難い、ましてやしまう本棚もない。

さて、この「ドールズ」であるが、
1巻の「ドールズ」は、どちらかというとホラーに近い。
7歳の少女(怜ちゃん)にある男の霊が
蘇るというストーリー。
と、書くとよくある「憑物」のホラーだと
思われるかもしれないが、もう、そんじょそこらにある
そんなお話しとは次元が違う。

とにかく、少女に蘇ったこの「男」が大層格好宜しい。
粋でいなせな江戸っ子だ。
なんせ江戸後期に活躍した天才人形師
「回向院の泉目吉」なのである。

2巻、3巻は、この少女・怜ちゃんと
その中に宿る目吉センセーと怜ちゃんの叔父・恒一郎が
探偵宜しく、奇怪な難事件を解決してゆくお話し。

1巻がホラー調だったにもかかわらず
ものの見事に痛快ヒーローものに昇華したという
数少ない成功例であろう。
とにかく目吉センセーがいなせでかっこいい。








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