2009/12/16

(No.975): 時間の規範


「直径10km、長さ100km、太陽と同じ質量の円筒」を
1秒間に2500回転させればタイムマシンになる。

テュレーン大学、数理物理学者
フランク・ジェニングス・ティプラー三世の論である。

氏の説によれば、この理論(難解過ぎて解読不能だった)
では未来にも過去にも時間遷移できるのだそうだ。
ちなみに、あまり知られていないが
未来にのみ行くタイムマシンというのは、
論理的にも物理的にも実証されていることである。
だから、過去へも行けるということ自体が
まさに航時機そのものであり、
本来のタイムマシンと呼ぶべきものなのだろう。
ただし、その装置が完成した時点よりも過去には
行くことは出来ないという。

だいたい、
「直径10km、長さ100km、太陽と同じ質量の円筒」
なんてものは、先ず作ることが出来ない。
直径10kmとか長さ100kmというのは
宇宙空間に置けば、まぁどうにかなりそうだが
「太陽と同じ質量」というのがどだい不可能だ。

直径10km、長さ100kmといってもそんな大きさに
太陽と同じ質量となると、どれだけ高密度な物質で
なければならないのか。
まるで、ブラックホールのようだ。
ゴルフボールを太陽の何万倍もの質量にすれば
即ブラックホールと化す。

百歩譲って、仮に、高密度な物質で作ったとしよう。

そんな化け物みたいな円筒を
どうやって1秒間に2500回転もさせようというのだ。
1秒間に2500ということは2.5KHzということだ。
電磁波に置き換えるとかなり低い周波数だが
モノを動かす場合は大変な高速である。

回転させる動力は何だ。
どうやればいいのだ。
手で回すか。いっそ。

無理だ。無理。

で、肝心の件。タ、タイムマシンって、
その円筒がぐるんぐるん回ってるだけで、
どうやって時間を航行できるというのだろう。
筆者のような凡人にはさっぱり理解できない。

しかも、この人の論理はこれだけではなく
科学と哲学、果ては神学にまで波及する
ものすごい展開の理論がある。
それはまた後日。


補足。
未来のみに行くタイムマシンとは
相対性理論の実証のことである。
つまり、光の速度は一定という物理法則より
移動しているモノの時間の方が
静止しているモノの時間よりも
ゆっくりと進むという事実からである。
所謂ウラシマ効果と呼ばれる現象だ。

即ち、
ロケットで地球を飛び立ち、光速に近い速度で
数時間飛行し、そして地球に戻ってくると、
地球の時間は数年~数十年も経っていた。
というものだ。









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