2011/05/09

(No.1386): 圓生感吟


最近、youtubeで落語を視聴している。
六代目 三遊亭圓生である。
見知っていたわけではなく
たまたま見た動画が三遊亭圓生だった。
次からは「三遊亭圓生」で検索してから
新しい演目を探して観ているほど
惹かれてしまっている。
1979年没。
動画は晩年のものが多い。


三遊亭圓生 居残り佐平次
http://youtu.be/KIRA4IZoers


この人の話芸に全てが惹き込まれる。
たかだかyoutubeの動画で
これほどの求心力、魅力があるのだから、
生でこの人の寄席を見た日にゃ
どうにかなっちまっただろう。
実は大阪出身だけあって演目中の
大阪弁の達者なこと。
そして、普段の生活は江戸弁で
過ごしていただけあり
その流れるような粋な江戸言葉に
瞬く間に魅了される。
顔の表情と声色、声質、声調が、
佇まい、仕草、体つきですら
演じる者によって豹変する。
若い女、年増、兄さん、旦那、
小僧、爺さん、それぞれがそこに居る。

噺の枕のときに、お茶を飲む。
その仕草も粋だ。


20年ほど前、それと数年前に
寄席で落語を見たことがある。
名うてと呼ばれているわけではない
噺家でさえ、生で聴くその話芸によって
惹き込まれてしまう。
もちろん噺家は壇上に一人なのに
演じている登場人物の数だけ
そこにちゃんと存在しているのだ。

だから六代目 三遊亭圓生を
生で聴いたとしたらその衝撃は如何ばかりか。
筆者が寄席へ行くような
粋な高校生であったなら、
と心底後悔している。
人の心を揺さぶるような
真の話芸を演じることが出来る噺家は
今は果たしているのだろうか。


なお、wikipediaによると
なかなか癖のある人物で
敵も多かったらしい。
そういう軋轢があってこその
芸という見方もあろう。

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