2011/07/12

(No.1442): 区画重力


zoac社(ゾア社)の標榜している所謂
「一万年動力」はまだ確立されていない。

それに先んじてConus社(コーヌス社)では
推進装置ではないものの、重力制御で用いられる
動力源について、資源の補給なしで約5000年間
稼働するという半永久動力を開発した。
ただし、その性能を獲得するためには
極めて特殊な物質が二つ必要となる。

一つは、オーポリボ(oapullibo)という特殊な
楔型塩基を持つ亜種タンパク質の一種である。
このタンパク質はヘリオス-cの所属する太陽系
では発見されていない。
現在、オーポリボの確認されている惑星は
てんびん座グリーゼ581系の惑星gである。
この惑星のオッホ・デ・マタ地域に生息している
ギギネブラと呼ばれる飛竜種の皮膚から採取できる。


もう一つは、デプスライトと呼ばれる鉱石である。
こちらもヘリオス-cにはなく、みなみのうお座に
あるフォーマルハウト系の惑星dに存在が
確認されている。
他にも近隣の惑星c、惑星bにも存在していると
推測されるが、これらの惑星は極めて過酷な
環境のため、採取には至っていない。


Conus社は、これら二つの物質をブルーノア用の
反重力エンジンのコア部に組織合成することで
クリソイド派生を発生させることに成功した。
これにより、動力循環を構成できるので
排資源となった分子群をクリソイド派生により
ジェネレータへ再び投入することが可能である。
分子群を徹底して損失管理することによって
五千年以上の稼働もできる。

また上述の副産物として、従来の重力制御で
不可能だった立地分割型制御が可能となった。
これは対象立地を最大で128に分割でき、
その区画ごとに細かい重力制御を行うことが
できる仕組みのことである。

Conus社製 AL-15H1では区画内はさらに16の
サブセルに分かれており、1サブセルの
基本サイズは1.5m×1.5mとなっている。


なお、上述の物質は非常に貴重であるため
採取、運搬、保管については
ヘリオス系公式政府管理下に置かれ、
秩序ある利用が求められている。
またConus社は上記2物質の組織合成の特許を
保有している。
しかし、
ンベドゥ、或いはサフォンクリーク等の闇市場では
不法に高値で取引されているという。

0 件のコメント:

コメントを投稿